2017-08-18
山梨県(南部町・身延町・赤沢宿) 写生旅行
1日目:東京から首都高速道路・東名高速道路・新東名高速道路を通って新清水で降り、途中、「近藤浩一路記念 南部町立美術館」に立ち寄って(この日は休館日でした)、6時間程かけて早川町・赤沢宿に到着。まさに桃源郷のような、古の面影の残る素敵な土地でした。春は桜が美しい事でしょうね。
赤沢宿周辺では、上沢寺の「お葉つき さかさイチョウ」を見物。道を少し戻った所にある硯匠庵(けんしょうあん)では「雨畑硯(あめはたすずり)」の製作工程を見学できます。ここで私も小さな硯を一面購入。硯匠庵裏手の雨畑湖には吊り橋がかかっていて、渡るとゆれて面白いです。夕方、赤沢宿を散策し、F4号スケッチブックに1時間余りかけて、赤沢宿の光景を一枚描きました。
この日は、「大阪屋」という築180年の講中宿をリノベーションしたゲストハウスに宿泊。宿泊代(素泊りのみ、キッチンあり、フロ・トイレ共同)も3900円と安くて、昔の宿屋の雰囲気を楽しめる素敵なゲストハウスです。宿の若いスタッフも親切です。私が泊まった部屋には、螺鈿蒔絵の施された戸棚や手描きの鮎の襖絵もありました。







2日目:朝7時に身延山久遠寺(みのぶさん くおんじ)に向かいました。日蓮宗の総本山というだけあって誠に立派な寺院です。ただ明治期の火災でほとんどの建築物が焼失したとかで、新しい建物ばかりです。本堂の天井画の巨大な「墨龍(ぼくりゅう)」は日本画家・加山又造先生の作です。私は東京藝術大学で加山先生にも少しだけ日本画を教わりました。
身延山宝物館を拝見し、奥之院 思親閣に参りました。この日は朝から雨で、富士山等の景色は全く見えませんでしたが、霧にけむった寺の様相も幻想的で素晴らしいものがあります。本堂・祖師堂をF4号に一枚スケッチしました。雨の中で絵を描くのは、なかなか難しいものがあります。
その後、アルカディア文化館「近藤浩一路記念 南部町立美術館」を訪問。私の東京藝術大学時代の先輩である日本画家・佐藤宏三さんと、私の美術予備校の教え子でもある日展所属日本画家・棚町宜弘君と、日本画家・伊東正次さんの「日本画三人展」が現在開催されており、棚町君に是非にと言われたので、この美術館を訪れるのが、この旅の一番の目的でした。広い館内には、三者三様の日本画大作が並んでいて圧巻です。南部町の画家・近藤浩一路の水墨画も見ごたえがありました。
作品群を堪能した後、1階の南部町立図書館を見学。児童書のコーナーも充実していて、この町の”文化・美術”への取り組み意識の高さを感じました。私の作画絵本、『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版こどものくに)も図書館に置いてありますので、ぜひ、読んで下さいね!!
その後、「南部の火祭り」という大きな祭りを見物したかったのですが、遅くなると赤沢宿までの急峻な坂道が危ない上に、結構疲れたので、夕方4時頃まで会場の雰囲気を楽しんで、SM号スケッチブックに軽く一枚スケッチした後、宿に帰りました。この日も大阪屋に宿泊。







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3日目:この日も朝から激しい雨。雨の中、赤沢宿を散策しました。山に霧がたなびく様は美しいです。最後に一枚、赤沢宿の全景をF4号にスケッチ。雨がひどくて、スケッチブックも身体もびしょぬれです。
こうして短期間ながら旅を満喫し、昼11時頃には宿を出て、高速道路を乗り継いで、6時間程かけて東京に帰りました。

日本画家・絵本画家 後藤 仁
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