2016-09-04

スリランカ写生旅行 その5

 「スリランカ写生旅行」の9日目、2016年6月14日(火)。今日はいよいよ憧れのシーギリヤ・ロックに登ります。朝6時前に起きて朝食のパンとバナナを食べると、シーギリヤ・ロックに向かいます。まだ開園までに時間があるので、SM号のスケッチブックに横方向からの東雲(しののめ)のシーギリヤ・ロックを15分ほどかけて描きました。遺跡入場券は30米ドルか4260Rs(レートによって変動します)です。手元に50ドル札しかないのでそれで支払うと2800Rsのおつりが返って来ました。

 遺跡は7時に開きますが、私は今日一番乗りです。広大な敷地を進むと、正面に巨大なシーギリヤ・ロックが迫って来ました。近くで見るとなおさら、その大きさに圧倒されます。周辺の小さな石窟寺院跡も拝見。ここにも壁画が少し残っています。
 ロックの階段を登ります。まず最初に「シーギリヤ・レディ(美女のフレスコ画)」がお出迎えです。鉄のらせん階段を上がると、狭い横穴空間が現われ、18人の美女達が描かれています。5世紀の作品だそうですが、色は実に鮮やかです。まだ他の人が登って来ないので、じっくりと拝見しました。花や供物をささげて、上半身裸で豊満な乳房をあらわにし、装飾品を身に付け、たおやかな流し目で見つめるレディ達は、誠に魅惑的です。やはり実物は、写真・映像等で見て来たものとは比べものになりません。現在は写真撮影不可という事なので、監視員のあんちゃんにスケッチはいいかと尋ねると「よい」と言います。混んでいたら許可されなかったでしょうし、監視員によっても判断は異なりそうで、今回はラッキーでした。花をつまんだ横向きのレディをSM号に20分位かけて模写しました。
 そのうちに観光客がぞろぞろと登って来ました。スリランカ人・欧米人と中国人・韓国人と日本人の団体客が多いようです。これまで日本人にほとんど会う事のなかったスリランカでしたが、有名な観光地になると突然どこからか押し寄せて来ます。「絵を描いてるし~」という女性の声が聞こえました。汚い身なりで描いている怪しげな男が、まさか日本の画家だとは思わないでしょうね・・・。
 描き終えると次の「ミラー・ウオール(鏡の回廊)」に進みます。壁がツルツルで光が反射します。その先が「ライオンの入口(ライオン・テラス)」です。現在は巨大ライオンの足だけが残っています。ここから急な鉄階段を登ると、王宮跡がある頂上です。頂上では風が吹き抜け、木陰は実に心地良いです。
 頂上から山々を見渡す光景を、F4号のスケッチブックに1時間30分位かけて写生しました。素晴らしい眺めです。大昔、父を殺した狂気の王カーシャパは、ここから何を考えて同じ光景を眺めたのでしょうか・・・、今は異国の観光客を迎え入れ、ただ風がサラサラと吹き抜けるだけです・・・・。
 「ライオン・テラス」に降りると、そこでF4号に1時間30分位スケッチしました。修学旅行中らしきスリランカの中高生がたくさんいました。絵を描く外国人が珍しいと見えて、私の周囲を取り囲んでワイワイ言っています。元気で好奇心旺盛な子供達は良いものですね。

 ロックを降りると、その周囲のいくつかのミニ遺跡をほぼ全て鑑賞しました。シーギリヤ・ロック正面からの良い場所を決めると、F4号のスケッチブックに1時間30分余りかけて描きました。今日は特に気合が入っています。しかし、日差しが熱いです。コロンボやキャンディ辺りと違って、この文化三角地帯と呼ばれる中部地域は今の時期、雨も全く降らずに気温も相当高いのです。多分、日中は35度を軽く超えているでしょう。描いている位置は直射日光を浴びているので、かなり過酷な写生環境ですが、このような酷暑の中や逆に雪の降る酷寒の中、大雨の降る中等、悪条件下でスケッチする事はひんぱんにある事です。絵描きも体力勝負ですし、決して楽な世界ではないのですね。
 描き終えてペットボトルの水を飲むと熱湯のように熱くなっていてびっくりしました。・・・ところが次の日、多分この煮えたぎった水が原因で軽い水あたりの症状が現れました。ペットボトルに直接、口を付けて飲んだ後、暑い日差しの中に長時間放置したのでばい菌が増殖したのでしょう。この後は口を離して飲むようにしました。・・・

 さすがに疲労感を覚えてフラフラになりながら、シーギリヤ・ロックを後にしました。午後3時頃、遅めの昼食を「CHOOTI レストラン」という小さな食堂で取り(チキンカレー300Rs、マンゴージュース200Rs)、カード(水牛のヨーグルト)は置いていないと言うので、昨日の「WIJESIRI ファミリーレストラン」で再びカードをたのみました。カードは実に美味しい。この店は雰囲気が良いので、小さな男の子をSM号に軽くスケッチさせてもらい、お礼にチップを少々渡しました。

スリランカ旅行シーギリヤ・ロック 「ミラー・ウオール(鏡の回廊)」

スリランカ旅行シーギリヤ・ロック 頂上にて

スリランカ旅行シーギリヤ・ロック 頂上にて。 風が心地良いね~。

スリランカ旅行シーギリヤ・ロック 「ライオンの入口(ライオン・テラス)」

スリランカ旅行シーギリヤ・ロックにて。 ここからスケッチしましたが、激烈に熱いよ~。

 今日はよくスケッチができて充実した一日でした。念願のシーギリヤ・ロックにも登れて最高です。夕食は軽くクラッカーで済ませて、明日のダンブッラへの移動に備えて早めに休みました。とても暑い夜でしたが、この宿「フラワー・イン」は静かなのでよく眠れます。
 明日から2日間、ダンブッラ石窟寺院の素晴らしい壁画を鑑賞します。私が今まで見た壁画の中でも、インドのアジャンター壁画に次ぐ、大規模で上質な壁画でした。この模様は、また次回にしたいと思います・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁


 
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 旅と絵
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

No title

先生、頂上の縁に手すりが見受けられませんが・・小生も近所の楠木公の猫路城跡など散策しつつ要塞の立地のからくりなど思いを巡らせたりなどします(^^)ただ母など老婆心からか「センチムシ(?)と○呆(書けません)は高いところに登る」といって諫めます。靴底の選択にぬかりなきよう(^^)/

Re: No title

さると-る様。コメント有難うございます。上り下りの時に高所恐怖症の人は怖がっていましたが、階段や岩の周囲には簡単な手すりがありますので、高い所が何ともない私は平気でした。とても良い眺望に感動しました。(^.^)/~~~ 後藤 仁
プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。2017年度より東京造形大学、絵本講師に就任。千葉県松戸市在住。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
カウンター
後藤 仁 アルバム
後藤 仁のアルバムを掲載いたします。
フリーエリア
フェイスブック 後藤 仁 Jin Goto


フェイスブックページ「日本画家・絵本画家 後藤 仁」 | 


フェイスブックページ「ながいかみのむすめチャンファメイ」 | 


フェイスブックページ「犬になった王子 チベットの民話」 | 




Find me on Google+(グーグルプラス「後藤 仁」へ)




ブクログ「後藤 仁の本棚」ブクログ

絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR