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2021-12-29

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 〈13〉

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編〈13〉になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、日本国内向け「新作絵本」の制作過程と、 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の新聞記事報告等をまとめています。
 今年は、この2年間にも及ぶコロナ禍による、中国向け新作絵本『青蛙緑馬(チベット民話)』(浙江少年児童出版社)の発売の長期間延期や、その他の重要な仕事の中断・変更等のマイナス事項も相次ぎました。仕事と趣味を兼ねた、私の最大の楽しみであり生き甲斐である、 ”海外・国内写生旅行” にも簡単には行けないという厳しきご時世で、最近、心がかなり疲弊していました・・・・。
 そんな中で、優れた ”中国ドラマ・ドキュメンタリー” 鑑賞が、私のほぼ唯一の心のオアシスとなりました~(”絵〔日本画・絵本画〕”を描くのは、心底、好きで楽しい事なのですが、本画制作ともなると、やはり仕事である以上、制作上の義務感・責任感や疲労・苦痛を伴うのです)。特に、今、私のマイブームとなっている、中国の超美形女優・ジン・ティエン(景甜)のドラマ・ドキュメンタリー番組には救われました~。そこで最近は、仕事以外の、そんな、たわいもない趣味のつぶやきが増えました~~💖

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、 后藤 仁(中国語)

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2021年11月14日

 またまた、中国のトップ女優・美の権化、ジン・ティエン(景甜)主演の、面白い華流ドラマを発見~ ❣ 
 『一场遇见爱情的旅行/一場遇見愛情的旅行/Love Journey(愛に出会う旅)』〈2019年 中国〉という現代ドラマです。正式な放送とそうでないものがあると思われますが、日本でも、一応、ネットで観れるようですね ~ 💑
 ヒロイン(主演女優)は、ジン・ティエン(景甜)で、ヒーロー(主演俳優)は中国歴史ドラマ「月に咲く花の如く」「独孤皇后〜乱世に咲く花〜」等で実直・一途な男前役を演じたチェン・シャオ(陈晓/陳暁)、という豪華な顔ぶれです。

 私は、まだ、序盤しか観ていませんが、ヒロインは画家の娘という設定らしく、絵画オークションの一枚の”絵”から物語が始まり、車の旅を通して、話が展開されていきます。ヒーローは覆面警察官(私服警察官)という設定らしいです。スリルとサスペンス + コミカル・ラブストーリーという、中国得意の大胆かつ繊細なストーリー展開です。そこに中国での旅先の光景が加わり、見応えのあるドラマになっているようです。上海から車旅をスタートし、最終的に、雲南省のチベット族の土地(シャングリラ)を訪れるようで、その辺りも楽しみですね。ヽ(^o^)丿

 ”中国~チベット~旅~絵画・画家~ジン・ティエン(超美人)” の物語ときたら、正に、私の嗜好・職業に合わせて創られたかのようですね~💖 警察官だけゆかりがありませんが、強いて挙げれば、伯父・後藤大秀さんのご子息(私の従兄)が警察官です・・・。
 中国ネットドラマ『司藤(半妖の司籐姫 ~運命に導かれた愛~)』ほどの情感・幻想感は無いようですが、このドラマも、大いに期待できそうです。しかし、ほどほどに観ないと、中国ドラマが面白すぎても、自身の仕事が手につかなくなりますからね 〰  (^.^)/~~~


11月26日

 画家という仕事は年単位で動きますので、大きな仕事と仕事の合間には、ぽっかりと時間が取れる時があり、通常ならその期間(一か月以内)に海外や国内での「取材・写生旅行」を敢行したりします。
 コロナ禍の今はそれが難しいので、少し時間が取れた時に、精神の充足期間として、絵画制作にも役立ちそうな趣味等に没頭しています。最近は中国ドラマ鑑賞にはまっています・・・。画家とは、基本、極めてマニアックな種族なのです~💛

 中国ドラマ『一场遇见爱情的旅行/一場遇見愛情的旅行/Love Journey(愛に出会う旅)』〈主演女優はジン・ティエン(景甜)、主演俳優はチェン・シャオ(陈晓/陳暁)/2019年 中国〉を見終えましたが、とても見応えのある傑作ドラマでした~。😍
 オークション・画廊での絵画の展示・売買を巡る、ハラハラドキドキのスリルとサスペンスから、コミカル~オネストな描写で涙を誘う純情ラブストーリーから、チベット族の住む雲南省・シャングリラでの旅情から、実に内容の濃いエンターテインメント・ドラマになっています。特に、画家の父との菜の花畑での思い出のシーンや、ドラマの最終場面で主人公同士が会いたいのに会えないシーン等は、感動で胸がつまります。美しい描写の反面、中国警察の活動がベースにあり、過激でドロドロのギャング活劇でもあります(残酷なのが苦手な人にはお勧めできませんが)。そんな訳で、残念ながら、多分、日本での正式なテレビ放映はなさそうですね・・・。

 中国のドラマは、大抵、とても長編です。この『一场遇见爱情的旅行』も全52話ありますが、全体的にとても丁寧で複雑に作り込まれています。しかし何故だか、最後の51・52話のギャング団討伐の件だけ、やや雑な展開に感じ、最終話のランボー的な戦闘シーンから液体爆弾までの場面は、少しコントチックにも見えました~。今まで一度も登場していない、野性的な男性ギャングやセクシーな女性闘士が突然現れたり、爆弾の電線の色を選ぶ描写は、さほど凝る必要はないとして、あえてベタにまとめたのか、逆に考え過ぎた挙句なのかもしれませんが、少々、滑稽です。しかし、話の要所要所に軽妙な笑いが散りばめられているので、これも、ありなのかもしれませんが・・・。
 でも、最終話の、チベット族式結婚式・高山での二人の場面や、上司の警察官との再会のシーン等は、とても良い雰囲気で感動的です。

 私は歴史物が好きで、普段、現代ドラマはほとんど観ませんが、私の感覚では、2021年製作の中国ネットドラマ『司藤(半妖の司籐姫 ~運命に導かれた愛~)』につぐ、良く出来た現代ドラマだと感じました。
 日本でも現在、TBSテレビ 日曜劇場「日本沈没ー希望のひとー」が力を入れて製作放送されていて、なかなか面白いのですが、それでも、2009年にTBSで放送された歴史・現代ドラマ「JIN−仁−」以降で、それを越える日本の感動ドラマを、私は知りません。
 中国テレビドラマは、20年程前までは、とても安っぽくて古い感じの作りでしたが、その後、この10年程で、日本・韓国や欧米のドラマ要素を取り入れつつ急速に発達し、2015年頃には韓国ドラマに似た雰囲気の、かなり良く出来た作品が登場し出したようです。「ハンシュク〜皇帝の女傅」(ジン・ティエン主演)や「武則天 -The Empress-」「女医明妃伝~雪の日の誓い~」等がその頃の作品です。その後~現在までの5年程は韓国風から脱却し、中国オリジナルの感覚を備えた秀作が、多数、製作されています。
 テレビ以外にもネットドラマも発達し、今や、日本や韓国のドラマの質を完全に凌駕する勢いです。予算のかけ方も半端ないのですが、14億人から厳選された俳優女優のレベルの高さも秀逸です。演技の上手い美男美女のオンパレードです。ジン・ティエンを始め、その多くは演技だけでなく、歌唱も上手です。衣装や小道具・大道具、CG映像の作り等も、実に凝っています。14億人の中で切磋琢磨された、文章作家・脚本家等もとても優れています。まだ世界的には認知されていない秀才・天才が、実は、中国には、沢山、埋もれているのでしょう。

 この後、中国の様々な規制の中で、どう文化的発達を続けるのか、衰退するのか分かりませんが、当面は、中国の映像芸術界~映画・ドラマからは目が離せないと思います。(ただ、ほどほどにしないと、面白過ぎて、自身の仕事が手につかなくなる恐れがありますよ~。😭 )
 その他の、現代アート・CG系の美術・絵画や絵本・マンガ・アニメ界の発展は、今の所、日本よりやや遅れているようですが、もう数年~10年もすれば、追い付き・追い越してくる事でしょうね・・・。(※ここでいう「美術・絵画」とは”伝統絵画”の事ではなく、”現代アート”や”CG系の美術・絵画・イラスト”等の新ジャンルを指します。ちなみに、日本や中国における日本画・油絵・水墨画・工筆画といった”伝統絵画”の場合は、20~30年を経ながらゆるやかに推移・変化していき、現状の隆盛を維持するか、発展するか、衰退していきます。ただ現在は、残念ながら、ゆるやかな衰退期に入っていると思われます。)
 私の専門の絵画〔日本画〕絵本もそうですが、日本の様々なジャンルの文化・芸術創造者も、心して最善を尽くさないと、気が付いた時には、置いていかれてしまっていそうです・・・。
 ただ、作家の不断の努力はもちろん、政治・経済界のご理解・ご支援が無いと、どだい無理な話なのでしょう・・・。


11月28日

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をご覧いただき、インスタグラム Instagram でご紹介いただき、誠に有難うございます。今後の、後藤 仁 絵本にも、ご期待下さい~💖💑

https://www.picuki.com/media/2675958732449267388


11月29日

 私が今一推しの、中国の奇跡的美形女優・景甜(ジン・ティエン)が主演女優を演じている中国映画では、「青禾男高 FIST & FAITH」(2017年 中国)という作品も中国のネットで観れました~。景甜(ジン・ティエン)の他、黒木メイサ、林 遣都といった著名な日本人俳優も出演していますよ。
 日本が満州を統治していた時代を舞台とした、所々にマンガタッチを入れ込んだ、奇妙な雰囲気の青春バイオレンス映画です。日本人であり、無類の中国文化好きでもあり、今後も中国での絵本出版等を予定している私としては、なかなか表現が難しいのですが、簡単に言えば、抗日的な時代背景の作品です。嫌戦家の私としては、過去を決して忘れてはならないという事も分かっており、何世代にも渡り批判され続けるのはやむを得ないという理解と反省もあります。それでも、次世代には、そのような過去を否定し合う世情を乗り越えて、お互いが、より前向きで友好的な作品を創れる、素敵な世の中を希求したいという願いが強いです・・・。🙏
 作品的には、昔の古い中国ドラマの感じが妙に出ていて、景甜(ジン・ティエン)主演と言えど、必ずしも佳作とは言えないでしょうね。意図的に時代感を出しているようですが、少し、的を外している感じです・・・。ただ、景甜(ジン・ティエン)が日本語を話している珍しい場面と、素晴らしく良い姿勢で自転車に乗る姿(日本の映画「二十四の瞳」みたいです)が見られるという映像特典付きです~💛。
 景甜(ジン・ティエン)主演の映像作品に関しては、現在のところ、映画よりもテレビ・ネットドラマの方が、上質かつ充実しているようです。
 画家の私が偉そうに言う事でもないのですが、潤沢な予算もあり、優れた俳優女優がそろっている現代の中国ですから、今後は娯楽・エンターテインメント系映画・ドラマだけではなく、景甜(ジン・ティエン)主演の、より芸術性の高い「文芸大作映画」等の登場を期待したいところです~~。💑


12月3日

 絵を描くには、極めて高いモチベーションと集中力を維持しなくてはいけません。それを何十年も、・・・いや、一生継続しなければいけないので、画家人生とは、とても大変なのです。
 一度、集中力が途切れると、再び、高い水準まで持ち上げるのに、ある程度の時間を要します。

 2年間にも渡るコロナ禍もあり、この3~4年に渡り苦心を続け、作画に励み続けた成果が、なかなか世間的に表面に現れて来ません。これは、作家としては、なかなか、苦しい状況です・・・。そんな厳しき時節なのに、その上に最近、想定外の仕事上の大きな変更・延期が幾つか続き、さすがの私でも、心が折れそうになります・・・。中国向け絵本出版の延々たる延期~絵本編集者の理解不能な思考と契約不履行による仕事の終了~制作中の重大な仕事の延期通達・・・等、いずれも作家にとっては、誠に理不尽な出来事です。また、いずれも、きっと私のせいなのではなく、先方や先方関係先の一方的な事情によるものです。
 しかし、長年の画家生活で、そんな理不尽な出来事にも、ある程度、慣れっこです~。こんな負の時期には、焦らず、腐らず、挫けず、絵に関係しそうな趣味等に興じながら、気持ちを少しずつ切り替えます。おかげでこの間に、面白い「中国ドラマ・ドキュメンタリー番組」を幾つか発見~💖 今回は、中国の女優、ジン・ティエン(景甜)のドラマ・ドキュメンタリー作品での、底抜けに明るく美しい、笑顔と涙に救われました~💑

 少しずつ気力が回復してきたので、日本向け「新作絵本」コマ割り・ラフスケッチの作画を、ボチボチと進めています。
 ようやく、「扉」から「第3場面」までの鉛筆描きを終えました。これからペースを上げながら、今月中旬には完成させねばなりません。
 また先日、或る大手新聞社の取材依頼が来ましたが、受けてみないと、どんなものなのかは分かりません。時々、新聞・テレビ・雑誌等の取材を受ける事はあるのですが、ピンキリですからね~。😅


12月5日

 中国の超美人女優、ジン・ティエン(景甜)が出演する、中国ドキュメントバラエティ番組『我想见到你(あなたに会いたい)』(2017年 中国)は、とても面白いです。基本的にノンフィクション映像なのですが、ある程度の再構成・再編集をしてあると思います。
 ジン・ティエンの他にも、中国歴史ドラマ『麗王別姫~花散る永遠の愛~(大唐荣耀)』(2017年 中国)で安慶緒役を演じたマオ・ズージュン(茅子俊)等の中国の有名俳優も出演しています。
 幼い頃に父親に家出された女性が、その父に会いに行ったり、小学生の女の子が、出稼ぎで遠くに住む両親に会いに行ったりするというストーリーで、多少、大げさ目に脚色をしてあるようですが、とても感動的な番組です。中国の田舎の美しい風景や多彩な風習も楽しめます。
 ジン・ティエンの底抜けに明るいキャラクターや、反面、深刻な状況に涙する場面は、実に素敵です~💖 その他の二枚目俳優陣もとても頑張っています~💑 実話を元に、面白おかしく、また、感傷的に構成するという、日本ではあまり見られない、ユニークな作りの番組です。現在の中国のエンターテインメントは、色々なアイデアに満ちていて、見逃せませんね~。


12月9日

 やはり懸念した通り、大手新聞社の取材は、あまり私にとって好ましいものではなかったようです。「金唐革紙」関係の取材は、これなので、あまり気乗りしません。貴重な時間を割いても、私がただの紹介役になるだけですから・・・。私はボランティアの紹介屋でも暇人でもありません。ご掲載が定まっていない(最終的に却下となるような)取材は、ただの時間と労力の無駄になります。
 過去の不正が正されない世の中は、この後も一向に良くなる気配はなさそうですね~。かつての金唐革紙の製作所には、大きな疑念が付きまといます。(私も聖人君子ではありませんから、小さな間違い・良くない部分は多々あります。ただ、度を越えた不正・巨悪は、さすがに見過ごせません・・・。経営者一人の個人的な過去の不正のせいで、本来、全く関わっていない、私のような後世の人間までもが、そこで仕事をしたという自責の念による精神的苦痛を、延々と感じる羽目になります。人の上に立つ立場の者の罪とは、それほど重いものなのです。)
 でも、私自身が悪に染まらずに、貧しくとも、清く正しく、正々堂々と作家活動を続ける方が、よっぽど幸せですよね~💑。

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 日本向け「新作絵本」 ”コマ割り・ラフスケッチ” の作画は、ようやく、「第4場面」と「第5場面」の鉛筆描きを、おおよそ終えました。最近、諸々の負の事象で、なかなか集中力が増してきませんので、時間がかかります・・・。全場面を描き終えたら、鉛筆で補筆し、色鉛筆で少し色を付ける予定です。
 ”コマ割り・ラフスケッチ”の段階から、編集者を納得させられる密度で描くのは、とても骨が折れます。しかし、この作品はとても重要な作品ですので、編集者にも、十分に理解していただいた上で、本画に取りかかりたいのです。
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 コロナ禍で私も、展覧会・イベント等を控えているので、メディアの取材等も基本的に来ないのですが、久しぶりに新聞社からアクセスがあったかと思ったら、悪因縁が常につきまとう、「金唐革紙」の取材でした~😫 これには、良い結果が出たためし無し~。「金唐革紙」関係の取材ではなく、「日本画」「絵本」関係の取材なら、問題無しに喜んで受けるのですがね・・・。それでも、若き頃に汗水流して、現世で最も多くの「金唐革紙」を製作したのが私なのは事実ですので、経歴にも書きたいのです・・・。 
 コロナ禍等で世界中・日本中の気運も悪いのでしょうが、私も何かしら、最近、運勢が悪い気がします・・・。元々、私のこれまでの人生全体、能力や努力量に比して、運が良くない方のようなので、これも、あきらめるしかない天命なのでしょう。何か前世で悪い事でもしたのかしらね・・・。おおよそ、私が亡くなった後にでも、ようやく運気が上がったりするものなのでしょうね~。それならば、一層、楽しく、可笑しく、絵師人生を満喫して参りましょうかね~~~💖😍


12月10日

 日本向け「新作絵本」”コマ割り・ラフスケッチ” の作画は、本日、一気に、「第6場面」から「第9場面」の鉛筆描きまで進みました。誠に、良い感じです。やっと、世俗的な雑事・迷い事も一段落し、年末年始辺りまでは、多分、些事に煩わされる事もなさそうです・・・。
 中国の超美形・元気女優、ジン・ティエン(景甜)から元気とやる気をいただき、ようやく私も、いよいよ気合が充実しつつあります~~💖😤 真的(ジェンダ)❣ とても素敵な絵が描けそうですよ~💑 
 もう~いくつ寝ると~お正月~🎵、来年に向けて、作画に、ただひたすら、ひた走りたいですね~~~🤩


12月13日

 現代中国を代表する美人女優、ジン・ティエン(景甜)主演の中国ドラマでは、「火王之千里同风(火王之千里同風)」(2018年 中国)という、これまた奇妙な近未来的・現代ドラマもあります。どうやら、宇宙の神域より地球で人間に生まれ変わった人の物語という、不思議な設定です。
 「火王之千里同风」は第二部らしく、第一部の「火王之破晓之战(火王之破暁之戦)」(2018年)もあるようですが、私は、たまたま目に留まった、この第二部からボチボチと観ています。第一部は宇宙の神域を舞台とする歴史ドラマ風で、第二部は現代ドラマになっています。

 しかし、この年代のジン・ティエンは、誠に神秘的に美しいですね~💖 クールさとキュートさが実にバランスよく、なかなか日本人女優・アイドル等には見られない絶対的完成度です。🤭
 ジン・ティエンは年代によって、年齢変化の他にメイク等の加減もあるのか、けっこう雰囲気が変わります・・・。女優以前に歌手でもあった20歳代前半は、若く爽やかな美しさが弾けるザ・アジアンビューティーです。2010年過ぎ頃の、歌をうたっている姿や、古い感じの中国ドラマに出演している姿が、ネット上でも幾つか見られます。
 この「火王之千里同风」が製作された2018年前後、中国歴史ドラマ「麗王別姫~花散る永遠の愛~(大唐荣耀)」が2017年ですので、これらを含む、「ハンシュク~皇帝の女傅(班淑传奇)」(2015年)~「我想见到你」「キングコング髑髏島の巨神(金刚:骷髅岛)」「青禾男高」(2017年)~「一场遇见爱情的旅行」(2019年)辺りが、20歳代後半から30歳頃のジン・ティエンが、クールかつキュートな究極の美を完成させた絶頂期でしょうか。
 この後、「半妖の司籐姫~運命に導かれた愛~(司藤)」(2021年)以降は、ジン・ティエンも30歳を越え、より大人のクールで妖艶な美を増しています。
 今後は、より芸術性の高い文芸作品や、アメリカや日本の優れた海外映画作品等でのご活躍でもあれば、嬉しいのですが・・・。以上、勝手に、ジン・ティエン(景甜)評でした~~~💑😘😝


12月14日

 物事は気の持ちようでもあります。何事もプラスに考えれば、それもまた真実なのです。────

 私の知名度がこの10年程でかなり上がっているので、手製高級壁紙「金唐革紙(金唐紙)」の取材・製作依頼等も私に来るケースが増えています。ただ現在、私は金唐革紙製作に携わっていないので、実際には、情報提供のみに留まり、結果、別の人が稼ぐのを手助けしているだけの形になっています・・・。しかし、こうして私にアクセスがある事で、「金唐革紙」の功罪の真実も少しは世間に知れますし、私の本業である、「日本画・絵本画」を知るきっかけにもなっているはずです。

 かつて私は、本業の「日本画」制作と並行しながら、学生時代から12年ばかり「金唐革紙(金唐紙)」の製作所で働いていました(若手作家が売り絵だけで食べていくのは、至難の業なのです)。その製作所を一人で運営・経理管理していた経営者が、不正ばかり(例 : 自身の技術の低さを隠して、世間には、ただ一人の技術保持者と吹聴。税務署に仕事の申告を全くせず巨額脱税を行ったり、過去に新幹線内で10万円の置き引きをした・・等という、衝撃の告白をする。・・・他にも多々あり)を働いているのに、私はウンザリして、一時の”利”を取らずに、一生の”義”を選んで、完全に縁を断ちました(ここで私が言う”義”とは、不正を働くような雇い主・組織に対する妄信的な”忠義”ではなく、人としての祖先や天や神仏に対するような絶対的な”義理・道理”の事です)。こんな歪んだ行為が世間にまかり通っているようなら、美術界も世の中も、決して良くはなりませんよね~。たとえ正確な事実でも、名誉棄損になる場合もあるとか言いますが、こんな巨悪な法的不正までもが隠蔽されるようでは、世の中、相当、狂っています~。
 それでも、若かりし私は、経営者のそんな不正の事実を知らずに、その製作所で汗水たらして、誰よりも多くの仕事をして、日本の文化発展に貢献した事も事実です。その「金唐革紙」作品自体には、全く罪はないはずです。その真実がある限り、貧しいながらに、私は正々堂々と画家作家として、今後も生きられます。
 そんな製作所の不正に気付いた後も、製作所にただ一人残り続けた、後輩の I 君の心中には、やはり利益・名声への渇望だけを感じましたし、一見、真面目なお人好しに見える彼ですが、残念ながら、私の不信感が消える事はありません・・・。

 ただ、私が、”利”を取らずに”義”を取った事は、”正しい人の道”なのだと今でも信じています。もし、地獄があるとしたら、少なくとも、この件においては、私はそこに落ちる心配もないでしょう。また、あまりに真面目で誠実過ぎる性格によって、若くして亡くなった私の父親や、90歳過ぎまで正直に誠実に、自力で「からくり人形」製作に挑み続けた伯父・後藤大秀さんにも、どうにか顔向けできそうです。
 そして、高度成長・バブル経済でより失墜したであろう、日本人の倫理観・道徳観・宗教観を、次の世代では少しでも正していけるよう、若き人々には、より良き芸術美術の路を、微力ながらも伝えていきたいとも誓っています。
 そう考えますと、私の厳しき極貧絵師道も、また、楽しく正しく、乙なものですよね~。😅
 
                  *

 ここの所、日曜日には、絵本用の「パネル」(P10号)を、手作りでボチボチと作製しています。いわゆる、日曜大工ですね─ ⁉ そして、平日の集中力が増した時に、本格的な作画に入ります。
 日本向け「新作絵本」”コマ割り・ラフスケッチ” の作画は、本日、「第10場面」から「第12場面」の鉛筆描きまで終えました。この辺りは、物語のクライマックスですので、とても重要な場面になります。様々な実在の動物や空想上の生き物が登場して、ハラハラドキドキ~、とても面白いです─── ❣
 ここまで実に良い感じで、ラフスケッチが描けています。これは、また、飛び切り素晴らしい絵本作品になりそうだネ~~🤩 早く、本画制作に入りたいよ~~~🥳


12月15日

 日本向け「新作絵本」”コマ割り・ラフスケッチ” の作画は、本日、「第13場面」から「第15場面」の鉛筆描きまで終えました。ここは物語の最後の結びですので、極めて重要な場面です。ここに来て、かなりの気合が入って来ました~😤 大迫力&究極美の表出です〰。まだ、ラフスケッチの段階ですが、かなり良い絵が描けました~~🤓
 後は、「後ろ扉(第16場面)」と「表紙」のみになります。さあ、ますます気合を入れて、作画に邁進しよう──── ❣ (^.^)/~~~


12月16日

「任天堂御用画师,参与马力欧及塞尔达等人物插画制作,毕业于这所大学!( 任天堂の御用画家、スーパーマリオやゼルダの伝説などのキャラクターイラスト制作に参加、本学を卒業!)」 自由微信 FreeWeChat
https://freewechat.com/a/MzIwNzg4ODE5Nw==/2247485266/1

「东京艺术大学 | 纯艺术专业申请细则,入学考试这一关你准备好了吗?(東京藝術大学 | 純粋芸術専攻の出願規則、入学試験の準備はできていますか?)」 自由微信 FreeWeChat
https://freewechat.com/a/MzI5NzQwMzQzOQ==/2247487044/1

 以前に中国系のウェブサイトに掲載されていた記事が、別のサイトに再掲載されていました。
 東京藝術大学の著名な卒業生として、村上 隆さん(現代アーティスト)小田部羊一さん(アニメーター、キャラクターデザイナー)と共に、光栄な事に、私・後藤 仁も紹介されています。😲
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)『ながいかみのむすめチャンファメイ(長髪妹)』(福音館書店)も掲載されています。
 他のお二人ほど、私は大した者ではないですが、誠に有難い事です~。💑


12月17日

 私の受け持つ絵画教室(カルチャースクール/日本画・デッサン教室)も、コロナ禍で人数が随分減っていましたが、ここの所、ようやく少しずつ増えてきました。
 ご興味のある方は、ぜひ、お気軽に、教室にお越し下さい。集中して”絵”を描く中から、豊かな心を育んで参りましょう~❣ 

○NHK文化センター 柏教室 (NHKカルチャー柏) 「基礎から始める日本画」
 https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491581.html
○NHK文化センター 柏教室 (NHKカルチャー柏) 「鉛筆デッサン~初歩から上級まで~」
 https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_518580.html

○読売・日本テレビ文化センター 柏 (よみうりカルチャー柏) 「日本画 美人画から静物まで」
 https://www.ync.ne.jp/kashiwa/kouza/202201-03043014.htm

                  *

 本日、日本向け「新作絵本」 ”コマ割り・ラフスケッチ〈第2案〉” の作画は、「後ろ扉(第16場面)」と「表紙」の鉛筆描きまで、全て終了しました。後は、ここに色鉛筆で軽く彩色しますが、これは、覚え程度のものなので、1~2日程で終わるでしょう。来週初めには、”コマ割り・ラフスケッチ〈第2案〉”が完了しそうです。
 今、私が持ちうる知力と画力を最大限注力して、考えうる最高の仕事が出来たのではないかと思います〰💖 美しい~、美し過ぎる世界だよ~~❣ 🥳 もし、この”絵”を絵本化する事をためらった絵本出版社・編集者が世の中にあったとしたなら、さぞ、もったいない事をしたものだと、大いに惜しがる事でしょうね・・・。😱 
 絵は水物、・・・歳を経るにつれ、刻々と変化していきます。今、この時にしか、描けない”絵”というものが、必ずあるのです・・・。

                  *

 最近、グーグル Google で、「後藤」「後藤仁」等と検索・エゴサーチすると(ただの自己満足ではなく、自作絵本・日本画の画像使用状況を把握する目的等の為にも)、即座に画像入りの予測変換が出てきます。私のパソコンだけかも知れませんが、時によっては、私の画像が出る場合もあります。確かに分かりやすいのですが、インターネットとは、誠に奇々怪々・摩訶不思議な世界ですね~🤔

グーグル「後藤」

グーグル「後藤仁」


12月18日

 グーグル Google 検索では、私・後藤 仁を知りたい場合は(もし、いればの話ですが・・)、「後藤仁 絵本」「後藤仁 日本画」で検索すれば効果的です。さらに、「”後藤仁” ”絵本”」「”後藤仁” ”日本画”」とした方が確実ですよ~❣(後藤 仁の類似名は沢山あるので、区別化・差別化できます)。
 後藤 仁の日本画・絵本作品を調べたい時等は、ぜひ、皆様もググって下さいね~💑

グーグル「後藤仁 絵本」
 ちなみに、「”後藤仁” ”絵本”」でググると、こんな感じに、綺麗に画像が掲載されます ⁉ (@_@)ノ


12月19日

 中国のメッセンジャーアプリ・微信 WeChat「艺术生的福音 | 2022日本最牛艺术类名校大盘点,留学生必看!!!(芸術・美術大学生の福音 | 2022年 日本で最高の芸術・美術大学の目録、留学生必見!!!)」という記事では、日本の主要な芸術・美術大学が解説されています。
 その中の東京藝術大学の主な卒業生として、村上 隆さん、坂本龙一(坂本龍一)さんという超大御所と共に、私・后藤 仁(後藤 仁)も挙げられています。誠に光栄な事です~💑

https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=Mzg4OTYwMzY0MQ==&mid=2247496358&idx=1&sn=c67ba2a43796753360f0db8cb7f37757&chksm=cfebe1f0f89c68e634d60baaa0309453672c7474b51a1031bbdd2cb88efafba9a6e255d06de5&scene=178&cur_album_id=1828117228391579652#rd


12月21日

 本日、日本国内向け「新作絵本」”コマ割り・ラフスケッチ〈第2案〉” の作画は、「表紙」「扉・後扉」「第1~第7場面」の色鉛筆彩色まで完成しました。あと、1~2日で、この”コマ割り・ラフスケッチ〈第2案〉”は終わりそうです。😘
 この絵本の原話は、悲しい場面も多々あるのですが、全体を通して、とても美しく尊い願いが込められた、誠に優れた美談でもあります。很好(ヘンハオ)〰 ❣ 本画入りが、本当に楽しみですね~💑


12月22日

 本日、日本国内向け「新作絵本」”コマ割り・ラフスケッチ〈第2案〉” の作画は、「第8~15場面」の色鉛筆彩色まで終えて、11月8日から1か月半かけて、全場面、完了しました。集中力が増している今の内に、一気に仕上げ、コピーを編集者に送りました~。(^_-)-☆
 今回、初めて仕事をする出版社・編集者という事もあって、絵本の完成像が先方に上手く伝わるように、かなり丁寧・詳細なラフスケッチを描きました。私が8年余り温め続けた絵本構想に、新たに編集者のご意見も十分に取り入れながら、絵本的に最良の原案になったのではないかと思います〰 💖
 一見、悲しい話のようでありながらも、緊張感のある大迫力の場面もありながらも、絵本全体に美しい詩情、希望と夢が漂っています・・・。これが、優れた民話・昔話の持つ、時代を越える普遍的な力強さと永遠性なのでしょうね。
 さあ、来年以降の日本画・本画制作が、誠に楽しみです。厳しき今の時代ですが、来年は、少しでも良い年になるといいですね~~。🤗


12月25日

中国新聞デジタル 【子どもたちへ 本の招待状】 小学校中学年以上向け 5―Daysこども図書館・井手紗弓さん
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 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を新聞にてご推薦いただき、誠にありがとうございます。広島市立図書館ホームページでも紹介されています。
 今後とも、後藤 仁 絵本作品を、よろしくお願い申し上げます~。💑

https://www.chugoku-np.co.jp/learning/article/article.php?comment_id=806900&comment_sub_id=0&category_id=1233

広島市立図書館 ─ 中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2021年11月)に掲載された本の紹介
https://www.library.city.hiroshima.jp/news/kodomo/2021/12/3239.html
https://www.library.city.hiroshima.jp/sp/news/kodomo/2021/12/3239.html

広島市立図書館 ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)
https://www.library.city.hiroshima.jp/winj/opac/switch-detail.do?bibid=1103564052


12月26日

 今朝、また、奇妙な夢を見た。
 ~~~~私がバイクか自転車で知らない田舎道(外国かも知れない?)を走っている様なシーンが長々と続いた後、兵庫の親戚の家らしき所にいて、私のバスタオルが従妹に泥のような物で汚されたので洗濯機で洗っているという謎のシーンが出てきた。
 この辺から、夢は、にわかに鮮明となり、大勢の兵庫の親戚が集まって、向こうの大広間で宴会をしている場面になった。私は酒に酔った感じとなり、薄暗い隣の部屋で、ぐったりとして、うなだれている(ふてくされている)。親戚の一人が、「お父さんも帰って来たし、こっちへ来いよ~」と促すので、私はフラフラしながら、何か気まずそうに、大広間へ向かった。どうやら、長年、行方をくらましていた父が、何十年ぶりかに、兵庫の母の実家に戻って来たという設定らしい・・・。
 大広間の入り口のふすまの隙間の明るい光の中に、父の姿がハッキリと見えた。白の長袖ワイシャツに灰色のスラックスという姿で、マイクを持って、親戚達に挨拶をしている。私は大広間に入って、下座に回り、大きな屛風の裏を通って表に出ると、すぐ目の前に父がいた。父は正座をして私を直視していたが、私は正座したまま うなだれて、父の足元しか見えない。私は泣きじゃくりながら、父に、「どうして・・・」と、言葉にならない言葉をかけた。私が顔を少し上げると、父の顔が一瞬見えた。穏やかな表情だった。父は私に言った。「本当にすまんかった・・・。30分程、迷ったんやけどな・・・。」といったような事を話した。
 ~~~~~と、そこで私は、突然、目が覚めた。

 起きたとたん、頭に浮かんだ。『 東京藝術大学の卒業作品「昇殿(ボロブドゥール遺跡)」を、よくよく見ると、階段の中腹辺りを登る人の中に、父に手を引かれる幼い頃の私が、小さく描き込まれています。 』と、先日、拙ブログに書いたが、父が亡くなったのは、私が大学卒業前の12月末なので、本当は描き込んでいなかったのではないかと、思い立った。その後年、私は「邂逅(ボロブドゥールにて)」(F30号)という作品を描き、そこに、父と私の姿を描いたのだが、それと混同したのかなと・・・。
 卒業作品の大きめの写真をよく見直してみると、やはり記憶通り、父に手を引かれる私が、小さく描かれていた。─────
 そこで古い手帳を読み返してみると、1995年の9月から「卒業作品」を描き始めていて、父の訃報(享年57歳)は同年12月21日に受けたとある。大学は翌22日が学期終了日だったが、私は22日の朝、日本画教官室に欠席の電話連絡をしてから、すぐさま、当時の大阪の実家に新幹線で飛んで帰った。22日夜、通夜、~23日、葬儀・告別式と手帳には記入してある。
 1996年1月8日に大学の新学期が始まり、同月31日が卒業作品提出期限と記載がある。すなわち、確か、下図の段階では父と私を描く計画ではなく、父の死を受けた後、1996年1月中に、本画に描き足したのではないかと推測する。人の記憶とは、実に曖昧なものである・・・。
 この、「父に手を引かれる幼い頃の私」のモチーフは、3歳頃に父に手を引かれて、古里・兵庫県赤穂市坂越の宝珠山に登った時の思い出と、赤穂市・赤穂八幡宮での七五三祝いの家族写真を組み合わせて、私がイメージ画像化したものである。

 それにしても、あの夢の中の父は、実在するかのように鮮明だった。私がうなだれて投げ出した頭のすぐ前に、父の温もりと息づかいを、確かに感じた~。
 父は、1995年12月21日に、当時の大阪の実家の、社宅近くのビルの7階辺りから転落して、亡くなった。現場検証した警察によると、自死であると言う・・・。
 私も、その約8年後の「インド写生旅行」辺りまでは、酷い悲しみを引きずったものだが、もしかしたら、父も、「申し訳ない」という、私達、残された家族への思い・悔恨も、少しはあったのかの知れないね~~。遠い昔のお話で、今となっては、取り戻しようもない、過ぎ去った事実である。しかし、今でも、私の夢枕に出て来てくれるというのは、私の心残りなのか、それとも、父の心残りなのだろうか・・・・。


12月29日

絵本『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社)宣伝

 今年は、この2年間にも及ぶコロナ禍による、中国向け新作絵本『青蛙緑馬(チベット民話)』(浙江少年児童出版社)の発売の長期間延期や、その他の重要な仕事の中断・変更等のマイナス事項も相次ぎました。仕事と趣味を兼ねた、私の最大の楽しみであり生き甲斐である、 ”海外・国内写生旅行” にも簡単には行けないという厳しきご時世で、最近、心がかなり疲弊していました・・・・。
 そんな中で、優れた ”中国ドラマ・ドキュメンタリー” 鑑賞が、私のほぼ唯一の心のオアシスとなりました~。特に、今、私のマイブームとなっている、中国の超美形女優・ジン・ティエン(景甜)のドラマ・ドキュメンタリー番組には救われました~。そこで最近は、仕事以外の、そんな、たわいもない趣味のつぶやきが増えました~~💖
 
 コロナ禍という事もあり、昨年に続き本年も、展覧会・イベント等は全く計画・開催しませんでした。やっても成果が上がりにくいという現実もありますし、来ていただく方々にもご不安・気苦労をおかけする事になりますから・・・。ようやく12月に発売か・・と私が言っていました、中国向け新作絵本『青蛙緑馬(チベット民話)』(浙江少年児童出版社)の発売は、更に遅れて、来年・2022年初頭にずれ込む見込みです。ただし、コロナ禍・中国国情に翻弄されながらも、出版社・編集者のご努力もあり、確実・着実に出版計画は進んでいます~。💑
 昨年~本年と、完成・発表できた作品こそ少ないですが、「中国向け・日本向け絵本」4作品の原案・原画制作や「天井画」原案制作にと邁進でき、途中、集中しきれない日々もありましたが、良き創作機会には恵まれた一年となりました。今日で、本年の仕事納めとし、ブログ・SNS(フェイスブック、ツイッター)納めといたします。

 本年も、拙い私のブログ・SNSをご覧いただきまして、誠にありがとうございました。年末年始と、御身大切にお過ごし下さい。来年が良い年になります事を、ご祈念いたします。皆様、よいお年をお迎え下さい。 (^.^)/~~~

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-12-24

インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行〈1995年〉その5・最終回、後藤 仁

 私の一番最初の海外旅行、『インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行』 (1995年3月13日~27日)の続き〈その5・最終回〉です。

                 *

 旅行11日目: 1995年3月23日(木)。今日は再び、ユネスコ世界遺産・世界三大仏教遺跡 「ボロブドゥール遺跡」に挑みます。
 朝、起きてみると、まだ腹痛感・食欲不振感・微熱感はありましたが、ボチボチとおさまりつつありました。そこで、一人になった事ですし、1日かけてボロブドゥール寺院のスケッチ(写生)をする事に決めました。朝早く、ジョグジャカルタのバスターミナルからバスに乗って、「ボロブドゥール寺院群」(入園料1人、4000ルピア)に到着!! 今回の旅では、まだ1枚しかスケッチを描けていないので、腕がビンビンと鳴っています~❣
 前回、ボロブドゥールを訪れた時に、おおよその目星を付けていましたので、その場所に陣取って、早速、スケッチを始めました。ボロブドゥール寺院の長大な階段を下から見上げる位置です。ここなら、階段の登り口から大ストゥーパまでが、一枚の画面に収まります。階段は四方にあるのですが、私が描いた階段は最も整っていて、登り口横の巨大獅子も立派です。F4号のスケッチブックを横位置で上下に開いて、縦長に上下2枚使用して、通常の倍の大きさで描きました。インドネシアの蒸し返すような湿気と灼熱の太陽を受けながら、およそ3時間余りは描いたと記憶しています。複雑な石組みや、精緻なカーラ(鬼面の魔除け・守り神)やブッダのレリーフを描くのは、実に困難です。かなりしっかりとしたスケッチが描けましたが、細部の詳細は写真を撮って参考にするしかありませんね。
 長い格闘の末、ようやく一枚を描き終え、再び、ボロブドゥール寺院の頂上・大ストゥーパまで登ってみました。長大なブッダの大回廊を抜けて、大ストゥーパ・小ストゥーパ群の空間に至ると、心が洗われたような実に清々しい気分になります。遠くに山々、・・・美しいムラピ山も望めます。こんな安らかな気持ちになれたのは、私の人生でも数少ないでしょう・・・。
 ボロブドゥール寺院を存分に満喫した後、前回は行けなかった、ボロブドゥール寺院周辺の仏教寺院を訪ねました。「パオン寺院」は、愛称を「ジャワの小さな宝石」といい、小さいけれど美しい寺院です。
 次に、「ムンドゥッ寺院」(入場料100ルピア)へ。立派なお堂とガジュマル(榕樹)の対比も素晴らしいのですが、この堂内には、「ジャワ美術の最高傑作」「世界で最も美しい仏像の一つ」とも称される、巨大石仏三尊像があります。私の日本画家という職業柄からも、最高の芸術美術を求道するという本能的嗜好からも、国内外の幾多の仏像・神像・彫像を見て参りましたが、この仏像は、確かに美しい。ボロブドゥール寺院建立と同じ、8世紀中頃~9世紀中頃の制作と思われますが、高さ約3mの御本尊・如来像と両脇侍の観音菩薩像・文殊菩薩像は、インドと日本の仏像の中間のような雰囲気で、誠におおらかで秀逸です。
 この日は念願のボロブドゥール寺院スケッチも出来て、十二分に満足して、ホテルに帰りました。

インドネシア写生旅行
「ボロブドゥール寺院」 カーラ(鬼面の魔除け・守り神)の口の門と、大ストゥーパ
インドネシア写生旅行
「ボロブドゥール寺院」 円壇・小ストゥーパ群
インドネシア写生旅行
「ムンドゥッ寺院」 石仏三尊像(本尊:如来像/脇侍:観音菩薩像、文殊菩薩像と言われている)


 旅行12日目: 3月24日(金)。この日はジョグジャカルタ市内の「ソノブドヨ博物館」(入館料500ルピア)へ。ガムラン(インドネシアの民族音楽)楽器、バティック(インドネシアの ろうけつ染め布地)、ワヤン・クリッ(影絵芝居)、ワヤン・ゴレッ(人形劇)、仏像・神像等の展示物で、ジャワ文化を知れます。
 その後、「ゲムビラ・ロカ動物園」(入園料、未記載・不明)へ。ガイドブック「地球の歩き方・バリとインドネシア」にも地図内のみの記載で解説もありませんが、私は海外での旅先で終盤に時間が余ったら、よく現地の”動物園”に行きます。地元の人々の従来の娯楽・休日の過ごし方が知れますし、日本の動物園で見られない珍しい動物がいる場合もありますし、そのお国柄が出ていて、結構、楽しめて、ほっこりします~。その他、「絵本」も手掛けるようになった近年では、地元の大きな”図書館・書店”に寄ってみると、その国の文化水準、思考・思想がよく見て取れて、とても為になります。この動物園は派手さは無かったですが、キリン、ゾウ、サル、ワニ、ヒクイドリ・サイチョウ等の鳥類が、私の写真に収められていました。
 この後、市内の書店に立ち寄ったり、夕食を取って休憩してから、「ラーマーヤナ(ジャワ伝統舞踊)」(プラウイサタ屋外劇場/20:00~21:30開催、鑑賞料 15000ルピア)を観に出かけました。舞台から席が遠くてよく見えませんでしたが、写真撮影は可でした。東南アジア定番のラーマーヤナ舞踊は、いつ見ても、とても面白いです。私は海外の旅では、時間と体力が許す限り、現地の伝統舞踊・舞踏、人形劇・影絵芝居 等の伝統文化公演を鑑賞します。その国の時間と空間を思いっ切り満喫できる上に、場合によっては日本画・絵本のアイデアが浮かぶ場合もあるのです。

インドネシア写生旅行
「ソノブドヨ博物館」 パンフレット
 

 旅行13日目: 3月25日(土)。この日もまだ、食・水あたりの症状が残っていましたので、あまり無理をせず、市内をぶらぶらと散歩し、店で土産物の買い物等をしたと思います。
 この日も夜になり、「ワヤン・クリッ(影絵芝居)」(ソノブドヨ博物館/20:00~22:00開催、鑑賞料 3000ルピア)を観に出かけました。今宵は、幻想的なガムランの音と揺らめく影絵に酔いしれました。
 
 旅行14日目: 3月26日(日)。いよいよインドネシアでの最終日となりました。もし腹痛が無く、体力さえあれば、「ディエン高原」まで足を伸ばしたかったのですが、今回の旅では無理でした・・・。夕方の飛行機便で日本へ帰るので、あまり遠出はできませんが、どうしても、もう一度、私は、「ボロブドゥール遺跡」を描きたかったのです。
 朝早く、「ボロブドゥール寺院」へ再び直行~!! 回廊のカーラ(鬼面の魔除け・守り神)の口の門を、F4号スケッチブックに2時間余りで描きました。そして、階段登り口の大きな獅子像を、1時間余りで描きました。見忘れていた”隠れた基壇”や、その他の遺跡細部を写真撮影しました。もう体力はほとんど残っていなくて、フラフラでした〰。ボロブドゥール寺院の頂上へ登り、良き旅ができた事を感謝し、帰路の安全を祈念しました・・・・・。
 
 快適だった、ジョグジャカルタでのホテル、「PETI MAS Guest House」に戻り、一休み~。時間に余裕を持って、夕方4時30分にホテルを出て、タクシーでジョグジャカルタ ・ K.C.アディスチプト空港に向かいました。
 空港でのチェックイン時に係員が、「エアポート・タクシー」と言って、お金を請求してきます。私が、「エアポート・タクシーではなくて、市内のタクシーを使用した」と下手な英語で説明をすると、さもめんどくさそうに、ローマ字表記の日本文を見ながら、「KOKUZEI(国税)!」と強く言います。「エアポート・タクシー」ではなくて、「エアポート・TAX(空港税・空港使用料)」の事だったのです。私は英語が不慣れな上、インドネシア人の英語は欧米人の英語と少し違っていて、かなり聞き取りにくいのです。この当時は、航空券に空港使用料が含まれておらず、空港を使用する度に空港使用料を支払わないといけませんでした。ここで空港使用料 17000ルピアを支払いました。お金を、ちょっと多めの、20000ルピア残しておいて助かった・・・。
 飛行機は出発時刻が少し遅れましたが、大きな問題も無く、インドネシアの大地を飛び立ちました~~~。ガルーダ・インドネシア航空はデザインがとてもかっこいいね~~ 🛫

 18:30 ジャワ島・ジョグジャカルタ →【ガルーダ・インドネシア航空 GA443】→ 19:30 ジャカルタ 着
 23:15 インドネシア・ジャカルタ 発 →【ガルーダ・インドネシア航空 GA872】→ 〔3月27日(月)〕8:30 日本・成田 着



 こうして私の初めての海外の旅は、波乱含みながら無事に終える事ができ、大きな芸術的収穫を得る事ができました。この、『インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行』(15日間)で、私は、大いにインスパイアされ、その後も度々、過酷なアジア一人旅を敢行するようになり、その後の私の日本画における「アジアの美人画シリーズ」や、「アジア・中国 民話絵本」制作へと連綿と繋がっていったのでした・・・。

 ただし、この旅には後日談があるのです・・・。インドネシアで酷い腹痛に襲われた私は、念の為に成田国際空港・検疫所で健康検査を受けました。問題があれば確か1週間程で連絡が来るという事でしたが、何も連絡が無かったので、やはりコレラではなく、ただの酷い食・水あたりだったのです。それでも、帰国後、再び症状が悪化し、水様便が1週間以上続き、その後じょじょに普通の軟便となり、完全に症状が回復するまでに、3週間程はかかりました・・・。
 【ここで突然、旅の一言アドバイス⁉】私は医者でも何でもないので、いい加減な情報かも知れませんが、私の旅の経験値による対処法を披露。今回、下痢症状が出た時に、日本のセイロガン(下痢止め薬)を飲んでいました。私はお腹があまり強い方ではないようで、その後も、何度も海外旅行で食中毒を経験し、その対処法がだんだん分かってきました。───
 食・水あたり(通常の食中毒)の場合は何らかの病原菌が胃腸にいるので、移動日等で止むを得ない場合を除き、下手に”下痢止め薬”を飲んだりせずに、とにかく部屋で休息を取り、多めの水と適量の塩分を摂取し(脱水症状を防ぐ。ポカリスエット等がgood)、出来れば食べれそうな食物を少しでも口に入れるバナナ、ヨーグルト等はgood)事が肝要。そして、その間に、できるだけ排泄して、菌を出し尽くすのが一番です。そうしたら、普通の食あたりでしたら、酷い場合でも、2~3日程で動ける位には回復してきますよ。 ('ω')ノ

                 ★

 この取材旅行の「旅行費用」を、海外旅行の参考までに記しておきます。結構、現地で使ったような気がしましたが、かなり安めに抑えられました。

 『インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行』(15日間)

    航空券・旅行保険料等        約10万円
    滞在費(ホテル代・食費・交通費等)  約8万円
                    計 約18万円

 今回の旅の成果は、F4号スケッチブックにスケッチ(写生画) 4枚(今回は二人旅でしたので、あまり描けませんでしたが、貴重なスケッチになりました)。写真撮影 ネガフィルム33本、ポジフィルム3本= 計 約900枚。

 私は原画販売・展示だけではなく、出版物(版権・印税制)の仕事も請け負うプロの日本画家・絵本画家ですので、スケッチや原画をネット上であまり公開していないのですが、拙ブログ来訪者に感謝して、特別に2枚だけご披露いたします。

インドネシア写生旅行、スケッチ
鉛筆写生(スケッチ) 「ボロブドゥール寺院」 カーラ(鬼面の魔除け・守り神)の口の門
 (F4号/1995年3月26日) 後藤 仁

※この時の取材スケッチを元に、東京藝術大学・卒業作品として制作した、私の日本画作品。実際のボロブドゥール寺院より、更に巨大化して、人が容易に登れない位に描いています。よくよく見ると、階段の中腹辺りを登る人の中に、父に手を引かれる幼い頃の私が、小さく描き込まれています(下の方の女の子と男の子では無いですよ)・・・。👇

日本画「昇殿(ボロブドゥール遺跡)」後藤仁
日本画 「昇殿(ボロブドゥール遺跡)」
 (F150号/東京藝術大学 卒業作品、1996年制作) 後藤 仁


 毎度ながら、私の実感で「旅の快適度・難易度(治安、利便性、雰囲気の良さ等から総合的に判断)」を独断と偏見で比較してみました。私が今までに旅をした国々の「旅の快適度・難易度」をざっと表にしてみると、以下のようになります。

◎日本(地方)、台湾(全域の平均)、ラオス(ルアンパバーン)、ベトナム(サパ、バックハー)、ミャンマー(インレー湖、カロー)
○日本(都心部)、中国(北京、上海ほか都市部)
○中国(青海省・西寧、甘粛省・敦煌ほか地方地域)、タイ王国(チェンマイ、チェンラーイほか)、イタリア・バチカン市国、ミャンマー(全域の平均)、スリランカ
○タイ王国(バンコク)、ミャンマー(ヤンゴン、バガン)
○ベトナム(ハノイほか)、カンボジア(シェムリアップ)、ミャンマー(マンダレー)
  (この間には開きがあり、これ以下は旅の難易度が増します。)  
●中国(チベット)、ネパール(カトマンズほか)、インドネシア(ジャワ島、バリ島)
  (この間には開きがあり、これ以下はさらに旅の難易度が増します。)  
●インド(全域)
●インド(バナーラス)

 (※上方ほど快適度が高い、下方ほど難易度が高い。)

 
 といった順ですが、これはその国・地域の「良し悪し、素晴らしさ」という判断ではなく、あくまで治安を中心とした「快適度・難易度」です。また、私の訪問年代にもよりますし、たまたまその時の状況が悪かったという場合も考えられるでしょうから、私個人の主観としてご参照下さい。
 インド、ネパール、インドネシア等は、とても優れた遺跡や文化が残っている素晴らしい国です。ただ、これらの国は一人旅をするのは結構難しい地域で、身に危険を感じる場面が何度か起こる可能性があり、特に女性の一人旅はよほど旅慣れた人でないとお勧めできません。また、ツアー旅行の場合でも、注意が必要になってくるでしょう。
 外務省ホームページの危険情報によると、インド辺りは黄色(十分注意)から部分的に薄いオレンジ色(渡航の是非検討)位の危険の程度です。中東やアフリカの紛争地帯では、濃いオレンジ色(渡航延期勧告)から大部分は赤色(退避勧告)ですので、いかにそれらの地域に旅をするのが危険なのかが推察されます。

                 *   

 ちなみに、私が今までの海外旅行で、「最も感動したランキング ベスト23 」を挙げるとざっと以下のようになります。
(それぞれが個々に素晴らしくて、感動要素も異なるので、一概に比較するのは難しいのですが、私の主観による芸術的感動度のみでランキングしています。また、これが完璧なランキングという訳でもなく、その差は僅差であり、特に下位については気分・時節によって順位が変動します。この他にも良かった体験は多々ありますが、今、思いつく場所のみを上げています。)

第1位  ☆インド アジャンター石窟「蓮華手菩薩像」
第2位  ☆ネパール カトマンズ「インドラジャトラ祭 クマリとの遭遇」
第3位  ☆中国 チベット「ポタラ宮」
第4位  ☆インド バナーラス「ガンガーでの沐浴」
第5位  ◎インドネシア ジャワ島「ボロブドゥール遺跡」
第6位  ◎中国 貴州省「トン族村滞在」
第7位  ◎中国 甘粛省「敦煌莫高窟」
第8位  ◎カンボジア「アンコール遺跡群」
第9位  ◎ベトナム サパ、バックハー「モン族村滞在」
第10位 ◎イタリア・バチカン市国「システィーナ礼拝堂 ミケランジェロのピエタ像」
第11位 ◎中国 貴州省「ミャオ族 姉妹飯節」
第12位 ◎インドネシア バリ島「バリ舞踊」
第13位 ○カンボジア「アプサラ・ダンス(カンボジア舞踊)」
第14位 ○ネパール バクタプル、パタン
第15位 ○ミャンマー インレー湖(ファウンドーウー祭)、カロー(トレッキング)
第16位 ○タイ王国 チェンマイ、チェンラーイ(トレッキング)
第17位 ○インド エローラ石窟、カジュラホー
第18位 ○スリランカ シーギリヤ・ロック「シーギリヤ・レディ」
第19位 ○中国 青海省「チベット族の一家との交流」
第20位 ○中国 四川省「四姑娘山」
第21位 ○ラオス ルアンパバーン
第22位 ○中国 西安
第23位 ○台湾 日月潭、霧台、烏来

 アジャンター石窟、ガンガーの沐浴、ポタラ宮では、感動のあまり感涙を起こす位ですし、インドラジャトラ祭ではほぼ放心状態でした。つまりは、近寄る事が困難である程、より感動が増加するとも言えますので、「旅の快適度・難易度」がそのまま「旅の良し悪し」ではないという事なのです。
 また、お金を払えば誰でも行ける簡単な「ツアー旅行」では、私と同程度の感動は多分、得られないのではないかと思います。現地の文化・美術への造詣と知識を十分に得た上で、長期間の自由旅行で精神を解き放ち、不便を乗り越えながらようやくたどり着いた中での感動なのです。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-12-23

インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行〈1995年〉その4、後藤 仁

 私の一番最初の海外旅行、『インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行』 (1995年3月13日~27日)の続き〈その4〉です。

                 *

 旅行8日目: 1995年3月20日(月)。今日は、ボロブドゥール遺跡と並ぶ、インドネシア・ジャワ島随一の見所、巨大ヒンズー(ヒンドゥー)教遺跡の「プランバナン遺跡」を巡ります。
 確か、この日の朝辺りから、私はきつい腹痛(腹下し)と食欲不振と微熱が出ました。吐く事こそ無いのですが、便が酷い軟便となり、食べ物がほとんど喉を通りません・・・。インドネシアではこの頃、コレラが流行っていましたので、バリ島で運転手のあんちゃんの手作りキウイジュースを飲んだ以外は、生水・氷・生野菜・カットフルーツ等の生ものは食べないように気を付けていました。しかし、衛生状態が良いとは言えないバリ島で大丈夫だったのに安心して、ジャワ島では少し油断して、レストランでは生野菜・カットフルーツ等を食べるようになっていました。それに、あたったようです。
 ・・・ここで少し、インドネシア料理について触れておきます。この時分は料理単体の写真を撮っておらず、食事内容は記録にも残していないのですが、インドネシア料理は、しっかりとしたピリ辛味付けで、基本的にどれも美味しいです。バリ島での昼食では、運転手のあんちゃんの案内で、観光客向けの洒落たレストランでバリ風ビュッフェ等をいただきました。手帳の記録では、二人で35000ルピア等と書かれていますので、インドネシアでは、まあまあ高級な食事です(この頃のレート、1ルピア≒約0.044円)。その他、インドネシアでの朝食は、ホテルのパン・ゆで卵・バリコーヒーセットをいただいたり、昼食・夕食は市内のレストランで、ナシゴレン(インドネシア版チャーハン、目玉焼き付)、ミーゴレン(インドネシア版焼きそば)等を食べました。市場で売っている、色とりどりの南国フルーツも絶品です(カットフルーツではなく、皮付きの果物を買うと良いです)。

 インドネシア写生旅行
ブサキ寺院に向かう途中の観光レストランで、同行者の中尾俊雄くんと(3月14日 バリ島)
インドネシア写生旅行
ブドゥグル(ブラタン湖)に向かう途中の観光レストランで、たいていビュッフェ・スタイルです(3月15日 バリ島)


 ジョグジャカルタのバスターミナルからソロ行きのバスに乗り約40分で、「プランバナン寺院群」(入園料1人、4000ルピア/体調悪化のせいか、この頃以降、私の手帳の記録がほとんどなされていませんので、ガイドブックの記載によります)に到着しました。中央に主堂・シヴァ神殿、左右にブラフマ神殿とヴィシュヌ神殿、その周りに、ヴァーハナ堂(乗り物堂)が3つそびえています。
 ボロブドゥール寺院はその広大無辺さに圧倒されましたが、プランバナン寺院はその高さに驚きます。私はボロブドゥール寺院の方が好みですが、同行者の中尾俊雄君はプランバナン寺院の形の方が良いと言っていました。各堂内には、ヒンズー教の神々が祀られています。プランバナン遺跡からは、最近も噴火で話題となった活火山・ムラピ山(「火の山」の意)も望めます。

 次に、仏教寺院「セウ寺院」に。入口に立つ守護神クベラ像が面白いです。続いて、「プラオサン寺院」、「サジワン寺院」、「サリ寺院」、「カラサン寺院」を拝観。各堂内には観音像等が安置されています。入場料は全部無料です。この辺りの土地では、子羊(子ヤギ)達がたわむれ、のどかで牧歌的な光景が楽しめます~。
 この日は、自身の体調と相談しながらも、丸一日、プランバナン遺跡周辺の散策を堪能し、ホテルへの帰途に着きました。

インドネシア写生旅行
「プランバナン寺院群」 シヴァ神殿、ブラフマ神殿、ヴィシュヌ神殿、ヴァーハナ堂(乗り物堂)
インドネシア写生旅行
富士山のような美しい形状の「ムラピ山」
インドネシア写生旅行
「セウ寺院」付近で、たわむれる子羊(子ヤギか?)達。
インドネシア写生旅行
「サジワン寺院」でも、子羊(子ヤギ)達が見られます 😻


 旅行9日目: 3月21日(火)。今日はジョグジャカルタ市内を巡ります。まだ、体調が優れませんが、取材をしない訳にはいきませんので、無理をおして出かけます。
 王宮近くの「鳥の市」へ。ここでは、珍しい鳥や爬虫類等の動物がたくさん売られています。次に、「水の宮殿」(入場料500ルピア)へ。その昔、スルタン(君主・国王)が宮女達の水浴びする姿を眺めたという美しいプールでは、現在、数人の男の子達が泳いでいます。「マネー!」と叫ぶので、インドネシア硬貨や日本の小銭を投げてやると、われ先にと水中に潜って取り合いをします。
 インドネシアは現在もそうでしょうが、この当時、経済的には決して豊かとは言えない状況で、あちこちで子ども達が物売り(手作りネックレス・果物等を販売)をしている姿が見られました。(その後、私は、アジア各国の旅をしましたが、この時のインドネシアが最も多かったです。)子ども達が労働をしている姿は可哀想な気もしますが、それでもインドネシアの子ども達は、現在の日本の子ども達よりも、むしろ活き活きとしていて、元気良くて、その点は素晴らしいです。
 この後、今は廃墟となっている「モスク跡」を見て、「王宮南広場」で催されていたインドネシア古式弓道を見物。これ以上の体調悪化を避けるために、この日は早めにホテルに帰って、よく休養を取りました。

 旅行10日目: 3月22日(水)。この日の朝、中尾君は美術予備校の仕事があるとかで、「腹痛で大変そうだけど、頑張ってね・・・」との言葉を残して、先に飛行機で日本へ帰ってしまいました。この後の6日間は完全な一人となり、私にとって、海外初旅行にして、海外初の”一人旅”となりました。こうして私の、海外一人取材行脚は鍛えられていったのです・・・。
 この日も、食・水あたり症状が続き、体調が良くありません。だんだん水様便となり、コレラを疑いましたが、まだどうにか動けるので、大丈夫だろうと考えていました。
 時間を無駄にしないように、どうにかこうにかホテルからはい出して、この日は王宮(Kraton/入場料300ルピア)の「人形劇(ワヤン・ゴレッ)」(10:30~12:00開催)を鑑賞(確か有料、鑑賞料は記録していないので不明)。ただ、ここで力尽きて、午後はホテルの部屋に戻り、一人、腹痛と食欲不振と微熱に苦しみながら、じっとベッドに寝転んで体調を整えました。
 
 明日は、何とか体調も復活してきて、再度、一人で「ボロブドゥール遺跡」を目指します。二人旅は楽しいのですが、どうしても見物だけが主となり、なかなかスケッチ(写生)が出来ません。この後は、本来の目的であるスケッチをすべく、病をおして、頑張りますよ~~。続きも、乞うご期待~❣

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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