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2020-10-24

特集展示「郷土ゆかりの画家たち ─赤穂ゆかりの画家たちが描いた日本画─ 展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)後藤 仁

特集展示「郷土ゆかりの画家たち ─赤穂ゆかりの画家たちが描いた日本画─ 展」
 2020年11月11日(水)~2021年1月21日(木)
   ※12月16日(水)から一部展示替えとなります

 赤穂市では、江戸時代以来、多くの日本画家を輩出してきました。
 今回の展示では、朝廷から「法橋」の位を叙任された長安周得とその弟子の北條文信や、幕末から明治にかけて京都画壇で活躍した鈴木派の鈴木百年・松年親子、明治から大正にかけて京都画壇で活躍した四条派の今尾景年から、現代日本画家の室井澄氏、後藤 仁 氏までを展示いたします。
 赤穂ゆかりの日本画家たちが描いた日本画が一堂に会するこの機会を、是非御堪能ください。

 私が赤穂市に寄贈した、日本画作品「精華(インド舞踊)」も展示されるようです。お近くの方は、ぜひ足をお運びになり、作品をご覧ください。
 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

「精華(インド舞踊)」後藤 仁日本画「精華(インド舞踊)」(F50号) 後藤 仁

 ◆展示説明会◆
  日時/2020年12月20日(日)午後2時~
  場所/当館展示室
  説明/当館学芸員

  開館時間 9時00分~17時(入館は16時30分まで)
  休館日 毎週火曜日(祝日の場合は翌日振替)
  入館料 大人200円・小中学生100円(特別展期間中は別料金) 
  ※団体30人以上2割引、100人以上4割引
  ※赤穂市内に居住する65歳以上の方は5割引
  ※ココロンカード利用可
  ※身体障害者割引あり

赤穂市立美術工芸館 田淵記念館
 〒678-0215 兵庫県赤穂市御崎314-10
  TEL・FAX/0791-42-0520
   E-mail/info@ako-art.jp
  http://www.ako-art.jp/%e4%bc%81%e7%94%bb%e5%b1%95%e3%81%ae%e3%81%94%e6%a1%88%e5%86%85/

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テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-10-13

哀悼~からくり人形師、伯父・後藤大秀さんへ

「愛しく気に入っているすべての人々とも、やがては、生別し、死別し、異にするに至る。」
「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠けることなく修業を完成なさい。」
 〈 「ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経」(中村 元 訳/岩波文庫) 〉


 ここのところ半年余り続いた大きな憂鬱の原因の一つは、この予兆だったのであろうか・・・。からくり人形師・能面打ち師であり、私の芸術の心の師である、伯父・後藤大秀さんが、先月9日、亡くなられたという。
 親類に心配・迷惑をかけたくない等という思いからなのか、私達には直接の連絡はなく、大垣祭保存会のSNS・ブログで伯父の逝去を知る事になるとは、今は何とも奇妙な時代である。実にリアルな”戦争”の夢・・・恐ろしさの中にどこか懐かしさが入り混じった奇妙なその夢を見た9月7日の、二日後である。あの夢はこの暗示であったのか、はたまた、伯父の夢中に通じたのか・・・・。
 約25年前に57歳で亡くなった父には、東京藝大の卒業作品を見せる事が叶わず、今回、伯父には大垣祭り「天井画(天井絵)」を見せる事ができなかった事が、誠に残念である。ただ、2018年に「後藤 仁、後藤大秀展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)を開催できた事は大いなる果報である。

後藤大秀 能面展「後藤大秀 からくり人形・能面展」(名古屋市博物館/2007年8月) 伯父・後藤大秀さんと私

赤穂市立美術工芸館特別展「日本画画業35周年記念 後藤 仁 日本画・絵本原画、後藤大秀 からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館、兵庫県赤穂市/2018年10月20日) 後藤大秀夫妻、大垣祭保存会の皆様と私

 伯父は齢90を越え、職人としての創作に一生を捧げ、きっと満足して、遠き異界へ旅立たれたと思う。世話の焼ける甥には、少しばかり、心残りがあったであろうか・・・。伯父は50歳代半ば以降、名古屋・大垣周辺の からくり人形復元を一手に担い、専門書籍・新聞・雑誌・テレビ等にも度々取り上げられた。晩年は「岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状」「大垣市功労章」等を授与され、特に岐阜県・愛知県周辺では、よく知られた存在であった。ただ、根っからの職人気質の伯父は派手なパフォーマンスを嫌い、業界では「当代随一の からくり名人」の誉れがあるにもかかわらず、本当は実力が劣るといわれる著名からくり人形師家系当主ほどはメディアに持ち上げられる機会はなかった。伯父は、その名声以上に実力・気概のある、本物の職人・芸術家であったと確信している。その作品は、多くの大垣市民・岐阜県民・日本国民に愛され、これからも子々孫々、受け継がれ、語り継がれていく事だろう。

 私はこの後、3年計画で進められる、〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕大垣祭り・中町 布袋軕(ほていやま)(岐阜県大垣市)復元事業のトリを飾る、「天井画(天井絵)」制作に一人で臨む事になる。
 子供の頃、大垣の伯父の家(父の実家)には、夏休み・冬休みの度に訪れた。伯父の、からくり人形・能面作品を見る事が何よりも楽しみだった。大垣は私にとって、第二の故郷ともいうべき思い出深い土地だ。
 伯父と最後に話したのは、確か今年の5月末頃、「仁の天井画が完成するまで、後3年は生きにゃあならんわい・・・。」と電話口で飄々と語る伯父の声は、決して忘れる事は無い。伯父の訃報を受け、改めてこの度は、とても貴重な創作の機会を賜ったと感じる。この制作依頼は伯父の遺言だとも、天命だとも信じて、大垣市民その他、祭り愛好者の期待に応えるべく、全身全霊で創作に打ち込みたいと思う。
 父や伯父に大した恩返しも出来なかった分も、次世代の子ども達・若者達の為にも、伯父の御意志を継いで、未熟な私ではあるが、きっと一生を創作に捧げたいと誓っている。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁


【YouTube】特別展「後藤仁日本画・絵本原画/後藤大秀からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館/2018年10月~12月) 


図録 『後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~』(赤穂市文化とみどり財団/赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)
http://www.ako-bmz.jp/single-goods/%E5%B9%B3%E6%88%90%ef%bc%93%ef%bc%90%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B1%95%e3%80%80%E5%BE%8C%E8%97%A4%e3%80%80%E4%BB%81%e3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%BB%E3%83%BB%E7%B5%B5%E6%9C%AC%E5%8E%9F/


【後藤大秀 概要・略歴】
 後藤大秀(ごとう だいしゅう、1929年~2020年、本名は後藤秀美 )は、岐阜県・愛知県を中心に活躍した著名な「からくり人形師」であり、後藤 仁の伯父(父の兄)でもある。

 現在、日本で本格的な「からくり人形師」として活動しているのは数名しかおらず、後藤大秀は日本を代表するからくり人形師の一人である。全国的にも有名な大垣祭、大津祭といった祭りの、「山車からくり(だしからくり)」の完全復元や修復を多く手がけた。(この場合の復元とは、昔の人形を基に全く同じ姿形の人形を新しく制作する事。修復とは、昔の人形の破損した箇所だけを作り直す事。)
 なかでも、大垣祭の相生軕「神主友成」復元制作では、昔の人形は過去に紛失していた為、古い写真一枚と古老の証言のみを基に制作をしたので、この場合はほぼ完全創作と言える。

 「からくり人形」は頭・首・手・足・胴・胴串等から出来ており、頭・首・手・足には木曽檜、胴には桜、軸は樫、ピンは竹、滑車類はツゲといった木材を、バネには鯨のヒゲを使用する。昔と変わらぬ道具や材料を使用して、人形一体を制作するのに一年はかかる。
 後藤大秀の作品は、「能面打ち」修行でつちかった髪や目の繊細な線描きと、深い色合いの彩色や、「宮大工」時代につちかった高度な木工技術による、複雑なからくり仕掛けが特長である。

                *

○1929年 愛知県一宮市に生まれる。〔本名、秀美(ひでみ)。父は指物大工である。甥は日本画家の後藤 仁。〕その後、岐阜県大垣市に移る。
○1948年 工匠の小寺浅之助に堂宮建築(宮大工)を学び(「金蝶園総本家 本店(大垣市景観遺産指定)」等の建築に参加)、のち数寄屋建築(茶室)を手がける。
○1950年 大垣祭の大黒軕(三輌軕)「保管箱(厨子)」制作。
○1980年 能面打ち師の東 安春(堀 安右衞門の弟子)に師事し、能面打ち修行をする。(つまり後藤大秀は、能面打ちでは、堀 安右衞門の孫弟子にあたる。)
○1984年より、「からくり人形」復元制作を始める。名古屋市 戸田まつりの四之割「宙吊り小唐子」「肩車大唐子」「采振り童子(ざいふりどうじ/采振り人形)」復元制作。
○1988年 「大垣市市展賞」受賞。
○1991年より、名古屋市筒井町 天王祭の神皇車(じんこうしゃ)「神功皇后(じんぐうこうごう)」「武内宿禰(たけのうちのすくね)」「面かぶり巫女」「采振り童子」復元制作。
○1992年 大垣市東地区センター能面の会 講師。
○1994年より、大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」「尉」「姥」復元制作。
○1994年 豊田佐吉記念「トヨタ産業技術記念館」(名古屋市)に唐子人形を制作納入。
○1996年 大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」完成。
○1998年 「大垣市教育功労賞」受賞。
○1999年 大垣祭の相生軕「尉」「姥」完成。大垣祭の愛宕軕「武内宿禰」「神官人形(狂言師人形)」復元制作。大垣市美術家協会 理事。「第14回国民文化祭」(岐阜県高山市)で、からくり人形の制作実演。
○2000年 大垣市市展 審査員。
○2001年 大津祭の龍門滝軕「鯉」復元制作。大垣祭の浦嶋軕・布袋軕「采振り童子」復元制作。
○2003年より、名古屋市 広井神明社祭の二福神車(にふくじんしゃ)「恵比寿人形」「大黒人形」「采振り童子」復元制作。
○2005年 岐阜県神戸町町展 審査員。
○2007年 「大垣祭り出軕運営委員会 功労賞」受賞。「後藤大秀 からくり人形・能面展」(名古屋市博物館)開催。
○2009年 「全国山・鉾・屋台保存連合会 人形関係修理技術者」認定(当時は全国で3名のみ、現在は4名のみ認定)。大垣祭の布袋軕「倒立唐子人形」「布袋人形」復元制作。
○2013年 「全国新作能面公募展」秀作受賞。
○2014年 常滑市大野橋詰町 尾張大野祭の紅葉車(こうようしゃ)「逆立ち唐子」「采振り童子」復元制作。
○2015年 大垣祭が「国重要無形民俗文化財」指定。「全国新作能面公募展」能楽の里賞受賞。
○2016年 大垣祭、亀崎潮干祭が「ユネスコ無形文化遺産」登録決定。
○2017年 「岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状」授与。「全国新作能面公募展」審査員特別賞受賞。津島市 津島秋祭・七切祭(ななきりさい)の麩屋町車「湯取神子」「笛吹人形」「鼓打人形」、池町車「逆立ち唐子(唐子遊)」復元制作。
○2018年 「大垣市功労章」授与。「後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)開催。
○2020年9月 91歳にて逝去。


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-10-10

「絵師 日々の言霊」 後藤 仁 ①

 私は日本画・絵本制作の合間に時々、日々のよしなし事をフェイスブック・ツイッターでつぶやきます。一画家のたわいもない独白は、いい加減で無責任な言葉にしか過ぎません。しかしその行間に、芸術家・絵師の真実が垣間見えるかも知れません。
 このコロナ禍で展覧会・イベント告知等が減った分、取り留めの無いつぶやきが増えたので、近頃、「或る清貧画家の断簡」として拙ブログにも書き留めてきました。そして、この間の精神的・経済的苦境を何とか一旦脱したところで、この後は「絵師 日々の言霊」として時折、まとめていこうと考えています。荒削りで不器用な画家の言葉の中から、”真実の言霊”を見出していただけましたら光栄です。
 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

                ★

2020年9月22日

 岡山県津山市立一宮小学校 「図書だより(図書館だより)」
http://www.ed-tsuyama.jp/ichinomiya-es/

 新しい本に、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も仲間入り。ぜひ、皆さんで読んで下さいね!!   ヽ(^o^)丿
 

9月22日

 私は、短絡的売り絵ビジネスに容易になびかない根っからの貧乏画家体質という事もありますが、一般の美術愛好家との接点を持ち、一般の方々に美術の楽しさ・重要性を広めたいという思いもあり、日本画家・絵本画家として活発に活動し、東京藝術大学講師・東京造形大学講師などの大学講師として指導する他に、文化センター(カルチャースクール)でも、2007年以降「絵画(日本画・水彩画・鉛筆デッサン)」を教えてきました。
 今までに短期で辞めていく人から、10年以上在籍していただいている人を含めて(在籍平均、5年程度)、少なくとも計200名以上の人を指導してきました。中には、とても良い絵を描かれる人も多数おります。
 私の指導方法は、伝統・基本を大切にしながらも、その人の描きたいもの・個性・自由意志を大切にしたいと、常に考えています。その上で、初心者向けには一から親切丁寧に、経験者には美術大学で教える以上のプロ級のハイレベルな内容まで対応した、豊富な知識と経験に基づく高度な指導を心がけています。
 現在は、「日本画」3か所(NHK文化センター柏、読売・日本テレビ文化センター柏、コープみらいカルチャー春日部)、「鉛筆デッサン」1か所(NHK文化センター柏)で教えています。
 丁度いま、「コープみらいカルチャー」の公式サイトに広報されていますので掲載します。日本画を始めたい方は、一度、お近くの教室を覗いてみて下さい。
 東京藝術大学非常勤講師、日本美術家連盟会員 後藤 仁

○コープみらいカルチャー(春日部教室)
 「基本からの日本画講座」
https://mirai.coopnet.or.jp/event/culture/saitama/ordinary.html
https://mirai.coopnet.or.jp/event/culture/saitama/pdf/2009aut_ordinary.pdf

○NHK文化センター(NHKカルチャー)柏教室
 「基礎から始める日本画講座」
 「鉛筆デッサン~初歩から上級まで~講座」
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_491581.html
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_518580.html

○読売・日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)柏
 「日本画 美人画から静物まで講座」
https://www.ync.ne.jp/kashiwa/kouza/202010-03043014.htm


9月23日

「ダレトク雑学トリビア」
6月18日は何の日?記念日、出来事、誕生日占い、有名人、花言葉などのまとめ雑学 ─ 6月18日生まれの有名人
https://netlab.click/todayis/0618#618-6

 上手く雑学がまとめられた、このサイトによると、6月18日生まれの有名人には、私、後藤 仁(日本画家・絵本画家)が挙げられています。妙な事に、後藤輝基(お笑いタレント、フットボールアワー)、後藤理沙(女優/最近はほぼ見なくなりましたが、一時代は美人女優として大変活躍していました)と二人の芸能界の”後藤”が、同日生まれなのです。奇遇ですね~。その他、大森貝塚を発見したエドワード・モースや、著名な日本文学研究者のドナルド・キーンや、マンガ家の横山光輝、ミュージシャンのポール・マッカートニー(ザ・ビートルズ)がいる事が面白いです。


9月23日

 最近、様々な骨董・美術品店のサイトに、私・後藤 仁の事が引用されているケースを、度々見かけます。本当に拙作を買い取る訳ではなく、ネット検索に引っ掛かる事に主眼を置いた掲載でしょう。
 歴史上の凄い画家達と並記されるのには違和感がありますが、ただ、特に嘘を書いている訳でもなく、私の経歴等が美術市場での何らかの役に立つのなら、それはそれで良い事でしょう。
 (以下に、目立った骨董・美術品店サイトを挙げてみましたが、この他にも類似サイトは多数見つかります。)
 
https://fk-vintage.com/tachikawa-kottou/
https://www.kotto-enya.jp/tokyo/kaiga/tachikawashi.html
https://antiqueart-kaitori.com/osaka/
https://geihinkan-kottou.com/area/%E5%8D%83%E8%91%89%E7%9C%8C/
https://www.eirakudou.com/2079/


9月24日

「おとなりどうし~世界とわたしをつなぐ本」&ヤングアダルトブックフェア のお知らせ (大垣書店イオンモールKYOTO店)

 私が気が付くのが遅かったのですが、7月から9月8日まで開催していたという事です。(「世界の昔話」のコーナーは、10月中旬まで開催するようです。)
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も、名作絵本『スーホーの白い馬』等と共に出品されていました。またどこかで同じような企画が開催されましたら、ぜひ足をお運び、拙作絵本を手に取って下さい。

https://www.books-ogaki.co.jp/%E3%80%907-11%E3%82%88%E3%82%8A%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%80%91%E3%80%8C%E3%81%8A%E3%81%A8%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%97%EF%BD%9E%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A8%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%97/

絵本「犬になった王子 チベットの民話」絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)

●岩波書店 公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
 https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html


9月25日

宮城県大崎市図書館 ─ 図書館だより「ほんだな」2020年9月号
 【展示5】おうじさま おひめさま

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も展示されているという事です。ぜひ、図書館で、書店で、拙作絵本を手に取ってご覧下さい。

https://www.city.osaki.miyagi.jp/index.cfm/18,14337,73,html
http://www.city.osaki.miyagi.jp/index.cfm/18,14337,c,html/14337/20200901-112304.pdf


9月27日

 今日、NHK「日曜美術館」に、またまた、現代アーティスト・村上 隆さんが出ていましたが、相変わらず、元気そうに豪語していましたね~。
 私は19歳~20歳の頃に、美術予備校(立川美術学院)で、東京藝術大学 日本画専攻 博士課程に在籍していた村上さんに、デッサン・着彩を教わりました。村上さんの指導はスパルタ的に厳しかったですが、多くの影響を受けました。ただ当時、村上さんの現代アート的な思考に、完全に同調しなかった意固地な生徒は、多分、当時もその後も、私くらいでしょうね・・・。私は元々、東洋的・日本的な伝統的美意識が好きで、現代アートはあまり好きではないのです。それ故に、村上さんの作品自体はそれほど好きな訳ではありません。また、人間的には決して道徳的とも言えない村上さんを、優れた人格者だとは思いません・・・。
 しかしながら、私が今までお会いした作家の中で、村上さんほどのインパクトを感じた画家は、後藤純男先生くらいのもので、他には皆無です。アメリカの超富豪相手のビジネスモデル等には、私は全く関心が無く、庶民や子どもや社会的弱者までもが楽しめる、普遍的・感傷的な美術を私は求めたいと願っています。ただ、村上さんのアートへの激しい情熱や思想は、誰よりも強烈で、大きな尊敬に値します。村上さんは、仙境に遊ぶような東洋的芸術家ではありませんが、確実に本物の西洋的・ビジネス的・アーティストだと思います。やはり日本人には稀有な、偉大なアーティストである事は間違いありません。
 私は若い時に、村上 隆さんに絵を教われた事を、芸術家として、とても良い経験だったと、運命に感謝しています。

村上隆さんらと「立川美術学院 体育祭」(1989年10月) 村上 隆さんらと後藤 仁


9月29日

 画家は常に自己の”制作”を、何よりも優先させないといけません。本当にしっかりした創作をするには、時間も労力も膨大にかかるので、他の雑事に割ける時間は少ないのです。確かに政治家の如く多くの外部者に常に交わっていたら、人脈でもって、肩書や称号が与えられやすくなります・・・。
 かつて日本画と並行して、「金唐革紙(手製高級壁紙)」の復元製作をしていた時代にも、本当は私達、20歳代(当時)の若者数名が実質的な製作を全てやっているのに、金唐革紙製作所の運営と外部折衝を全て担っていた製作所経営者のみが、名誉称号と勲章を与えられるという苦い経験をしました。
 「美術・絵画」の世界も同様の事が言えます。若い頃はそれなりに制作を頑張っていたとしても、歳を取り、制作意欲が衰え、逆に肩書・名誉称号のみが一人歩きして、制作がおろそかになる事が無いよう、もし実力以上に名誉ばかりが先行しだしたら、その時期こそ、作家は心を引き締めなければならないのです。


9月29日

 中国向けの新作絵本制作は、ここしばらく、「第14・15場面」の彩色をじっくりと進めています。なかなか、はかどりませんが、今で1~2割程度の進捗状況です。今のところは特に急ぐ必要もないので、10月末までに2枚完成の目標で、丁寧に描いています。

          *

 しかしながら、随分久しぶりに、一定以上の画力と気概のある画家に出会えたかと思ったら、ただ、自己アピールが得意な、調子の良過ぎるパフォーマー系画家であったりと、・・・なかなか世の中、上手くいかないものです。
 他人に期待し過ぎると、それが上辺だけのものであると判明した時の、がっかり度も大きいので嫌になります。もう私も良い歳になりましたので、そろそろ他者(画家における)に期待するのは諦めて、それが”孤高”なのか”孤低”なのかは知らねど、独歩するしかないのでしょうね・・・。
 本当の画家は、自分も忙しいはずでしょうし、他人のやっている表面上の活動・言動には、直接にとやかく文句を言わないものです。その人の本質だけを観ているので、表面上の言動は重要ではないのです。それでも、もし何か、二者間で作家としての疑念が生じたら、お互いが二人とも納得するまで、時間をかけて、討論・話し合いをする必然性が生じます。
 最近、そんな案件が生じたので、その人を”本当の画家”として認めたかった私は、あえて直接、”疑念”をぶつけてみました。私も多忙な身です。最初から重要視していない人には、そんな労力は払いません。そうしたら、その人は、さも、めんどくさそうに、「そんな事はもうどうでもよい事だろう。他の画家の方がお前より大切なのだ・・・。」といった趣旨の発言で早々に打ち切られました・・・。
 私のその人に対しての疑念は増し、この人とは本気では付き合えないな~、この人は本当の画家ではないのだな~、と悟ったのです。ただビジネス的効率だけで話をしようとする人とは、私は、画家としては本気で付き合えません。
 私が画家を判断する際には、絵(作品)を観れば、98%は良し悪しの断定はできるのですが、実に巧妙に模倣されていたり、精神性は無くとも技術がかなり高くて判断しがたい場合も、稀にあるものです。そんな時、その人だけでは判断しにくい位に、活動の程度や人当たりや、経歴や実績等が、一見、高く完成された人の場合は、その人が連れてくる同伴者(画家や画商や協力者等)を観て、最終判断します。おおよそ専門分野において優れた人は、必ず、ある程度、優れた人と行動を共にしているはずです。(これは決して、人権的な高低を言っているのではなく、その人の本業の実力・精神性を指しているのです。)その主要な同伴者の中の5人位を観れば、おおよそ、その本人の意識レベルも判明します。5人中、半数以上にクエスチョンが付くか、又はどうしようもない程、レベルの低い人が一人でもいると、極めて怪しくなります。
 その画家の場合も、その怪しい結果になったので、やはり、本物の画家ではなく、社会的成功の為のパフォーマンスを最優先する、似非画家に近い者だと判断せざるを得なくなったのです。
 多分、私の画家(同業者)に対する意識は、厳し過ぎるのかも知れません。しかし本当に高い芸術の境地を目指すのなら、これは仕方のない必然的な犠牲なのです。


9月30日

 中国向けの新作絵本制作は、「第14・15場面」の彩色を、粛々と進めています。2枚合わせると、人物を200人位と、多くの動物や建造物等を、精緻に描かねばならないので、目が飛び出る程、とても大変です。
       
          *

 しかし、常時から一般人より物事を沈思黙考しがちな私ですが、このコロナ禍において、さらに考える事が増えました・・・。
 このような非常時において、改めて思う事は、私は幼き頃より今に至るまで、”絵”を描いていて本当に良かったという事です。絵を描いていなかったら、もうとっくに生きていなかった事は確実です。よく今まで生きて来れたと、不思議なくらいです~。
 私は幼き頃より、常識に囚われる事を嫌がる性質で、かなり意固地で変わった子どもだったようです。今ではそれなりに社会に順応しているかの風に装っているので、私をよく知らない人からは、一見、普通の感じに見えるらしいですが、実のところ、かなり尋常でないようです。多分、脳のどこかが異常なのだと思います。左脳(理性脳)がおかしいのか、右脳(感性脳)がおかしいのか? 
 関心がない事には全くやる気が起こらず、学業なども関心がないジャンルは全くやらずに赤点ばかりで、高校時代には留年させられた経験もあります。勉強ができないのではなくて、やる気がないのです。留年させられるので、やむなくやったら、学校内で成績がオール一番になったりもしました・・・(美術・工芸系の高校なので、学校自体の学科レベルは高くはないですが)。世の中の評価等、所詮いいかげんなものです。成績が悪い時には罵られるのに、良くなれば褒め称えます~。
 ただ、普段は大抵、何事も適当なのですが、こと創作においては異常なほどに拘りがあり、一種の自閉的な素因があるのやも知れませんが、執拗に創作には拘泥します。それが何故なのかは、自分でも自己がよく分からないのです・・・。確実なのは、普通人のようなサラリーマン的な規則に則った生き方が出来ないであろう事は確かですね。
 本当に”絵”を描いていて良かった~。変人そのものの生き方ですが、そういう点では、私の人生は、誠に幸せな人生と言えるのでしょう。(^_-)-☆


10月2日

 現在、中国向けの新作絵本制作、「表紙、第14場面、15場面」の彩色を進めている所です。この素晴らしき「絵本」の作画が終わるのも名残惜しいので、急がずに、丁寧に丁寧に描いています。
 同時に、さらに壮大な世界観の次回「新作絵本」や、大垣祭り「天井絵」等のイメージ・原案を練っているところです。私は描く行為そのものも好きなのですが、作品イメージをドンドン膨らませていく、この過程も実に楽しいものです。~~
          
          *   

 絵を描く仕事はとても大変で厳しい道なのですが、絵が心底好きな私にとっては、誠に楽しく愉快な日々でもあります。
 ただ、現代の日本では、”絵”(売り絵)だけで食べていける純粋美術(日本画、油絵、彫刻 等)の作家は、極めて少ないのが現実です。ほとんどは各種学校の先生や絵以外の副業等をして食べています。かなり有名な作家や大型団体展(院展、日展、二科展、二紀展 等)の肩書がある作家でも、ほぼ食べてはいけません。特にバブル経済崩壊後は酷い有様です。現在、日本画(絵の世界はプロ~アマチュアの区別が曖昧ですが、一応プロ的な活動といえる日本画家は400~500人位いると思われます)では30歳代位以降からほぼ一生、絵だけで食べていけている人は、おそらく、50人もいないでしょう。(多分、その多くは親の資産があるか、共働き世帯で、一人だけで平均的サラリーマン並みの生涯収入がある人は、30人もいないでしょう。ただし、その上位10名位は部長・社長クラス以上の高所得者ですが、年々、数が減っていると思います。また、絵だけで食べていけるからといって、商売が上手いだけという場合もあり、必ずしも全員の”絵”が優れているとも限りません。)日本画人口の10倍はいるであろう、油絵(油彩画・洋画)でも、絵だけで食べている人は200人もいないと思います(サラリーマン並み~以上の収入の人は、100人位でしょう)。彫刻はさらに厳しいでしょう。
 東京藝術大学 日本画専攻は一学年26名いましたが、私の同級生で絵だけで食べているのは、実家にいる人を除いたら、皆無だと思います。上下の学年でも、それらしき人は数年に1人~2人位でしょう。食べていくどころか、今もまともに絵を続けている人自体、一学年に5~6人位です。
 東京藝術大学に次ぐレベルとされる多摩美術大学・武蔵野美術大学では、日本画科は各学年50名位はいると思いますが、絵で食べていける割合は東京藝術大学より少ないのは確実です。その他の美大や大学を出ていない人になると、プロとして絵を続けていける人自体の割合が極めて少なく、絵で食べていくのは奇跡的な事でしょう。
 私の知るところ、イラストレーターやマンガ家・絵本作家(プロと目される絵本作家は500人余りはいると思います)等の方が、断然、食べていけているようです。しかしながら、潜在的には、日本画・油絵界には、画力や気概が高邁な作家がかなり埋もれています。私が見たところ、イラストレーター・絵本作家界より、その実数と割合は多いと思います。
 ただ純粋美術は収入に結びつくルートがかなり限られているのです。すなわち、日本には潜在的には優れた造形作家がいるであろうに、その実力が全く活かされていないという事なのです。それは作家自身の販路開発・意識改革の努力不足も大きいのでしょうが、日本の経済界や政治界や一般人の絵画への無理解・認識不足も要因だと思います。絵描きは、どこかで霞を食べて生きているかのように思っているのでしょう・・・。
 これは誠にもったいない事で、人材を上手く活かせきれていないばかりか、日本の文化・芸術レベルの低下に拍車をかけます。このような類の話はこれまでにも幾度となく話してきましたが、一向に改善の兆しもなく、多分、この度のコロナ禍で、多くの画家は、さらに、ますます追い詰められているでしょう。
 経済界・政治界・一般大衆が日本の芸術家・画家・日本画家にも目を向けられ、理解し応援して下さる事を切に願うばかりです。そして私達、作家・画家は日々、汗水を垂らして、誠心誠意、懸命に作品を創作するしかないのです・・・・。


10月3日

Killy「日本画家」の有名人ランキング
「日本画家」関連の、みんなの注目する有名人ランキングです。
 5位は「土屋秋恆」、4位は「中島潔」、3位は「吉田翔」、2位は「名倉弘雄」、注目の1位は「後藤仁」です。 (日々更新されるので、現在の順位は変更しています。)

 このサイトによると、現在、「日本画家」で最も注目されているのは、私・後藤 仁という事ですが、何のデータに基づくのか分かりませんが、あまり正確な内容ではないでしょうね~。本当に有名な人から、聞いた事がない人まで、記載されています。ただし、全てが嘘とは言い切れないかも知れませんよ~。(@_@)

https://killy.biz/star/tag/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%BB%E5%AE%B6


10月6日

 日曜日の夜にNHK「日曜美術館」の再放送をやっていましたが、村上 隆さんと対談する、李 禹煥さんの話には説得力がありましたね。しかし、いずれにしても、西洋的美術解釈による現代アートがそんなに好きではない私は、現代アートをあまり肯定してはいませんが、それぞれの作家の人間力は、やはり半端なく高いものを持っているのだと思います。
 私はアジア・日本の庶民文化・伝統工芸美術等に限りない芸術的高みを見出す場合があります。物質的生活は決して豊かとは言えない時代・地域・民族でも、美的感覚はそれぞれ極めて優れています。現代の即興的・刹那的な物質芸術は果たして、本当に後世に残せるほどの、豊かで優れたものであるのでしょうか? ほんの一部の国の一握りの大富豪相手の慰めに創造され、消費されていく物体が、本当にハイカルチャーの本質なのだろうか? いや、本当にハイカルチャーと言えるのだろうか? もしそれをハイカルチャーと言うなら、大多数の庶民に深く深く浸透して行くサブカルチャーにも劣るのではないだろうか?。・・・私は常に自問自答しています。
 しかし、せっかく職人が製作された貴重で高価な金・プラチナ箔の上に、多分、アクリルであろう、無機的で面白くない色が乗っかってしまい、実にもったいない~。村上 隆さんは極めて高いアート意識と行動力を兼ね備えた、日本には稀有なアーティストである事は確かでしょう。彼のような作家がいないと日本の文化芸術はますますしぼんでしまいます。ただ、もっと本当に、日本・東洋の美を高度な技術力で表現し得る、高邁な芸術家の誕生が、今後の日本にあるといいのですが・・・。
 ちなみに、私が村上 隆作品で一番好きなのは、彼が藝大を終了した頃に制作していた、「毛皮ランドセル」シリーズです。アザラシやクロコダイル等の動物の革で造られた色とりどりのランドセルは、まっことユニークでした。そのずっと後、日本のランドセル業界で様々な色や材質のランドセルが流行しましたが、その先見とも言えるでしょう。
 「おい後藤、おもしれえ事、思いついたよ~。次の個展で、ランドセルを水着のコンパニオンに背負わせて、会場でファッションショーをするんだ。こりゃ、賑わうぜ!」と、バカバカしいと言えば実にバカバカしい事を、本気で熱を込めて語る村上さんは、全身全霊でアートに情熱を注ぎ、アート表現が心底好きなのだなと感じました。

村上隆さんらと美術予備校・立川美術学院 日本画科の講師ら(村上 隆さん他)と、当時借りていたアパートの私の部屋にて(1990年3月)


10月7日

 中国向けの新作絵本制作は、ここ数日、「第14・15場面」の彩色・描写を黙々と進めています。かなり細密な建物を、墨で描き起こすのは、一苦労です~。人物・動物・建造物・風景と一通り色を置いて、おおよそ3割強の進捗状況です。この2場面の全体の様子が、完全に見えてきました。
 ここにいる人々はみな楽しげで、素朴で温かくて、良い雰囲気です。これぞ私が求める、平和と至福に満ちた世界なのです~。
 次回絵本新作の原案も、とても面白いイメージが浮かんできました。上手くいけば、今までほとんど見た事のないような新しい種類の、誠に面白い「絵本」になりそうです。
 私が絵画や美術に求めるのは、根本的には、理屈や概念ではありません。それらは評論家や学芸員や現代アーティストに任せておけばよいのです。私は、ただひたすら理想の世界を、地道に着実に描くのみ!! その後の評価・結果など、極論、どうでもよいのです。そんな職人的とも言える、愚直なまでの作家人生しか私はできないのです。


10月8日

橿原市立香久山小学校「香小だより」(2019.7.1)

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をご活用いただき、誠にありがとうございます。本・絵本名と書かれてあるので、多分、チベット民話集の中の「犬になった王子」ではなくて、私が作画した絵本版を指していると思います。今はコロナウイルスの影響で、読み語り・読み聞かせも難しいようですが、また良い時節になりましたら、各方面にてご活用下さい。

http://www2.mahoroba.ne.jp/~kaguyama/tayori/tayori201907.pdf


10月8日

 中国向けの新作絵本制作は、本日、「表紙」の彩色を進め、ようやく4割程の進捗状況です。ヒロインである、玉のように美しい貴婦人の姿が、だんだん浮かび上がってきました。これは何とも神々しい!!
         
          *       

 ここしばらく私は、美術・画家に対する、かなり厳しい見方を展開してきました。そこには、その画家・画商・編集者等が本物かどうかを見極めるという意味合いもあります。「中途半端に私に近づくと火傷するよ~。」という、私特有の大げさでひねくれた演技的メッセージでもあります。立ち去る人はこれ位の軽い挙動で簡単に立ち去るものなので、その真贋・本気度が判別できるのです。本当に私と歩むべき必然の人なら、私の本意を理解し、それでも道を共にしてくれるはずなのです。私はその人を心底信頼し、心から大切にしたいのです。私の天の邪鬼に過ぎないのでしょうがね・・・。
 ただこれには、将来、”絵”の世界を目指す、子ども達・若者達へのメッセージという深い意味合いもあります。絵画業界をよく知らずに、安易な気持ちでこの特殊な世界に飛び込んだら、もし手遅れになると、引き返す事は易くはなく、一生を後悔にさいなまれる結果となる可能性も高いからです。
 私は美術高校・美術大学時代から、才能・技量はかなりあるのに画道から消えていった、哀しい作家を山のように見てきました。たとえ絵がすこぶる良くても、人と上手くやれなければ、ほぼ消えていっています。協調性がほとんどないのに、絵の世界に未だ残っているのは、私くらいでしょう・・・。
 そのような形で苦しむ若者を少しでも減らせるなら、私は美術・絵画業界の良い部分も悪い部分も、忌憚なく述べたいと思うのです。美術・絵画の世界は、スポーツや芸能界等と同じような特殊な実力社会です。しかも今の時代、マンガ・ゲーム等の特に流行している業種を除くと、スポーツや芸能界ほどの大きな見返りも、ほぼ期待できません。
 曲がった自己顕示欲や、売れっ子になれるかのような勘違いにより、ある歳を越えてからも、美術・絵画の世界を目指す人は結構多いです。言っても無理なのでしょうが、できうるなら、これからの将来のある若者達にその路を空けておいていただけませんか・・・。ある年齢を越えて十分に今まで食べて来れた人は、その豊富な資金力や人脈を駆使すれば、確かにある程度の所まで、社会に認知される可能性はあります。しかし、ただそれだけの事実に過ぎず、美術界に大きな足跡を残す事も、大きな利益を生み出す事も、ほぼ困難です。絵を趣味として楽しむのなら大歓迎ですが・・・。
 将来、美術・絵画界を純粋に懸命に目指す、子ども達・若き猛者達を、私は応援したい!!。
 美術の世界は確かに厳しいですが、全く可能性が無い訳ではありません。何とか頑張って描き続ければ、どこかで誰かに認められるケースもあります。しかし、その結果・成果よりも、一番大切なのは、自分の”絵の世界”を創造する過程そのものにあります。そこにこそ最大の喜びがあり、醍醐味があるのです。
 その上、例えば私の場合は、「日本画」で中年から年配者に、「絵本」で子どもから若者・親御さん世代までと、何世代にも渡る実に多くの人々を楽しませ、愉悦していただく事ができるのです。これは創作者にとって、この上ない喜びであり、最大のご褒美となります。それ故、たとえ絵だけで食べていく事が難しいとしても、私は絵を描き続けるのです。
 さあ、本当にその覚悟ができているのなら、良いでしょう。若者達よ、ようこそ、この美の路へ!! ヽ(@o@)丿


10月9日

 私はかなりの時代劇好きで、子供の頃には「水戸黄門」や「遠山の金さん」等を観て喜んでいました。映画では、20歳頃に「羅生門」「雨月物語」「源氏物語」等の古い白黒映画にはまって観ていました。私の故郷である赤穂を舞台とした映画「忠臣蔵」は、新旧様々なバージョンを何回も観ています。近年は日本の時代劇が減ってしまい残念ですが、最近では、中国歴史ドラマ「麗王別姫」が素晴らしく面白かったです。この20年ばかりの中国の映画・ドラマの技術レベルの上昇は、凄まじいものがあります。
 そんな訳で私は、時代劇の俳優さんも結構知っていますが、先日、突然、ツイッターにて西郷輝彦さんにフォローされたので、妙な事もあるものだと思っていたら、西郷さんが私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を気に入られてご購入されるというのです。私はミーハーではないのですが、西郷さんは映画「赤穂城断絶」でも浅野内匠頭を演じていらっしゃり、かつて赤穂市の「義士祭」にもご出演された経験があるようで、世の中、何かしらの遠いご縁というものもあるものだと、誠に嬉しくなりました。
 私などでも、日本画家の中では、まだ世間で知名度のある方ですが、画家の著名人といってもたかが知れており、所詮は業界外ではほとんど通用しないレベルです。芸能人・歌手などの知名度ははるかに桁が違います。有名だったら良いという訳ではないのですが、このような世間に膾炙された方々に作品を見ていただけるという事は、とても嬉しく、また励みにもなる事なのです。

絵本「犬になった王子 チベットの民話」絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)

●岩波書店 公式サイト ─ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』
 https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html


テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)

Author:後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)
~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師、元 東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員、この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。

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絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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