インドネシア(ジャワ島・バリ島)写生旅行〈1995年〉その3、後藤 仁
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旅行6日目: 1995年3月18日(土)。この日は、バリ島からジャワ島への移動日です。14:30 バリ島、グラ・ライ国際空港 発 → 14:45 ジャワ島・ジョグジャカルタ、K.C.アディスチプト空港 着 の予定です。
午前中に、「バリ博物館」に行ってみましたが、閉館中なので外観だけ見物。その後、空港に向かいました。この当時、空港では毎回、空港使用料(グラ・ライ国際空港では7700ルピア/1ルピア≒約0.044円)を支払う必要がありました。
グラ・ライ国際空港を飛行機で飛び立ち、すぐにジョグジャカルタに着くかと思いきや、案外、時間がかかります。機内で機長が、何やら長々と英語でしゃべっていましたが、英語の不得意な私には、よく聴き取れませんでした・・・。空港に到着してみると、どこか様子が変です。ここで待機してくれと、空港のロビーに乗客が案内され、軽めの弁当と飲み物が配られました。隣のインドネシア人に聞いてみると、どうやら、ジョグジャカルタ上空の天候が悪いので、ジョグジャカルタを飛び越えて、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に、一旦、飛行機が降り立ったらしいのです。弁当を食べながら、しばらく時間をつぶしていると、ようやく出発できるとの事で、再び飛行機に乗り込み、K.C.アディスチプト空港に向かいました。ジョグジャカルタの地に着いた頃には、すっかり、たそがれ時になっていました。かなり時間を要しましたが、ようやく、インドネシアの古都・ジョグジャカルタに到着です!! 旅にトラブルはつきものですね~。
確か、空港のガルーダインドネシア航空オフィスで、帰りの航空便のリコンファーム(予約再確認/この当時は、搭乗の72時間前までに、帰国便の予約の再確認が必要でした)を済ませたと思います。タクシーで市内に向かいました(4人で6000ルピア、と手帳に書いてあるので、多分、他の2人組と同席したのでしょう)。ジョグジャカルタでの宿は、「PETI MAS Guest House」(Dagen通りNo.27/一泊二人〈ダブル部屋・確か朝食付き〉で15 USドルだったと思います)にしました。この宿だけは、リーフレットを取ってありましたが、それ程に、とても快適で良い宿だったと記憶しています。
「PETI MAS Guest House」 (ジョグジャカルタ Dagen通りNo.27) リーフレット
旅行7日目: 3月19日(日)。今日から、ジョグジャカルタの街を巡ります。王宮(Kraton/入場料300ルピア)を見物。趣のある古い建物の中に、古代の馬車等が展示されています。毎週日曜日の10:30~12:00には、ここで「宮廷舞踏」(鑑賞料1500ルピア、カメラ撮影料500ルピア)が開催されていますので、鑑賞しました。トランス状態で自由に舞っている感じのバリ舞踊に比べ、また一味おもむきが異なり、より様式的で厳格な雰囲気を感じる舞踏です。
午後には、ベチャ(三輪自転車の輪タク)に乗って、ボロブドゥール方面行きバス乗り場に向かいました(輪タク代、2人 3000ルピア)。バス乗り場では、バス会社のお兄さんが、「ボロブ、ボロブ~!」と大声で呼び込んでいるので、すぐにボロブドゥール遺跡行きのバス(1人 1500ルピア/所要 約1時間余り)が分かります。バスに乗り込み、いざ、「ボロブドゥール遺跡」へ!!
今回の旅の最も大きな目的は、東京藝術大学の卒業制作用に「ボロブドゥール遺跡」をスケッチする事ですので、俄然、胸が高鳴ります~。ボロブドゥール遺跡は、ユネスコ世界遺産でもあり、世界三大仏教遺跡の一つでもあります。(他の二つは、「カンボジア、アンコール遺跡群(アンコール・トム等)」と「ミャンマー、バガン遺跡」ですが、私はこの後、2005年の「タイ・カンボジア写生旅行」と2014年の「ミャンマー(ビルマ)写生旅行」を合わせて、世界三大仏教遺跡の全てを訪れています。また2004年の「インド写生旅行」では、ブッダガヤ・セーナー村・アジャンター・サーンチー・サールナート等の主だった仏跡を見て回りました。)
バスの車窓から、遠く、ボロブドゥール寺院の威容が見えて来ました(入園料4000ルピア)。バス停で降車すると、歩いて寺院に近づきます。想像を絶する、超巨大な石造りの建造物です(高さ42m、最下部の基壇の正方形の一辺124m)。巨大な石の階段を、一歩一歩、登ります。
ボロブドゥールは、仏教の三界(欲界~色界~無色界)を表しているとも言われています。隠れた基壇の石壁には俗世の人々が彫り込まれ、第一回廊~第四回廊には、「方広大荘厳経」「華厳経入法界品」に基づく、釈迦の前世譚(ジャータカ)や釈迦の生涯 等が彫り込まれています。上から見ると方形をした回廊層を越えると、円形のストゥーパ層(第一円壇ストゥーパ~第三円壇ストゥーパ、大ストゥーパ)が現われます。正に、”悟り”の世界です。回廊の狭くて絢爛豪華な通路を越えて、無辺の円壇に出ると、気持ちが一気に晴々とします~。ずっと遠くまで、周辺の密林や山々が望めます。各小ストゥーパの中には、穏やかな表情をした仏像が安置されています。内部には何も無い、巨大な中央の大ストゥーパは、ここが世界の中心であるかのような、荘厳な静けさに満ちていました・・・。
日本の大乗仏教では既に観念が薄れていますが、上座仏教やヒンズー教では、尊者や仏像等を巡る時は「右繞(うにょう)」と言って、必ず右回りに(基本3回)回らねばならず、ストゥーパも右繞でなければならないのですが、この当時の私は、それを知らずに、右左と適当に見て回っていました。それにしても、ボロブドゥールの石刻表現は、宗教的崇高さは言うまでもなく、美術的価値も極めて高いものでした。感心しっぱなしで、巨大な遺跡を一通り見て回るだけで、あっという間に、今日の午後が終わりました・・・。
ユネスコ世界遺産、世界三大仏教遺跡 「ボロブドゥール寺院」 外観
「ボロブドゥール寺院」 円壇・小ストゥーパ
ボロブドゥール遺跡からの帰りもバスなのですが、バスが市内のどの辺りを走っているかが分かりづらく、おおよその見当で降りて、そこからベチャで宿に向かうしかありません。
明日は、ボロブドゥール遺跡と並ぶ、インドネシア・ジャワ島随一の見所、巨大ヒンズー(ヒンドゥー)教遺跡の「プランバナン遺跡」を巡ります。続きも、お楽しみに~❤
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁
「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 〈11〉
一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。
今回は、「大垣祭り・中町 布袋軕」天井画 制作報告を除く、中国向け新作絵本〈第3弾〉制作過程と、 中国向け新作絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』(浙江少年児童出版社)、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) 等の報告記事をまとめています。
いよいよ、日本国内向けの新作絵本制作も始まりました。この後も、乞うご期待~❣
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、 后藤 仁(中国語)
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2021年9月13日
★中国向け新作絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』(唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社)は、編集者に再確認した所、帯のデザインも決まり、中国にて、まもなく出版される模様です。乞うご期待~❣ 💑
○捜狐 「年终盘点 | 前所未有的2020年快要过去了,小活字感谢有你」
https://www.sohu.com/a/441439197_100161921
9月16日
私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店) 【The White Ravens 国際推薦児童図書目録2014 選定/宮崎 駿さんの絵物語「シュナの旅」(後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になる)の原話にもなった名作民話絵本】 が、岩波書店では、とうとう ”品切れ”になってしまいました(後は、書店・ネット書店の取り置き分のみ、あり)。
アマゾン Amazonでは、新品や中古品が定価より高く設定されて売られていますよ~。 ( ;∀;)ノ
私の高学年向けの渋めな「絵本」など、元より、大した量は売れない定めなのです。そんな中でも有難い事に、読みたい方々が、せっかく大勢いらっしゃるのに、作品が行き渡らないのは、大問題です。岩波書店さん、早め早めの増刷を、お願いいたします。<(_ _)>
○岩波書店公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html
○アマゾン Amazon ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/
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本日は、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の”彩色(さいしき)”に入りました。まずは、主要部分に厚めに岩絵の具を置いていきます。絵本の原画の場合は、色の彩度を高めたいので、あまり地塗りを重ね過ぎない技法で描く事が多いです。
大垣祭り「天井画」との並行制作なので、進展は遅々としていますが、確実に前進しています。
昨晩、中国向け新作絵本〈第1弾〉『青蛙緑馬〈チベット民話〉』《中国原創絵本精品系列》〔唐 亜明 文、後藤 仁 絵/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字〕の”文章”の「校正(3校)」がデータで送られてきました。
未だに、文章の手直しをしているようで、中国のコロナ禍がおおよそ収まった後に、ようやく校正・印刷作業が再開したらしく、とても時間がかかっています・・・。しかし、文章は絵と相まって、とても良い感じに仕上がってます。長らく待った分も、素敵な絵本に仕上がる事を願っております。<(_ _)>
校正の記載が正しいとすると、10月には〈第1版〉が発売される様ですが、ただ、印刷は間に合うのでしょうか? 中国から日本・世界中の多くの皆様~子ども達・青年達・大人達にお目見えできる日が、実に待ち遠しいですね~💑 。
9月17日
本日は、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の”彩色(さいしき)”を進めました。究極の美人像が、だんだんと浮かび上がってきました~。 😻
9月19日
Celebrity Wiki ─ 「Jin Goto height - How tall is Jin Goto?」
Discover today's celebrity birthdays and explore famous people who share your birthday. View popular celebrities life details, birth signs and real ages.
こんな変わったサイトも見つけました。世界中の有名人・著名人の身長・年齢などを掲載しているらしいです~? 変なの~⁉ (@_@) >
https://www.celebheightwiki.com/jin-goto-height
9月23日
先日まで、絵本『犬になった王子 チベットの民話』が出版社で品切れになっていましたが、重版出来~❣❣、新入荷されました~💑。
この機会に、ぜひ、書店・ネット書店で、拙絵本をご覧ください。よろしくお願いいたします。
★絵本『犬になった王子 チベットの民話』
(文 君島久子、絵 後藤 仁/岩波書店)
2090円(税込み) 〔ISBN 978-4-00-111242-9〕
穀物のない国の勇敢で心の優しい王子が、美しくて思いやりのある娘ゴマンの愛によって救われ、苦難の旅を乗り越え麦のタネを手に入れるまでを描く、壮大な冒険物語です。犬になった王子の姿は、気高くもかわいらしいです。チベット族(チベット・中国四川省)の民話。
Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館「The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014」に選定。
宮崎 駿「シュナの旅」(徳間書店/後にスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案になる)の原話にもなった名作を初絵本化。
(※「ゲド戦記」の他にも、スタジオジブリ長編アニメーション映画「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」等の壮大な世界観や、登場する人物・動物(ヤックル等)の描写は、「シュナの旅」~「犬になった王子」が原点になっていると言われています。)
○岩波書店公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html
○アマゾン Amazon ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/
○絵本ナビ ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
https://www.ehonnavi.net/ehon/91533/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1/
9月24日
私は”絵”の制作にのみ集中したいのですが、なかなか雑事が忙しくて、大変です~。(;''∀'')
中国向け新作絵本〈第3弾〉を少し描き進めましたが、なかなか、はかどりません~~。(@_@)φ
9月30日
私は、普段は結構大雑把な人間なのですが、こと「芸術・美術・絵画」となると、こだわりが強く、その生来の芸術家気質が災いするのか、時々、他者から誤解を受けやすいようです。多分、それが原因で、高校や大学や、大人になってからも、いじめ的・差別的な言動を受ける機会が何度もありました。自分のバランスの悪い性質が良くないのだろうとは思うのですが、今さら変えられる訳でもなし、理解していただける人を期待するしかないのです。
普段はそのような差別的な人々を、きっと先方が間違っているのだろう・・・、となるべく受け流し、自身が身を引く事で、トラブルを回避してきました。大抵、その傾向の人間は、攻撃的で野心的でいながら、本当は気が弱い性格だったりします。そんな人とまともに対抗・対決する時間は、誠に無駄で、もったいないのです。それより、自身の創作に没頭している方が、よほど幸せだからです。
先日、心が酷く傷つき、著しく悩める出来事がありました。・・・多分、この10年・・・、いや、父親が亡くなった大学卒業の頃、以来かも知れませんが、最高に残念で、頭の中がこんがらがる出来事が起こりました。
時に”真面目さ・頑なさ”は、何よりも鋭利な刃物になり得るのだと知りました。とにかく、恐ろしくて、さっぱり意味が分かりません・・・。いい加減な人ではない、生真面目な人ゆえ、そして信頼してきた人だけに、その刃のような、冷淡で、きつい言葉を、簡単に受け流す事もできないのです。
「あなたは前とは変わった。心の中に悪いものがあるのか。そんな人では良い絵など描けない。・・・云々」という真摯過ぎる言葉は、私の絵描きとしての心を、いともたやすく、ズタズタに切り裂きました・・・。根っからの絵描きなど、元来、繊細なものなのです。私は自分自身を否定されても、何も思わない性格なのですが、我が子のような「作品」を、真面目に・完膚なきまでに、けなされる事だけは、耐えられないのです。愛おしい絵の中の生き物達が、可哀想で、可哀想で・・・。
私は、「その人こそ、変わってしまったのだ。」「組織に守られた中だけは、自分の楽園でいたいのだ。」と思いたい・・・。そうでないと、本当に私が、そんな嫌な絵しか描けなくなったなら、生きている意味はないですから・・・。(それにしても、その人と私の付き合いは、数少ない仕事の打ち合わせの場だけであり、それも15年弱の期間ですので、変わったと言われる程、その人は私の真の姿を知らないのですが・・・。社会的には、実に失礼な発言とされるでしょうね。それでもなお、私は、その人が、かつて与えてくれたご恩には、心より感謝しているのです。)
私はいつも素早く気を切り替えます。今回の出来事は頭の片隅で、一生忘れる事はできないかも知れません。ただ、作品で証明すべく、この後も、さらなる努力・研鑽を重ね、良い作品を描き続けるしか、その茨の画道しか、私には残されてはいないのです。
10月1日
人は誰しも心の中に、良い部分と、悪い部分と、どちらでもない部分を持っています。人によって、時と場合によって、そのバランスが変化するのでしょう。自分の心の持ちようが良くない時には、写し鏡のように、相手の心も良くなく感じられる事もあるのでしょう。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず・・・。」 森羅万象は移ろいます。常に同じである事は、あり得ないのです・・・。
私も歴史上の画家の例にもれず、こと ”絵(芸術・美術)”においては自己主張が強く、天の邪鬼な性格のようです。それがマイナスに出ると、大抵は半ば本気・半ば演技なのですが、時折、相手に不快な言動をしてしまっているのだと、反省もしています。そのような私の良くない言動による小さな波紋の数々が、やがて、大きな刃となって、自分に帰って来ているだけなのかも知れません。
常に、相手の立場に立って、物事を考えるという姿勢は大切ですね。実際には、なかなか難しい事ですが、そう努力したいものです。偉大な先人がおっしゃられたように、隣人に対する愛であったり、仁愛(思いやりの心)であったり、慈悲の心というものは、人は、決して、忘れてはいけないのです。
しかし、世の中の全ての事柄は、偶然を装っていながら、本当は、それが定められた宿命・天命であるのかも知れません。多分、その路が、自己にとって最良であるのだと信じて、この画道を、精一杯、懸命に、進みたいと思うのです。
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○絵本屋ピクトブック─絵本『犬になった王子』について書きました!
私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をご紹介頂きました。誠に有難うございます。
https://pictbook.info/ehon-list/isbn-9784001112429/
10月3日
2017年8月4日に開催された、「第4回 東京あこう(赤穂)のつどい」(都市センターホテル、千代田区)には、赤穂市役所関係者と経済界の皆様が多いですが、東京都知事の小池百合子さん等の政治家の方々も、多くご参列されていました。(※これは過去のイベントです。去年・今年はコロナ禍で中止となっています。)
私の隣に座られた、参議院議員・末松信介さんとは、「日本画」のお話で盛り上がりました。私の師の後藤純男先生(東京藝術大学名誉教授、日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)の事もご存知で、日本画についてのご造詣も深くて、私は感心しました。それ以来、私の「個展」に御祝辞をお送りいただいたりと、大変お世話になって参りました。美術・芸術にご理解のある方が、政治界にも不可欠だと、私は、常々、考えてきました・・・。
この度、私と同郷の兵庫県ご出身でもある末松信介さんが、”文部科学相(文部科学大臣)”になられるという事で、陰ながら期待しています。日本における、「日本画」や「絵本」等の文化・芸術・美術の更なる興隆を促していただける事を、切にご期待しています。
また、同じく同つどいにご参加されておられた、衆議院議員・山口 壯さんは、”環境相(環境大臣)”に決まられたという事で、日本や世界の環境改善に邁進される事を期待しています。日本に美しい自然環境が無ければ、良い日本画・絵本など描けませんから・・・。
私自身は芸術・美術・絵画の世界のみに生きる、基本、中道の人間ですが、どんな方向性であろうとも、政治界の皆様が、民意を反映された、清廉潔白なご政治を全うされる事を、切に願っています。
「第4回 東京あこうのつどい」(2017年8月4日/都市センターホテル、千代田区)
参議院議員・末松信介さんと、”日本画”についてのお話中。
「第4回 東京あこうのつどい」(2017年8月4日/都市センターホテル、千代田区)
東京都知事・小池百合子さんに、私の作画絵本『わかがえりのみず』 (鈴木出版こどものくに ひまわり版 2017年9月号)をプレゼント。
10月4日
○絵本ナビ EhonNavi ─ 岩波書店のおすすめ絵本と人気ランキング
私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)は、「メンバー評価ランキング」では、光栄な事に、随分と長い期間、第1位に輝いています。しかし、「週間アクセスランキング」で、第4位(10月4日時点で)というのは珍しいですね~❤
名だたる名作絵本と読み物が連なる、日本を代表する老舗大手出版社・岩波書店の児童書ラインナップでは、このランキングに入る事自体が、とても難しいのです。多くの皆様のご声援・ご応援のおかげだと、心より感謝しています。🥰
https://www.ehonnavi.net/editorpickupLT.asp?sno=19&pv=
10月5日
さあ、いよいよ新たな、日本国内向けの絵本制作が始まりました~。私が8年間も構想を温め続けてきた、素晴らしい民話絵本です。出版元は、誠に良い絵本を多数、刊行している、実力のある絵本出版社ですし、今、同社主力の「絵本シリーズ」になりますので、気合が入ります~。
今日、出版社・編集者から、絵本の”文章”と”企画・構想”が送られてきました。
さあ、来年は、制作がもっと忙しくなるぞ~~😉 さらにさらに、頑張らねばね~❣
10月6日
昨日、中国系の出版社・編集部から、絵本『青蛙緑馬〈チベット民話〉』の文章校正(私が知る範囲では、第4校になります)が送られてきました。”絵”の校正はないので助かりますが、印刷の直前まで、文章の校閲が加えられるのは、編集部としては、実に大変ですね~。何事も簡単にはいきません。
私は中国語を「文章(中文)」なら、おおよそ半分位は読めますので、簡単な文章でしたら、だいたい把握できます。聴き取りと話すのは、1割もできませんが・・・。"(-""-)"
コロナ禍でもあり、予想以上に長い時間はかかりましたが、素敵な「絵本」に出来上がる事を願っています。
10月11日
先日、10月9日(土)から、日本国内向けの新作絵本の「コマ割り(サムネイル)」(第1案)の作画に入りました。この第1案は、1~2週間程で完成させる予定です。
私が、これまでの8年間、温めてきた構想に、編集者の新たなご意見を十分に取り入れ、膨大な資料・スケッチ・画像等を元に、構成していきます。この構想段階は、短期間ですが、最も頭をフル回転させる大変な作業になります。しかし、どんどん作画イメージを膨らませていくという、とても楽しみな工程でもあります~❤。
絵本の原話がとにかく素晴らしいですし、とても素敵な「絵本」になりそうな予感ですよ~❣
10月12日
本日、中国向け新作絵本制作〈第3弾〉の「第2場面」を描き進めました。「大垣祭り・天井画」(2023年5月に一般公開予定)と「日本国内向け新作絵本」(2023年5月頃に刊行予定)と並行しての大作3作品同時制作は、誠に大変です。多分、この絵本原画の完成までには、あと2年(2023年内か?)はかかりそうです。
私はプロの画家ですので、画商や出版社等のご依頼で仕事をする場合もあるのですが、基本、自身が描きたいテーマ(画題)しか描きません。一枚物の「日本画」作品の場合は、全て、自分で企画・構想をねって、描きたいように描いています。
「絵本」の場合は、通常、出版社・編集者のご依頼があって、初めて仕事が成立します。しかし、今回のこの絵本作品においては、編集者にご相談はしていますが、私が本当に描きたい世界を、気持ちがおもむくままに描いています。
中国の国情も刻々と変化するので、いつ頃、どんな形で「絵本」になるのかは、確定していません。それでもなお、画家が本当に描きたい世界には、きっと多くの皆様も共感していただけるものと信じて・・・、絵本になろうがなるまいが、このシリーズだけは、ライフワーク的に、一生、描き続けていこうと考えています。😇
10月18日
私は20歳代から現在までに、小中高校生~美術予備校生~美術大学生~私より若い年齢から90歳以上の美術愛好者まで、実に幅広い年齢層・生い立ちの、500人以上の方々に、美術・絵画の教育・ご指導をしてきました。その他にも、当然ながら、様々な社会的立場の無数の方々と、仕事や趣味等を通して、関わってきました。その中で感じた事は、人はそれぞれに異なる価値観や思想を有しており、皆が素晴らしい”個性・独自性”を持っているという事実です。穏やかな方もいれば、激しい方もいます。おとなしい方もいれば、賑やかな方もいます。複雑な思考の方もいれば、単純明快な方もいます。
そんな世界の中で、やはり最も肝要なのは、他者をできるだけ理解しようとする意識です。思想・価値観・性格等のばらばらな他人を、どれだけ理解し共感できるかという試みは、実に難しい事ですが、とても大切な事です。
少し意見が合わないからと言って、すぐに相手を遠ざけるのではなくて、お互いが理解しあえるまで、とことん話し合ってみる姿勢が重要です。それが仕事上なら、なおさら不可欠な要素なのです。
特に、子ども達に何かを伝える仕事の人なら、それは絶対不可欠になります。意見の異なる他者を受け付けない頑なな精神を、子ども達に教え込むようでは、日本の未来も明るいとは言えないでしょう・・・。
私は、実に心配なのです。私に、「あなたは変わった。あなたとは話ができない・・・。」等と安易に切り捨てた人。私はその後、1週間ばかりは、睡眠がかなり浅くなり、深く悩み・迷いました。やはり私がおかしいのだろうか、異常なのだろうかと・・・。
しかし、何度も自問自答する内に、ようやくおぼろげながら、答えらしき物が見えて来ました。───「私だけが原因なのではなくて、もしかしたら、先方こそ、何かが変化し、どこか精神に異変が生じているのではないか・・・。」すると、全てが氷解しました・・・。
人はそれぞれ違っていて当然なのです。それなりに変化もするものです(本人が本質的に変わっていなくても、周りがそう捉えているだけの場合も多々あり)。それを頑として受け付けないのは、その人の精神がよほど疲弊しているか、崩壊しかかっているかです。そのような狭量な精神状態の人が、子ども達に何かを伝える仕事をしている事実に、私は将来的な大きな懸念を抱きました。
人間は常に、他者を思いやる心・・・”仁愛・慈悲心・隣人愛”を決して無くしてはいけません。”寛容”とは、最も大切な心掛けの一つです。多様性・違いを認め合える社会の実現。・・・・誠に困難な道程なのですが、常々そう心掛ける努力を続けるしかないのです。
今までの実績のように、この後も、その会社のそのセクションは、本当に良い仕事を続けられるのだろうか・・・。子ども達にとって、本当に良い内容を伝えられるのだろうか・・・。
私の懸念が、現実にならない事を、今はただただ、祈りたいです・・・。
絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁
大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その7〉、骨描き完成!!
天井画(天井絵)制作
絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
(※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、本画・骨描きの完成までの工程を、まとめています。)
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2021年9月27日(月)。本日は、大垣祭り「天井画」杉板絵の「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の輪郭を全て描き終えました。今日、使用した墨は、残り少ない「瑞龍」に、「清風」を混ぜて使用しました。後は、龍の”鱗”を描いたら、骨描きは完了します。
身辺での残念な出来事が多くて、なかなか集中しにくい今日この頃なのですが、それでも絵に向かえば、気合が入り、手先は動きます。悲しいかな、これが絵描きの性(さが)なのでしょうね・・・。 "(-""-)"
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
『黒龍』の顔以外の輪郭を描き終える。
『黒龍』の顔部分の骨描き。
近年ますます、髪が薄くなってきました~ 😭 。
今日、使用した画材と。
『黒龍』の輪郭部分の骨描き終了。
9月29日(水)。本日も、大垣祭り「天井画」杉板絵の「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の鱗を描き、ひとまず「骨描き」の工程がほぼ完了しました。
明日以降、全体を見直し、最後に ”画竜点睛” として、龍の目を古墨で描き入れようという計画です。
予想していたのですが、やはり板の場合は、膠が和紙ほどはしみ込まないので、ドーサ(にじみ止め)のききが弱そうに感じます。その辺りも注意しながら、この後、彩色に入っていこうと思います。
『黒龍』の鱗の骨描き中。
『黒龍』の上半分の鱗の骨描き、完了!!
『黒龍』の鱗の骨描き中。
『黒龍』の鱗の骨描き中。
今日、使用した画材と。
『黒龍』の鱗の輪郭の骨描き、完了!!
10月1日(金)。本日も、『黒龍』の鱗の「骨描き」を進めました(鱗の中の年輪模様を、骨描き段階で描く事にしました)。ようやく、絵本関係の難解な交渉事も一段落したので、ここからは、やっと作画に集中できそうです ❣
龍の鱗の中の年輪のような模様を、一枚一枚、丁寧に描き込んでいきました。やはり、この段階でも、鱗の並び方の辻褄を合わすのが難しくて、最後まで微修正を加えました。
かなり疲労しましたが、何とか、身体の部分は描き終えました。後は、手足の鱗を完成させ、眼を入れたら、骨描きは完成となります。もう一息です~。
『黒龍』の上半身の鱗の骨描き、完了。
今日、使用した画材と。
『黒龍』の身体部分の鱗の骨描き、完了~❣
10月8日(金)。本日は、『黒龍』の「骨描き(墨による最初の線描)」を進めました。
最近、中国向け絵本原画制作の他、新たに始まった日本向け絵本制作の打ち合わせ事項も多くて、結構、多忙につき、なかなか作画が進みません・・・。(@_@)
龍の手足の”鱗の年輪模様”の「骨描き」を終え、画竜点睛として、”龍の眼”を中国の古墨で入れ、薄墨を”龍の顔”と”姫君の髪”にほどこして、「骨描き」が完成しました!! ほんの数か所ですが、骨描きを修正する為に、僅かに板を削った箇所に、ドーサ(にじみ止めの液)を塗り直しました。
今回使用した古墨は、私が東京藝術大学4年生の1995年8月~9月に「中国写生旅行(北京・西安)」をした時に、北京の画材店街・琉璃廠(るりしょう)で購入した大変貴重な墨です。当時は中国の物価は日本の5分の1位でしたが、この墨は確か6000円位したと記憶しています。台湾の国立故宮博物院に収蔵されている、本物の「乾隆御製詠墨詩墨」を模造した墨のようです。
古墨をすりおろすのに用いた硯は、同じ旅の途中で、北京の王府井(ワンフーチン)の百貨店で購入したものです。端渓硯(たんけいけん/ただし新端渓)ですが、全体が葉っぱの形をしていて、2個の石眼(せきがん/端渓硯等に見られる緑色の斑紋)を蜘蛛に見立てた、面白い硯です。確か、日本円で1500円位はしたと記憶しています。
9月3日から「骨描き」を開始して、1か月余りかかりましたが、なかなか迫力があって、良い感じに仕上がりました。
この後、彩色に入ります。ますます、乞うご期待~❣❣
『黒龍』の足の鱗の年輪模様の骨描き。
古墨をする。
古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」
古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」
『黒龍』の眼を入れる。
『黒龍』の眼を入れる。
『黒龍』の眼を入れる。
『黒龍』の顔に、薄墨をほどこす。
「姫君」の髪に、薄墨をほどこす。
今日、使用した画材と。
”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』
”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』と、私・後藤 仁。
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