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2019-02-24

後藤仁 台湾写生旅行 その12(最終回)

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その12 〈最終回〉
 昨年、訪れた台湾の旅ですが、昨年後半は大きな展覧会等が続き、多忙でなかなかアップできずに、丸一年経ってしまいました。今回でようやく完結します。最後までお楽しみ下さい。

 3月14日(水) 旅行21日目(前回からのつづき)。烏來(ウ―ライ)「酋長文化村」での舞踊公演が始まります。民族音楽にのせて数人のダンサーが軽やかに踊ります。なかなか高いレベルです。観光用に現代的にアレンジされていますが、台湾少数民族・タイヤル族の伝統を継承した舞踊は見応えがあり満足しました。今回の旅では、先進国にありがちなのですが、台湾の人はあまり絵描きに関心を示さず、スケッチ中も集まって来る人が少なく、肝心の人物を描く事があまりできませんでした。それがF4号スケッチブックを全ページ完了できなかった原因にもなっています。その部分では少々心残りがありますが、国によっても雰囲気が変わるので仕方ありません。この舞踊公演を観覧できた事で、ようやく台湾取材旅行での「アジアの美人画家」としての取材が完結したような気がしました。
 歩いて烏來老街に戻り、昼食は魯肉飯(ルーロウファン/台湾名物、豚の脂身丼)、野菜炒め(計110元)をいただく。昼過ぎ、バスとMRT(台湾式地下鉄)を乗り継ぎ、台北に帰って来ました。台北では、「松山文創園区」という総合文化施設で展示物や図書館を見物。台北の街をぶらつき、ジュンク堂書店、誠品書店等の台湾の大きな書店や画廊を回って、絵本文化や絵画文化の充実度をリサーチ。夕食はパンで簡単に済ませました。

 今夜の宿は、前もって予約しておいた「ホーミーホステル」ですが、この日は混んでいてシングルルームがなかったのでツインルーム(トイレ・シャワー共同、朝食付き、ツインルーム1300元)に一人で泊まります。台北の宿はゲストハウスクラス(トイレ・シャワー共同、ベットしかない狭い部屋)でも1000元位はしますので、烏來から2時間弱で移動できる事、MRTの運行が安定している事を考えると、30分間のバス移動のみ少しの不安は残るものの、台湾旅の最終日は烏來に泊まって、朝早くに台北に戻って空港(夕方~夜の便)に向かうという選択肢もありだなと思いました。通常は間違いなく日本に帰る為に、最終日は必ず空港に一番アクセスの良い大都市に泊まるのですが、烏來→台北位の短距離移動なら不安も少ないです。宿の価格と設備充実度を考慮すると、次回からはそうしようと思うのでした。
 
 3月15日(木) 旅行22日目。この日は台湾旅行の最終日です。朝食は宿のブレックファーストをいただき、朝から台北街巡り。帰国便まで時間の限りリサーチしておこうと思います。「国立台湾博物館」(入館料30元)を鑑賞。館内は広くて、恐竜の化石や動物の標本等、見所はたくさんです。「国立国家図書館」「台北市立図書館」を見学。どちらも広くて、「台北市立図書館」の児童書コーナーはかなり充実しています。帰国の時間がどんどん迫るので、後半は駆け足での移動になりました。
 最終日に友人・知人用の土産を買っておこうと考えていましたが、色々な人に配るとなると、いつも100個以上は買わないといけないのです。台湾は物価が高め(物価平均は日本の7割位)で、その土地ならではの面白い土産もなかなか見つからなく、いよいよ帰国便の時間が迫って来ました。今回の土産はあきらめです~。
 13:30に台北車駅からMRT桃園機場線で、14:10機場第二航廈駅着(160元)。遅めの昼食は空港のレストランで、豚の角煮麺を食べました。

台湾写生旅行烏來(ウ―ライ) 「酋長文化村」 ダンサーの皆さんと

台湾写生旅行「国立台湾博物館」 外の広場で野生のタイワンリスを見つけました。カワイイけど猫くらいに大きいよ~ (@_@)


 16:20 台北、台湾桃園国際空港 第2ターミナル 発 〈CI106〉 → 20:20 日本、成田空港 着 


 こうして22日間に渡る「台湾写生旅行」は終了しました。特にこの旅で印象に残ったのは、日月潭(リーユエタン)、霧台(ウータイ)、烏來(ウ―ライ)の3か所でした。いずれも素晴らしい土地でしたね・・・。
 今回の旅は、初期の謎の歯痛とカメラの調子が最後まで悪かった事を除けば、ほぼノートラブルの快適な旅になりました。あまりに平穏すぎて、旅の過酷さを知る私としては、少し物足りない位の、日本に近い感覚の旅でした。治安・衛生環境もかなり良くて、交通機関・宿泊・食堂・売店等も日本並みに発達しており、主な施設ではほぼ英語が通じ、日本人なら台湾漢字の繫体字もだいたい読めるので、旅に不自由はありません。海外旅行初心者の方には、台湾は一番おすすめと言えますね。
           *

 今回の取材旅行の「旅行費用」をざっと記しておきましょう。

「台湾一周 写生取材旅行 (22日間)」 
 航空券(ビザ不要)・旅行保険代金等  約6万円
 現地滞在費(宿泊、食費、交通費 等) 約16万5000円
               総計  約22万5000円

 今回も極力安い費用で、最大限充実した取材旅が出来ました。お金持ちならば、費用をかければ、快適で充実した旅が出来るのは当たり前です。しかし贅沢旅では、かえって本来の人々の生活や物事の真実が見えないものです。私のような貧乏絵描きは、いかに工夫して、安くても素晴らしい取材旅をするのかが重要なのです。お金ではなく、頭と足を使うのです。

 旅の成果は、スケッチブック2冊で、計38枚(F4号15枚、SM号23枚)のスケッチ。写真撮影 2550枚。

 私はプロの画家なので、スケッチや原画をネット上であまり公開しないのですが、拙ブログ来訪者に感謝して、特別に2枚だけご披露いたします。

台湾写生旅行「九份」 (2018.3.12) F4号 後藤 仁

台湾写生旅行「嘉義にて、少女」 (2018.2.28) SM号 後藤 仁

           *

 前回の「スリランカ旅行」でも記した内容に追記します。
 台湾は、アジア圏ではトップクラスの経済発展を遂げており、治安も良い国と言われています。私の実感で「旅の快適度・難易度(治安、利便性、雰囲気の良さ等から総合的に判断)」を独断と偏見で比較したら、今回の台湾は、ラオス・ルアンパバーンや日本の地方地域と同じレベルでしょう。台湾の都心部だけを取り上げてみても、日本の都心部より治安が良いのではないかと感じた程です。(ただし、わずか22日間の滞在なので、確たる判断はできませんが。)
 私が今までに旅をした国々の「旅の快適度・難易度」をざっと表にしてみると、以下のようになりました。ちなみに、最近の中国都心部(北京・上海)、中でも上海の利便性・治安の向上には著しいものがあります。

台湾(全域の平均)、ラオス(ルアンパバーン)、ベトナム(サパ・バックハー)、ミャンマー(インレー湖・カロー)、日本(地方)
○日本(都心部)
○中国(北京・上海)、タイ王国(チェンマイ・チェンラーイほか)、イタリア・バチカン市国、ミャンマー(全域の平均)、スリランカ
○中国(貴州省・四川省ほか地方地域)、タイ王国(バンコク)、ミャンマー(ヤンゴン・バガン)
○ベトナム(ハノイほか)、カンボジア(シェムリアップ)、ミャンマー(マンダレー)
  (この間には開きがあり、これ以下は旅の難易度が増します。)  
●中国(チベット)、ネパール(カトマンズほか)、インドネシア(ジャワ島・バリ島)
  (この間には開きがあり、これ以下はさらに旅の難易度が増します。)  
●インド(全域)
●インド(バナーラス)

  (※上方ほど快適度が高い、下方ほど難易度が高い。)

 といった順ですが、これはその国・地域の「良し悪し、素晴らしさ」という判断ではなく、あくまで治安を中心とした「快適度・難易度」です。また、私の訪問年代にもよりますし、たまたま時の状況が悪かったという場合も考えられるでしょうから、私個人の主観としてご参照下さい。
 インド、ネパール、インドネシアなどは、とても優れた遺跡や文化が残っている素晴らしい国です。ただ、これらの国は一人旅をするのは結構難しい地域で、身に危険を感じる場面が何度か起こる可能性があり、特に女性の一人旅はよほど旅慣れた人でないとお勧めできません。また、ツアー旅行の場合でも、注意が必要になってくるでしょう。
 外務省ホームページの危険情報によると、インド辺りは黄色(十分注意)から部分的に薄いオレンジ色(渡航の是非検討)位の危険の程度です。中東やアフリカの紛争地帯では、濃いオレンジ色(渡航延期勧告)から大部分は赤色(退避勧告)ですので、いかにそれらの地域に旅をするのが危険なのかが推察されます。

           *   

 ちなみに、私が今までの海外旅行で、「最も感動したランキング ベスト10」を挙げるとざっと以下のようになります。(それぞれが個々に素晴らしくて、感動要素も異なるので、一概に比較するのは難しいのですが、私の主観による感動度のみでランキングしてみます。)

第1位 ☆インド アジャンター石窟「蓮華手菩薩像」
第2位 ☆ネパール カトマンズ「インドラジャトラ祭・クマリとの遭遇」
第3位 ☆中国 チベット「ポタラ宮」
第4位 ☆インド バナーラス「ガンガーでの沐浴」
第5位 ☆インドネシア ジャワ島「ボロブドゥール遺跡」
第6位 ☆中国 貴州省「トン族村」
第7位 ☆イタリア・バチカン市国「システィーナ礼拝堂 ミケランジェロのピエタ像」
第8位 ☆カンボジア「アンコール遺跡群」
第9位 ☆ベトナム サパ・バックハー「モン族村」
第10位☆インドネシア バリ島「バリ舞踊」
     

 アジャンター石窟やガンガーの沐浴、ポタラ宮では、感動のあまり感涙を起こす位ですし、インドラジャトラ祭ではほぼ放心状態でした。つまりは、より近付く事が困難であるから、より感動が増加するとも言えますので、「旅の快適度・難易度」がそのまま「旅の良し悪し」ではないという事なのです。
 また、お金を払えば誰でも行ける簡単な「ツアー旅行」では、私と同程度の感動は多分、得られないのではないかと思います。現地の文化・美術への造詣と知識を十分に得た上で、長期間の自由旅行で精神を解き放ち、不便を乗り越えながらようやくたどり着いた中での感動なのです。
 不安定な国際状況の中、今後の海外取材旅行でも多くの困難を伴うかも知れませんが、こらからも機会があるごとに私は写生旅行に出かける事でしょう。そこに感動があり、絵画創作へのインスピレーションの源泉がある限り、私は一生、旅を続ける事になりそうです。

 いつもは読者サービス的に、取材旅行を無償でブログ公開していますが、いつか機会がありましたら、文章や写真だけではなく、旅でのスケッチやそれを元にした日本画作品等を掲載した、「旅の絵本」のような紀行書・絵日記と絵本が合わさったような本を書いて、出版できないものかと考えています。今の日本の出版状況を考えると、なかなか難しいのですが、今までの旅の面白い逸話・スケッチ・日本画作品は膨大にあります。もし、ご関心のある出版社の方等おられましたらご連絡下さい。

  絵師(日本画家・絵本画家)  後藤 仁  GOTO JIN


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プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学・デザイン科非常勤講師。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本美術家連盟(常任理事:中島千波先生 他)会員。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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