2017-11-09
東京藝術大学デザイン科『後藤 仁 金唐革紙特別講義』
午前中に到着したので、東京藝術大学内の工芸科染色の展示会を見学し、一旦、外に出て、国立国会図書館 国際子ども図書館の「日本の絵本の歩み ─絵巻から現代の絵本まで」を拝見。私も藝大時代に模写した事がある国宝 絵因果経から始まり、絵巻物を経て、印刷絵本が登場し、現代作家の絵本に至るまで、その過程がよく分かる展示でした。日本画と絵本の強い連関性も把握・理解できます。
藝大に戻ると昼食を大浦食堂で取りました。食堂に日本画専攻の台湾出身の留学生がいたので少し雑談をしました。

時間が来たので東京藝術大学デザイン科の担当である押元一敏先生と助手の小金澤 京さんにご挨拶して、『金唐革紙 特別講義』が始まりました。この課程は、デザイン科の大学院生を対象としており、現在の学生数は30名程います。金唐革紙の歴史から話し始め、写真資料をスクリーンに映し出して解説、金唐革紙の実物や製作道具もお見せしました。




その後、歩いて国重要文化財 旧岩崎邸庭園に移動。この旧岩崎家住宅には私が中心となって復元製作した金唐革紙(きんからかわし/手製高級壁紙)が2種類貼られています。始めに撞球室(ビリヤード室)を見学。ここには私が金唐革紙製作から離れた後に作られた金唐革紙が貼られていますが、完成度はそれ程高くは見えませんでした。私が製作から抜けた事で、最も高い技術者がもう現場にいないのです。
次に洋館に移動して、2階客室の金唐革紙を拝見。ここの2種類が私が製作主任として製作した金唐革紙です。錫箔の貼ってあるものと、貼っていないものの2種類あります。今も製作当時のままの絢爛豪華な間です。
この金唐革紙を見る目的で旧岩崎邸庭園を訪れる人も多いのです。私はその製作に携わった功績もあるので、藝大の皆さんと軽く記念撮影をしていたら、パート従業員らしき監視係の人に注意されました。他の客がいない事を確認し、素早く撮っていたのですが、規則らしいので仕方ありません(館内では、平日の写真撮影は可なのですが、記念撮影はNGらしいです)。私がいなかったら今日のきらびやかな旧岩崎邸はなかったという事実をふまえて、旧岩崎邸庭園サービスセンターも少しは気を利かしてくれたらいいのに・・・・。







和館には、東京藝術大学教授でもあった日本画家、橋本雅邦の日本画障壁画もあります。
外に出て、庭で東京藝術大学デザイン科の皆さんと記念撮影しました。天気も回復して気持ちの良い空間です。授業を終え、紅葉に染まる不忍池を通って帰りました。
日本画家・絵本画家、金唐革紙保存会主宰 後藤 仁
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