2015-11-16

静岡市、長野県(安曇野・岡谷市)の旅 その2

 2015年11月10日(火)~12日(木) 「静岡市、長野県(安曇野・岡谷市)の美術館鑑賞・取材の旅」の2日目です。

 10日の夜、ホテルで地図を見ていてフッと思い出したのは、1983年・中学校3年生の時に父と兄と行った「富士山の旅」です。3日間かけて富士山周辺・・・本栖湖・精進湖・白糸の滝等を車で巡りました。この旅は、私にとって初めての関東方面の旅でしたので、観光客のおっちゃんが「何とかだよね~」と関東弁を話すのが不思議で、男性の皆がオカマに見えてしまいました(笑)。
 小中学生の頃は、夏休みの度に父や家族とともに2~3泊の旅行に行くのが決まりでした。私の今の旅好きもこの辺りに由来するのではないかと考えています。
 「そうだな、せっかくこの道を通るのだから、昔行った所をもう一度見ておきたいな・・・。」と思いながら眠りにつきました。

 11日の朝、ホテル「くれたけイン富士山」の朝食はバイキング方式で、特別にこっている訳ではないのですが、宿泊代を考えると豪勢な食事です。
 朝6時半に朝食を済ませて、すぐに出発しました。富士I.Cを過ぎて国道139号線を北上しました。最初、朝の通勤ラッシュに巻き込まれましたが、町を過ぎるとだんだん車が減って行きました。
 「白糸の滝」の看板が見えましたが、先の道程の長さを考えるとやむなく通過しました。午後1時に安曇野の「絵本美術館 森のおうち」で、朗読家の人と待ち合わせをしているのです。

 本栖湖に到着しました。観光客はほとんどいません。本栖湖の周りを一周しながら、昔の旅を思い出していました。

・・・・父と兄と本栖湖の湖畔に車を止めて一泊しました。今では、車で湖面に近づける箇所はほとんどない様ですが、当時はあちこちから湖面近くまで車で入れました。車の中は狭いので、父が車の中で、私達は外に敷いた毛布で寝ました。真夜中に父が「車の中はしんどいで、代わってくれや。」と言うので、兄が交代したと記憶しています。今考えると、親子3人で随分無茶な宿泊ですが、今の私が国内外で無謀な旅を敢行できる原点がここにあります。寝心地は決して良いとは言えず、なかなか寝つけませんでしたが、夜遅くには眠っていました。
 朝早く目が覚めると、ようやく空が明るくなり始める頃、湖面をいっせいに無数の小魚が飛び跳ね出しました。その数は驚くほど多く、本栖湖の湖面をかなりおおっていました。10分ほど経つと辺りは何事もなかった様に静まり返りました。この場所に宿泊したおかげで、面白い現象が見れたのです。・・・・

 昔この辺で泊まったのかな・・・等と思い出しながら、本栖湖を右回りに走りました。丁度、紅葉の季節だったので、湖畔は真っ赤に染まり、実に美しい光景です。もう少しで一周し終える頃、左の山側に「パノラマ台」という小さな看板が見えました。かの旅でこのパノラマ台に登った記憶があります。その時の登り口は山の向こう側だった様に思いますが、ここから登ってみました。パノラマ台まで約3㎞という看板があり、急がないと待ち合わせに間に合いません。ハアハア言いながら、山道を登りました。
 頂上らしき所に着くと、昔の記憶と周囲の雰囲気が違っています。下の看板に書いてあった烏帽子岳という場所かも知れませんが、先に進む時間もありません。左下に精進湖、右下に本栖湖、正面に富士樹海を望む立ち位置は記憶通りです。残念ながら、富士山頂は厚い雲にはばまれて見えませんでしたが、私の心の中には昔見た富士山が大きく大きく広がっていました・・・。思い出を胸に、山を下りました。登って下りて、1時間余りかかりました。いずれ機会があれば、もっとゆっくりと時間をとって、この辺りの写生旅行をしてみたいと思いました。

 国道139号線から国道358号線を経て、中央自動車道・甲府南I.Cから乗り込み、一路、長野自動車道・安曇野I.Cを目指しました。

富士山パノラマ台から望む富士山(雲で山頂が隠れています。)

 午後1時過ぎ、何とか待ち合わせの時間に15分遅れで到着しました。「絵本美術館 森のおうち」に入ると、朗読家・フリーアナウンサーの今井理恵子さんが待っていらっしゃいました。今井さんは長野を中心に本の朗読活動をされており、かねてより私の絵本の朗読もして下さっています。長野方面に来る時にはぜひ立ち寄ってほしいと、前々からおさそいいただいていました。
 ひとまず「森のおうち」のレストランで、館長の洒井倫子さんもまじえて絵本のお話しをしながら昼食をとり、その後、現在開催中の「柿本幸造 生誕百年記念原画展」を鑑賞しました。柿本幸造さんの絵は、ガッシュ(不透明水彩絵具)を中心に色々な画材を併用した混合技法で描かれています。色の発色が素晴らしく、可愛らしい動物等の描写は、とても楽しい気持ちにさせてくれます。
 こうして「森のおうち」であっと言う間に3時間近くが過ぎましたので、今井さんとお別れして、一人安曇野の取材に出かけました。2005年にも「桜銘木巡りの旅」で、岐阜県・山梨県を合わせて安曇野を含む長野県の取材をした事がありますが、それ以来の安曇野探訪です。穂高神社で穂高人形大飾物展を見物し、道祖神を軽くスケッチしました。次に早春賦の碑とワサビ田を見て、ワサビの葉を軽くスケッチしていると、夕方5時前には辺りは薄暗くなって来ました。
 今日の宿は、「森のおうち」のジョバンニのコテージを予約しています。一泊一人で1万800円です。一度宿に戻って、6時から開店する「イタリア料理ナポリピッツァ&パスタ ラノッキオ」に再度出かけました。「森のおうち」のスタッフにおすすめいただいていた料理店です。私はピザ(マルゲリータ)とサラダとエスプレッソを注文しました。ここの若いシェフは、本場イタリアでも修業した事があると言う事で、本格的な石窯で焼くピザは本当においしくて、耳の部分まで香ばしくて最高です。
 私の普段の、車中泊を中心としてカップ麺をすする貧乏旅に比べると、今回の旅はかなり贅沢な旅になっていますが、たまにはこんな旅も良いでしょうかね。日常、厳しい絵の制作で、日夜、汗を流しているのですから・・・。

 今日の様々な出来事を思い返しながら、広くて心地よいコテージで眠りました。本当は数名で来て、ワイワイと楽しむのが良さそうなコテージですが、たった一人孤独をむさぼるのも、また一興です。

森のおうち「森のおうち」レストラン。 おしゃれで美味しいカレーです。

森のおうち「森のおうち」にて。 館長・洒井倫子さん、朗読家・今井理恵子さん、私(何て変な格好だ・・・取材用のいつものスタイルです)、森のおうちスタッフ・原田朋子さん。(左から)

穂高神社安曇野 穂高神社
 
安曇野 早春賦の碑安曇野 早春賦の碑。 レンタカーのヴィッツ。

ラノッキオ「イタリア料理ナポリピッツァ&パスタ ラノッキオ」 ピザ マルゲリータ


 最終日の明日は、「安曇野ちひろ美術館」と岡谷市を訪れる予定です。その模様は、また次回といたしましょう。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁
 

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No title

 後藤仁先生。小耳に・・
 車中泊で車に追いやられた兄はカーラジオと携帯ラジオを別々のチューンにして何分かずれて放送される全く同じ内容の放送を夜中じゅう聴き続けてワクワクしていたそうですよ(^^)/

Re: No title

鴉天狗 様。コメント有難うございます。千里眼でその場をイメージするという素晴らしい想像力ですが、そんな事もあったかも知れませんね(笑)。同じ様な車中泊の経験をしている人もいる事でしょうから・・・。 後藤 仁

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藤枝江崎書店 様

藤枝江崎書店 様。 あたたかいコメントをいただき誠に有難うございます。今後とも後藤 仁 作品をよろしくお願い申し上げます。 日本画家・絵本画家 後藤 仁
プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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