大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その2〉、杉板届く!!
天井画(天井絵) 制作
2021年7月10日(土)昼前、大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)用の杉板が、我がアトリエに届きました~。 ヽ(^o^)丿
大垣辺りの宮大工の方に新調していただいた板で(最初は、宮大工の経験もある、からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀に板の相談をしていたのですが、昨年の伯父ご逝去を受けて、別の宮大工の方にお願いする事になったのです)、サイズは100.5cm四方(S40号に近い)で、厚さ15㎜(5分厚)の秋田杉の赤柾目を使用しているそうで、吉野杉より茶褐色の強い寒冷地特有の目の詰まった最高級の杉板だと言います。裏は反り防止の蟻桟(ありざん)加工を2箇所に施してあります。このような、とても高品質の画面をご提供いただき、誠に有り難く存じます。
これまでにも小さな板材に日本画を描いた事や、寺院の「天井画」を和紙に描いた経験はありますが、このような大きな杉板の「天井画」を描くのは、私にとっても初めての経験です。何事も挑戦あるのみ! 芸術家は、常に新たな境地に挑み続ける事に、大きな意義があるのです。
大垣祭保存会からのご要望による画題は、ずばり「龍」です。私の主たる絵のテーマは「アジアの美人画」であり、通常、女性人物像を描く機会が多いのです。しかし、かつて後藤純男先生のご実家の寺院「八幡山宝蔵院」(埼玉県)の「天井画」には龍と鳳凰を描きましたし、人物の背景に龍を描き込んだり、今後の絵本作品の中には龍が登場する民話も計画されています。龍は古来より、日本や中国で畏敬・神聖視されてきた最も高貴な霊獣であり、私も描きたい画題の一つなのです。
杉板の梱包を開けると、杉の良い香りが漂いました。子供の頃から、大垣の からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀の画室で嗅いだ、あの懐かしい香りです。創作への気合が、俄然みなぎってきました~。
大垣は、伯父や父達の生まれ育った地であり、私も幼少の頃から何度となく訪れた、私の第二の古里とも言える大切な場所です。今回の天井画制作は自分の為のみならず、例祭を執り行う大垣八幡神社や、毎年「大垣まつり」を楽しみにしている大垣市民~子供からご老人まで、それを支える大垣祭保存会・大垣市役所の皆様から、日本全国のお祭り好き達までの為に、・・・そして、今は亡き、伯父・後藤大秀と父に捧げます。
「天井画」制作には、この後、およそ1年間をかける予定で、絵の原案(小下図)を完成させ、大下図を描き、板への本画へと移っていきます。通常、私の絵の創作工程は完全非公開ですが、今回は公的な創作依頼(税金も投入されています)でもあり、全国の大垣祭りファン・日本画ファン・天井画ファン・後藤 仁 ファン(そんな人いるのかな?)の為にも、創作過程を特別に、随時、拙ブログに綴っていきたいと考えております。乞うご期待~~!!
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁
我がアトリエに届いた、大きな荷物とは?
大垣祭り「天井画」用の、誠に美しい杉板でした~。 (@_@)丿 これから、この無垢の板に、「龍」を描いていくのです。
板の裏は、こんな感じで、とても丈夫に造られています。
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大垣祭りは、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。
布袋軕再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業となります。
布袋軕は2020年から3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私・後藤 仁 は、その締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されているのです。
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