2023-02-15
🌟「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産〕・布袋軕」(岐阜県大垣市)天井画『黒龍と四つ姫の図』 完成報告🐉
🌟 天井画(天井絵)『黒龍と四つ姫の図』 完成報告 🐉
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁、JIN GOTO、고토 진
*
2021年7月12日(月)から始めた、「大垣祭り・天井画」制作も、実に、578日(約1年7ヶ月)をかけて、2023年2月9日(木)、ようやく完全完成となりました。
この後、2月15日に大垣へと送付し(本日、ヤマト運輸 海外美術品支店の丁寧なご対応にて、送り出したところです。無事に大垣へと着く事を願います)、3月19日に大垣市で「布袋軕 完成披露式典」を開催し、5月中旬の「大垣祭り」で一般の方々へのお披露目となる計画です~💝
●大垣まつり|大垣・西美濃観光ポータル「水都旅(すいとりっぷ)」 公式サイト
https://www.ogakikanko.jp/event/ogakimaturi/
★「中町 布袋軕 完成披露式典」 開催 ❣
2023年3月19日(日) 午前10時~
大垣市中町20番地 山川医院東駐車場
【天井画、全制作工程】
○ 2021年7月12日(月)~ 「小下図(こしたず/縮小した下図)」制作
○ 2021年7月23日(金) 杉板への「ドーサ液」引き
○ 2021年8月3日(火)~ 「大下図(おおしたず/原寸大の下図)」制作
○ 2021年9月1日(水) 念紙(ねんし/日本画の転写用の和紙)による杉板への転写
○ 2021年9月3日(金)~ 「本画(杉板絵)・骨描き」 開始
(大垣祭り復元事業は文化庁と大垣市の助成事業でもあり、2022年4月の今年度予算決定後まで制作を待って欲しいという伝達を受け、2021年10月頃~制作休止。)
○ 2022年4月29日(金)~ 「本画(杉板絵)・彩色」 開始
○ 2022年12月20日(火) 「純金箔」押し
○ 2023年1月6日(金)~ 「純金泥・純銀泥」彩色
🎊2023年2月9日(木) 完全完成 ❣
『大垣祭り』(岐阜県大垣市)は、2015年に「国指定重要無形民俗文化財」に、2016年には「ユネスコ無形文化遺産」に登録された、日本を代表する盛大なお祭りです。『大垣祭り』の山車(だし)である、相生軕・愛宕軕・浦嶋軕・布袋軕・菅原軕・榊軕・神楽軕(三輌軕)には、私の伯父で からくり人形師の後藤大秀(ごとう だいしゅう)が復元・修復した「からくり人形」が多数載せられ、毎年5月、大勢の人々の前でご披露されます。
今回の「中町 布袋軕(なかまち ほていやま)」の再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受け、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による、大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業です。
「布袋軕(ほていやま)」は2020年から3年間をかけて完全復元新調を行い、私・後藤 仁 は、その締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く重要な役割を担いました。今回の仕事は、伯父・後藤大秀さんの「からくり人形」とのコラボレーション企画という事でもあり、誠に嬉しい仕事となりました・・・。
大垣市には父方の実家があり、幼少の頃より、夏休み・冬休み等には度々帰省していました。私にとっては、生まれ故郷の兵庫県赤穂市が“第一の古里”だとしたら、小学校1年生から高校生までを過ごした大阪府堺市と並んで、大垣市は“第二の古里”とも言える、大切な土地なのです。父・伯父の実家に行くと、私は、伯父の能面や からくり人形や様々な珍しい大工道具を見るのが、何よりも楽しみでした〰。👦
「大垣祭り・天井画」の制作が内定していた2020年9月に、伯父・後藤大秀さんがご病気で亡くなられました・・・。
今回の天井画制作は自分の為のみならず、例祭を執り行う大垣八幡神社や、それを支える大垣祭保存会・大垣市役所の皆様から、毎年「大垣祭り」を楽しみにしている大垣市民~子供からご老人まで、更には、岐阜県~日本全国~世界中のお祭り好きの人達までの為に、・・・そして、今は亡き、伯父・後藤大秀と我が父に捧げたいと思います・・・・。

大垣祭り・天井画 『黒龍と四つ姫の図』

「黒龍」

「黒龍」 顔

「黒龍」 両眼

「黒龍」 左手の玉(如意宝珠/にょいほうじゅ)

「黒龍」 左足

「黒龍」 右足

「黒龍」 尾

「中央の玉(如意宝珠)」

大垣城の姫君 「四つ姫~桜姫」

大垣城の姫君 「四つ姫~藤姫」

大垣城の姫君 「四つ姫~竹姫」

大垣城の姫君 「四つ姫~蝶姫」

大垣城の姫君 「四つ姫~桜姫」

「四つ姫~桜姫」 顔

「四つ姫~桜姫」 顔

大垣城の姫君 「四つ姫~藤姫」

「四つ姫~藤姫」 帯(鶴と亀図)

「四つ姫~藤姫」 顔

大垣城の姫君 「四つ姫~竹姫」

「四つ姫~竹姫」 顔

「四つ姫~竹姫」 顔

大垣城の姫君 「四つ姫~蝶姫」

「四つ姫~蝶姫」 顔

「四つ姫~蝶姫」 顔

金箔装飾部分・上辺 「日輪(太陽)と月輪(月)の図」 三日月と星々

金箔装飾部分・上辺 「日輪(太陽)と月輪(月)の図」 日輪と雲

金箔装飾部分・下辺 「宝相華文様」と「男の子と女の子・子猿の図」 女の子・子猿

金箔装飾部分・下辺 「宝相華文様」と「男の子と女の子・子猿の図」 男の子

金箔装飾部分・右辺 「宝相華文様」と「鳶(トビ)と雀(スズメ)の図」 鳶

金箔装飾部分・右辺 「宝相華文様」と「鳶(トビ)と雀(スズメ)の図」 雀

金箔装飾部分・左辺 「宝相華文様」と「松と梅の図」 松

金箔装飾部分・左辺 「宝相華文様」と「松と梅の図」 梅

四辺の墨書 「尭年舜日(ぎょうねん しゅんじつ)」

四辺の墨書 「一路平安(いちろ へいあん)」

四辺の墨書 「永寿嘉福(えいじゅ かふく)」

四辺の墨書 「五風十雨(ごふう じゅうう)」

四隅の印章 「游於藝(芸に游ぶ)」(出典:論語・述而篇)

四隅の印章 「道法自然(道は自然にのっとる)」(出典:老子・二五章)

四隅の印章 「多情仏心」

墨書 「大垣祭 中町 布袋軕 天井画」

落款 「黒龍と四つ姫の図」 令和五年(二〇二三年) 二月吉日 後藤 仁 / 印章「仁(朱文)」

画面裏・墨書 表の吉祥言葉に加えて、「祈求幸福」(中国語/幸せを祈る意)
大垣祭 中町布袋軕 天井画 『黒龍と四つ姫の図』
この図を、大垣市民と、大垣祭保存会(中町布袋会)、
そして、からくり人形師 後藤大秀と我が父に捧ぐ。
令和五年(二〇二三年) 二月吉日
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁、JIN GOTO
絵本用のサイン(ごとう じん)、JIN GOTO ♡
wish for Peace! 2023!
【作画コンセプト】
画題 『黒龍と四つ姫の図』
「黒龍」の力強さと「姫君」の優美さを融合させた、伝統と革新~日本様式と中国様式を合わせ持つ(龍の姿態は純日本様式で、全体的な構図・意匠は中国様式)、私の個性・独自性・オリジナル性にあふれる、今までに無かった、“伝統的でありながら真新しい龍図”を目指しました。芸術(ART)と職人技(craftsmanship)~ アルチスト(artiste)とアルチザン(artisan)の融合が、私の理想とする制作スタイルなのです。
画面中央には、天下太平を願う円相の中に、神獣・霊獣の最高位に君臨する、超巨大な「黒龍」がうねっています。黒色は何物にも動じない・影響を受けない、心底の強さを表しています。
画面の四隅には、4人の姫君「四つ姫」を描きました。城下町・大垣市の大垣城には、昔々、きっとこんな美しい姫君がおられたであろうと想像して、かつての和装の少女達の取材を元に描きました。「アジア・日本の美人画」をライフワークとする私の得意ジャンルでもあり、私の絵の真骨頂がここに表現されているとも言えます💖 「四つ姫」には、桜姫(日本の花の象徴)、藤姫(私の名前でもあり、私が最も好きな花の一つ/帯には長寿の象徴「鶴と亀」も描いています)、竹姫(松竹梅の目出度い木)、蝶姫(全ての虫類と美の象徴)の4人がいます。
周囲の金箔装飾部分の三辺中央には、「宝相華文様」を描き、「四つ姫」の左右には菊文様も浮き出ています。
金箔装飾部分の上辺は、「日輪(太陽)と月輪(月)の図」で、天体(宇宙空間)と時間を表しています。右辺は、「鳶(トビ)と雀(スズメ)の図」で、全ての鳥類~動物を象徴しています。左辺は、「松と梅の図」です。これは全ての植物を象徴しており、縁起の良い“松竹梅”になっています。「竹はどこに・・」、と思われるでしょうが、姫君のお一人「竹姫」が竹の柄の着物を着ており、それを合わせて“松竹梅”となるのです。下辺は、「男の子と女の子・子猿の図」です。愛すべき絵本的キャラクターを描き込みました。これは、“人の両性”を表しており、全ての人類の象徴になっています。4人の姫君と、男の子・女の子を合わせて、人間は6人になります。これには忌み数を避ける意味合いもあります(ちなみに西洋では、4は良いイメージらしいです。中国では、4には良い意味とそうでない意味の両方があるようで、6は縁起の良い数字とされているらしいです。子猿も数に入れたとしたら、西洋での7はラッキーセブン、日本でも7は吉数になります)。
すなわち、この四辺は、それぞれ、“天体・人類・動物・植物”を象徴しており、この世に存在するありとあらゆる物、・・・“森羅万象”を象徴しているのです。更には、それぞれが“陰と陽”の対をなしており、陰陽道的世界観により、宇宙全体の調和を図っているのです。
四辺の墨書。「尭年舜日(ぎょうねん しゅんじつ)」 ~天下泰平の世の中である事のたとえ。世の中が平和で穏やかな事。「一路平安(いちろ へいあん)」 ~旅立つ人の道中の無事平安を祈っていう語。また、仕事が順調に進む事を願う語。「永寿嘉福(えいじゅ かふく)」 ~永く幸せを受けるという意味で、長生きと幸福をお祈りする語。「五風十雨(ごふう じゅうう)」 ~五日目ごとに風が吹き十日目ごとに雨が降る意から豊作の兆しとされ、気候が穏やかで順調な事。世の中が太平・平穏無事である事のたとえ。
四隅の印章(雅号印・姓名印/遊印・詞句印)は自家製(手彫り)の石印。「仁」(私の名前、朱文)、「游於藝(芸に游ぶ)」(出典:論語・述而篇)、「道法自然(道は自然にのっとる)」(出典:老子・二五章)、「多情仏心」(人や物事に対して情の多い事が、仏の慈悲の心であるという意。 また、物事に感じやすく移り気だが、無慈悲にはなれない、薄情な事ができない性質の事。)
画面裏の墨書は、表の吉祥言葉に加えて、「祈求幸福」(中国語/幸せを祈る意)を記入。
大垣祭 中町布袋軕 天井画 『黒龍と四つ姫の図』
この図を、大垣市民と、大垣祭保存会(中町布袋会)、
そして、からくり人形師 後藤大秀と我が父に捧ぐ。
令和五年(二〇二三年) 二月吉日
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁、JIN GOTO
絵本用のサイン(ごとう じん)、JIN GOTO ♡
wish for Peace! 2023!
~~~すなわち、この大垣祭り・天井画 『黒龍と四つ姫の図』は、全ての人類の平和と安寧と幸福を祈念した、高貴で威厳に満ち満ちあふれた、尊崇すべき「吉祥画」なのですね~~🥰
今回、「龍(竜)」をテーマに「天井画」を描きました。もしまた、このような「天井画(杉板絵)」のご依頼があったとしたら、次回は、この世の物とも思えないほど美しい「鳳凰」を描いてみたいな・・・という、思いがあります~~~💝 (^.^)/~~~

大垣祭り・天井画 『黒龍と四つ姫の図』と私・後藤 仁

大垣祭り・天井画 『黒龍と四つ姫の図』と私・後藤 仁

大垣祭り・天井画 『黒龍と四つ姫の図』と私・後藤 仁
🌟YouTube ユーチューブに、大垣祭り・天井画『黒龍と四つ姫の図』の制作過程・作画風景~完成作品を掲載した、動画(静止画より編集)をアップしました❣ 描き進めるにしたがい、徐々に変化していく「天井画」の様子がよく分かります~。私も、けっこう、頑張っていますよ~。皆様、ぜひ、ご覧下さい~💝 (^.^)/~~~ 加油 〰 ❣❣
大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕布袋軕(岐阜県大垣市)天井画『黒龍と四つ姫の図』制作過程・完成作品/絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁、JIN GOTO
大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕布袋軕(岐阜県大垣市)天井画『黒龍と四つ姫の図』作画風景篇/絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁、JIN GOTO
天井画の制作前には、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本大地震、ネパール大地震、中国 四川省大地震 等の自然大災害や、ミャンマーやスリランカ等での内戦・紛争による人災といった、私とゆかりのある土地・国々での災害に対する“鎮魂の祈り”を込めた作画意図に始まりました・・・。しかし、作画途中にも、新型コロナウイルスの世界的蔓延や、ウクライナ戦争、トルコ・シリア大地震 等の恐るべき自然災害・人災が多発し、不安定で混乱した時代が続いています・・・。また、身近には、伯父・後藤大秀の死や、その他、多くの親類・知人の死がありました・・・・。
“生老病死” ~ “苦集滅道” ~~~。実に苦しみに満ちた世ではありますが、全ての人類の平和と安寧と幸福と発展を祈念し、次世代を担う、子ども達・若者達の幸せと喜びを願って、ここに、私の真心と誠意を最大限に込めた、『黒龍と四つ姫の図』をご奉納いたします・・・・・。
望むらくは、100年後の大垣~日本までも、この『黒龍と四つ姫の図』を残していただき、末永く、多くの皆様方に楽しんでいただける事を心より願っています~~~~~。
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁、JIN GOTO、고토 진
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