2016-10-10

スリランカ写生旅行 その7

 「スリランカ写生旅行」12日目、2016年6月17日(金)。スリランカの旅も半ばを過ぎました。早朝、パンとマンゴーを食べると、少々のチップを宿に残し、30分ほど歩いてバス停へ向かい6時30分発のバスに乗り込みました。ポロンナルワには8時30分頃到着(バス代 90Rs)。ガイドブック「地球の歩き方」を参考に、ここでの宿は「サムドラ・ゲストハウス」(一泊素泊まり1000Rs、4泊したので計4000Rs。ホットシャワー・トイレ・ファン付エアコンなし)にしました。この宿はレストランも併設しているので、昼食は宿に頼みました。食堂は小さな中庭に面しており、ゆったりと休める雰囲気です。チキンフライライス(400Rs)を食べました。
 今日はポロンナルワのメイン通りをぶらつこうと思います。メイン通りと言っても、小さな商店や露店が100mほど並んでいるだけの小さな町です。少し大きなスーパーがあったので、自分用の土産を探しました。ゾウの模様のサロン(腰巻き)が面白いので500Rsで購入。日本でサロンをはいて出歩くのは少し勇気がいりそうですが、家の中では使えるでしょう。
 ここで両替の為に銀行に入ろうとすると、入口を警護した警察が「目的は何だ」と言いますので、「マネー・イクスチェンジだ」と言うと中に入れました。銀行内ではライフル銃のような大きな鉄砲を持った警察2人が、ずっと私に目を光らせています。私は入口付近のカウンターで両替をしろと言われて手続きをしていたのですが(奥にある通常のカウンターには入れたくないようです)、その間中、2m先の正面に銃を持った警察が立っていて私を警戒していました。もし私が冗談でも変な行動をとったら、この銃で心臓を射貫かれるのかと想像したらゾッとしました。スリランカの治安は比較的良いように感じるのですが、よほど外国人を不安視しているのか、その警戒ぶりは日本人の私からすると異常に思えるほどでした。この先もおいおい後述しますが、何度も警察・警備員の警告を受ける事になるのですが、日本に帰る時まで、その意図は理解できませんでした・・・。
 そんな事がありながらも、のんびりとした町の様子を楽しみながら、宿に戻りました。夕食は宿に「カレー」と「カード(水牛ヨーグルト)」を頼みました(550Rs)。予約した時間より1時間以上遅れて用意ができましたが、なかなか立派で美味しい料理でした。ただ、時間が遅れると後の取材に支障が出る場合があるので、次からは外のレストランで食べる事にしました。明日は朝から本格的にポロンナルワの遺跡を取材せねばならず、今から気合が入っているのです。
 夜になり部屋で休んでいると、あの私の嫌いな黒く光る虫が出ました。「初日から出て来たな~」と嫌な予感がしましたが、この後もこの宿での黒虫との格闘が続く事になるのでした・・・。

スリランカ旅行「サムドラ・ゲストハウス」 カレー、カード(水牛ヨーグルト)(計550Rs) スリランカ・カレーは美味しくて、中庭の緑が心地良いです。

 「スリランカ写生旅行」13日目、2016年6月18日(土)。(ちなみに、6月18日は私の48歳の誕生日ですが、スリランカで誕生日を迎えるとは不思議な感じです。)今日から3日間、ポロンナルワの世界遺産巡りです。宿の一日200Rsのレンタルサイクル(貸自転車)を3日間借りました。
 宿で朝食のパンとバナナを食べていると、日本で見た事もないような巨大で肥えた黒虫(日本にはいない種類)が出現し、追いかけましたが逃げられました。7時前に宿を出発して、公園を散策し野良ウシを見ながら「ポロンナルワ博物館」のチケット売場が開くのを待ちます。もっと早朝から取材したいのですが、チケット売場が7時30分からしか開かないので仕方ありません。チケット(遺跡入場券)は一日3550Rsでしたが、その時のレートで多少変動します(25米ドルは固定価格)。
 まずは「宮殿跡」を拝見。石造りの巨大な宮殿の残骸が立っています。ここを縄張りとする犬がしきりに吠えて来るのは厄介でした。次に最も中心的な遺跡群「クワドラングル」に向かいます。ここには、「ワタダーゲ」「ハタダーゲ」「アタダーゲ」「トゥーパーラーマ」等の11もの重要な建造物が集まっています。中でも「ワタダーゲ」が最も魅力的な形態をしているので、ここに標的を定めるとF4号のスケッチブックに写生しました。この日も極めて暑い日でしたが、曲線の美しさをとらえるのに時間を要しながら2時間30分位描きました。今回の旅では一番時間がかかりました。スケッチをしているとスリランカの人々が集まって来て、絵を見ながらワイワイと言い合っています。私はこんな状態にも慣れており、どんなに人が集まって来ても平気です。次に、「ワタダーゲ」のムーンストーン(寺院入口の半円形の石板、ポロンナルワではゾウ・ウマ・トリの3種類の動物が彫られている)を、SM号に30分位スケッチしました。
 スリランカにおいては、寺院(寺院遺跡)内では帽子をとり靴を脱がないといけません(タイ王国等の東南アジア圏の上座部仏教寺院ではよくある規則です)。ブッダを崇める敬虔な心から発せられた大切な決まり事なのですが、熱中症対策の決め手である帽子が全く役に立たないのは絵描きにはきつい所です。寺院付近では帽子を被れないので、酷暑の中、自転車の移動時以外、ほぼ一日中帽子を脱いだままです。
 「ハタダーゲ(仏歯寺跡)」の内部で写真を撮っていると、派手な衣装をしたチャラチャラした若者がしきりに私に何か言いながら絡んで来ます。ややこしい若者だなと思っていたのですが、後で思い返すとどうやら「ハタダーゲ」は遺跡とはいえスリランカ人が最も崇める仏歯寺の跡地なので、内部は撮影禁止のようなのです。どこにもそんな注意書きは見当たらなかったので気付かなかったのですが、現地人には当然の事なのでしょう。あのチャラい若者も実は敬虔な仏教徒なのでしょうね。
 「クワドラングル」内を計5時間位観察した後、「シヴァ・デーワ―ラヤNo.1(ヒンズー教寺院)」「集会場・閣議場」「沐浴場」を巡ります。「沐浴場」の向こうの小川では、現代のスリランカ人が本当に水浴びしているのが面白いです。今でもアジア圏では、川でお風呂を済ませる人も多いのです。「沐浴場」でコブラの見世物をしている大道芸人がいるので写真を撮ったらチップを要求されましたが、これも彼らの立派な仕事なので快く渡しましょう。その後、「ポロンナルワ博物館」を見学し、博物館裏の「Island Park」の遺跡を回りました。

スリランカ旅行ポロンナルワ クワドラングル「ワタダーゲ」

スリランカ旅行「ワタダーゲ」のムーンストーン

 午後3時頃になり、かなり疲労し、お腹もすいて来ましたので、この辺りで今日の取材は終わりにしました。メイン通りの大衆食堂「Dineth レストラン」でカレー、ジュース、ヨーグルト(330Rs)を食べました。ここのカレーは安いですが、なかなか美味しいです。パン類も売っているので購入し、宿で一休み。夕食はさっきの食堂で買った、エラワル・ロティ(カレー風味の野菜をクレープ状のゴーダンバ・ロティで包んだ軽食)とパンとバナナで済ませました。明日はポーヤ・デーという満月を祝うスリランカの祝日なので人出も多そうです。この日の夜も中型の黒虫数匹と格闘し、暑さにうなされながらも早めに眠りにつきました。

スリランカ旅行「Dineth レストラン」 カレー、ジュース、ヨーグルト(330Rs) 安いですがとても美味しい大衆食堂です。

 この後、2日間はポロンナルワ遺跡探訪の続きですが、その様子は次回といたしましょう・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁
 
 
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後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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