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2019-11-17

『童美連 創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』「東京あこうのつどい」ご報告、後藤 仁

『童美連 創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』 
  (ブックハウスカフェ、神保町) ご報告 ('ω')ノ


 一般社団法人 日本児童出版美術家連盟(童美連)主催の大型団体展覧会『童美連創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』(ブックハウスカフェ、神保町)がご好評のうちに終了しました。(私・後藤 仁 は、この展覧会を企画運営する童美連・展覧会実行委員会委員長として、この展覧会を取りまとめました。)
 童美連現会員270名余りの中の有志、156名の原画・版画・立体作品が一堂に並びました。著名・人気絵本作家・画家から新人絵本作家・イラストレーターまで、実に多彩な顔ぶれです。
 今回、私は、絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 後ろ扉・原画を出品いたしました。東京近郊で、この原画を公開するのは久しぶりでした。
 絵本・児童書閲覧コーナーには、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も展示しました。

こどもの本の画家たち展10月24日(木) 搬入・展示。 ブックハウスカフェ スタッフ、日本児童出版美術家連盟会員の皆さんと。

こどもの本の画家たち展ブックハウスカフェ、神保町

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」(ブックハウスカフェ) 会場入り口

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」(ブックハウスカフェ) 会場。 絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 後ろ扉・原画 〔上段・中央〕

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」(ブックハウスカフェ) 会場。 絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 後ろ扉・原画 〔上段・中央〕

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」(ブックハウスカフェ) 会場。 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) 〔下段・中央〕

 2019年10月25日(金)「オープニングパーティ」開催!!。今回は、会場の広さ等を考慮して、童美連会員だけのオープニングパーティとしました。雨が降る中、50名を超える童美連会員の方々にお集まりいただきました。展覧会実行委員会委員長の私も一言ご挨拶し、パーティが始まりました~。🥂 🍻   
 ブックハウスカフェでご用意いただいた、食べ物・飲み物は美味しくて安くて、とても good! 楽しいひと時となりました~。

 27日(日)は、講演会「童美連55年の歩み ~こどもの本の画家たちの仕事と誇り」(講師:浜田桂子)がありました。
 浜田桂子さんは、童美連の歴史にも詳しく、絵本の歴史にも精通しておられ、著作権についても理解が深いので、このテーマに最もふさわしい方だと、今回、ご講演をお願いいたしました。
 この日、会場いっぱいの多くの方が聴講に来られました。浜田さんは、福音館書店「こどものとも」の初期の名作絵本や、太田大八さんの絵本等を示されながら、丁寧に分かりやすく、ご解説いただきました。
 最後に私も、展覧会実行委員会委員長として、少しご挨拶して閉会となりました。

こどもの本の画家たち展講演会「童美連55年の歩み ~こどもの本の画家たちの仕事と誇り」(講師:浜田桂子) 後藤 仁 ご挨拶

こどもの本の画家たち展講演会「童美連55年の歩み ~こどもの本の画家たちの仕事と誇り」(講師:浜田桂子) 後藤 仁 ご挨拶

 11月3日(日)は、「絵本読み聞かせリレー」を1Fカフェスペースで行いました。複数の絵本作家が自作絵本を朗読していくという企画で、第1部・第2部とも会場をあふれる程のお客様でにぎわいました。ご年配の方も多かったですが、お子さん方も楽しんでくれました~。 ヽ(^o^)丿

 4日(月・祝)は、講演会「絵本作家としての歩み」(講師:和歌山静子)を開催。和歌山静子さんは中国にも造詣が深く、力強く個性的な絵を描かれます。会場は満員で大変盛況でした~。和歌山さんの人間味あふれるお人柄がにじみ出た、とても面白いお話でした。
 私も最後に少しだけご挨拶。そこで一番やりたかったのは、展覧会実行委員会のメンバー紹介です。一人一人が独立した絵本作家・イラストレーターながら、今回、裏方として時間と労力をさいて頑張っていただけたメンバーを、せめて名前だけでもご紹介したかったのです。

こどもの本の画家たち展講演会「絵本作家としての歩み」(講師:和歌山静子)

 『こどもの本の画家たち展』は、こうして約2週間の会期を終え、大盛況のうちに無事閉幕いたしました。
 会期中は1600名を超える多くの子どもたち・絵本愛好家・児童書関係者の皆様に展示会場にお越しいただき、誠にありがとうございました。講演会・読み聞かせリレーも、合計 約200名以上の方々にご参加いただき盛り上がりました。また、童美連会員・展覧会実行委員会のお手伝いいただいた皆様に感謝申し上げます。
 今回の展覧会においては、私の絵画界での永年の経験を存分に活かし、ただ絵本の原画であるというだけではない、生の絵画作品自体を純粋に鑑賞し、その筆致や息づかい等を堪能できる展覧会を目指し、それについてはある程度、実現できたのです。ただし、これだけでは私の目標の半分も叶えられませんでした。絵本原画の販売コーナーや、いわさきちひろ・赤羽末吉・太田大八・滝平二郎・瀬川康男 等の物故会員作品展を企画提案したのですが、童美連の資金・人員不足や総会・理事会での理解が得られずに断念しました。

 11月6日(水)の搬出時は男手が足りず、私自身は先日からの軽度の腰痛もあり、力仕事はけっこう大変でしたが、その後、「第6回 東京あこうのつどい」(都市センターホテル、千代田区)があったので、そのまま現地に直行しました~。
 一昨年には小池百合子都知事もご出席された、赤穂市・兵庫県関係者100名程が集う会ですが、文化人は私や音楽家・映画人等、数名で、ほとんどは国会議員や赤穂市長・市議会議長等の国政・市政関係者と、大手ゼネコン等のビジネス関係者です。なかなか絵描きの私と興味が重なる人も少ないのですが、時には異業種の人と話す事も、また必要な事でしょう。それに、この時くらいしか会えない、貴重な方々もおられますし・・・。

こどもの本の画家たち展11月6日(水) 搬出。 日本児童出版美術家連盟会員の皆さんと。お忙しい中、黒井 健さん・篠崎三朗さん等も直接搬出に来ていただき、ありがとうございました。

東京あこうのつどい「第6回 東京あこうのつどい」 (都市センターホテル、千代田区) 赤穂市・兵庫県にゆかりのある、国会議員、赤穂市長・市議会議長、経済・文化人 等が集まる会です。

             *

 私は日本児童出版美術家連盟(童美連)には、黒井 健さん、浜田桂子さんのご推薦で2014年初めに入会し、約5年余り在籍し、後半の3年間は理事と展覧会実行委員会委員長・日本著作者団体協議会担当 等の重要役職を務めました。童美連では何人かの素敵な絵本作家の先輩方にも出会えましたし、まだまだ知らない絵本界を勉強する良い機会にもなりました。
 ただ、5年の間、童美連の中枢を知るにつれ、日本画界・純粋美術界と同じく、様々な問題点がある事が見えてきました・・・。60歳代過ぎの絵本作家の方々の中には、とても優れた造形性や人間性を備え、絵本界での名声と実績を示す人も幾人かいますが、若い作家になるにつれ、名実が備わった作家が少なくなります。また、日本画界では縦社会・派閥社会の閉塞感・弊害は多々ありますが、公然と派閥を標榜している潔さがありましたが、童美連では「公平・平等」を公に掲げながら、実際には密かな派閥・グループ間の軋轢が見え隠れし、様々な不公平性が生じていました。童美連も創立50年を超え、世に言う「権力は腐敗する」「一つの文化ジャンルの最盛期は50年を越えない」という言葉通り、ここでは詳しくは語りませんが、その他にも様々な疑問点・脆弱性を内包している今の童美連の現状を垣間見ました。現在は辛うじて、尊敬できる優れたご年配の絵本作家は残っておられますが、もう今は既に、私が憧れた絵本作家、いわさきちひろ や赤羽末吉さん達がご活躍された頃の、最も輝ける童美連ではないのです・・・・。このまま何も改革せずに今の体制で進むと、きっと10年~20年後には解体、又は、実質的な機能を失う危機に直面するでしょうね・・・。
 童美連では「著作権」の勉強会も行われますが、それは1年もあれば、ほぼ全容を解釈できました。童美連で吸収できる知識・利点のほぼ全てを、5年間もあれば、私は成しえました。その後は、時間的・体力的・金銭的浪費ばかりが気になり出すだけです・・・。とにかく”制作”の時間が相当削られるのだけは、我慢できません。私にとって「絵」は人生の全てなのですから~。私は童美連よりずっと大きな作家団体の日本美術家連盟会員でもあるので、「作家の権利の保護・擁護」という観点からも、童美連と重なる部分も多く、両団体に入る必然性もないのです。

 ブッダも「真理のことば」の中で、こうおっしゃられています。・・・・「旅に出て、もしも自分よりすぐれた者か、または自分にひとしい者に出会わなかったら、むしろきっぱりと独りで行け。愚かな者を道伴れにしてはならぬ。」(「ブッダの真理のことば 感興のことば」中村 元訳/岩波文庫)・・・・と。

 そんな訳で、特にお世話になった童美連の複数名の先輩方々には大変申し訳ない思いもあるのですが、その他にも諸々を考慮した結果、童美連での活動はこの「展覧会」という形一つの完了をもって、完全に離れる決意を固めました。
 本来の日本画家としての創作活動を一番大切にしていきたいのです。しかし、感受性の豊かな子どもたちに直接訴えかける「絵本の世界」もとても重要と考えており、福音館書店・岩波書店 等の優れた大手絵本出版社や、福音館書店編集長であった唐 亜明さん達と、本当にしっかりした絵本だけを、今後も制作継続していく所存です。
 また、何人かの信頼できる良き絵本作家の先輩方・同輩達とは、童美連を離れた後も、きっと良きお付き合いが続くだろうと信じています。今後ともよろしくお願いいたします。
 
 絵師(日本画家・絵本画家)、日本児童出版美術家連盟 会員・理事〔展覧会実行委員会委員長〕  後藤 仁

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後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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