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2018-11-29

赤穂の旅。後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~その3

〈カテゴリーが、「展覧会(個展・グループ展)案内・報告」から、「写生・スケッチ旅行(国内)」に戻ります。〉

 2018年10月20日(土)には、赤穂市立美術工芸館 田淵記念館で、『後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 ~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~』「オープニングセレモニー(開幕式典)」が盛大に開催されました。

 21日(日)からは赤穂市周辺を散策します。朝の内に「赤穂市立美術工芸館 田淵記念館」に立ち寄って、改めて会場の撮影を念入りにしておきました。昼前に、「坂越(さこし)防災交流館」に寄りました。ここで坂越保育所・幼稚園時代の同窓生が何人か集まってくれているという事です。交流館には、懐かしい・・・、というか全く覚えてはいないのですが(数人だけ名前と顔を覚えていたのですが、その人達はいませんでした)、同窓生が数人来てくれていました。軽食をいただきながら、昔のお話をしました。交流館でアマチュアのマジックショーが始まったので一通り終わるまで見ていたのですが、同窓生もほとんど帰りましたし、赤穂の祭りを取材しないといけないので、ここを発ちました。
 赤穂のアトリエに戻り、急いで車から自転車に乗り換え、赤穂・大石神社の「抜穂祭」に向かいました。着いた時には、既に祭りの後半でした。絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)には、大麦の伝播由来が物語られていますが、私は米の伝承にも魅かれるものがあります。古のいでたちの早乙女達が稲を刈る姿は素敵です。F2号スケッチブックに手早くクロッキーしました。祭りが終わると、パンをかじりながら自転車を飛ばし、赤穂八幡宮の「神幸式」(2日目)に向かいます。頭人繰り出しを見たかったのですが、とうに終わっています。午後3時頃、獅子舞いと、神輿の繰り出しが始まりました。ここから最終的に神輿が宮入りする夜7時過ぎまでの4時間余り、神輿や頭人行列を追いかけて、写真を撮ったり、スケッチしたりしながら、祭りを詳細に取材していきました。頭人行列のお稚児さんを肩車した様子は誠に面白く、絵に描きたい題材です。またいずれ機会があれば、頭人繰り出しを見物したいものです。

赤穂の旅11赤穂・大石神社 「抜穂祭」

赤穂の旅赤穂八幡宮 「神幸式」(2日目) 大きな神輿が担がれます。

赤穂の旅赤穂八幡宮 「神幸式」(2日目) 頭人行列、化粧したお稚児さんが可愛らしい!

 22日(月)は、朝の内、「桃井ミュージアム」に立ち寄って『後藤 仁 日本画小品展』の展示会場を確認しました。このミュージアムでは、12月17日頃まで、私の日本画作品と絵本を展示・販売しています(入場無料)。田淵記念館の展覧会と合わせて、ぜひご覧下さい。ここでは抹茶やコーヒーもいただけますし、水琴窟のある庭で赤穂御崎を眺めながら、まったりとくつろぐのも素敵ですよ。
 その後、昼前から赤穂散策に出掛けました。今日は「周世(すせ)」から「有年(うね)」を巡ります。周世の赤穂ふれあいの森、神護寺から、山王神社、験行寺、黒尾須賀神社を回りました。有年では、牟礼八幡神社、有年原・田中遺跡公園、東有年・沖田遺跡公園、東有年八幡神社を見物。この辺りには、小規模ですが神社仏閣が多く鎮座していますし、古代遺跡などの見所も多いのです。東有年・沖田遺跡公園にはコスモスが咲いていましたので、F4スケッチブックに30分ばかりスケッチ。
 帰りに、真殿(まとの)にある母方の祖父母の家に立ち寄りました。私が幼少期に赤穂・坂越で過ごした社宅は、今はもうありません。あの長屋のような質素な2階建ての家屋も、父と通った懐かしい銭湯も・・・。この真殿の家が、今も唯一残された、子供の頃に遊んだ思い出の家なのです。祖父母もとうに亡くなり、今は親戚が管理しているものの廃屋寸前です。近くの親戚の畑で、イチジクをもいで帰りました(親戚には、何となく許されています)。

赤穂の旅、桃井ミュージアム『後藤 仁 日本画小品展』(桃井ミュージアム) 日本画作品と絵本を展示・販売しています。田淵記念館の展覧会と合わせて、ぜひご覧下さい。 ここでは抹茶やコーヒーもいただけますし、水琴窟のある庭で赤穂御崎を眺めながらくつろぐのも素敵です~。 ( ^^) _U~~

赤穂の旅周世 「赤穂ふれあいの森」 久しぶりに、アオダイショウを見れて幸運!!大小(親子か)2匹いました。

赤穂の旅「東有年・沖田遺跡公園」 コスモス

 23日(火)は「坂越」から「室津(むろつ)」を回ります。朝、円山海岸(まるやまかいがん/現在は、円山県民サンビーチというおしゃれな名が付いています)を散歩しました。ここには子供の頃、親やいとこ達とよく泳ぎに来ました。海岸で砂浜を掘っている若者がいるので、「貝でも獲れるのですか・・・」と聞いてみると、「シーグラス(海岸に落ちている摩耗したガラス片)を取って、ネットに載せる(多分、販売する)」と言います。私が子供の頃、赤穂近辺のどこかの海岸で、ひょろ長い貝を掘って食べた記憶がありますが、「時代は変わったな~」と感じました。
 坂越に行って、付近を散策し、F4号スケッチブックに真横から見た生島を30分余り描きました。再び、赤穂市立美術工芸館 田淵記念館に寄ってから、午後には車で室津に移動しました。室津も坂越同様、古くから栄えた小さな港町です。室津の賀茂神社に参拝。現在、社殿は工事中でしたが、立派な神社です。次に、浄運寺を訪れました。ここには友君という遊女の伝説が言い伝えられており、私の絵心を掻き立てるのです。ブッダ伝承の「遊女アームラパーリー」の話にも通じる伝説です。この寺には友君の像が残されてあるらしく、前々から気になっていました。今回、どうしても拝見してみたいと、文化財を管轄しているであろう、たつの市の教育委員会にお願いしようと、わざわざ車で1時間程移動して、たつの市役所を訪ねました。教育委員会の人が言うには、管轄は市役所ではないので、直接、寺で聞いてみてくれという、そっけないものでした。赤穂市では、ここのところ、市や教育委員会の担当者やら責任者やらが大勢来られて、いつも挨拶攻めにあうのですが、少し地を離れるとこんなものですね・・・、私の認知度などまだまだヒヨコ位のものです。再び1時間かけて室津に戻り、浄運寺でお願いしてみますと、私のような怪しげな絵描きにもかかわらず、快く友君の像を見せて下さり、スケッチもしてよいと言っていただけました。友君の像は小ぶりでしたが、保存状態もすこぶる良く、とても完成度の高い優れた像でした。友君が出家された後の尼僧姿の像です。私は感動を抱きながら、F4号スケッチブックに1時間30分位はかけて、2方向から丁寧にスケッチしました。
 ここに来て、今回の赤穂の旅は完結しました。友君の像が描けた事で、すこぶる満足しました。少し室津の街をぶらつき、暗くなりそうなので、赤穂に向けて帰りました。辺りは既に真っ暗でしたが、再び親戚の畑に寄って、昨日、立派過ぎて採ろうかどうしようか迷った大きな葡萄をもぎ取りました。親戚にはその内にお礼をしておこうと思います。(この葡萄はまだ酸っぱくて、そのままでは食べにくかったのですが、東京に持って帰り、ジャムにしてみたら美味しかったです。)

赤穂の旅室津 「浄運寺」 寺の建物も面白い造りです。

 24日(水)、相生駅 9:48発 新幹線ひかり号に乗って、東京駅に1:34着。銀座松屋で池田あきこ さんの「ダヤン展」をやっていて、池田さんから無料招待券をいただいていたので、立ち寄り拝見。池田さんのダヤンワールドは楽しくて元気一杯です。

 こうして今回の、『後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 展』 (赤穂市立美術工芸館 田淵記念館) の「オープニングセレモニー」と、赤穂の旅は一旦終わりました。ただ、11月には「ギャラリートーク・サイン会、絵本朗読会」と後藤 仁 関連イベントが、12月には「赤穂市 姉妹都市・ロッキングハム市の歓迎レセプション・文化交流会」が開催されるので、また赤穂を訪れなければなりません。誠に忙しいのですが、とても有意義な計画です。
 諸々多忙につき、ブログを書く時間も限られますが、これらの模様は、また拙ブログでおいおいアップしていきたいと思います。お楽しみにしていて下さい~。

 日本画家・絵本画家 後藤 仁
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ジャンル : 学問・文化・芸術

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後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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