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2021-08-11

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 ⑨

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、中国向け新作絵本〈第3弾〉制作過程、日頃の出来事、スタジオジブリ・長編アニメーション映画「もののけ姫」放送、までをまとめました。(大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」制作過程と、既にまとめた長文を除いています。)
 「大垣祭り・天井画」と「新作絵本」制作も、いよいよ、気持ちが乗って参りました。この後も、乞うご期待~❣

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁

                  ★


2021年7月19日

 本当に危なかった! 
 今日、柏駅周辺のエスカレーター(上り)で、私の直前に乗っていたお年寄りがよろめき、後ろに倒れかけたので、私が後ろから全身で支えて、事なきを得ました・・・。もし私がいなければ、お年寄りは命に関わる大怪我をされた事は確実でした。後から考えても、ゾッとします〰。
 私は日頃、常に周囲に気を配っているので、お年寄りの足元がよろめき始めた兆候を即座に察知し、すぐに体で支えました。これがもし、”ながらスマホ”でもして(私は携帯電話を持っていませんが)、ボーッとしていたら、お年寄りはもちろん、私自身も巻き添えとなりエスカレーターから転落していた事でしょう。改めて、いつも生活している身近な所に、大きな危険が潜んでいる事に気づかされました。今回は運良く私が背後にいたので、大事に至る事もなくて良かったのですが、あの覚束ない足取りのご老人の、今後のご運を祈らずにはいられません・・・。

 何時いかなる時も、お年寄りや、小さなお子さんが、路上等で危険な目や困難にあっていたら、若い人々は手を貸してあげなければならないのです。情けは人の為ならず・・・。いつ自分が他人に助けられるやも知れません。近年、近所で挨拶をしても、全く無反応な若者から年配者までが増えました。人の世は助け合いの世です。人は一人では生きていけない動物なのです。周囲の人々にも、最低限の気遣いができる、心のゆとりを忘れたくないものです~。
 私は画家という職業上、常々、周りの様子を観察する事が習慣になっているのですが、そうでなくても、周囲の状況を把握して身を守るという行動は、動物的にも大切な事なのです。近年、”ながらスマホ”の事故が多発していますが、人が動物的本能を忘れてしまわないよう、注意しないといけませんね~。


7月20日

 現在、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第1場面」”彩色”の最終段階に入っています。かなり細部の描写を進め、あと一息で「第1場面」右側も完成となります。 (^・^)y
 私には珍しく、現代の風景を描いています。主人公達が実に楽しそうに躍動しています。適度なリアルさと、日本画的・絵本的省略画法が融合して、丁度良い感じです。
 いよいよ作画が楽しくなってきました~💛 この調子で、「大垣祭り・布袋軕 天井画」と合わせて、果敢に描き進めましょう。


7月21日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第1場面」”彩色”が、完成しました。新しい試みが満載なので、なかなか手こずりましたが、良い感じに描けました。場面の状況が、良く読者に伝わると思います。
 最終的に、全場面を合わせて、少しの手直しをするかも知れませんが、まずは、これで「第1場面」は完了です~。
 次は、描きかけの「第2場面」。そして続く「第3場面」を描き始めましょう~。 ('ω')ノ


7月28日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の、「第3場面」”下図”に取り掛かりました。
 ここから、この物語は、一気に、大きく進展します!! 美しく幻想的な時代絵巻が、次々と展開されていくのです~。いよいよ面白くなってきましたよ〰。とっても、楽しみだね~~~💛 (^。^)y


7月31日

 先ほど、Facebookに「前澤友作 Yusaku Maezawa」を名のる人物から友達申請が来たので、一度、友達承認したら、メッセージに、100万円がもらえる等という文面とURLが貼り付けられて来ました。とても怪しいので、友達承認を取り消し、メッセージを削除しました。
 FacebookやTwitterで同様の詐欺が横行しているらしいので、注意が必要ですよ~。働きもせず、努力や苦労もせずに、お金だけを得たいという安直な考え・・・、100万円という巨額を安易にもてあそぶ情報・・・、この内容が本当でも嘘でも、いずれにしても、なんとも情けない、ご時世ですね~~。( ;∀;)

                *

「タイ王国 北部・ラオス北部 写生旅行」(2011年4月~5月)での、タイ・チェンマイ・トレッキングの前日、古いトレッキングシューズの片方のゴム底がはがれました。タイには靴修理の露天商がおり、はがれたゴム底を糸でぬって直してもらいました。しかし、次の日から3日間のトレッキングの途中で、もう片方の靴底がはがれてしまいました。そこで仕方なく、トレッキング終了後、タイの小さな百貨店で、安い運動靴を購入しました。
 ・・・・その靴を10年ばかり、現在まで大切に使用してきましたが、とうとう今日、散歩の途中で、靴底が崩壊しました~。( ;∀;) 誠に汚い物ですが、私にとっては大切な思い出の品なので、記念に撮影~!! 
 私は貧乏性なのか(実際に貧乏画家ですが)、物を大切にする性分なのか、物持ちが非常に良いのです。中学・高校・大学時代の画材や小物、父・兄のお下がりの服 等を、未だに使っているケースがあります。かつては、「せこい」「みみっちい」等と否定されがちでしたが、今の時代、「もったいない精神」が尊ばれるので、ようやく私の精神も、時代に合って来ましたね~。 (^。^)y

タイの靴
 とうとう、お釈迦になった、タイの思い出の運動靴

タイの靴
 とうとう、お釈迦になった、タイの思い出の運動靴


8月11日

スタジオジブリ・長編アニメーション映画 「もののけ姫」 
 2021年8月13日 夜9時~11時44分、日本テレビ・金曜ロードショーにて放送!!


 「もののけ姫」の世界観や、ヤックル等の登場人物・動物の原点であると言われている、宮崎 駿さんの絵物語「シュナの旅」(徳間書店)。
 その「シュナの旅」の更に原話となったのは、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)に描かれた、チベット民話「犬になった王子」なのです。('ω')ノ

(※「もののけ姫」の他にも、スタジオジブリ長編アニメーション映画 「風の谷のナウシカ」 「天空の城ラピュタ」の壮大な世界観や、登場する人物・動物(ヤックル等)描写は、「シュナの旅」~「犬になった王子」が原点になっていると言われています。また、ジブリアニメ「ゲド戦記」の原案は、まさに「シュナの旅」なのです。)


●金曜ロードシネマクラブ 「もののけ姫」
https://kinro.ntv.co.jp/lineup/20210813

○後藤仁公式サイト 「後藤 仁(GOTO JIN)のアトリエ」 ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://gotojin.web.fc2.com/book02.html
○Amazon アマゾン ─ 絵本 『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/

絵本『犬になった王子 チベットの民話』表紙 小
 絵本『犬になった王子 チベットの民話』 (岩波書店) 表紙


テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-08-08

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その4〉、小下図/大下図

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、小下図大下図・途中経過の工程をまとめています。)

                 *

2021年7月26日(月)、本日から「天井画」『龍図』”小下図(こしたず)制作” に取り掛かりました。
 縮小サイズの紙面で、イメージを固めていきます。とても勇ましくて、かっこいい龍になりそうですよ~❣❣


7月27日(火)、本日、「天井画」”小下図(こしたず)” が完成しました。ここの所、集中力が増してきたので、イメージが新鮮なうちに、2日間で一気に仕上げました。
 私の場合、「小下図」は、大抵、鉛筆だけか、鉛筆色鉛筆で描きます。これで、おおよその完成像が把握できるのです。
 画題をひとまず、『黒龍・踊り子図』としました(最終的に変更の可能性あり)。黒龍の力強さと、踊り子の優美さが融合した、伝統と革新~日本様式と中国様式を合わせ持つ、私らしくてオリジナリティあふれる龍図になるかと思います。
 この後、1か月間以内を目途に、原寸大の「大下図(おおしたず)」を作画していきます。ますます気合が乗ってきています〰 ❣❣

大垣祭り、天井画制作・小下図
大垣祭り、天井画「小下図」 後藤 仁

                 *

8月3日(火)、本日、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” に取り掛かりました。私の場合、「大下図」は、新鳥の子紙(和紙風の洋紙)に鉛筆で輪郭線のみを描きます。
 まずは、定規とコンパスで補助線を引きます。大きなコンパスがアトリエに無いので、段ボールで巨大コンパスを即席手作り。絵画の場合は、これくらいアバウトな方が、適度な自然の”揺らぎ”を醸し出すので、かえって良いのです。
 今日は拙ブログの文章作成に時間が取られてしまい、あまり制作が進みませんでしたが、明日以降も、どんどん作画してまいります~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
定規で補助線を引く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
手製の巨大コンパスで円を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
手製の巨大コンパスで円を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
補助線、完成!!



8月4日(水)、本日、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 小下図やスケッチ・資料画像を基に、鉛筆で、おおよその当たりを付けていき、メインの部分(今回は龍の顔)から徐々に描き起こしていきます。絵画の場合は、端から部分的に描くのではなくて(最近、超リアル画 等と称して、写真を元に端から部分描写をしていくような、絵描き動画をよく観ますが・・・)、霧の中から像が浮かび出てくるように、画面全体のバランスを取りながら全体的に描き進めるのが、良いデッサンとされていますよ~。('ω')ノ
 本日は、の顔のイメージがおおよそ完成してきました。明日以降、更に各部分をつめていきたいと思います~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程① 龍を描き進める。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程②

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程③

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程④

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑤ 周囲の「踊り子」の当たりを取る。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑤ 〈アップ〉 龍の顔の辺りを中心に描き進める。この後も、まだまだ、続きます!!



8月6日(金)、本日も、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 の鱗の構造が複雑で、描くのがとても難しく、今日はここで力尽きました~。 (@_@)
 明日以降、鱗を仕上げて、全体的に、更に描き込んでいきます。乞うご期待~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑥ 龍の各部を描き進める。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑦ 龍の鱗を描き進める。次回へ、まだまだ続きますよ~!!


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-08-03

オリ・パラ差別問題/芸術・美術・絵画・日本画~人生全般への考察、後藤 仁

 最近また、想う所が多くあり、フェイスブックの書き込みを何度か改正する毎に、思いのほか長文になりましたので、ここに2編をまとめました。いつもの繰り返しになる話も多いですが、芸術・美術・絵画・日本画~人生全般に対する幅広い考察等を、私の経歴・画歴を通して語っています。
 
 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁


               *

2021年7月21日

 最近また、オリンピック・パラリンピックに関連して、クリエイター(音楽家・画家 等)の差別意識・行動・発言が問題となっています。
 例えば、洋画家のカラバッジョは殺人まで犯した強烈な個性を持った画家ですが、その芸術作品の素晴らしさは、その作家の善悪によって変わる事はありません。・・・ただ、より公的な意味合いの創作時や、子ども達に向けた作品(絵本 等)の創作家等は、より一層、”差別”や”偏見”には留意せねばなりません。そのような強いマイナス思想を持った人物による作品には、やはり何かしら良く無い要素が表出される可能性があるのです。また、そのような、ある種の造形センス・技量に疑問が残る作家を、世の中の人々が手放しに歓迎し、売れっ子にしてしまっている現在の社会傾向にも、私は大きな疑問を持っています。
 ある程度は深く研ぎ澄まされた”思想・感性”を元に、長年の苦心の末に鍛錬された”技術”によって創作された、本当に良い作品を、人々が愛でる事を願います。もちろん、技量や思考が偏狭な作家でも創作する資格自体はあるのですが、世の中の多くの人々が、本質を見ずに、メディア・専門家等の表面的な評価だけで、特定の作家を持ち上げ過ぎる事には注意しないといけないと思うのです。そのような作家の本が、たとえ何十万部売れようとも、決して世の中や文化界が良くなるとは思えません。~~~

 私の子供時代(幼稚園~小学生頃)は、かなりの、わんぱく小僧でした。小学校1年生の或る日、あまり深く考えもしないで、その場の流れにまかせて、10人位で、或る一人の子を、言葉と軽い暴力で攻撃した経験があります。私は単刀直入な性格だったので、それ以上に陰湿な行為等はしていませんが・・・。その後、その事が発覚し、担任の先生に厳しく𠮟られ、廊下に立たされました(今では、これも体罰になりますね。難しい・・・)。そして、その行為がいけない事だと、ようやく気が付きました。その時、私を𠮟ってくれた、厳しくて怖かった女性教師には、今、感謝しています。その後も小学校4年生位までの間、私のわんぱく行動は続きましたが、人を傷つけない類の、たわいもない無茶な遊びばかりで(忍者ごっこと称して、山野や溜池や巨大な雨水管内を探検したり、ビルの高層階の塀の外にぶらさがったり、といった肝試し的な)、その小学校1年生の時以上に、他者を攻撃した記憶はありません(中学生の頃には、家庭内での反抗期はありましたが・・・)。どちらかと言うと、弱きを助け強きを挫く、地域の小グループのガキ大将的な存在でした。
 中学・高校生の頃になると、私は画業・運動他、行動面においては すこぶる活動的でしたが、対人面だけは比較的、内向的な性格になりました。私は当時から、基本的に協調性に欠け(今でも、その要素は濃厚です)、足が速過ぎたり、勉強が出来過ぎたり、絵が上手過ぎたりしたので、他人から何度となく、差別的に扱われたり、完全無視という”いじめ”を受けたりする機会が増えました。その時分に思い出したのは、かつて自分も小さい頃に、何の非も無い一人の子をいじめた苦い経験です。私は未だにその時の事を思い出すと、幼いとは言え、何てバカな事をしてしまったのだろうかと深く後悔し、一生その人に会う機会はなかろうが、あの時の自分の行為を、心底、謝りたい気持ちでいるのです。
 そんな訳で今でも、組織内で何かしらの いざこざが起こっても、私はやり返す事等はせずに、ぐっとこらえて、自ら身を引いて事を納める術を覚えたのです。また、強い立場・権力者には意見・抗議をすれど、社会的弱者にはなるべく強くは言わないように心掛けています(私は聖人君子では無いので、今でも、いつでも間違い事ばかり起こしていますが)。

 因果応報~~。人は一度行ってしまった行為は、一生、十字架のように背負い続けねばならなくなるのです。相手の立場に立って、他者の気持ちを思いやる~仁愛・慈悲心というものを、人は常に忘れてはいけないのです。それ故、できうる限り、悪い行動は慎み、他者に、より寛容に、優しく接する努力をし続けなければならないのです・・・。私は小学1年の時に犯した過ちを一生詫び続けながらも、逆に中学・高校・大学・大人で受けた差別・偏見は極力許していきたいと考えています。そして、その経験や思いを元に、より良い作品を通して、後世の・次世代の人々に語り継いでいきたいと願っているのです。


               *

8月1日

 私は”美術”に関しては、とても早熟であった。幼少期には、いつも、広告の裏等に自由気ままに絵を描いていた。幼稚園のお絵描きの時間には、誰よりも好んで絵を描いた。小学生の頃には、「マンガ」と称して、オリジナルのマンガらしきものを、たくさん描いた。特に「忍者マンガ」をよく描いた。学校の休み時間はほとんど、この作画に費やされた。
 また小学校~中学校では、学校から選抜されて、何度も「絵画コンクール」に絵(水彩画)を出品していただいた。中学校3年生~高校1年生(私は留年により、高校1年生を2回経験している)には、自ら「絵画・イラスト公募展」を探してきて、家で描いた絵(水彩画・アクリル画)を出品した。この小中高校の子供時代に、岡本太郎が審査委員長をつとめる絵画コンクールで佳作受賞する他、大阪府知事賞・最優秀賞・銀賞の受賞 等、各種絵画公募展での入選・受賞は14回に及んだ。
 話は前後するが、中学校2年生の頃には、将来、画家イラストレーターになりたいと思うようになった。中学校3年生になると、東山魁夷先生・平山郁夫先生・前田常作先生 等の日本画家や洋画家を知るようになり、将来は、イラストレーターよりも、より深みのある”画家”になる事を目指すようになった。そこで、美術高校の大阪市立工芸高等学校・美術科に進学した。工芸高校では、油絵・デザイン・彫刻・製図・デッサン・総合芸術 等と共に、日本画を学び、高校2年生で”日本画”を専攻した。それ以降、美術予備校(立川美術学院・日本画科/村上 隆 氏らに教わる)・美術大学(東京藝術大学・美術学部 絵画科 日本画専攻/後藤純男先生に師事)・その後、日本画家へと、”日本画”の道を歩む事となった。私の画家としての歩みは、常に早熟であった・・・。

小学生の頃のマンガ帳
「マンガ帳」 小学生~中学生
小学校中学年位から中学校1年生頃にかけて、このようなオリジナル・マンガを膨大に描いており、これは、その中のほんの一部です。

水彩画ポスター「緑を守る一人一人の心と手」中学3年生1983年
水彩画ポスター 「緑を守る一人一人の心と手」 中学3年生 1983年 
「第1回 全国都市緑化フェア 図画・ポスターコンクール」 大阪府知事賞(最高賞)

アクリル画「大自然・・・私の夢」高校1年生1984年
アクリル画 「大自然・・・私の夢」 高校1年生 1984年
「旺文社主催 第28回 全国学芸科学コンクール」 銀賞(旺文社賞)

日本画「枯木孔雀図(マクジャク)」高校2年生1986年
日本画(学校課題) 「枯木孔雀図(マクジャク)」 高校2年生 1986年


 中学校3年生~高校1年生までの3年間程、自ら進んで、「絵画・イラスト公募展」に絵を出品していたが、段々、違和感を感じるケースが増えた。イラストコンクールでは、自身の絵が絵画的過ぎ、逆に、絵画コンクールでは、自身の絵がイラスト的過ぎるのだ~。私は幼少期から、好きで絵を描いてきたので、独自にマンガやイラストや絵画・工芸を吸収して、自分オリジナルの世界を創り上げてきた。自分だけの世界、・・・そこに醍醐味を感じていた。その結果、どこの絵画範疇・領域にも的確には収まらない、絵になっていたのだ。
 留年後の2回目の高校1年生の途中、そんな違和感に少々悩んだ結果、今はとりあえず、美術高校の既定の課題に絞り込んで学習しようと決めた。それ以降、当面、自ら絵画・イラスト公募展には出品しなくなった。学校では既定の描き方におおよそ倣って、渋めの日本画や油絵を描いた。美術科での成績は、飛び抜けて高く評価された。その当時の私の絵は、大阪の高校生のレベルでは、群を抜いて上手かったらしい。それでも、私の中での違和感は続いた・・・。
 大阪・京都周辺(関西画壇)の美術大学レベルに満足できなくなった私は、東京に単身上京し、美術予備校(立川美術学院・日本画科)を経て、東京藝術大学・日本画専攻に入学した。周囲の学生達の多くは、当時の日本画界の流行に倣い、院展風・創画風の絵を描いたり、その頃、流行り出した現代アートに傾倒し、前衛的な絵やインスタレーションを試みる者も少数いた。私はいずれの傾向にも違和感を感じ、多少は現代日本画の要素を取り入れつつも、相変わらず、自分独自の絵画描法を続けた。私は絵の具で絵を描く事自体が好きなので、とりわけ、現代アート的なパフォーマンスやインスタレーション等には全く関心がなかった。
 長年、追求し続けた、私独自の絵画表現は、多分、オリジナル過ぎて、どこの絵画範疇・領域にも当てはまらないものになっていたのだろう。子供時代にはそれでも、飛び抜けて高い描写能力故か、絵画・イラストコンクールでの入選・受賞が相次いだが、ようやく学習期の終盤に差し掛かり、大学の卒業近くから、再び絵画公募展に出品してみると、なかなか評価されにくい状況である事に気付いた。大人の「絵画公募展・団体展」には、それぞれに如実に作画傾向・作風の限定化があり、人脈・派閥・肩書 等の色眼鏡があり、子供の時のように、天真爛漫に型にはまらずに描いても、なかなか高評価されにくいのだ。
 そんな訳で大学以降は、日本画公募展で何度か入選したり、中小規模の展覧会・グループ展で何度か賞をいただいた位で、私の絵が全国的に大きな評価を得る事は少なくなった。それでも不思議と、中島千波先生が審査員を務める全国規模の日本画公募展では、度々、入選を果たした。多分、中島千波先生は、ご自身も院展内で、「作風が院展らしくない」と、上層部から不評だったらしいので、他人の作風にも型をはめずに、比較的純粋に良し悪しで観ているのではないかと、私は思った。

 私の絵を日本画家・洋画家が見ると、「イラスト的だ」と思い、絵本作家・イラストレーターが見ると、「絵画的だ」と思うらしい。絵画評論家・画家の中には、「純粋芸術ではなくて、職人技的だ」と否定的に言う人もいる。多分、職人に聞くと、「これは、どの様式にも適合していないから、芸術なんだろう」と言うであろう。「アニメーション・マンガの影響を受けている」との感想をもらす人も多い。つまりは、独自に深化した私の絵は、いつしか、どこのジャンルにも当てはまらない、独自の絵画表現に達していたようだ。
 私の絵は、一見、奇をてらっている訳でもなく、普通の絵のようでありながら、実は、どこにもぴったり当てはまらない、オリジナル性の高い絵なのである。それ故、どこのジャンルでも完全には理解されず、高評価もされにくい。大学卒業後5年目位以降は、日本画公募展への出品もやめた。公募展・団体展への興味が完全に失せた。ただ、自身の絵が、なかなか他者に理解・評価されにくい事に関しては、大学卒業以降、10年以上は苦しめられ、深く悩みもした・・・。
 そのような経緯で、私は団体展作家ではなく、個展・グループ展で作品発表をするという、独立独歩で歩む画家の道を模索した。今から十数年前に福音館書店のお誘いで、絵本原画を手掛け始めたのをきっかけに、絵画的視野が広がり、少しは、この懊悩から解放されつつあった・・・。
 ところで妙な事に、日本画金唐革紙(手製高級壁紙/大学3年生以降、12年程、製作にたずさわる)~絵本と、日本画を基軸にしつつも、幾つかの表現媒体を探究したおかげか、新聞・雑誌・専門誌・テレビ・ネット等のメディア関係にも度々取り上げられ、現代日本画家の中では、私の全国的な知名度だけは高位置にあるようだ~? 今、少しずつ衰退しつつある、旧態依然とした日本画壇に固執する事なく、苦心しながらも新たな境地を模索し続ける私の創造的姿勢は、決して間違いではなかったのだろう。ようやく時代が、わずかながら、私に追い付いてきたようだ・・・。

「デオ・マイジュ〔小さな女神〕(ネパール)」F12号
日本画 「デオ・マイジュ〔小さな女神〕(ネパール)」(F12号) 2010年

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表
絵本 『ながいかみのむすめ チャンファメイ』 (福音館書店こどものとも) 2013年


 そして、ここ5年余りは、その”個性・独自性・独創性”こそ、絵画芸術にとって最も大切な要素ではないかと思い直すようになった。もちろんプロであるからには、超高度な技術力と思想・知識の裏付けは必須である。しかし、それ以上に、他者の評価等を当てにはせず、自分が描きたい絵を描きたいように描くという、子供の頃のような自由な創作姿勢が最も重要なのだと悟った。その”個性・独自性・独創性”こそ、芸術における最も不可欠な命脈であり、真実なのだと・・・。
 たとえ世間・専門家に評価されずとも、バカ売れしなくとも、少数でも、たとえ一人でも、心底、私の絵を好いてくれる人がいるのなら、それで良い。一人の人が、生きていて良かったと感じてもらえる絵を描けるのなら、それで良い。私は生涯、誠心誠意、心を込めて、絵を描き続けよう~。


テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-25

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その3〉、エスキース/ドーサ引き

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、エスキースドーサ引きの工程をまとめています。)


2021年7月12日(月)
 実際に杉板が届くまでは画面の状態を把握できないので、これまでは、ぼちぼちと絵のイメージ作りをしてきました。先日、いよいよ杉板が届きましたので、イメージも一気に固まってきました。
 今日から「小下図(縮小サイズの下図)」の制作に入り、1~2週間ほどかけて、じっくりと練り込んでいこうと思います。近年は絵本原画の小さな画面に向かう事が多いので、久しぶりの大きめの画面に、腕が鳴りますね~!! 良い案がどんどん浮かんでおりますよ~。 !(^^)!

                 *

 7月12日(月)~13日(火)の2日間で、「天井画」の原案を元に、簡単な「エスキース(簡易的な下図)」を2枚描いてみました。最初に話をいただいてから、かなりの時間があったので、その間に、絵のイメージを頭に思い浮かべ、資料等をそろえてきました。そんな訳で、今回のエスキースはすぐに描けるのです~。エスキースの前に、龍作画の補強の為に、動物園に蛇やワニのスケッチに行きたかったのですが、今はコロナ禍で難しいので、本画を描く前までに行けたらと思います。
 「天井画」の原案は何パターンかありましたが、最終的にこの方向で固まりそうです。大垣祭り軕(やま)の、からくり人形や調度品には、中国や朝鮮の影響が如実に見て取れます。そこで、「天井画」も、日本と中国の伝統的な龍図の折衷案でいきたいと考えました。そこに私独自の特長・持ち味として、画面の四隅に「大垣祭りの踊り子」を描き込み、花を添えようという構想です。

 私が、この最初の工程からリアルタイムで創作過程を公開する事は、今まで一度もやった事がありません。創作上の企業秘密も多々あるのです。しかし、今回は公的なご依頼でもありますし、今後の若い画家達への参考に少しでもなればという思いで、拙い創作過程ではありますが、綴っていこうと考えました・・・。
 私の場合、このような過程を経て、手を動かしながら、徐々に絵の構想を固めていくのです。この後、もう少し時間をかけて考察しながら、2週間ほどで、正式な「小下図」を完成させようと計画しています。乞うご期待~ ❣

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース1、2

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース2

                 *

 7月23日(金)、本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る工程のうち、”捨て膠” を引きました。板は和紙と違い、厚くて、水をよく吸うので、”捨て膠” を施す必要があるのです。

 私も本格的な杉板への描画は初めてなので、何事も手探りなのですが、今までの37年余りの日本画の経験と勘を元に、絵の具用の膠(にかわ/絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物の革・軟骨等から抽出する)を4倍ほどに薄めた膠液を今回は使いました。通常のドーサ液の2倍強ほどの濃さです。これは捨て膠なので、ミョウバンは入っていません。
 作業は、まあまあ上手くいったと思いますが、板と板の継ぎ目に接着剤のような物がはみ出ていたのか、その部分だけ、膠が光ったまま乾いています。今後の描画への影響が、少し心配です・・・。

 今日一日、十分に乾かして、明日、ドーサ液を引こうと思います。続きをお楽しみに~💛

大垣祭り、天井画制作
膠(にかわ)/日本画の絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物(主に牛)の革や軟骨等を煮込んで抽出したもの。強い接着力を有する。
 現在は、使用が簡単な、アクリル系の「新膠」を使用する日本画家も増えたが、私は古来からの「膠」にこだわって使用しています(新膠は、膠抜きができない・洗えない、極長期的な絵の具への悪影響が未知数である、等の問題点がある)。
 左から、「墨を作る時用の膠」(本来、日本画用ではないが、三千本膠が市場から消えた時期に、代用品として出回った。荒めの大作等には使用できる)。 「三千本膠」(さんぜんぼんにかわ/これは昔から日本画で最も使用されてきた三千本膠。十数年前、三千本膠を作る最後一軒の製作所が後継者不足で廃業し、市場から三千本膠が消滅した出来事があった。その前に買っておいた、残りわずかな三千本膠)。 「三千本膠・飛鳥」(近年、新たな製作所が古来の製法を復活させて作製した三千本膠。今はこの三千本膠しか出回っていない。)

大垣祭り、天井画制作
その他の「膠」等。
 左上から、「粒膠」(つぶにかわ/パール膠とも言う。洋膠から製造する。湯に溶けやすいという利点があるが、ひび割れしやすい傾向があり、私は滅多に使いません。) 「ミョウバン」(これは膠ではなく、染色の色止め等に使用する結晶状の物質。日本画では、「ドーサ液」を作る時に用いる。) 「乾燥鹿膠」〈中身と箱〉(かんそう しかにかわ/大正時代から使われている膠。三千本膠より接着力が強い。防腐剤が入っているので、今回のドーサ液には使いません。) 「軟靭鹿膠」〈袋〉(なんじん しかにかわ/乾燥鹿膠に湿潤剤を多く添加したもの。冬場や大作等のひび割れしやすい作品に用いる。) 「黄明練膠」(きめねりにかわ/現代、新しく製造された膠。ひび割れしにくい等の利点がある。その他、同様の効果を持つ膠が何種類かある。アクリル系の「新膠」とは別物。)

大垣祭り、天井画制作
「膠鍋」と「膠」。
 左は、三千本膠を水につけて、一日、冷蔵庫でふやかしたもの。右は、現在、「絵本」等の小品制作に用いている、溶かした三千本膠・乾燥鹿膠。

大垣祭り、天井画制作
湯煎にかけて、膠を溶かす。直火にかけると、高温で膠が分解されるので、必ず湯煎にします。

大垣祭り、天井画制作
溶けた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」(ドーサ塗りに用いる、専用の刷毛)。
 絵の具用とドーサ用の刷毛は、分けておいた方が良いです。

大垣祭り、天井画制作
水で薄めた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」。
 絵の具用の濃さの膠を、4倍程度、薄めています(通常のドーサ液の、2倍強の濃度)。

大垣祭り、天井画制作
今回特別に、宮大工の方にしつらえていただいた、「天井画」用の高級杉板。

大垣祭り、天井画制作
これから、杉板に「捨て膠」を引きます~~。(^。^)y

大垣祭り、天井画制作
私・後藤 仁の創作風景!!。捨て膠を引いています。
 私の創作の場は、通常、ほぼ非公開ですが、そんなに美しいものでもありませんね~。('◇')ゞ

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引き終った杉板。きれいだね~。 (^o^)丿
 
                 *

 7月24日(土)、世間はオリンピック開会式で盛り上がっていますが、私は、アトリエにて一人、「ひとり技能オリンピック」に興じています。
 本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る、いわゆる「ドーサ引き」を施しました。本来は、乾燥期の冬場に「ドーサ引き」をする方が効きが良いとされますが、時期が合わないので、梅雨明けを待って、この夏場に行います。ドーサ液の濃さや塗り加減は、季節や紙の状態等によって差異が生じるので、長年の経験が必要となり、なかなか難しいです。ドーサが効き過ぎて和紙がバキバキになったり、効かない時はドーサ・膠が抜けたりします。未だに失敗する時もあり、試行錯誤の連続です。
 今回の杉板は分厚いですし、ガッチリと絵の具を喰いつかせたいので、いつもの和紙用のドーサ液の1.5倍位の濃さの膠液にしました。ミョウバンの量は通常よりわずかに多めで、今回の大皿には小さじ半分程入れました。結晶状のミョウバンを、乳鉢で微粒子にすり下ろしておいて、膠液をぬるま湯位の温度にしてから、ミョウバンを入れます。私の場合、基本的に膠・ドーサ等の分量を計測器で量る事は無く、色や粘度を見て加減を判断するという、全て経験と勘の世界なのです。

 前日の「捨て膠」で板の接着部分周辺の一部にテカリが生じていたので(多分、接着剤が少しはみ出ていたのでしょう)、その部分を中心に耐水ペーパー(600番、1000番)を丁寧にかけました。画面全体にも軽くペーパーをかけ、板面の状態を平均化しました。せっかく宮大工さんが綺麗に鉋(かんな)をかけてくれていたのですが、やむを得ません。
 1回目の「ドーサ引き」を終え、乾いた状態を見ると、前日のテカリ部分も随分抑えられ、とても良い感じです。

 この後、完全に乾かして、昼過ぎ頃に2回目の「ドーサ引き」をして完了としたいと思います。(ドーサ引きは、和紙の場合は、紙の厚さ等に応じて、1~3度引きします。3度引きの場合、表2回・裏1回 等)
 この後、1週間程かけて「天井画」の”小下図(こしたず)”を描いていこうという計画です。気分はますます乗ってきました。乞うご期待~ ❣❣

大垣祭り、天井画制作
板面に耐水ペーパー(600番と1000番)を丁寧にかけて、接着剤とおぼしきテカリを取る。

大垣祭り、天井画制作
板の接着部分(4枚の板を貼り合わせているので、3筋ある)を中心に、全体的に耐水ペーパーをかけた状態。
 左のパネルは、今、描きかけの「新作絵本」の原画。その上には、我がアトリエの番人~「シルエットねこ」が写っていますね~🐈 (段ボールのはがれた跡の事ですよ)

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。慎重・丁寧に、薄く均一に、ゆっくりと塗るのがコツです。
 こんな作業の連続が、腰に来るのですな~ (;''∀'')

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。

大垣祭り、天井画制作
今回、使用した「ドーサ液」。
 通常の和紙用のドーサ液より1.5倍程の濃さの膠液に、和紙用より やや多めの小さじ半分程のミョウバンを入れました。膠液をぬるま湯程度の温度にしてからミョウバンを入れないと、うまく融けませんよ。

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を終えた杉板。
 なかなか良い感じです~ ♡

大垣祭り、天井画制作
今回使用した「ドーサ液」と「ドーサ刷毛」。
 ドーサ液使用後の刷毛は、熱めの湯でよく洗い(膠はぬるま湯で落とせるのですが、ドーサは乾くと二度と取れなくなるので、熱めの湯でしっかり洗います)、この様に毛並みをきれいに整えて、水気をよく切っておきます(刷毛は中心に毛が寄りやすいので、少し外向きに整える)。道具を大切に長く使用する心掛けは、職人さん同様、画家(芸術家)にも大切な心構えなのです。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-18

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 ⑧

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、中国(中華人民共和国)向け新作絵本〈第1弾〉 『青蛙緑馬(チベット民話)』の公式発表 再掲載と、中国向け新作絵本〈第3弾〉の制作過程 等、「大垣祭り・中町 布袋軕(ほていやま)天井画」制作過程を除いた記事をまとめました(「大垣祭り・天井画」制作過程は後日、別途まとめます)。
 ここ1年余り、コロナ禍による絵本発売延期や伯父の逝去等もあり、なかなか制作に集中しきれない日々もありましたが、ここに来て、いよいよ制作にも熱が入ってきました。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁

                  ★


2021年6月14日

 この数日、中国向け新作絵本〈第3弾〉をじっくりと描き進めました。ようやく「扉」は7割方の進捗で、「第1場面」は6割程の完成です。今回の絵本は自分でストーリー(文章)も考案しているのですが、それで描きやすくなるかと思いきや、逆に難しい描写が要求される設定を自ら選択しているようです。それが後藤 仁の、後藤 仁たる所以なのでしょうね~。
 中国向け絵本〈第1弾〉『青蛙緑馬』は、多少ざっくりとした描きぶりで、絵本的な面白みを試みました。絵本〈第2弾〉は、繊細な容貌や衣装の描写で美人画的表現を試みました。今回の絵本〈第3弾〉は、今までに比べると、多少リアル、かつ繊細・流麗な表現を追求しています。
 私は常に一作一作、趣向を変えて、今までやった事のない新たな描画技巧に挑戦し続けたい、という思いが強くあります。今回も新たな趣向が満載されており、その分、描くのには時間もかかり、毎回、試行錯誤の連続です。上手くいくかどうかは、完成してみないと分かりませんが、マンネリ化しない・他者の模倣に終わらない、・・・それこそ、”芸術創作の魂”というものなのです。


6月15日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉制作は、「扉(前扉)」を8割強まで描き進めました。この辺りに来て、ようやく、今回の『絵本』の方向性が見えてきました~。気持ちも乗ってきましたね~~。(^o^)丿
 私は、「ラフスケッチ・下図」の段階では、おおよそのイメージ・雰囲気をとらえておくだけで、「本画」に入ってから、最終的な作画の方向性を決定していきます・・・。つまり、この最初の第一歩である「扉」の完了で、一気に『絵本』の全体像が見えるのです。主人公の顔立ちや衣装等も、ここで決定します。その為、この最初のアプローチは、とても重要なのです。
 今回の『絵本』には新たな試みが多分にあるので、この「扉」と「第1場面」で手こずる事は、やむを得ない必然なのです。


6月18日

 誕生日祝いをいただいた皆様、誠に有難うございます~💛。しかし、この年齢になっても、あまりこれと言った成果も出せぬまま、ただ虚しく歳だけを取っていきます・・・。(-"-)
 コロナ禍で超遅れていましたが、もうじき中国で、新作絵本『青蛙緑馬』(唐 亜明 文、後藤 仁 絵/浙江少年児童出版社)が発売されるという事らしいので、それが一番の素敵な「誕生日プレゼント」となりますね~。(^・^)ノ
 中国の出版社等の捜狐ブログ記事が、何故だか、先日から掲載停止(アクセス不可?)になったりしています(私のパソコンだけではないと思いますが?)。何らかの国情でもあるのでしょうか?
 とりあえず、現在アクセス可能な、拙作絵本案内記事を再掲載しておきます。(※中国では、「後藤 仁」を「后藤 仁」と表記します。)

         *

●搜狗微信搜索 「播撒阅读的种子——2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾」 (浙江少年儿童出版社 2021,5,25)
 浙江少年児童出版社の公式 WeChat 微信にて、絵本『青蛙緑馬』の刊行正式発表がありました。
 (ページの保存ができないようなので、この「搜狗微信搜索」から検索して下さい。)

https://weixin.sogou.com/weixin?type=2&s_from=input&query=%22%E6%92%AD%E6%92%92%E9%98%85%E8%AF%BB%E7%9A%84%E7%A7%8D%E5%AD%90%E2%80%94%E2%80%942021%E5%B9%B4%E2%80%9C%E6%B5%99%E5%B0%91%E4%BA%91%E8%8D%90%E4%BC%9A%E2%80%9D%E7%BB%98%E6%9C%AC%E4%B8%93%E5%9C%BA%E5%9B%9E%E9%A1%BE%22&ie=utf8&_sug_=n&_sug_type_=&w=01019900&sut=30759&sst0=1623972674069&lkt=2%2C1623972666701%2C1623972671527

●WeChat 微信、捜狐 「年终盘点 | 前所未有的2020年快要过去了,小活字感谢有你」 (小活字 2020,12,30)
 小活字の公式 WeChat 微信、捜狐にて、絵本『青蛙緑馬』の刊行予定発表がありました。
 赤羽末吉さんの名作絵本「スーホーの白い馬」「王さまと九人のきょうだい」等や、加古里子さんの絵本の刊行案内とともに掲載されています。

https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzU3MDU0NTkzNg==&mid=2247543586&idx=1&sn=c6789dfd340083726d8eea9d8a7364c8&chksm=fcefa95dcb98204b0a9025f059ad6528285da8736fd97d8620e34bc51c9c9a394a550b1a21a8&scene=178&cur_album_id=1533798990725595136#rd

https://www.sohu.com/a/441439197_100161921


6月19日

 しかし、私もいよいよ”53”という歳になり思う事は、やはり「人生は誠に儚い」という事である・・・。

 私の兄は自分の子供の事を滅多に話さないので、よく分からないのであるが、兄の長男である私の甥は、地域で一番難関高校の三国丘高校に落ちた後、まあまあ難関の私立高校に入り、その後、確か和歌山大学に入り、今年、堺市の役人になったという。近年また、政治家・役人の不祥事がとかく多いが、まずは清廉な生き方をしていただける事を一番に望む。
 当時、甥が三国丘高校を受けたという事自体、私には奇異に感じ、共に歯科技工師の兄夫妻から、そんな秀才が出るとは思えなかったのだが、その後、姪(兄の長女)が三国丘高校に受かったと聞き、まんざら、でたらめではなかったのだと知った。兄は昔、長渕 剛主演の「親子ゲーム」というテレビドラマをよく観ていたが、それを地で行こうとしたのかと笑いそうになった~~。(^^;)

 後藤家は極めて手が器用な家系らしく、祖父は指物大工で伯父の後藤大秀さんは、からくり人形師・能面打ち師である。私の母も編み物の先生をしていたので、かなり手が器用であろう。しかし、学問に打ち込んだ人は少ないようで、私の父方の従兄に神戸大学大学院を出たり、母方の従姉に岡山大学を出た人等がいるくらいで、兄は歯科技工の専門学校卒である。
 私自身は勉強をしなくても国語・社会等は元々好きで成績は常に良い方だったが、英語や数学は全くやる気が起こらず、中学2年~高校1年にかけて赤点だらけだった。中学2年には既に、”美術”の道に進む事を決意していた私には、余計な勉強は必要ないと考えていたのだ。そんな訳で、高校1年で留年させられたので、その後、やむなく勉強して、全科目、クラスで(多分、学年全体でも)一番となったが・・・。自分で言うと嘘くさいが、多分、やる必要性を感じないだけで、やれば本質的には頭がそこそこ良い家系なのかも知れないね~。
 それにしても、甥は役人という最も平凡な生き方を選んだようだが、今の難しい時代を勘案するとやむを得ないのだろう。もっと人生を深く模索してほしい気持ちもあるのだが、冒険するには困難が多過ぎる時代に突入しているのだ。姪はどこの大学に進んだのか聞いていないが、やはり兄(私の甥)と同じような堅実な道に進もうと頑張っていると言う。それでいいのであろう、私のような不安定で先の全く読めない茨の道を行くよりは、現実的である。からくり人形師の伯父の子(私の従兄)が、大学を出て、警察官になったのと似ている。自営業の親の苦労を見てきた子は、往々にして、確実・安泰そうな道を選ぶらしい・・・。

 私の父は大企業に勤め、実に真面目で堅実な生き方をした。しかし、子供の頃は実家の家計が大変だったらしく中学しか出ていないので、あまり出世もせず、多分、定年間際の配置換え等のストレスによる鬱が原因だろうが、57歳という若さで自死した・・・。私が中学・高校の頃には、父は常々、「勤めるなら大企業か、もしくは手に職(料理人等)をつけろ・・・」等と言っていた。大企業は自分の経験から、手に職は父(私の祖父)と兄(私の伯父)の影響であろうか。ただ結果的には、父は自己の人生を中途で終わらせる事となった。それで満足していたのか、心残りがあったのか・・・、私が東京の予備校・大学に進んだ後は3~4度会ったきりで、遺書も無いので、知りようもない。もし父が生きていれば、私の無茶苦茶な生き様に心配の絶えなかったであろう父は、孫の市役所勤めを、誰よりも一番喜んだ事であろう。

 しかし、あっという間の儚い一生である。私のような、先の見通せない荒唐無稽で波乱万丈の人生を生きるも良し、父や甥のような堅実な生き方を選ぶのも良し、兄のように比較的安定的な手に職をつけるも良し。・・・いずれにしても、他人に迷惑をかけ過ぎない範囲で、大きな悔いの残らないように、ある程度の納得のいく人生を、精一杯おくれれば良いのであろう。
 父が生きた57年に、あと4年程で到達する今日この頃、時々ふと、そう思うのである・・・。


6月23日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「前扉」が完成しました。今年の4月8日に下図を描き始めて、4月20日から本画に取り掛かり、じっくり描き進め、計2カ月半をかけて、ようやく一枚完了です。主人公の2人と1匹の、凛々しく希望に満ちた表情が上手く表現できたのではないかと、少しだけ自画自賛~。(^^;)y    
 同時に描き進めている「第1場面」は、現在、7割位の進捗度です。
 今回の「絵本」は新しい試みに満ちていますので、最初から、なかなか手こずっています。前扉ができて、いよいよ「絵本」の方向性が定まりました。今回も精緻で、かつ、割とリアルで、かなりの時間がかかる作品になりそうです。
 しかし、この困難な時代、絵を描ける幸せを嚙みしめながら、ただひたすら懸命に描き続けるのみです。


6月24日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」下図制作に着手。ここから本格的に、一気に物語が動き出しますので、冒頭部分の重要な一場面になります。良い感じで、イメージが次々と浮かんできます。


6月28日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」下図を完成させ、本紙(和紙)に転写しました。この場面には、かなり詳細でリアルな風景が広がっているので、描くのは、またまた、大変そうですね~。しかし、その分、描きがいがあります。    ヽ(@_@)>
 何もかもの時が止まってしまったかのような昨今・・・。なかなか筆がはかどらない日々も多いですが、多少、時間がかかっても、焦らず、心を込めて、じっくり丹念に描いていきましょう。


6月29日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」に、胡粉(白色)と黄土で地塗りをしました。この工程を丁寧に行う事が、日本画では大切になります。
 これから、いよいよ面白い場面に入って行きますので、気合も徐々に上がってきました。まっこと面白きかな、絵本(物語り絵)創作ですね~ ❣ 


6月30日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」の彩色を開始しました。まずは、人物の各パーツ毎に、岩絵の具・各色を厚めに置いていきます。膠の濃度と分量には、長年の経験が必要で、これが案外難しいのです。 (-"-)
 「第1場面」の彩色・細部描写も徐々に進め、現在、8割位の進捗状況です。楽し気な主人公達の様子は、なかなか良い感じですよ~ ❣ 。


7月6日

 今年も、昆虫の夏が来ました!!🐝🐞 まず手始めに、ノコギリクワガタが私に会いに来てくれました~。絵の資料として写真を撮って、この後、鎮守の森に逃がしてあげようと思います。  (^・^)丿

 今日は、日本画材店のセール期間だったので、随分久しぶりに都心に出て、喜屋~得応軒~金開堂で日本画材を購入。それぞれの店の品揃えに特徴があるので、各店を回ります。日本画材はとても高価なので、貧乏画家の私などは誠に大変なのですが、これで、しばらくはもつと思います。今回も何とか絵の具が買えて、当分は絵が描けそうで、ボチボチ良かったね~~。

ノコギリクワガタアトリエに遊びに来た、ノコギリクワガタ 💛

ノコギリクワガタノコギリクワガタのアップ、大迫力~❣


7月9日

 グーグル Googleによる「後藤 仁」検索表示です。ページにリンクがあったので、貼り付けてみます~💛。
 ただし、「後藤仁 絵本」「後藤仁 日本画」等で絞り込まないと、私以外の人も混ざって出てきますよ❣。 (^・^)/~~~

https://g.co/kgs/XAz8Tj

         *

 「日本画」は、画材代も制作時間も多大に浪費するので、いつもながら、今後の時代に存続しうるのかが、誠に心配になる・・・。

 私の師である後藤純男先生の場合は、百貨店・専門画廊で、1号(ハガキ1枚位のサイズ)当たり、80万円で取り扱われてきた。東山魁夷先生亡き後、日本画の最高価格であった平山郁夫先生になると、実にその5倍(号 400万円)である。それらの価格帯はさすがに高過ぎるとも思えるが、今日までに、日本画が極めて高価で取引されてきたのも、ある程度は納得できる理由があるのだ~~。(もちろん、絵の本当の価値は、その評価額だけで決まるものではない事は断っておきたい。)
 まず、その描画技術を、そこそこ会得するのには、最短でも10年はかかるだろう。もちろん、その真髄を知り得るには、50年でも足らない・・・。また、画材代が極めて高い。岩絵の具の最も高価なものは、天然群青15gで6000円位する。更に高価な純金泥なら0.4gで5000円近くする。それを15g位なら、刷毛一塗りで使い果たす・・・。描き方にもよるが、水彩画や油彩画に比べて、日本画は基本的に描くのに時間がかかる。それらの諸条件に画家のステイタスが加わって、あのような高価格になるのだ。
 それにしても高過ぎる~。私などは日本画家にしては安い方だが、それでも、そこそこの大きさの日本画作品で、安めの国産乗用車一台に近い価格となる。(契約によるが、画廊・画商が販売価格の4割~8割程持っていくので、画家にはあまり残らない。)日本が高度成長期~バブル期ならば、それでも多くの日本画コレクターが存在したが、長らく日本経済が停滞し、美術の中心が現代アートや、マンガ・アニメ・ゲーム等のサブカルチャーに移りつつある現在、なかなか、日本画をこれまでのように売り続け、日本画家が普通に生活していくのは、かなり容易ではない。
 しかし、この使用困難な画材を用いた日本画を低価格で売るとなると、いくら売れたとしても、絶対に赤字にしかならない。私は日本画「絵本」の原画を描いているが、これは、ただ私の”こだわり”によるものであり、本来なら、全く不効率で費用対効果は絶対的に悪い。私の場合は、絵の取材で海外や国内の一人旅をするので、通常は一泊300~1000円位のバックパッカー的な超安旅であれど、チベット等の特殊な旅ともなると、絵本(絵のみ)の初版印税を完全に超える予算がかかる。絵本の初版5000部として、9カ月~1年余りにも渡る実質制作時間で計算すると、おおよそ、時給換算で200~300円にしかならない。そこから画材代を引くと、ほぼ無給となり、旅費を入れると大幅な赤字となる。
 それ故、画家が、売り絵にしろ、出版物にせよ、何にしても絵だけで食べていくのは、極めて容易ではない。大学や絵画教室で絵を教える等の副業が不可欠となる。そんな理由で、おおよそ、お金持ちのご子息か、親の地盤を活かせる二代目・三代目ばかりが、日本画界で目立つような昨今なのである。これでは、本当に才能とやる気のある、一般庶民出身の優れた芸術家が育たない・・・。

 それでも私が「日本画」の画材にこだわるのは、その悠久の歴史のみならず、その画材自体に多大な魅力があるからである。色彩、質感、表現の多彩さ・深み 等、他の画材では代えられない、大きな利点があるのだ。一度、この画材の魅力に取りつかれたら、生涯、追求したくなる。そんな魔力のような、魅力があるのだ。
 また、刹那的な娯楽ばかりが満ちあふれた現在、次世代を担う子ども達・若者達には、損得を度外視してでも、私の「絵本」「日本画展覧会」等を通して、そのような至高の絵の具で描いた、本物の”絵”を見せてあげたいという思いも強い。
 近年の絵本の編集者等は、CGや水彩による作家の扱いに慣れ、いとも簡単に描き直せるかのように、本画完成後に修正・訂正を求めてくる傾向がある。(もちろん、そうでない編集者もいて、元福音館書店編集長の唐 亜明さん等は、画家に対する理解が深くて有難い。福音館書店相談役だった松居 直さんの良い遺伝子を継承しているのだろう。)少なくとも、私の日本画は、そう簡単に描ける類のものではない。最高潮に気合が乗ってきた時に、最良の原案を元に、高品質の画材を用いて、神経を研ぎ澄まして描き上げるのだ。大げさなようであるが、それは正に命をかけた真剣勝負であり、同じものは2度と描けない一期一会の作品に他ならない。

 私も歯を食いしばって、描ける限り頑張り続けたい・・・。しかし、これからの厳しき時代に、そんな無私無欲の変人画家が登場する余力が、この日本にあるのだろうか・・・。それでも、次世代の芸術家に、ほのかな希望を託したい・・・。


7月10日

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕 ・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作

 いよいよ、大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」用の杉板がご用意できたという事で、気合も俄然高まってきました~。 ('◇')ゞ
 この後、原案を完成し、下図・本画制作と、およそ1年をかけて、じっくり丁寧に、心・祈りを込めながら、誠心誠意、全身全霊、創作に当たりたいと思います。
 世の中、コロナ禍の厳しき時節ではありますが、私は、中国向け新作絵本の原画制作と合わせて、これから、誠に忙しく、重要な1年になりそうです。

             *

 大垣祭は、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。
 布袋軕(ほていやま)再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業となります。
 布袋軕は2020年から3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私はその締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されました。

○大垣まつり「布袋やま再建日記」 ─ 「布袋軕」の天井絵の画材が準備出来ました。
http://hoteiyama.seesaa.net/article/482386260.html


7月14日

 ここ数日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第1場面」の彩色をぼちぼち進め、現在、左側があと一息で完成、右側は8割位の進捗度です。この場面は、左と右に画面が分かれ、更に、左側は3つのパーツに分かれています。つまり全部で4場面になっているのです。
 私は「絵本」においては、ほとんどの場合、見開き1場面で大きく描くのですが、今回は小さくコマを分けるという複雑な構成を試みています。少しマンガ的なコマ割り要素を、絵本に持ち込んでみました。これもまた、私にとって新たな模索となります。
 その為、描くのは、なかなか大変ですが、細部まで大切に描き起こしています。一つ一つの主人公達の行動が、実に面白いね~💛 いよいよ作画にも、気合が入ってきましたよ~❣❣


7月16日

 10年位使用した赤口代赭色の「念紙(ねんし/転写用の和紙)」がボロボロになってきたので、本日、新しい念紙を作製しました。私は6色程の自作の念紙を、場面に応じて使い分けています。
 中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第1場面」の彩色も進め、左側はほぼ完成、右側は8割強の完成度です(最終的に、左右を合わせて、細部を微調整します)。
 この場面の懐かしい光景を描いていると、夢に燃えていた、若き、あの頃を思い出しますね~。 ($・・)/~~~ 



テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-11

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その2〉、杉板届く!!

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵) 制作


 2021年7月10日(土)昼前、大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)用の杉板が、我がアトリエに届きました~。 ヽ(^o^)丿
 大垣辺りの宮大工の方に新調していただいた板で(最初は、宮大工の経験もある、からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀に板の相談をしていたのですが、昨年の伯父ご逝去を受けて、別の宮大工の方にお願いする事になったのです)、サイズは100.5cm四方(S40号に近い)で、厚さ15㎜(5分厚)の秋田杉の赤柾目を使用しているそうで、吉野杉より茶褐色の強い寒冷地特有の目の詰まった最高級の杉板だと言います。裏は反り防止の蟻桟(ありざん)加工を2箇所に施してあります。このような、とても高品質の画面をご提供いただき、誠に有り難く存じます。
 これまでにも小さな板材に日本画を描いた事や、寺院の「天井画」を和紙に描いた経験はありますが、このような大きな杉板の「天井画」を描くのは、私にとっても初めての経験です。何事も挑戦あるのみ! 芸術家は、常に新たな境地に挑み続ける事に、大きな意義があるのです。
 大垣祭保存会からのご要望による画題は、ずばり「龍」です。私の主たる絵のテーマは「アジアの美人画」であり、通常、女性人物像を描く機会が多いのです。しかし、かつて後藤純男先生のご実家の寺院「八幡山宝蔵院」(埼玉県)の「天井画」には龍と鳳凰を描きましたし、人物の背景に龍を描き込んだり、今後の絵本作品の中には龍が登場する民話も計画されています。龍は古来より、日本や中国で畏敬・神聖視されてきた最も高貴な霊獣であり、私も描きたい画題の一つなのです。

 杉板の梱包を開けると、杉の良い香りが漂いました。子供の頃から、大垣の からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀の画室で嗅いだ、あの懐かしい香りです。創作への気合が、俄然みなぎってきました~。
 大垣は、伯父や父達の生まれ育った地であり、私も幼少の頃から何度となく訪れた、私の第二の古里とも言える大切な場所です。今回の天井画制作は自分の為のみならず、例祭を執り行う大垣八幡神社や、毎年「大垣まつり」を楽しみにしている大垣市民~子供からご老人まで、それを支える大垣祭保存会・大垣市役所の皆様から、日本全国のお祭り好き達までの為に、・・・そして、今は亡き、伯父・後藤大秀と父に捧げます。

 「天井画」制作には、この後、およそ1年間をかける予定で、絵の原案(小下図)を完成させ、大下図を描き、板への本画へと移っていきます。通常、私の絵の創作工程は完全非公開ですが、今回は公的な創作依頼(税金も投入されています)でもあり、全国の大垣祭りファン・日本画ファン・天井画ファン・後藤 仁 ファン(そんな人いるのかな?)の為にも、創作過程を特別に、随時、拙ブログに綴っていきたいと考えております。乞うご期待~~!!

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁



大垣祭り天井画・杉板我がアトリエに届いた、大きな荷物とは?

大垣祭り天井画・杉板大垣祭り「天井画」用の、誠に美しい杉板でした~。 (@_@)丿 これから、この無垢の板に、「龍」を描いていくのです。

大垣祭り天井画・杉板板の裏は、こんな感じで、とても丈夫に造られています。

                  *

 大垣祭りは、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。
 布袋軕再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業となります。
 布袋軕は2020年から3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私・後藤 仁 は、その締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されているのです。


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-06-12

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 ⑦

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。
 今回は、中国(中華人民共和国)向け新作絵本〈第1弾〉 『青蛙緑馬(チベット民話)』の公式発表や、中国の出版社の「絵本賞」発表 等がありました。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁

                    ★


2021年5月1日

長崎市子育て応援情報ホームページ 「イーカオ」
『ちいさないす』 こどもとしょかんだより (2017年11・12月号)

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をご推薦いただき、誠にありがとうございます。

https://ekao-ng.jp/kodomotoshoh29-11-12/
https://ekao-ng.jp/wp-content/uploads/2017/11/3.jpg

『ちいさないす』こどもとしょかんだより (2017年11・12月号)


5月5日

Destination Guide_ Jiewa (Guizhou) in China _ Tripmondo
 JIEWA IN GUIZHOU
 DESTINATION GUIDE CHINA


https://www.tripmondo.com/china/guizhou/jiewa/

 中国貴州省の英語紹介サイトに、私が撮影したYouTube画像が掲載されていました。
「中国貴州省の旅 ミャオ族の踊り」(2008年4月20日/絵師、日本画家・絵本画家 後藤 仁 撮影)
・・・絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)制作で、ミャオ族・トン族村の取材に訪れた際に私が撮影した、ミャオ族の祭り・姉妹飯の光景です。
 

5月18日

Baidu 百度 「第二届东方娃娃原创绘本奖“童心向党”主题奖决审获奖名单公布」という記事内で、少し私(中国文: 后藤 仁)の事にも触れられています。これはつまり、私の言う、中国向け「絵本〈第2弾〉」の事を指しているのですね・・・。 ('ω')ノ
〈抜粋〉・・・・・・日本绘画名家后藤仁、大岛英太郎等也应组委会的邀请,参与主题绘本的创作。
〈日本語訳〉・・・組織委員会の招待で、日本の有名な画家の後藤 仁と大島英太郎らもテーマ絵本の創作に参加しました。

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1699921816433111512


出版人杂志 「第二届东方娃娃原创绘本奖“童心向党”主题奖决审会议召开,18部作品获奖」というサイトにも、Baidu 百度と同じ内容の記事が出ています。中国では、同じような内容の記事が、様々なサイトに転載されるケースが多く見られます。
 日本绘画名家后藤仁、大岛英太郎等也应组委会的邀请,参与主题绘本的创作。
(解説: ただし、私の絵本制作は元々、この絵本賞の為になされたものではなくて、多分、出版社の便宜上、このような招待出品という発表形態になったのでしょう。当然、私は日本人ですし、私の作画意図はこの絵本賞の趣旨には合っていないのです・・・。
 優れたチベット族の民話を元に、主人公の女性の外見だけではない心の美しさを描きたいという思いと、人種・民族を越えた文化の伝播・融合の歴史の素晴らしさを描こうという気概を主眼に、国を越えた人類共通の普遍的な価値観を表現した作品なのです。)

https://www.epuber.com/2021/05/18/10812/

○その他、主な掲載サイト(この他にも、幾つかのサイトが確認できました)。

出版商务网 「向建党百年献礼!第二届东方娃娃原创绘本奖“童心向党”主题奖出炉」
http://www.cptoday.cn/news/detail/11499
书香江苏 「第二届东方娃娃原创绘本奖“童心向党”主题奖决审会议在京召开 ...」
http://www.sxjszx.com.cn/portal.php?mod=view&aid=2237111


5月20日

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店/後藤 仁 絵、君島久子 文)が、
書籍ランキング速報 ─ honto (5/20)本の通販ストアランキング > 児童書・絵本 > 昔話・神話・伝説ランキング 3位
・・・との事。誠にありがたい事です。🥰
https://amasale.newif.net/ranking/hdetail/3552391


5月30日

 中国向け新作絵本『青蛙緑馬(チベット民話)』 《中国原創絵本精品系列》(浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字/文:唐 亜明、絵:後藤 仁)
 コロナ禍の影響等で約1年半も発刊が延びていましたが、いよいよ近日発売へ!! 中国最大の児童書出版社・浙江少年児童出版社の”インターネット推薦書発表会”で、本書がご紹介されました~☆。
 より詳細なご案内は、発売後においおいお伝えいたしますので、もうしばらくお待ち下さい。

播撒阅读的种子——2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾
 5·20,在这样一个特殊的充满爱的日子里,2021年“浙少云荐会”第五期“播撒阅读的种子”·绘本专场如约而至。

2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾

2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾 (青蛙緑馬)


6月1日

WeChat 微信 「播撒阅读的种子——2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾」 浙江少年儿童出版社(2021,5,25)に、私の作画絵本『青蛙緑馬(チベット民話)』《中国原創絵本精品系列》(浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字/文:唐 亜明、絵:後藤 仁)の記事が出ていたのですが、同じ内容の記事が掲載されるはずの、浙江少年児童出版社 捜狐・公式ブログの記事配信が何故か先日から停止されており、WeChatの記事もショートカット作成・保存ができないバージョンしか見つかりません?
 代わりに、伝世活字国際文化メディア・小活字のWeChat 微信、捜狐の記事が貼り付けられるので、そちらを掲載します。拙作絵本『青蛙緑馬』も少し紹介されていますよ~!! 😘
 
WeChat 微信、捜狐「年终盘点 | 前所未有的2020年快要过去了,小活字感谢有你」 小活字(2020,12,30)
https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzU3MDU0NTkzNg==&mid=2247543586&idx=1&sn=c6789dfd340083726d8eea9d8a7364c8&chksm=fcefa95dcb98204b0a9025f059ad6528285da8736fd97d8620e34bc51c9c9a394a550b1a21a8&scene=178&cur_album_id=1533798990725595136#rd

https://www.sohu.com/a/441439197_100161921


6月2日

 2020年初め、元々得意でもない、作家団体等での雑務から完全に離れ、しばらくは創作のみに、なるべく力を注ごうと思いました。丁度、コロナ禍が来て、むしろ不必要に人に会う機会もなくなり、制作に打ち込めたのは良かったのですが、丸2年程かけて描いた2冊の「絵本」の発売が、大幅に遅れるという事態が起こりました~。
 私は幼い頃から、好きで”絵”を描いて来ましたので、その後の結果や世間的な評価等は、極論を言えば、どうでも良いのです。しかし、たとえ好きで選んだ、いばらの路とは言え、多大な時間と労力をかけ、胃を傷め・歯を食いしばって描いた作品が、何の実も結ばないとなると、やはり精神的に、極めてきついものです・・・。このコロナ禍での1年半は、そう言った意味では、37年余りの私の日本画・画家人生の中でも、未曽有の事態となりました。1年以上も、展覧会(個展・グループ展)や絵本等の作品発表も、取材旅行も、ほぼ無いという状況は、私にとって、極めて異常な事態なのです。
 いつ終わるとも知れないコロナ禍に見舞われ、元々、私など取るに足らない貧乏画家であるのに、ますます厳しさを増す生活状況に陥り、世間の大混乱も合わせて、長い期間、実に色々と考えを巡らしました・・・。元より、答えなど出るはずもない画家人生、この数か月程は、なかなか制作に集中しきれない日々が続き、精神的に追い詰められる感もありましたが・・・・、やはり、描くしかないのです。一つ一つの仕事を、どこまでも丹念に誠実に・・・。
 たとえ、完成した作品が、全く世間に受け入れられなくても構いません。それよりも、自分自身の創作への信念と誠意に、嘘はつけないのです。もし天命が、私が絵を描く事を良しとしないのなら、もうとっくの昔に、私はこの世にはいなかったでしょうから・・・、一縷の望みを信じて、ひたすら絵を描き続けなければいけないのです。そう思うと、これもまた、幸せな画家人生と言えるでしょうかね・・・。


6月4日

 たまに画家の中には、自分は制作する上で、一度も壁にぶつかった事が無いとか、迷ったり悩んだりした事が無い、等と自慢げに話す人がいる。多分、強がりや虚栄心であろうが、本当の芸術家ならば、そんなはずはない。古来より、どんな天才画家であろうと、・・・雪舟等楊、長谷川等伯、伊藤若冲、葛飾北斎~レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ~青木繫、ピカソまで、時代や洋の東西を問わず、皆、迷い悩みながら、苦心しながら作品を創作したはずである。悩まないで、苦しまないで描いたような浅い作品を、私は”芸術”と呼びたくはないし、そんな高慢な作家達(多分、ビジネス画家なのだろう)と無駄話をする余計な時間も無い。
 一時代の一団体等の評価や肩書を盾に、「皆さん、頑張って下さい」等と、上から他者を見下すような物言いをしてはならない。もし言うのならば、「私も皆さんも、一緒に頑張りましょう」である。どこまで描き続けようと、どんなに研鑽を積もうとも、画家など、所詮一生、一画家でしかないのだ。自分こそ、まだまだ更に、頑張らねばならないのだ。
 私は、どこまでも謙虚に、作品に向き合っていきたい・・・。多分、私の凡才では、一生かけても、大した作品は描けないかも知れない。それでも描きたいものがある限り、そして、一人でも、私の作品を心から待ち望んでいる人がいる限り、私は誠心誠意、心血を注ぎ、烈しく苦しみながら、そして、それまでも大いに楽しみながら描き続けたいと思う。


6月6日

美術品・絵画・骨董品 高価買取いたします 日本美術保全協会
 大学別-芸術家 ─ 著名な芸術家-大学一覧 ─ 東京芸術大学 著名な卒業生

https://www.nihon-bijyutu.com/university/?university=%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E8%8A%B8%E8%A1%93%E5%A4%A7%E5%AD%A6
 古美術商のサイトですが、各ジャンルの作家がよくまとめられていて、分かりやすいです。一覧には、私・後藤 仁も掲載されています。

                     *

 インスタグラム(Instagram)にて、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)等をご紹介していただくケースが度々あります。近年、ご掲載していただけたものを、幾つか挙げてみます。
 チベット犬・チベタンスパニエルの愛好家の皆様に絵本『犬になった王子 チベットの民話』を読んでいただけるのも、また新たな絵本の魅力の発見と言えましょうか。そしてやはり、お子さんに熱心に絵本を読んでいただけるのは、実に率直に嬉しい事ですね~!!
 
○絵本『犬になった王子 チベットの民話』関係
https://www.picuki.com/media/1945730240271384228
https://www.picuki.com/media/2392217765292797671
https://www.picuki.com/media/2454521154522875508
https://www.picuki.com/media/2493464536766674261
https://www.picuki.com/media/2578533308229991246
https://www.picuki.com/media/2580026393782819798
https://www.picuki.com/media/2582634756171099377
https://www.picuki.com/media/2586049392709380158

○絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』関係
https://www.picuki.com/media/2518284176706192595
https://www.picuki.com/media/2527787950609867978


6月8日

 私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)をご覧いただき、誠にありがとうございます。子どもさん方は、他者(権威者・メディアなど)の見解にとらわれず、純粋に熱心に、心から楽しみながら「絵本」を読んでいただけるので、とても嬉しいですね。どんな評論家・専門家のご意見より、絵描きとしては、一番の励み・やる気になります~。😂
 この絵本は、とても感動的で素晴らしいストーリーなので、次世代の人々に、末永く伝えられたらと、願っています。



娘が、絵本を音読しているのを、こっそり聞いた話。

お隣の3歳の女の子Kちゃんと、うちの6歳の娘はとても仲良し。平日Kちゃんは保育園に行っているので遊べないけれど、休日になると2人で連れ立って、おままごとをしたり、かくれんぼをしたり、4月か...

吉田 麻理子さんの投稿 2021年2月27日土曜日


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 中国向け新作絵本制作〈第3弾〉ですが、初っぱなの「扉、第1場面」から、岩絵の具で描くのが難しい内容となり、かなり苦戦しています。私が都会の風景を描く事はまれなのですが、今回の現代風の場面の描写は、予想以上に骨が折れます・・・。
 先の2冊の「絵本」の発売が延びていた事等もあり、ここ1カ月余りは集中力を欠いていたので、間をおきながらボチボチと描き進め、現在、ようやく3~4割位の進捗状況です。何とか全体像が見えてきました。
              *
 なかなか集中力が完全充実しない、この1カ月間余り、中国ドラマの研究期間と定めて、中国歴史ドラマや中国ネットドラマを創作の合間にボチボチ拝見していました。
 中でも特に、中国を代表する女優・景甜(ジン・ティエン)が主人公の藤の化身・司藤を演じるネットドラマ『司藤』は、とても新鮮で素晴らしい出来でした。景甜の妖艶な美しさも凄いのですが、男主人公を演じる张彬彬(チャン・ビンビン)の男前ぶりも極まっています♡。その他の脇役も、それぞれの個性が面白い~。
 ストーリー展開は、「そんな訳ないだろう~」と少し笑える部分も多々ですが、とても凝っていて、斬新です。雲南省・チベット族居住地や、湖を望む高台の美しい風景も素晴らしく、景甜のチャイナドレスを始め、チベット族・ミャオ族の衣装等の背景描写も実に優れています。音楽もとても心地良い。
 私にとっては、最近観た”現代ドラマ(いずれも、歴史トリップ部分ありですが)”では、『JIN −仁−』以来の感動作ですね~!! (私は小さい頃から、日本のドラマでも”時代劇”が好きでした。ちなみに、純粋な”歴史ドラマ(時代劇)”では、現在は平均的に中国作品のレベルが高いのですが、今まで観た中では、やはり景甜主演の中国歴史ドラマ『麗王別姫~花散る永遠の愛~(大唐栄耀)』が一番、素晴らしいです。その他、景甜の主演作では、『ハンシュク(班淑)~皇帝の女傅』もコミカルタッチで面白いです。また、韓国歴史ドラマでは、イ・ヨンエ主演『サイムダン(師任堂)、色の日記』、ムン・グニョン主演『風の絵師』、といった画家の一生を描いた作品に興味が高いです。)  
 『司藤』の作中には、CG(コンピューター・グラフィックス)が多用されていますが、かなり中国の技術力は高くなっており、誠に優れた出来でした。

 イラスト・デザイン・絵本等もCG全盛の昨今ですが、CGにはない手描きの良さ・温かさをどこまで・いつまで表現できうるのか、この後の時代の人々の必然と要求を考えさせられました・・・。
 私は手描きの可能性を信じて、どこまでも手描きにこだわって、描き続けたいと考えています。というより、それしかできないという事もありますが・・・。


6月9日

 前に関わっていた或る日本画家から、さも意味ありげに微笑しながら、「後藤さんは、絵本でしょう・・・。」と言われた事がある。そのグループでの展覧会パンフレットの記述を見てみると、私の肩書は、「絵本画家、日本画家」と記されていた・・・。「あなたは日本画家ではなく、絵本画家だろう。」とでも言いたいのであろうが、もっと日本画の歴史でも、勉強してほしいものだ・・・。
 私は、日本画の伝統的なカテゴリーの一つである「物語絵」を追求する延長で、近年は「絵本」の仕事が増えた。とは言え、私は長年、日本画家としての学びをしてきて、画材は純粋な日本画の画材を用いており、自己の道程を示すためにも、肩書を記すなら「日本画家、絵本画家」と日本画家を先にして、並記している。最近は、前に一時期使っていた「絵師」を復活させて、「絵師(日本画家・絵本画家)」と書いたりする。元々、画壇に対するこだわりは無く、絵を描く職人的芸術家である事実を示したいのだ。しかし、肩書等、本来どうでも良いとは言え、他人から一方的に押し付けられると、嫌な気がする~。

 この今の時代になっても、基本、子供向けの「絵本」を低い”芸術”だととらえる人が多くいる。日本画の主要団体に所属しているから本格的で、無所属日本画家は中途半端でレベルが低いととらえる人が多くいる。時代錯誤も甚だしい。それは40~50年前までの考え方であろう。絵の値段など所詮、画商が定めただけで、いい加減なものであるが、現実として日本画家で今、一番絵の価格が高いのは、無所属日本画家の千住 博 先生である。同じく現在、無所属の中島千波先生 等も極めて高価格で人気が高い。類型化・没個性化の進む、日本画の団体・派閥等、今後ますます意味をなさなくなりつつある・・・。
 一昔前の日本画家では、東山魁夷先生、平山郁夫先生、後藤純男先生 達がいて、多くの日本人に知られていた。しかし、現在、あの時代以前程、知名度の高い日本画家など、ほとんどいない。むしろ、著名な絵本作家の方がよほど、多くの人々に知られている。日本画の主なコレクターは現在、ほぼ超高齢者である。ほんの一部の好事家・専門家に愛好されるより、より多くの幅広い年代の人々に愛好される文化の方が、本当の意味での価値の高い”芸術”だとも言える。
 昔は、サブカルチャーと低くとらえられていた、マンガ・アニメ等が、今や日本を代表し世界に羽ばたく、一大文化として成長している。純粋美術では、現代アート系だけが一定の勢いがあり、世界に通用するのは日本画家・洋画家ではなく、現代アートの村上 隆さんらだけである。
 「絵本」は基本、子供向けの芸術であるが、次世代を担う子供への文化継承は極めて重要な事である。当然、いい加減な作品等、与えられるものではない。また私は、「絵本」を子供の読み物のみならず、青年~大人~老人まで、もっと幅広い年代と立場の人々に見ていただける、高品質の高尚な芸術文化にしたいと願って、常に創作に当たっている。
 現代の日本画家も、保守的性質のまま、自己の世界だけに没入する生き方でも良いのだが、もっと世間・世界の動向を知り、本当に次世代までの人々に愛され親しまれる”芸術文化”とは何なのかを、真剣に、誠心誠意、模索せねばならないだろう。・・・もちろん、これは私も含めてである。大きな絵画団体に所属している等という事実だけで、大きな顔をできる時代は、もう既に終わったのである・・・。


6月10日

 本日も、中国向け新作絵本〈第3弾〉をボチボチと描き進めました。いつもながら日本画での細密描写は非常に難しく、手こずっています。パソコンでの文字打ちなら造作もない事でしょうが、画中に手描きで文字を書くの等、なおさら難しい・・。かなり疲弊しますよね~~。 (@_@)丿
 現代日本画家は画材自体のマチエールの強さと勢いでカバーしている作家が多いのですが、日本画の岩絵の具で普通に描写するのは、実の所、とても技術がいるのです。自身の技術力の無さに辟易しながらも、何とか試行錯誤しながら描いています~。
 日本画は極めて扱いが難しい画材なのですが、上手く完成できると、実に奥深く美しい色が出ます。他の画材では代用は不可能なのです。この絵の具の魅力が、どこまで印刷物の「絵本」で再現できるのかは疑問もありますし、現代人はCG等の人工的で単調な色に慣れてしまい、日本画の色の魅力を解さないという意見も聞きます。それでも、日本画の画材の将来性を信じて、今後とも、私はこの困難な画材に対峙していきたいと思うのです。


6月11日

Kiddle ─ Jin Goto facts for kids
 Kiddle.co は、子供たちの安全を強調した、Web検索エンジン、および、オンライン百科事典(英文のみ)、だそうです。
 私・後藤 仁のページも掲載されています。世界中の子ども達の学習に役立つと、嬉しいですね~。 (^。^)y

https://kids.kiddle.co/Jin_Goto


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)

Author:後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)
~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師、元 東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員、この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。
★現在、ユネスコ無形文化遺産・大垣祭り 布袋軕「天井画」の制作中~❣ 中国向けの「絵本」も制作中~❣

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ブクログ「後藤 仁の本棚」ブクログ

絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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