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2020-07-11

或る清貧画家の祈りの断簡3(未来の瞳の為に描く)

 私は制作の合間に時々、フェイスブックやツイッターでつぶやいています。今回は、その主要部分の”まとめ”の続編になります。
 中国向けの新作絵本『青蛙緑馬』(チベット民話/唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字 〈中国〉 )は、残念ながら、新型コロナウイルスの影響で、発売が半年ほども延期されたままです・・・・(絵本の発売準備は整っており、中国の経済状況の回復を待って、発売時期を検討中です)。この物語は、最後こそ悲話の幕引きとなりますが、勇気や希望や愉悦や情愛を感じていただける、・・・人の”生”と”死”を考えさせてくれる、とても良いお話です。まさに今、困難に直面している、中国や日本や世界中の幾多の子ども達に、ぜひ読んでいただきたい、誠に素敵な絵本になると信じています。
 そんな苦しき現状にもかかわらず、中国向け新作絵本制作第二弾は、すでに描き途中です。もう全場面の半分以上は描き進めています・・・。どのような困難な状況に見舞われようと、厳しい時代に突き当たろうと、制作の手をゆるめる事は決してできません。それが将来を担う多くの子ども達・・・、”未来の瞳”を輝かせるものであるのならば、なおさら、私は描かずにはおられないのです。それが、生来の絵描きというものなのです。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

絵本『青蛙緑馬』表紙絵本『青蛙緑馬』(チベット民話/唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字 〈中国〉 )


             *

 2020年5月11日

 今年の「大垣祭り」(ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財/岐阜県大垣市)は、新型コロナウイルスの影響で、残念ながら中止になりました。
 私の伯父・後藤大秀の「からくり人形」ご披露も、今年はおあずけです・・・。  ( ;∀;)

 これからいよいよ、「大垣祭・布袋軕」天井画(天井絵)制作が、本格始動いたします。来年は無事に、祭りが開催されます事を、心からお祈り致します。

 https://www.city.ogaki.lg.jp/0000002628.html
 https://www.ogakikanko.jp/event/ogakimaturi/


 5月18日

 中国向けの新作絵本制作は、この数日をかけて、「第8場面」の彩色を進めると共に、「第12場面」の下図完成~骨描き~下地塗り~彩色と、2枚を同時進行しています。

 この絵本は史実に基づいた創作物語なので、家具や道具等の多くの小物が出てきます。これらの細部を描くのも大変なのですが、創意工夫のしがいもあり、完成しましたら、絵本の見所の一つともなるでしょう。

 どんなに困難な時代・時節でも、創作の手は決して緩めない。常に、焦らず、弛まず、奢らず(驕らず)・・・の精神で、画道に精進したいと考えています・・・。


 5月27日 

 【ライブドアニュース】宮崎駿監督「シュナの旅」の原話、チベット民話「犬になった王子」の絵本版が出版―日本
 2013年11月1日、チベット民話を題材にした絵本「犬になった王子」(岩波書店)が11月15日に出版される。「犬になった王子」は宮崎駿監督が出版した「シュナの旅」の基となった民話であり、「シュナの旅」は後の映画「ゲド戦記」の原案となっている。・・・・
 古いニュースですが、まだ掲載されていますね~。こんな困難な時代だからこそ、親子で・お孫さんと一緒に読んでいただきたい、壮大な冒険物語絵本です。

 https://news.livedoor.com/article/detail/8217084/


 6月3日

 中国向けの新作絵本制作は、数日をかけて「第9場面」の下図を完成させ、転写~骨描き~胡粉・黄土の下地塗りまで進めました。この場面には、人物が40人以上も登場するので、描くのは実に大変です。「第12場面」もぼちぼち進んでいます。

 この絵本の原話は、中国の古代史話に基づいた創作歴史物語ですので、今までの私の絵本作画よりも、衣装や小道具の描写に凝っています。それだけに、下調べや描くのも一苦労です。しかし、その分、描きがいがあります~。(^o^)

 J:COMで「麗王別姫」~花散る永遠の愛~という壮大・豪勢な中国ドラマをやっており、もちろんCGも多用していますが、衣装や建造物・小道具等の細部まで素敵ですね~。中国の映画やドラマのレベルは、この20年ばかりで、驚くほど飛躍的に向上しました。このドラマの印象は、今回の私の作画絵本にも通じる世界観ですね・・・。景甜(ジン・ティエン)のような、美しい女性像が描けるといいのですが~~♡


 6月9日

 絵本作家・田畑精一さんの訃報が伝えられました・・・。

 2016年4月6日(水)に、童美連で開催された「絵本サロン2016」田畑精一さん、杉浦範茂さんの対談。この時には、とても為になるお話が聴けました。
 私が持参した、絵本『おしいれのぼうけん』を手に・・・。この絵本には、後でサインを入れていただきました。

 その後、私の絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をお見せした機会には、わざわざご丁寧なお電話をいただき、「髪の毛の描写は大変だったでしょう・・・。」との有難いお言葉をいただきました。
 日本の絵本全盛期の優れた作家が、またお一人去って逝かれます。日本画の世界も絵本の世界も、本当に実力と勢いのあった世代の作家が、どんどん少なくなって寂しい限りです・・・・。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

童美連 絵本サロン「絵本サロン2016」 田畑精一さん(左)、杉浦範茂さん(右)


 6月17日

 私も齢五十を越え、半世紀の時を想う事も度々である・・・。インドの思想では、五十を越えると「林住期(りんじゅうき)」となる。

 私は遅く27歳で藝大を卒業したが、それは、ほぼ「学生期(がくしょうき)」に当たる。その後、「家住期(かじゅうき)」には、家庭人としては役をなさなかったが、画家としての社会的役割は最低限は果たせたであろうか?

 今の世の中は難問が山積みであるが、そんな時代だから、なおさらに深く想う・・・。画家としても全くと言っていいほど、何も成果は上げられなかったが、それでも何とか画道を続けて来れたのは幸いである。

 これからの「林住期」・・・、儒教で言えば、「知命(天命を知る)」であるが、できるだけ俗世間から離れ、短絡的私利私欲や刹那的損得に惑わされずに、ただ絵師として、超越した世界を生きる事ができるのだろうか・・・。そうありたいものである。

 (追伸: ただ、この「林住期」は、絵描きにとっては最も重要な時期になる。俗世とは少し距離を置きながらも、ひたすら創作に明け暮れる日々にしたいものである・・・・。)


 6月19日

 東宝映画情報「スタジオジブリ」4作品 劇場上映が決定しました!!。

 ジブリアニメ映画「ゲド戦記」の原案の「シュナの旅」(宮崎 駿/徳間文庫)の原話は、チベット民話「犬になった王子」です。私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も合わせて、ぜひご覧下さい。

絵本『犬になった王子(チベットの民話)』表紙 小絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)

 https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/ghibli2020.html

 https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/


 6月23日

 中国向けの新作絵本制作は、数日をかけて、「第12場面」を完成させました。この場面は、一見、地味目な人物風景なのですが、想像以上に描くのは大変でした。日本画では、同じ人物を何度も描く事すら難しいのですが、様々な文房四宝の描写も思った以上に困難でした。しかし、静謐な満足感がかもし出された、起承転結の内の”転”の締めくくり場面になりました。
 今日はもう少し、「第9場面」を墨線で描き起こそうかと思います。墨線の仕事は、実に疲れます。・・・・

 新型コロナウイルスの影響で、絵画講師の仕事が3ヶ月近く無くなり、当面、絵の販売の計画も無く、中国向けの絵本の発売も半年近くも遅れています・・・。元々微々たる収入は、この3ヶ月近く全くの”0”になりました。きつ過ぎる~。
 日本画はとても画材代が高く、気が遠くなりそうに神経を使う仕事が連綿と続きます~。日本画も絵本も、基本、完成後の後払い方式なので、前回・今回の絵本の制作も、ほぼ2年位、完全タダ働き状態です~~。😭
 ほんの一部の商売上手で調子のいい人を除いて、真面目な絵描きとは、基本、辛過ぎるお仕事なのです。これからの若い人には、到底、お薦めできません。
 ただ、2013年に発売された拙作絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)を、ツイッター等で、「子供の頃好きだった絵本」に挙げていただいているのを見付けたりすると(その人は幼稚園の頃に読んだらしいので、まだせいぜい中学生位の人でしょうが・・・)、もう既に私の作品は、誰かしら多くの若い人々の感性に影響を与え、その人の心に深く刻まれていっているのですね・・・。
 そう考えると、たとえ貧困で飢え死にしようと、作品は生きている訳で、画家冥利に尽きるというものです。ただそれだけで良いのです、何もいらない、ただ描ければそれで良いのです・・・。

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)


 7月3日

 ★私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が、Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館【The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014】に選定された時の、2015年 巡回展覧会パンフレット「Wanderausstellungsflyer IJB 2015」(19ページ)に、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も掲載されていたようです。今頃、気が付きましたね~。

○「Wanderausstellungsflyer IJB 2015」展覧会カタログ 〈PDFデータ〉
 https://www.ijb.de/fileadmin/Daten/Pdfs/Wanderausstellungsflyer_IJB_2015.pdf

 https://www.ijb.de/de/ausstellungen/single/article/the-white-ravens/48.html


 7月5日

 Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館【The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014】
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) Inu ni natta ōji. Chibetto no minwa (The prince who became a dog. A Tibetan folk legend) のページがあります。

 https://whiteravens.ijb.de/book/1286


 7月6日

 スタジオジブリアニメ映画「ゲド戦記」、宮崎 駿の絵物語「シュナの旅」の原案・原作は、チベット民話「犬になった王子」であると、ここでも触れられています。
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も、この機会に合わせて、ぜひご覧下さい。

 https://realsound.jp/movie/2020/07/post-579758.html

 https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html


 7月8日

 中国向けの新作絵本制作は、数日間をかけ、「第9場面」を完成させました。この場面には、30名余りの美人と10名余りの男達が登場しますので、描くのに骨が折れました。この「第9場面」は「第4場面」に対応しているので、背景はほぼ同じに描いてあります。日本画では、全く同じように描く事自体、かなり難しく、デジタルでコピーペーストするようにはいかず、その点でも今回は至難の業でした。
 また、「第10・11場面」の下図にも、着手しました。~

 この絵本作品には、総勢、数百名は人が登場します。私が今まで描いた絵本の中では、最多です。その上、けっこう緻密な描写手法で描いています。そんな意味でも、この作品は私にとって、新たな試みだと言えるのです。
 保守的マンネリズムに陥るのではなく、常に新たな境地を求め続ける・・・、それが、芸術家にとって最も大切な姿勢なのです。言うは易く行うは難し・・・、一生、この困難な道を歩もう・・・、今、厳しい現状にある、多くの子ども達〈未来の瞳〉の為にも、命をかけて描き続けよう・・・・。遥かなる高みを目指して、この道を、ただ歩もう・・・・。


 7月10日

 私はアイドルの事はよく知りませんが、元モーニング娘の飯窪春菜さんのインスタグラムにて、「シュナの旅」(宮崎 駿/徳間文庫)とともに、チベットの民話「犬になった王子」(君島久子/岩波書店)も紹介されています。
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子・後藤 仁/岩波書店)も合わせて、是非ご覧下さい。

 https://www.instagram.com/p/CAKuIiyAyMJ/?igshid=14kl1hqy59o2o

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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

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後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)

Author:後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)
~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師、元 東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員、この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。

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絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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