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2021-07-25

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その3〉、エスキース/ドーサ引き

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、エスキースドーサ引きの工程をまとめています。)


2021年7月12日(月)
 実際に杉板が届くまでは画面の状態を把握できないので、これまでは、ぼちぼちと絵のイメージ作りをしてきました。先日、いよいよ杉板が届きましたので、イメージも一気に固まってきました。
 今日から「小下図(縮小サイズの下図)」の制作に入り、1~2週間ほどかけて、じっくりと練り込んでいこうと思います。近年は絵本原画の小さな画面に向かう事が多いので、久しぶりの大きめの画面に、腕が鳴りますね~!! 良い案がどんどん浮かんでおりますよ~。 !(^^)!

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 7月12日(月)~13日(火)の2日間で、「天井画」の原案を元に、簡単な「エスキース(簡易的な下図)」を2枚描いてみました。最初に話をいただいてから、かなりの時間があったので、その間に、絵のイメージを頭に思い浮かべ、資料等をそろえてきました。そんな訳で、今回のエスキースはすぐに描けるのです~。エスキースの前に、龍作画の補強の為に、動物園に蛇やワニのスケッチに行きたかったのですが、今はコロナ禍で難しいので、以前、取材したスケッチや写真資料を参考にしたいと思います。
 「天井画」の原案は何パターンかありましたが、最終的にこの方向で固まりそうです。大垣祭り軕(やま)の、からくり人形や調度品には、中国や朝鮮の影響が如実に見て取れます。そこで、「天井画」も、日本と中国の伝統的な龍図の折衷案でいきたいと考えました。そこに私独自の特長・持ち味として、画面の四隅に「和装の姫君」を描き込み、花を添えようという構想です。

 私が、この最初の工程からリアルタイムで創作過程を公開する事は、今まで一度もやった事がありません。創作上の企業秘密も多々あるのです。しかし、今回は公的なご依頼でもありますし、今後の若い画家達への参考に少しでもなればという思いで、拙い創作過程ではありますが、綴っていこうと考えました・・・。
 私の場合、このような過程を経て、手を動かしながら、徐々に絵の構想を固めていくのです。この後、もう少し時間をかけて考察しながら、2週間ほどで、正式な「小下図」を完成させようと計画しています。乞うご期待~ ❣

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース1、2

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース2

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 7月23日(金)、本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る工程のうち、”捨て膠” を引きました。板は和紙と違い、厚くて、水をよく吸うので、”捨て膠” を施す必要があるのです。

 私も本格的な杉板への描画は初めてなので、何事も手探りなのですが、今までの37年余りの日本画の経験と勘を元に、絵の具用の膠(にかわ/絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物の革・軟骨等から抽出する)を4倍ほどに薄めた膠液を今回は使いました。通常のドーサ液の2倍強ほどの濃さです。これは捨て膠なので、ミョウバンは入っていません。
 作業は、まあまあ上手くいったと思いますが、板と板の継ぎ目に接着剤のような物がはみ出ていたのか、その部分だけ、膠が光ったまま乾いています。今後の描画への影響が、少し心配です・・・。

 今日一日、十分に乾かして、明日、ドーサ液を引こうと思います。続きをお楽しみに~💛

大垣祭り、天井画制作
膠(にかわ)/日本画の絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物(主に牛)の革や軟骨等を煮込んで抽出したもの。強い接着力を有する。
 現在は、使用が簡単な、アクリル系の「新膠」を使用する日本画家も増えたが、私は古来からの「膠」にこだわって使用しています(新膠は、膠抜きができない・洗えない、極長期的な絵の具への悪影響が未知数である、等の問題点がある)。
 左から、「墨を作る時用の膠」(本来、日本画用ではないが、三千本膠が市場から消えた時期に、代用品として出回った。荒めの大作等には使用できる)。 「三千本膠」(さんぜんぼんにかわ/これは昔から日本画で最も使用されてきた三千本膠。十数年前、三千本膠を作る最後一軒の製作所が後継者不足で廃業し、市場から三千本膠が消滅した出来事があった。その前に買っておいた、残りわずかな三千本膠)。 「三千本膠・飛鳥」(近年、新たな製作所が古来の製法を復活させて作製した三千本膠。今はこの三千本膠しか出回っていない。)

大垣祭り、天井画制作
その他の「膠」等。
 左上から、「粒膠」(つぶにかわ/パール膠とも言う。洋膠から製造する。湯に溶けやすいという利点があるが、ひび割れしやすい傾向があり、私は滅多に使いません。) 「ミョウバン」(これは膠ではなく、染色の色止め等に使用する結晶状の物質。日本画では、「ドーサ液」を作る時に用いる。) 「乾燥鹿膠」〈中身と箱〉(かんそう しかにかわ/大正時代から使われている膠。三千本膠より接着力が強い。防腐剤が入っているので、今回のドーサ液には使いません。) 「軟靭鹿膠」〈袋〉(なんじん しかにかわ/乾燥鹿膠に湿潤剤を多く添加したもの。冬場や大作等のひび割れしやすい作品に用いる。) 「黄明練膠」(きめねりにかわ/現代、新しく製造された膠。ひび割れしにくい等の利点がある。その他、同様の効果を持つ膠が何種類かある。アクリル系の「新膠」とは別物。)

大垣祭り、天井画制作
「膠鍋」と「膠」。
 左は、三千本膠を水につけて、一日、冷蔵庫でふやかしたもの。右は、現在、「絵本」等の小品制作に用いている、溶かした三千本膠・乾燥鹿膠。

大垣祭り、天井画制作
湯煎にかけて、膠を溶かす。直火にかけると、高温で膠が分解されるので、必ず湯煎にします。

大垣祭り、天井画制作
溶けた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」(ドーサ塗りに用いる、専用の刷毛)。
 絵の具用とドーサ用の刷毛は、分けておいた方が良いです。

大垣祭り、天井画制作
水で薄めた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」。
 絵の具用の濃さの膠を、4倍程度、薄めています(通常のドーサ液の、2倍強の濃度)。

大垣祭り、天井画制作
今回特別に、宮大工の方にしつらえていただいた、「天井画」用の高級杉板。

大垣祭り、天井画制作
これから、杉板に「捨て膠」を引きます~~。(^。^)y

大垣祭り、天井画制作
私・後藤 仁の創作風景!!。捨て膠を引いています。
 私の創作の場は、通常、ほぼ非公開ですが、そんなに美しいものでもありませんね~。('◇')ゞ

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引き終った杉板。きれいだね~。 (^o^)丿
 
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 7月24日(土)、世間はオリンピック開会式で盛り上がっていますが、私は、アトリエにて一人、「ひとり技能オリンピック」に興じています。
 本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る、いわゆる「ドーサ引き」を施しました。本来は、乾燥期の冬場に「ドーサ引き」をする方が効きが良いとされますが、時期が合わないので、梅雨明けを待って、この夏場に行います。ドーサ液の濃さや塗り加減は、季節や紙の状態等によって差異が生じるので、長年の経験が必要となり、なかなか難しいです。ドーサが効き過ぎて和紙がバキバキになったり、効かない時はドーサ・膠が抜けたりします。未だに失敗する時もあり、試行錯誤の連続です。
 今回の杉板は分厚いですし、ガッチリと絵の具を喰いつかせたいので、いつもの和紙用のドーサ液の1.5倍位の濃さの膠液にしました。ミョウバンの量は通常よりわずかに多めで、今回の大皿には小さじ半分程入れました。結晶状のミョウバンを、乳鉢で微粒子にすり下ろしておいて、膠液をぬるま湯位の温度にしてから、ミョウバンを入れます。私の場合、基本的に膠・ドーサ等の分量を計測器で量る事は無く、色や粘度を見て加減を判断するという、全て経験と勘の世界なのです。

 前日の「捨て膠」で板の接着部分周辺の一部にテカリが生じていたので(多分、接着剤が少しはみ出ていたのでしょう)、その部分を中心に耐水ペーパー(600番、1000番)を丁寧にかけました。画面全体にも軽くペーパーをかけ、板面の状態を平均化しました。せっかく宮大工さんが綺麗に鉋(かんな)をかけてくれていたのですが、やむを得ません。
 1回目の「ドーサ引き」を終え、乾いた状態を見ると、前日のテカリ部分も随分抑えられ、とても良い感じです。

 この後、完全に乾かして、昼過ぎ頃に2回目の「ドーサ引き」をして完了としたいと思います。(ドーサ引きは、和紙の場合は、紙の厚さ等に応じて、1~3度引きします。3度引きの場合、表2回・裏1回 等)
 この後、1週間程かけて「天井画」の”小下図(こしたず)”を描いていこうという計画です。気分はますます乗ってきました。乞うご期待~ ❣❣

大垣祭り、天井画制作
板面に耐水ペーパー(600番と1000番)を丁寧にかけて、接着剤とおぼしきテカリを取る。

大垣祭り、天井画制作
板の接着部分(4枚の板を貼り合わせているので、3筋ある)を中心に、全体的に耐水ペーパーをかけた状態。
 左のパネルは、今、描きかけの「新作絵本」の原画。その上には、我がアトリエの番人~「シルエットねこ」が写っていますね~🐈 (段ボールのはがれた跡の事ですよ)

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。慎重・丁寧に、薄く均一に、ゆっくりと塗るのがコツです。
 こんな作業の連続が、腰に来るのですな~ (;''∀'')

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。

大垣祭り、天井画制作
今回、使用した「ドーサ液」。
 通常の和紙用のドーサ液より1.5倍程の濃さの膠液に、和紙用より やや多めの小さじ半分程のミョウバンを入れました。膠液をぬるま湯程度の温度にしてからミョウバンを入れないと、うまく融けませんよ。

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を終えた杉板。
 なかなか良い感じです~ ♡

大垣祭り、天井画制作
今回使用した「ドーサ液」と「ドーサ刷毛」。
 ドーサ液使用後の刷毛は、熱めの湯でよく洗い(膠はぬるま湯で落とせるのですが、ドーサは乾くと二度と取れなくなるので、熱めの湯でしっかり洗います)、この様に毛並みをきれいに整えて、水気をよく切っておきます(刷毛は中心に毛が寄りやすいので、少し外向きに整える)。道具を大切に長く使用する心掛けは、職人さん同様、画家(芸術家)にも大切な心構えなのです。

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テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-18

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 ⑧

 私は日本画・絵本原画制作の合間合間に、日々思った事・見付けた事などを、Facebook・Twitterでつぶやきます。これは、その続編になります。
 一絵師のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家の真実が垣間見えるかも知れません。荒削りで不器用な絵師の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。

 今回は、中国(中華人民共和国)向け新作絵本〈第1弾〉 『青蛙緑馬(チベット民話)』の公式発表 再掲載と、中国向け新作絵本〈第3弾〉の制作過程 等、「大垣祭り・中町 布袋軕(ほていやま)天井画」制作過程を除いた記事をまとめました(「大垣祭り・天井画」制作過程は後日、別途まとめます)。
 ここ1年余り、コロナ禍による絵本発売延期や伯父の逝去等もあり、なかなか制作に集中しきれない日々もありましたが、ここに来て、いよいよ制作にも熱が入ってきました。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、后藤 仁

                  ★


2021年6月14日

 この数日、中国向け新作絵本〈第3弾〉をじっくりと描き進めました。ようやく「扉」は7割方の進捗で、「第1場面」は6割程の完成です。今回の絵本は自分でストーリー(文章)も考案しているのですが、それで描きやすくなるかと思いきや、逆に難しい描写が要求される設定を自ら選択しているようです。それが後藤 仁の、後藤 仁たる所以なのでしょうね~。
 中国向け絵本〈第1弾〉『青蛙緑馬』は、多少ざっくりとした描きぶりで、絵本的な面白みを試みました。絵本〈第2弾〉は、繊細な容貌や衣装の描写で美人画的表現を試みました。今回の絵本〈第3弾〉は、今までに比べると、多少リアル、かつ繊細・流麗な表現を追求しています。
 私は常に一作一作、趣向を変えて、今までやった事のない新たな描画技巧に挑戦し続けたい、という思いが強くあります。今回も新たな趣向が満載されており、その分、描くのには時間もかかり、毎回、試行錯誤の連続です。上手くいくかどうかは、完成してみないと分かりませんが、マンネリ化しない・他者の模倣に終わらない、・・・それこそ、”芸術創作の魂”というものなのです。


6月15日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉制作は、「扉(前扉)」を8割強まで描き進めました。この辺りに来て、ようやく、今回の『絵本』の方向性が見えてきました~。気持ちも乗ってきましたね~~。(^o^)丿
 私は、「ラフスケッチ・下図」の段階では、おおよそのイメージ・雰囲気をとらえておくだけで、「本画」に入ってから、最終的な作画の方向性を決定していきます・・・。つまり、この最初の第一歩である「扉」の完了で、一気に『絵本』の全体像が見えるのです。主人公の顔立ちや衣装等も、ここで決定します。その為、この最初のアプローチは、とても重要なのです。
 今回の『絵本』には新たな試みが多分にあるので、この「扉」と「第1場面」で手こずる事は、やむを得ない必然なのです。


6月18日

 誕生日祝いをいただいた皆様、誠に有難うございます~💛。しかし、この年齢になっても、あまりこれと言った成果も出せぬまま、ただ虚しく歳だけを取っていきます・・・。(-"-)
 コロナ禍で超遅れていましたが、もうじき中国で、新作絵本『青蛙緑馬』(唐 亜明 文、後藤 仁 絵/浙江少年児童出版社)が発売されるという事らしいので、それが一番の素敵な「誕生日プレゼント」となりますね~。(^・^)ノ
 中国の出版社等の捜狐ブログ記事が、何故だか、先日から掲載停止(アクセス不可?)になったりしています(私のパソコンだけではないと思いますが?)。何らかの国情でもあるのでしょうか?
 とりあえず、現在アクセス可能な、拙作絵本案内記事を再掲載しておきます。(※中国では、「後藤 仁」を「后藤 仁」と表記します。)

         *

●搜狗微信搜索 「播撒阅读的种子——2021年“浙少云荐会”绘本专场回顾」 (浙江少年儿童出版社 2021,5,25)
 浙江少年児童出版社の公式 WeChat 微信にて、絵本『青蛙緑馬』の刊行正式発表がありました。
 (ページの保存ができないようなので、この「搜狗微信搜索」から検索して下さい。)

https://weixin.sogou.com/weixin?type=2&s_from=input&query=%22%E6%92%AD%E6%92%92%E9%98%85%E8%AF%BB%E7%9A%84%E7%A7%8D%E5%AD%90%E2%80%94%E2%80%942021%E5%B9%B4%E2%80%9C%E6%B5%99%E5%B0%91%E4%BA%91%E8%8D%90%E4%BC%9A%E2%80%9D%E7%BB%98%E6%9C%AC%E4%B8%93%E5%9C%BA%E5%9B%9E%E9%A1%BE%22&ie=utf8&_sug_=n&_sug_type_=&w=01019900&sut=30759&sst0=1623972674069&lkt=2%2C1623972666701%2C1623972671527

●WeChat 微信、捜狐 「年终盘点 | 前所未有的2020年快要过去了,小活字感谢有你」 (小活字 2020,12,30)
 小活字の公式 WeChat 微信、捜狐にて、絵本『青蛙緑馬』の刊行予定発表がありました。
 赤羽末吉さんの名作絵本「スーホーの白い馬」「王さまと九人のきょうだい」等や、加古里子さんの絵本の刊行案内とともに掲載されています。

https://mp.weixin.qq.com/s?__biz=MzU3MDU0NTkzNg==&mid=2247543586&idx=1&sn=c6789dfd340083726d8eea9d8a7364c8&chksm=fcefa95dcb98204b0a9025f059ad6528285da8736fd97d8620e34bc51c9c9a394a550b1a21a8&scene=178&cur_album_id=1533798990725595136#rd

https://www.sohu.com/a/441439197_100161921


6月19日

 しかし、私もいよいよ”53”という歳になり思う事は、やはり「人生は誠に儚い」という事である・・・。

 私の兄は自分の子供の事を滅多に話さないので、よく分からないのであるが、兄の長男である私の甥は、地域で一番難関高校の三国丘高校に落ちた後、まあまあ難関の私立高校に入り、その後、確か和歌山大学に入り、今年、堺市の役人になったという。近年また、政治家・役人の不祥事がとかく多いが、まずは清廉な生き方をしていただける事を一番に望む。
 当時、甥が三国丘高校を受けたという事自体、私には奇異に感じ、共に歯科技工師の兄夫妻から、そんな秀才が出るとは思えなかったのだが、その後、姪(兄の長女)が三国丘高校に受かったと聞き、まんざら、でたらめではなかったのだと知った。兄は昔、長渕 剛主演の「親子ゲーム」というテレビドラマをよく観ていたが、それを地で行こうとしたのかと笑いそうになった~~。(^^;)

 後藤家は極めて手が器用な家系らしく、祖父は指物大工で伯父の後藤大秀さんは、からくり人形師・能面打ち師である。私の母も編み物の先生をしていたので、かなり手が器用であろう。しかし、学問に打ち込んだ人は少ないようで、私の父方の従兄に神戸大学大学院を出たり、母方の従姉に岡山大学を出た人等がいるくらいで、兄は歯科技工の専門学校卒である。
 私自身は勉強をしなくても国語・社会等は元々好きで成績は常に良い方だったが、英語や数学は全くやる気が起こらず、中学2年~高校1年にかけて赤点だらけだった。中学2年には既に、”美術”の道に進む事を決意していた私には、余計な勉強は必要ないと考えていたのだ。そんな訳で、高校1年で留年させられたので、その後、やむなく勉強して、全科目、クラスで(多分、学年全体でも)一番となったが・・・。自分で言うと嘘くさいが、多分、やる必要性を感じないだけで、やれば本質的には頭がそこそこ良い家系なのかも知れないね~。
 それにしても、甥は役人という最も平凡な生き方を選んだようだが、今の難しい時代を勘案するとやむを得ないのだろう。もっと人生を深く模索してほしい気持ちもあるのだが、冒険するには困難が多過ぎる時代に突入しているのだ。姪はどこの大学に進んだのか聞いていないが、やはり兄(私の甥)と同じような堅実な道に進もうと頑張っていると言う。それでいいのであろう、私のような不安定で先の全く読めない茨の道を行くよりは、現実的である。からくり人形師の伯父の子(私の従兄)が、大学を出て、警察官になったのと似ている。自営業の親の苦労を見てきた子は、往々にして、確実・安泰そうな道を選ぶらしい・・・。

 私の父は大企業に勤め、実に真面目で堅実な生き方をした。しかし、子供の頃は実家の家計が大変だったらしく中学しか出ていないので、あまり出世もせず、多分、定年間際の配置換え等のストレスによる鬱が原因だろうが、57歳という若さで自死した・・・。私が中学・高校の頃には、父は常々、「勤めるなら大企業か、もしくは手に職(料理人等)をつけろ・・・」等と言っていた。大企業は自分の経験から、手に職は父(私の祖父)と兄(私の伯父)の影響であろうか。ただ結果的には、父は自己の人生を中途で終わらせる事となった。それで満足していたのか、心残りがあったのか・・・、私が東京の予備校・大学に進んだ後は3~4度会ったきりで、遺書も無いので、知りようもない。もし父が生きていれば、私の無茶苦茶な生き様に心配の絶えなかったであろう父は、孫の市役所勤めを、誰よりも一番喜んだ事であろう。

 しかし、あっという間の儚い一生である。私のような、先の見通せない荒唐無稽で波乱万丈の人生を生きるも良し、父や甥のような堅実な生き方を選ぶのも良し、兄のように比較的安定的な手に職をつけるも良し。・・・いずれにしても、他人に迷惑をかけ過ぎない範囲で、大きな悔いの残らないように、ある程度の納得のいく人生を、精一杯おくれれば良いのであろう。
 父が生きた57年に、あと4年程で到達する今日この頃、時々ふと、そう思うのである・・・。


6月23日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「前扉」が完成しました。今年の4月8日に下図を描き始めて、4月20日から本画に取り掛かり、じっくり描き進め、計2カ月半をかけて、ようやく一枚完了です。主人公の2人と1匹の、凛々しく希望に満ちた表情が上手く表現できたのではないかと、少しだけ自画自賛~。(^^;)y    
 同時に描き進めている「第1場面」は、現在、7割位の進捗度です。
 今回の「絵本」は新しい試みに満ちていますので、最初から、なかなか手こずっています。前扉ができて、いよいよ「絵本」の方向性が定まりました。今回も精緻で、かつ、割とリアルで、かなりの時間がかかる作品になりそうです。
 しかし、この困難な時代、絵を描ける幸せを嚙みしめながら、ただひたすら懸命に描き続けるのみです。


6月24日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」下図制作に着手。ここから本格的に、一気に物語が動き出しますので、冒頭部分の重要な一場面になります。良い感じで、イメージが次々と浮かんできます。


6月28日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」下図を完成させ、本紙(和紙)に転写しました。この場面には、かなり詳細でリアルな風景が広がっているので、描くのは、またまた、大変そうですね~。しかし、その分、描きがいがあります。    ヽ(@_@)>
 何もかもの時が止まってしまったかのような昨今・・・。なかなか筆がはかどらない日々も多いですが、多少、時間がかかっても、焦らず、心を込めて、じっくり丹念に描いていきましょう。


6月29日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」に、胡粉(白色)と黄土で地塗りをしました。この工程を丁寧に行う事が、日本画では大切になります。
 これから、いよいよ面白い場面に入って行きますので、気合も徐々に上がってきました。まっこと面白きかな、絵本(物語り絵)創作ですね~ ❣ 


6月30日

 本日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第2場面」の彩色を開始しました。まずは、人物の各パーツ毎に、岩絵の具・各色を厚めに置いていきます。膠の濃度と分量には、長年の経験が必要で、これが案外難しいのです。 (-"-)
 「第1場面」の彩色・細部描写も徐々に進め、現在、8割位の進捗状況です。楽し気な主人公達の様子は、なかなか良い感じですよ~ ❣ 。


7月6日

 今年も、昆虫の夏が来ました!!🐝🐞 まず手始めに、ノコギリクワガタが私に会いに来てくれました~。絵の資料として写真を撮って、この後、鎮守の森に逃がしてあげようと思います。  (^・^)丿

 今日は、日本画材店のセール期間だったので、随分久しぶりに都心に出て、喜屋~得応軒~金開堂で日本画材を購入。それぞれの店の品揃えに特徴があるので、各店を回ります。日本画材はとても高価なので、貧乏画家の私などは誠に大変なのですが、これで、しばらくはもつと思います。今回も何とか絵の具が買えて、当分は絵が描けそうで、ボチボチ良かったね~~。

ノコギリクワガタアトリエに遊びに来た、ノコギリクワガタ 💛

ノコギリクワガタノコギリクワガタのアップ、大迫力~❣


7月9日

 グーグル Googleによる「後藤 仁」検索表示です。ページにリンクがあったので、貼り付けてみます~💛。
 ただし、「後藤仁 絵本」「後藤仁 日本画」等で絞り込まないと、私以外の人も混ざって出てきますよ❣。 (^・^)/~~~

https://g.co/kgs/XAz8Tj

         *

 「日本画」は、画材代も制作時間も多大に浪費するので、いつもながら、今後の時代に存続しうるのかが、誠に心配になる・・・。

 私の師である後藤純男先生の場合は、百貨店・専門画廊で、1号(ハガキ1枚位のサイズ)当たり、80万円で取り扱われてきた。東山魁夷先生亡き後、日本画の最高価格であった平山郁夫先生になると、実にその5倍(号 400万円)である。それらの価格帯はさすがに高過ぎるとも思えるが、今日までに、日本画が極めて高価で取引されてきたのも、ある程度は納得できる理由があるのだ~~。(もちろん、絵の本当の価値は、その評価額だけで決まるものではない事は断っておきたい。)
 まず、その描画技術を、そこそこ会得するのには、最短でも10年はかかるだろう。もちろん、その真髄を知り得るには、50年でも足らない・・・。また、画材代が極めて高い。岩絵の具の最も高価なものは、天然群青15gで6000円位する。更に高価な純金泥なら0.4gで5000円近くする。それを15g位なら、刷毛一塗りで使い果たす・・・。描き方にもよるが、水彩画や油彩画に比べて、日本画は基本的に描くのに時間がかかる。それらの諸条件に画家のステイタスが加わって、あのような高価格になるのだ。
 それにしても高過ぎる~。私などは日本画家にしては安い方だが、それでも、そこそこの大きさの日本画作品で、安めの国産乗用車一台に近い価格となる。(契約によるが、画廊・画商が販売価格の4割~8割程持っていくので、画家にはあまり残らない。)日本が高度成長期~バブル期ならば、それでも多くの日本画コレクターが存在したが、長らく日本経済が停滞し、美術の中心が現代アートや、マンガ・アニメ・ゲーム等のサブカルチャーに移りつつある現在、なかなか、日本画をこれまでのように売り続け、日本画家が普通に生活していくのは、かなり容易ではない。
 しかし、この使用困難な画材を用いた日本画を低価格で売るとなると、いくら売れたとしても、絶対に赤字にしかならない。私は日本画「絵本」の原画を描いているが、これは、ただ私の”こだわり”によるものであり、本来なら、全く不効率で費用対効果は絶対的に悪い。私の場合は、絵の取材で海外や国内の一人旅をするので、通常は一泊300~1000円位のバックパッカー的な超安旅であれど、チベット等の特殊な旅ともなると、絵本(絵のみ)の初版印税を完全に超える予算がかかる。絵本の初版5000部として、9カ月~1年余りにも渡る実質制作時間で計算すると、おおよそ、時給換算で200~300円にしかならない。そこから画材代を引くと、ほぼ無給となり、旅費を入れると大幅な赤字となる。
 それ故、画家が、売り絵にしろ、出版物にせよ、何にしても絵だけで食べていくのは、極めて容易ではない。大学や絵画教室で絵を教える等の副業が不可欠となる。そんな理由で、おおよそ、お金持ちのご子息か、親の地盤を活かせる二代目・三代目ばかりが、日本画界で目立つような昨今なのである。これでは、本当に才能とやる気のある、一般庶民出身の優れた芸術家が育たない・・・。

 それでも私が「日本画」の画材にこだわるのは、その悠久の歴史のみならず、その画材自体に多大な魅力があるからである。色彩、質感、表現の多彩さ・深み 等、他の画材では代えられない、大きな利点があるのだ。一度、この画材の魅力に取りつかれたら、生涯、追求したくなる。そんな魔力のような、魅力があるのだ。
 また、刹那的な娯楽ばかりが満ちあふれた現在、次世代を担う子ども達・若者達には、損得を度外視してでも、私の「絵本」「日本画展覧会」等を通して、そのような至高の絵の具で描いた、本物の”絵”を見せてあげたいという思いも強い。
 近年の絵本の編集者等は、CGや水彩による作家の扱いに慣れ、いとも簡単に描き直せるかのように、本画完成後に修正・訂正を求めてくる傾向がある。(もちろん、そうでない編集者もいて、元福音館書店編集長の唐 亜明さん等は、画家に対する理解が深くて有難い。福音館書店相談役だった松居 直さんの良い遺伝子を継承しているのだろう。)少なくとも、私の日本画は、そう簡単に描ける類のものではない。最高潮に気合が乗ってきた時に、最良の原案を元に、高品質の画材を用いて、神経を研ぎ澄まして描き上げるのだ。大げさなようであるが、それは正に命をかけた真剣勝負であり、同じものは2度と描けない一期一会の作品に他ならない。

 私も歯を食いしばって、描ける限り頑張り続けたい・・・。しかし、これからの厳しき時代に、そんな無私無欲の変人画家が登場する余力が、この日本にあるのだろうか・・・。それでも、次世代の芸術家に、ほのかな希望を託したい・・・。


7月10日

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕 ・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作

 いよいよ、大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」用の杉板がご用意できたという事で、気合も俄然高まってきました~。 ('◇')ゞ
 この後、原案を完成し、下図・本画制作と、およそ1年をかけて、じっくり丁寧に、心・祈りを込めながら、誠心誠意、全身全霊、創作に当たりたいと思います。
 世の中、コロナ禍の厳しき時節ではありますが、私は、中国向け新作絵本の原画制作と合わせて、これから、誠に忙しく、重要な1年になりそうです。

             *

 大垣祭は、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。
 布袋軕(ほていやま)再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業となります。
 布袋軕は2020年から3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私はその締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されました。

○大垣まつり「布袋やま再建日記」 ─ 「布袋軕」の天井絵の画材が準備出来ました。
http://hoteiyama.seesaa.net/article/482386260.html


7月14日

 ここ数日、中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第1場面」の彩色をぼちぼち進め、現在、左側があと一息で完成、右側は8割位の進捗度です。この場面は、左と右に画面が分かれ、更に、左側は3つのパーツに分かれています。つまり全部で4場面になっているのです。
 私は「絵本」においては、ほとんどの場合、見開き1場面で大きく描くのですが、今回は小さくコマを分けるという複雑な構成を試みています。少しマンガ的なコマ割り要素を、絵本に持ち込んでみました。これもまた、私にとって新たな模索となります。
 その為、描くのは、なかなか大変ですが、細部まで大切に描き起こしています。一つ一つの主人公達の行動が、実に面白いね~💛 いよいよ作画にも、気合が入ってきましたよ~❣❣


7月16日

 10年位使用した赤口代赭色の「念紙(ねんし/転写用の和紙)」がボロボロになってきたので、本日、新しい念紙を作製しました。私は6色程の自作の念紙を、場面に応じて使い分けています。
 中国向け新作絵本〈第3弾〉の「第1場面」の彩色も進め、左側はほぼ完成、右側は8割強の完成度です(最終的に、左右を合わせて、細部を微調整します)。
 この場面の懐かしい光景を描いていると、夢に燃えていた、若き、あの頃を思い出しますね~。 ($・・)/~~~ 



テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-11

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その2〉、杉板届く!!

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵) 制作


 2021年7月10日(土)昼前、大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)用の杉板が、我がアトリエに届きました~。 ヽ(^o^)丿
 大垣辺りの宮大工の方に新調していただいた板で(最初は、宮大工の経験もある、からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀に板の相談をしていたのですが、昨年の伯父ご逝去を受けて、別の宮大工の方にお願いする事になったのです)、サイズは100.5cm四方(S40号に近い)で、厚さ15㎜(5分厚)の秋田杉の赤柾目を使用しているそうで、吉野杉より茶褐色の強い寒冷地特有の目の詰まった最高級の杉板だと言います。裏は反り防止の蟻桟(ありざん)加工を2箇所に施してあります。このような、とても高品質の画面をご提供いただき、誠に有り難く存じます。
 これまでにも小さな板材に日本画を描いた事や、寺院の「天井画」を和紙に描いた経験はありますが、このような大きな杉板の「天井画」を描くのは、私にとっても初めての経験です。何事も挑戦あるのみ! 芸術家は、常に新たな境地に挑み続ける事に、大きな意義があるのです。
 大垣祭保存会からのご要望による画題は、ずばり「龍」です。私の主たる絵のテーマは「アジアの美人画」であり、通常、女性人物像を描く機会が多いのです。しかし、かつて後藤純男先生のご実家の寺院「八幡山宝蔵院」(埼玉県)の「天井画」には龍と鳳凰を描きましたし、人物の背景に龍を描き込んだり、今後の絵本作品の中には龍が登場する民話も計画されています。龍は古来より、日本や中国で畏敬・神聖視されてきた最も高貴な霊獣であり、私も描きたい画題の一つなのです。

 杉板の梱包を開けると、杉の良い香りが漂いました。子供の頃から、大垣の からくり人形師・能面打ち師の伯父・後藤大秀の画室で嗅いだ、あの懐かしい香りです。創作への気合が、俄然みなぎってきました~。
 大垣は、伯父や父達の生まれ育った地であり、私も幼少の頃から何度となく訪れた、私の第二の古里とも言える大切な場所です。今回の天井画制作は自分の為のみならず、例祭を執り行う大垣八幡神社や、毎年「大垣まつり」を楽しみにしている大垣市民~子供からご老人まで、それを支える大垣祭保存会・大垣市役所の皆様から、日本全国のお祭り好き達までの為に、・・・そして、今は亡き、伯父・後藤大秀と父に捧げます。

 「天井画」制作には、この後、およそ1年間をかける予定で、絵の原案(小下図)を完成させ、大下図を描き、板への本画へと移っていきます。通常、私の絵の創作工程は完全非公開ですが、今回は公的な創作依頼(税金も投入されています)でもあり、全国の大垣祭りファン・日本画ファン・天井画ファン・後藤 仁 ファン(そんな人いるのかな?)の為にも、創作過程を特別に、随時、拙ブログに綴っていきたいと考えております。乞うご期待~~!!

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁



大垣祭り天井画・杉板我がアトリエに届いた、大きな荷物とは?

大垣祭り天井画・杉板大垣祭り「天井画」用の、誠に美しい杉板でした~。 (@_@)丿 これから、この無垢の板に、「龍」を描いていくのです。

大垣祭り天井画・杉板板の裏は、こんな感じで、とても丈夫に造られています。

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 大垣祭りは、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。
 布袋軕再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業となります。
 布袋軕は2020年から3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私・後藤 仁 は、その締めくくりとなる、布袋軕「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されているのです。


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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