2015-06-25

第18回 絵本学会大会(東京工芸大学)への参加

 2015年5月31日(日)、第18回 絵本学会大会に参加する為、東京工芸大学 中野キャンパスへおもむきました。

 昨年末頃、絵本作家の大先輩・長野ヒデ子先生から、私の絵本作品『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)が、第17回 絵本学会大会(刈谷市総合文化センター、愛知県刈谷市)の研究発表 A室 大会2日目〔中国の民話「長髪妹(チャンファメイ)」のイメージの変遷 浅野法子先生(梅花女子大学ほか非常勤講師)〕で取り上げられているという話を伺いました。前から絵本学会の存在は知っていましたが、どの様な研究団体か分からなかったのです。今年の第18回 絵本学会大会に参加すると良いですよと、長野ヒデ子先生がおすすめして下さったので、私も一般参加する事にしました。

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(君島久子先生 再話、後藤 仁 画 / 福音館書店こどものとも)


 31日は大会2日目です。(初日は仕事の都合で参加できませんでした。)大勢の人が会場にいました。10時から「研究発表Ⅱ」で、3つの教室から一つを選んで講義を聴きます。私は妖怪には関心が高いので、「妖怪絵本の歴史と現状」(富田克巳先生)を聴講しました。日本の妖怪絵本の歴史が詳しく語られ、なかなか興味深い講義でした。続いて、「ぬりえの特性」(浜崎由紀先生)、「米国教育使節団からの本の贈り物のなかの絵本」(細川七重先生)の講義があり、いずれも充実した内容でした。
 昼食をとっている時に来場者の方々と会話をしてみると、絵本学会の会員の多くが、大学の児童学・保育学などの研究者(教授、准教授など)で、中には各界の権威の先生もおられる様です。絵本作家もいますが少ない様でした。
 13時から「作品発表」で何人かの人が絵本原画作品を展示していました。プロの絵本作家というよりは大学の先生などの絵本研究試作品という様な感じですが、中には絵本作家を目指す若い人もいました。それぞれの作品に面白いものがあり、私はいくつか質問をして回りました。
 15時からは「ラウンドテーブル」で、3つの教室から私は「子どもの本屋の現場から」を選んで参加しました。子どもの本専門店の店主、奥山 恵さん(ハックルベリーブックス)、土井章史さん(トムズボックス)、三輪丈太郎さん(メルヘンハウス)がお話しをしました。奥山 恵さんには、私の活動拠点でもある千葉県柏市にハックルベリーブックスの店舗がある事もあり、恐竜絵本作家・黒川みつひろさんの絵本原画展におじゃました事もあり何度か面識がありましたが、他の方には初めてお会いしました。絵本画家にも為になるお話しが多くありました。
 研究発表やラウンドテーブルは3つの教室から一つを選ぶので、聴きたい講義が複数ある場合に参加できないという問題があるのですが、日程と会場の都合でやむを得ない事なのでしょう。
 最後に閉会式で、絵本学会会長でいわさきちひろ美術館常任顧問の松本 猛先生のご挨拶で大会は終了しました。丸一日のスケジュールは長くて大変ですが、絵本を真剣に語り合うとても有意義な時間でした。

 私は以前より、いわさきちひろを崇敬していますし、絵本作家の大先輩・長野ヒデ子先生のおすすめでもあり、かつて絵本学会会長を絵本作家の大御所・太田大八先生が務められていたという事でもあるので、私も力不足ながら絵本学会(会員数、約500名)に入会する事にしました。最近いくつかの団体に所属する事になり、元来器用ではない私は(手先は器用な方ですが)制作との両立ができるのか不安ではありますが、多くの事を学べるのではないかと期待もしています。

               *

 私の絵本作品『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)に関する講義内容・論文は、「絵本学会 NEWS No.52」や「絵本学会研究紀要 絵本学 2015 - No.17」にも掲載されました。
 講義・論文の趣旨は、口承の昔話を絵本化する時の時代変遷とその問題点というもので、必ずしも肯定的な話ばかりではないのですが、この様に絵本研究者に作品が取り上げられるという事は、作品の内容や意味合いが深いという証でもあり、作者にとっては光栄な事なのです。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁


絵本学会研究紀要 絵本学 2015─No.17 (表紙)絵本学会研究紀要 絵本学 2015 - No.17 (表紙)




○絵本学会 公式ホームページ: 第17回 絵本学会大会 研究発表 A室 大会2日目

○第17回 絵本学会大会(PDFデータ)

○絵本学会NEWS No.52 - 20~21ページ(PDFデータ)

○絵本学会 公式ホームページ: 絵本学会研究紀要 絵本学 2015 - No.17 (17号) (ホームページには、No.17までは掲載されていません)

 
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プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学・デザイン科非常勤講師。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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