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2019-10-22

後藤 仁「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海)写生・絵本研究旅行」 その5

 2019年9月10日(火)~21日(土) 「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」(12日間) その5です。

 9日目、9月18日(水)。中学生の頃にNHK 「シルクロード」を観て中国に憧れてより40年近く、大学3年の時に航空券が取れずに敦煌行きを逃してより約25年・・・、いよいよ私が一番訪れたかった処、甘粛省「敦煌」を巡ります。気が昂り、今日も朝5時前に目が覚めました(だいたい旅先では、いつも朝5時頃には目が覚めるのですが)。朝食前に敦煌の街を散歩。「党河」という大きな川の畔を歩きます。中国では北京に標準時を合わせているので、この地域だと2時間位は日の出が遅くなります。朝5時は真っ暗です。党河の橋を渡り対岸で東屋を見付けたので、そこで体操をしました。日の出時間の光景を見たかったのですが、30分位経っても暗いままなので、ホテルに戻りました。
 このホテル「敦煌維景酒店」では宿泊代に朝食が付いていないので、7時20分にロビーに皆で集合し、近くの食堂で朝食を取りました。この地域は包子(パオズ/肉まん類)等の小麦粉を用いた小吃(シャオチー/軽食)が美味しいです。

 8:00に車に乗りこみ、「西千仏洞」を目指します。道中では荒涼とした敦煌の砂漠地帯を通りますが、別の星に来たような不思議な光景です。巨大な電線鉄塔群が、まるで現代アートのようなシュールな景観をかもし出しています。
 「西千仏洞」に到着。ここはまだ観光客が少ないです。石窟の鑑賞には必ずガイドが付きます。北魏・唐時代の素朴な壁画で、保存状態は良いとは言えませんが、十分に堪能できました。近くの党河に出てみると、とても気持ちよく、絵本編集者の唐 亜明さんが漢詩のような詩歌を川に向かってうなりますと、・・・皆、笑顔になりました。
 ここから少し進むと、小さな土造りの小屋が見えてきました。中に入ると可愛いキツネが飼われていました・・・。ここでは現代版の新しい石窟を造営しているらしく、地下に伸びる迷路のような長い石窟内では、何名かの中国人の画家が、壁画を描いていました。係の人に壁画の説明を受けていると、ここの主催者の常 嘉煌さんが来られました。常さんは敦煌遺跡を研究・保存する「敦煌研究院」の初代院長のご子息という事で、私財を投じて、この大きな石窟を永年造営していると言います。このような立派なご活動をされている、奇特な方もいるものだと感心しました。今後、私も、画家として何かしら力になれる事でもあればと思いました。
 昼食は、ブドウの生垣に囲まれた、雰囲気のいい敦煌料理の食堂でいただきました。ここの名物は、ロバの干し肉です。黒っぽいその身は、素朴な馬肉といった感じです。ナツメの実に餅を詰めて揚げた料理も美味しいです。

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「西千仏洞」 絵本編集者・絵本文筆家の唐 亜明さんと

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「西千仏洞」近くの新石窟にて、党河を背景に。 常 嘉煌さん、唐 亜明さん、絵本作家・編集者の皆さんと

 次に「陽関」に向かいます。遺跡はきれいに整備され、建物が復元されています。資料館には、シルクロードを開拓した前漢時代の外交使節・張騫(ちょうけん)の解説や様々な展示物があり、とても勉強になります。ロバの馬車に乗って、陽関の遺跡を見物。馬車に揺られながら、SM号スケッチブックに陽関の崩れかかった「烽火台(ほうかだい)」をクロッキー。昔のシルクロード跡である「陽関大道」を見物。広大無辺の大地を、鷹に追われたのか、一匹の野ウサギが猛烈に走り去りました。
 車で移動して、次に「玉門関」へ。古代中国風の衣装を着た、解説係の女性の話を聞きながら資料館を見学。専用のバスに乗り、遺跡巡り。河倉城や漢時代の万里の長城跡を見物。玉門関の城門跡と河倉城を、SM号スケッチブックに軽くクロッキー。時間が無い・・・。この辺りは、もう少しじっくり描きたかったのですが、今回は集団移動ゆえ、仕方がありません。またいつか、ここに一人旅で来れる事を祈ります・・・。
 専用バスを降り、最後に城門跡を歩く。ここからは遥か西域や北方が望めます。古、この先はもう異国の地です。北方民族が、この万里の長城や川や湿地帯を越えて攻めてくる妄想を、私は頭で描いていました・・・。夕刻になり雰囲気が増します。北京の絵本出版社の女性が、スマホで古琴(こきん/または、琴〈きん〉と言い、中国固有の楽器で、日本の箏〈こと〉とは異なる)の音色を奏でます。旅の少しの気だるさも相まって、じんわりと郷愁が沸き上がります。

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「陽関」にて

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「陽関」にて。 ロバの馬車で遺跡に向かう

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「陽関」にて。 古代、この先はもう異国の地だった・・・

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「陽関」にて

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「玉門関」 漢時代の万里の長城跡にて

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌「陽関」「玉門関」からの帰路、車内より撮影。 
 夕刻、ラクダの隊商が・・・!!日本画家・平山郁夫先生さながらの光景ですが、実は、これは作り物のラクダの彫像群なのです。


 車で数時間、敦煌の街に戻ります。道中、夕日が大地に沈み行きます。車を停めて、皆で眺めました。心に印象深く刻まれました・・・。
 夕食は敦煌市内の食堂でいただいたと思いますが、記憶はあいまいです。夕食後に、昨日訪れた乾物屋「水果特産超市」で、唐さん達とお買い物。干しアンズ、菊花茶を追加購入(計88元/現在、1元は約15円)。日本に帰ってから、乾物類をちょびちょびいただきましたが、元々私の好物でもある干しアンズが特に美味しかったです。日本で買うものより質が断然良く、値段は半分~三分の一以下です。敦煌の地は、私の大好きな果物乾物の宝庫でもあるのです。嬉しい~。もし人に前世があるとしたら、多分、私は、チベットから甘粛省・四川省辺りの少数民族だったのではないかとさえ思えます・・・。その風景にも文化にも食べ物にも、異様に郷愁を感じます。ただ高山病になるので、標高はさほど高くない土地だったのではないでしょうかね~~。
 

 明日はいよいよ「敦煌莫高窟」を訪れます。敦煌辺りの内容は、まさに日本画家である私の専門分野でもあり、記述内容も増えてきましたので、続きは次回といたしましょう・・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁



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2019-10-18

日本児童出版美術家連盟主催『童美連創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』開催ご案内

『童美連 創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』
 2019年(令和元年)10月25日(金)~11月6日(水)
 11:00~18:00 (最終日 15:00まで)

 ※講演会のある日、10月27日、11月4日は、観覧時間が 16:00 までです。

神保町 ブックハウスカフェ 2Fギャラリーひふみ座
 〒101-0051 千代田区神田神保町2-5 北沢ビル2F
 電話 03-6261-6177

 https://www.bookhousecafe.jp/

 〈交通〉 神保町駅(半蔵門線/都営三田線・新宿線) A1出口 徒歩1分以内


 ※1F 販売コーナーで出品作家の絵本・児童書を販売予定です。ただし、全ての作家の作品がある訳ではありませんので、ご了承ください。
 2Fには、一部の作家の「絵本・児童書 自由閲覧コーナー」もありますので、ご自由に絵本・児童書を読んで、おくつろぎください。1Fには、カフェスペースも設けられています。

【絵本イベント】
○ 10月27日(日)17:00~18:00 2Fギャラリーひふみ座ホールA
 講演会「童美連55年の歩み ~子どもの本の画家たちの仕事と誇り~」 
  講師 : 浜田桂子
 ※参加費無料 要予約 先着50名様 (詳細はブックハウスカフェにお問い合わせください。まだ、残席はあります。)

○ 11月4日(月・祝)17:00~18:40 2Fギャラリーひふみ座ホールA
 講演会「絵本作家としての歩み」 
  講師 : 和歌山静子
 ※参加費無料 要予約 先着50名様 (詳細はブックハウスカフェにお問い合わせください。まだ、残席はあります。)

○ 11月3日(日) 第1部13:00~14:00、第2部15:00~16:00 1F中央カフェスペース
 絵本読み聞かせリレー ~絵本作家・画家が自作絵本の読み聞かせをします~
 ※参加費無料 自由参加


主催 : 一般社団法人 日本児童出版美術家連盟(童美連)
後援 : 千代田区、朝日新聞社、毎日新聞社、東京新聞、神保町ブックフェスティバル実行委員会、本の街・神保町を元気にする会、日本児童図書出版協会、公益財団法人 文字・活字文化推進機構、一般社団法人 日本児童文学者協会、一般社団法人 日本児童文芸家協会

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」 チラシ表

こどもの本の画家たち展「こどもの本の画家たち展」 チラシ裏
 
 一般社団法人 日本児童出版美術家連盟(童美連)主催の大型団体展覧会『童美連創立55周年記念 こどもの本の画家たち展』(神保町ブックハウスカフェ)を開催いたします。(私・後藤 仁 は、この展覧会を企画運営する童美連・展覧会実行委員会 委員長をしています。)
 童美連会員の有志、157名の原画・版画・立体作品が一堂に並びます。著名・人気絵本作家・画家から新人絵本作家・イラストレーターまで、実に多彩な顔ぶれです。
 今回、私は、絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 後ろ扉・原画を出品いたします。東京近郊で、この原画を公開するのは久しぶりです。

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 表紙

 会期中、10月25日(金)、10月27日(日)、11月1日(金)、11月3日(日)、11月4日(月・祝)は、私はほぼ1日中会場にいる予定です。
 私は諸々の事情を考慮し、年内で童美連を完全に離れる事を決めましたので、この展覧会が、私の童美連会員・理事としての最後の仕事になります・・・。ぜひ、お子様・お孫様とご一緒に、皆さまで展覧会にお越しください。心からお待ちしております。 ヽ(^o^)丿 ワ~~ィ !!!

  絵師(日本画家・絵本画家)、日本児童出版美術家連盟 会員・理事〔展覧会実行委員会 委員長〕 後藤 仁


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2019-10-14

後藤 仁「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海)写生・絵本研究旅行」 その4

 2019年9月10日(火)~21日(土) 「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」(12日間) その4です。

 7日目、9月16日(月)。朝食は、ホテルのビュッフェを軽くいただきました。食欲は戻ってきていますが、まだ無理は禁物です。高山病は1日余りで完全に克服できたようです。
 今日は、青海省・西寧の市街に戻ります。車で1時間程移動し、横道にそれ、祁連大草原のチベット族の民家を訪ねました。アポなしの訪問らしく、チベット語が話せる運転手が交渉しています。OKが出たようです。
 チベット族の一家が出迎えてくれました。チベット族やモンゴル族の住む地域は広大な草原地帯なので、昔は旅人が行き倒れになる事も多く、また旅人は遠方の情報をもたらしてくれるという事で、チベット族・モンゴル族には、古来よりとても丁重に来訪者をもてなす風習があると聞いています。この一家も、見も知らぬ日本人・中国人の突然の訪問にも関わらず、誠に丁重にもてなしてくれました。
 チベットでは、カターというシルク様の布を肩にかけて歓迎の意を示します。その後、ヤク牛から絞ったばかりの乳でバター茶(湯に茶と牛乳・バター・塩を入れたチベット族特有のお茶)を入れてくれました。日本人・漢民族は慣れていないだろうという事で、塩は入れていないそうです(私は塩入りでも良いのですが)。前にチベットで飲んだものより、あっさりとしていますが、身体がポカポカ温まります。9月でも、この地域の朝夜は、気温10度以下と、とても寒いのです。(先日買ったパシュミナの肩掛けが役立ちます。)
 父母と祖母と娘2人がいましたが、息子さんはかつて日本に留学した経験があると言い、今は西寧の街に住んでいるそうです。ひとしきり話が終わると、広大な庭を散策し、チベット馬をSM号スケッチブックに軽く2枚スケッチしました。父親も娘さんも、のぞき込むようにして熱心にスケッチを見ています。カメラ・ビデオには慣れた昨今の中国ですが、逆に絵を描く人は珍しいようです。そこで、娘さんを描くことにしました。SM号スケッチブックに長女・次女を、それぞれ10分位かけて描きました。しっかりした眼差しの素朴で可愛らしい娘さん達です。庭にはチベタン・マスティフというチベットの大型犬がいます。家畜を狙う狼除けだと言います。かつて、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)でチベット犬を描いたので、私はことさらチベット犬に関心が高いのです。
 家に戻ると、昼食が用意されていました。高価な幻の金色(黄色)のキノコを炒めた料理や、羊肉の腸詰め等、いずれも珍しくて美味しいです。お腹の調子が戻っていて本当に良かった ヽ(^o^)丿。久々にお腹一杯食べれました。(食事代は先方は断ったそうですが、気持ちとして少しお渡ししたそうです。)祖母と母親がチベットの民族衣装を着てくれました。感動です~。描く時間がないので、やむなく写真だけにおさめました。絵本編集者・唐 亜明さんが、今年12月頃に中国で発売予定の私の作画による新作絵本(題名は後日発表!!)の原画を、スマホで親子に見せています。特に娘2人は、極めて興味深げにのぞき込んでいます。「この話、知ってる~」と言っていたそうです。絵本が完成したら、スマホではなく、本物の絵本で見せてあげたいなと思いました。
 最後、お別れの時に、親子が駆けよって来てくれました。2人の娘さんの素朴で力強い目を見ると、このような素朴で純粋な子供たちが、今の超絶に発展する中国の中でも歪むことなく、すくすくと育って欲しいと願い、~何故だか突然、涙が目頭に浮かびました・・・。私はこの時、非常に強く感動していました・・・。結局、ここでの経験が、今回の旅の中で、一番思い出深い出来事として、強く心に刻まれています。

 車で3時間程かけて、西寧の街に戻ってきました。先程まで大草原のただ中だったのが嘘のような、高層ビルの立ち並ぶ都会です。今の中国は内陸部の辺境でも、想像以上に発展しているのです。この日の宿は、前に西寧で泊まった時と同じ、「和頤至格酒店」という超高級ホテルです。夕食は近くの百貨店内の食堂でいただきました。今日の出来事・・・、チベット族の一家と西寧の都会の不可思議なアンバランスを考えながらも、心地良い眠りにつきました。

中国写生旅行2019青海省・茶卡塩湖近くのホテル 「高原紅驿站」

中国写生旅行2019青海省・チベット族の家にて、カターで歓迎を受ける。
〈※今までも今後も同じですが、私が写った写真は、私のカメラを他人に渡して撮影していただいています。私が写っていない写真は、全て私自身による撮影です。〉


中国写生旅行2019青海省・チベット族の家にて、ヤク牛乳のバター茶を入れていただく。とても美味しいよ~ ( ^^) _U~~

中国写生旅行2019青海省・チベット族の一家と、記念撮影。

中国写生旅行2019青海省・チベット族の一家と、記念撮影。

 8日目、9月17日(火)。早朝6時前に目を覚ますと、体調はすこぶる良いです。私はいつも海外の旅先では、だいたい1週間近くたった頃に、環境に慣れてきて調子が整うのです。7時になると一番乗りでホテルのビュッフェをいただきます。今日はたくさん食べれて嬉しい~。朝食後、近所の散策。ホテル近くの小川沿いを歩きます。太極拳をしている老人達や横笛を奏でるおじさんに出会います。川にヤツガシラという鳥がいました。最初にヤツガシラを見たのは、2004年、初めての海外一人旅のインド一周旅で、タージマハルの庭の排水溝の穴に無理やり入り込むヤツガシラを目撃した時です。美しくもひょうきんなその姿に、いっぺんに魅了されました。その後、中国の旅等で、まれに出会う事があります。私にとって、このヤツガシラは、とっておきの吉鳥なのです。
 
 この日は、いよいよ私の最も憧れの地の筆頭と言える、敦煌に向かいます。武者震いがします~。1995年、大学3年の時、2度目の海外二人旅で中国を訪れた際、北京で「敦煌行き」の航空券を購入しようとしたが、満席で2週間後の帰国時までに調達できず断念して以来、幾度となく訪問を計画しながら、何故か上手くタイミングが合わず、断念してきました。個人的にも興味は極めて高いのですが、日本画家の私としても、日本画の源流のある「敦煌」には、どうしても一度は訪れないといけない地なのです。
 西寧でチベット・青海省関係の本を買いたかったのですが時間がなかったので、西寧曹家堡空港の書店で「秘境青海」(48元/現在、1元は約15円)を購入。昼食は機内食で済ましたかと思いますが、よく覚えていません(一人旅と違い集団移動なので、記憶があいまいな部分があります)。

 13:20西寧 発 → 〈四川航空8373〉 → 15:00敦煌 着

 甘粛省・敦煌の宿にチェックイン。敦煌は中国有数の観光地なので、辺境の地のイメージとは異なり、想像以上に立派なホテルが多いようです。今回泊まる「敦煌維景酒店」は、その中でも豪華なホテルです。ロビーも必要以上に立派ですが、その部屋は私が今まで泊まったどのホテルより広くて豪華でした。2008年に絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)の取材で訪れた「中国(貴州省・広西チワン族自治区)の旅」で、現地の旅行社に手配してもらった、貴州省・凱裏(がいり)のホテルが今までで一番広かったのですが、ここはそれより3分の4位の広さです。
 部屋が広過ぎて落ち着かないので、すぐにホテルを出て周囲を探検します。しばらく歩くと、「党河」という大きな川がありました。道を戻りホテルを過ぎそのまま逆方向にしばらく行くと、大きな通り・鳴山路に「敦煌書画院」という建物がありました。入ってみると、敦煌壁画の模写を描いて売る工房らしく、広い店内では数名の人が絵を描いています。模写を見て歩き、筆や紙を売っているので拝見。紙は薄い宣紙類しかないので、日本画では使えません。係の人に岩絵の具がないか聞いてみましたが、顔彩のようなチューブ式の絵の具しかありません。筆は前に北京・上海の画材店でも何度も見ていますが、中国の筆は日本画の筆より造りが粗くて、繊細緻密な作画には向いていません。しかし、何かしら使い道があるので、筆を各種6本(計120元)購入。日本の筆と比べると驚くほど安い。そこを出ると、ちょうど隣の乾物屋「水果特産超市」で、唐さんと音楽家の郭 敏(グォ ミン)さんが買い物をしていました。私もナツメ、干しブドウ、クコの実(計42元)を購入。敦煌は果物の乾物の名産地です。
 その後、皆さんでホテル近くの食堂で夕食を取り、夜は20:00から、「敦煌に出会う(又見敦煌)」という最近敦煌で話題という大型劇を観劇するといいます。車で敦煌遺跡近くの劇場に向かうと、観客が一杯です。数百人はいるでしょうか~。観劇料は6000円位するそうですが、その値段にも関わらず、驚くほどの人出です。今の中国は空前の観光ブームなのです。劇場は広大で、中を歩いて移動しながら劇を観ます。最後は広いホールの席に着き観劇。中国語なので内容ははっきりとは分かりませんが、敦煌の歴史・伝承を劇に仕立ててあるようです。古代中国の衣装をまとった100人以上の役者と、大掛かりな機械仕掛けのステージは、どれ位の費用をかけて作ったのか・・・。凝った演出に度肝を抜かれる感じで、存分に堪能できましたが、何か私がイメージしていた辺境敦煌とはかけ離れた現在の状況に、少し戸惑いを感じたのは確かです・・・。

中国写生旅行2019青海省・西寧 「和頤至格酒店」の朝食ビュッフェ、 やっと昨日から食欲が戻って朝から絶好調! ヽ(^o^)丿

中国写生旅行2019甘粛省・敦煌 「敦煌維景酒店」の有り余るほど広い部屋。

 明日からはいよいよ旅のメインイベントの「敦煌遺跡群」を鑑賞します。極めて楽しみなのですが、今日の人混み光景を目の当たりにし、少しの不安もあります・・・。10人は泊まれそうな、一人には広過ぎるホテルの部屋ですが、さすがに心地良く眠れました。
 この続きはまた次回といたしましょう。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁 

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2019-10-06

後藤 仁「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海)写生・絵本研究旅行」 その3

 2019年9月10日(火)~21日(土) 「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」(12日間) その3です。

 5日目、9月14日(土)。朝食は、青海省・西寧の豪華ホテル「和頤至格酒店」の種類豊富なビュッフェをいただきました。その後、街をぶらつき冬虫夏草の店を見物。冬虫夏草を買いたかったのですが、あまりに値が高いので断念。前に絵本作家の長野ヒデ子さんに2本いただき、適当にスープにして食したが、こんなに高級品だとは・・・。
 今日は皆さんで、西寧近郊、湟中の「クンブム(タール寺/塔爾寺)」見学です。クンブムはチベット仏教ゲルグ派六大寺院のひとつの名刹で、壮大で荘厳な寺院です。私にとっては、2012年の取材旅行で訪れて以来の、懐かしの超パワースポットです。ところが、前にきた時より、ずっと派手なチケット売り場になっており、時期にもよるのでしょうが、中国人観光客が20倍以上に増えていました。寺院内は写真撮影不可なので、僧侶や五体投地する人を、SM号スケッチブックに軽くクロッキー。
 次に車で数時間移動し、中国最大の塩湖(琵琶湖の6倍という)「青海湖」に。ここから先は初めての地なので楽しみです。西寧郊外の道路沿いの食堂街で昼食を。青海省の麺類は美味しいです。
 途中、車内からと車外で、SM号スケッチブックに山々を2枚クロッキー。青海湖辺りは標高が3700mを超えてきますので、ごく軽い高山病の症状(軽い頭痛、運動時の軽い動悸、意識が少しボワッとする、つばが泡立つ感じ等)が出てきました。私は富士山頂に登った時にも、チベット旅の時にも高山病の症状が出ましたが、これは体質によるらしく、体力・気力とも関係なく、変えられないもののようです。少しの高山病的不快感を感じつつも、身体は元気で、「青海湖」二郎剣景区の遊覧船を楽しみました。遊覧船を降り連絡バスに乗ると、バスの中の母子や男性をSM号に軽くクロッキー。
 夕方になり(西寧辺りは日が長く、8時過ぎでも明るいです)、青海湖のほとりの「格日」と書かれた、この辺りでは最も立派なホテルにチェックイン。夕食はホテルの食堂へ。高山病にはアルコールとタバコは絶対禁物です。タバコは20歳頃に悪友たち(今は文星芸術大学で日本画講師をしている日本画家・中村寿生など)の勧めで1年間だけ吸っていましたが、完全に止めてからは、その匂いを嗅ぐだけで不快になります。絵本作家の夏目さんは大の酒好きで、最初に強い白酒で乾杯したので、不吉な予感がありました・・・(普段の海外一人旅では、酔っぱらうという行為は事件・事故に直結するとても危険な行為なので、酒は一切飲まないようにしています)。ここで編集者・絵本作家で絵本談議が始まりました。隣席の中国人グループが中国の強いタバコをプカプカふかしています。中国のマナーもここ数年、かなり良くなりましたが、この辺境の地は、良くも悪くも、まだまだ昔の中国のままです。軽い高山病に強いアルコールが入り、頭痛が増し、微熱が出てきました。しまいには、タバコの匂いが漂ってくる度に、1秒以内ですが一瞬気を失います~。せっかく真面目な絵本の話し合いをしていたのですが、もう絵本談議どころではありません。後半は頭がもうろうとし、考える余裕もありません・・・。
 食事が終わると部屋へ直行。絵本作家の大島さんが先日から風邪のようで、コンコンと咳を連発しているので、私もその時フラフラしていましたが、風邪薬をあげました。大島さんは海外旅行は初めてという事で不慣れな様子ですので、旅慣れた私がホローするのは当然なのです。旅の道中は、助け合い精神が肝要です。
 部屋に入ると、頭痛薬を服用してから、シャワーを浴びようとしましたが、かなり気温が低い上にホテルには何故か暖房設備がなく、既に体調がおかしいので、服を脱ぐとガタガタと酷く震えだしました。こんな妙な症状は、北海道の極寒の中で、極めてぬるい露天温泉に入った時以来です。これはやばいと思い、シャワーを浴びずに、手持ちの服を着れるだけ着込み(厚手の服を持っていません)、即座にベッドにもぐりこみました。ベッド内には保温シートのような器具が敷いてあり、それを付けて、それでも寒過ぎてガタガタ震えながらも、疲れからか、案外早く眠りに入りました。1時間程して目が覚めると身体は温まり、体調は既に快方に向かっている様子です。保温シートを睡眠モードに弱くして、またすぐに眠りにつきました。これまでにも海外・国内の旅先で、幾多の困難・苦難・疾病を乗り越えてきた私です。どんな時にどんな対応をしたら良いかは、心得ているのです。

中国写生旅行2019湟中 「クンブム(タール寺/塔爾寺)」 絵本編集者・作家の皆さんと

中国写生旅行2019湟中 「クンブム(タール寺/塔爾寺)」 大金瓦殿

中国写生旅行2019湟中 「クンブム(タール寺/塔爾寺)」 チベット僧と

中国写生旅行2019湟中 「クンブム(タール寺/塔爾寺)」 如来八塔

中国写生旅行2019湟中 「クンブム(タール寺/塔爾寺)」

中国写生旅行2019西寧郊外の食堂、青海省の麺は美味い!!

中国写生旅行2019青海省 「青海湖」 ミュージシャンのアルバムみたいで、なんかカッコいいね~。

中国写生旅行2019青海省 「青海湖」

中国写生旅行2019青海省 「青海湖」

中国写生旅行2019青海省 「青海湖」

 6日目、9月15日(日)。朝、6時過ぎに目が覚めると、気分が多少良くなり、体調はまあまあです。高地にも1日で身体が順応してきたようです。2012年のチベット旅の時には、標高4000~5000mのラサ周辺で、最初の3日間は高山病に苦しめられましたが、その後は嘘のように体調が順応し、その後の調子は極めて上々でした。海外での過酷な一人旅では、常にトラブルがつきものですが、疾病を生じた時に、いかに早く体調を回復させるかが、死活問題・旅の成否を分ける事となるのです。
 今日も一番乗りで朝食のビュッフェをいただきますが、食欲だけは低いままです。健康的な野菜・果物・牛乳等を軽く食べました。その後、ホテルの外を散策、朝の青海湖は気持ちいい~。
 車で出発、今日は「茶卡塩湖」に向かいます。長距離の移動途中、青海湖畔を散策したり、ヤク牛の群れに遭遇したリ、チベット馬をSM号スケッチブックにクロッキーしたりしながら、車で進みました。ラサへの巡礼旅をするチベット族の家族に会ったりもしました。ここは異郷・・・、広大無辺の大地です。
 昼食を道路沿いの食堂でいただきましたが、まだ、食欲だけは回復しません。軽い高山病の名残もありますが、常に車で移動しているので、運動不足でお腹がすかないという理由もあるようです。食事を早めに済ませると、この辺りは夜かなり寒いので、外の屋台で、大きな肩掛けを買いました。3か所の店で値段を聞き、一番安そうな店で交渉。少しまけてもらい、感じのいい肩掛けを2枚で70元(1元は約15円)で購入。ヤク牛の毛織物だと思っていたのですが、後でよく見ると、パシュミナ100%と書いています。パシュミナは高級品なので、逆に少し怪しくなりましたが、良いデザインの結構高品質な品物には違いありません。
 「茶卡塩湖」に到着。南米のウユニ塩湖のように、一面のまっ白い塩と浅い水で敷き詰められた広大な湖です。中国はここをウユニ塩湖のようなインスタ映えスポットにしたいらしく、かなり観光宣伝をしています。確かに日本では絶対に見られない面白い光景ですが、中国の都会からの観光客が相当多いですね~。靴・靴下を脱ぎ塩湖に入ると気持ちいいですが、塩がザラザラで足裏が少し痛い。湖の中から、周囲の山々をSM号スケッチブックに、鉛筆・色鉛筆で10数分間スケッチ。
 この日は、「茶卡塩湖」近くの「高原紅驿站」という名のホテルにチェックイン。この辺りでは一番立派な宿泊施設のようです。夕食は近くの食堂でいただいたと思いますが、まだ食欲が完全に戻らず、あまり記憶していません。

中国写生旅行2019「青海湖」 早朝の景色は印象的だ。

中国写生旅行2019「青海湖」 絵本・児童書編集者の唐 亜明さんと。この水たまりには蛙がいたよ~ 🐸。

中国写生旅行2019「青海湖」 ラサへの巡礼旅をするチベット族の家族と。

中国写生旅行2019「茶卡塩湖」 運転手にもらった顔全体マスクが大活躍。日除けにも砂除けにも。月光仮面みたい~、怪しすぎる~~ (-"-) 。

 明日は車に長時間乗って、西寧の街に戻ります。素敵なチベット族のご家庭訪問も・・・。この様子はまた次回といたしましょう・・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-10-01

後藤 仁「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海)写生・絵本研究旅行」 その2

 2019年9月10日(火)~21日(土) 「中国(南京・揚州・西寧・敦煌・上海) 写生・絵本研究旅行」(12日間)の続きです。

 3日目、9月12日(木)。朝食は「鳳凰台飯店」のビュッフェをいただき、チェックアウトし、車で揚州に向かいます。途中、「兜率寺(とそつじ)」という小さな寺に寄りました。ここは南京の児童書・絵本出版社の社長・周 翔さんのお気に入りの寺ということで、ガイドブックには絶対に載っていない穴場の寺で、自然な趣があります。
 揚州に到着。昼食は「冶春茶社(やしゅんちゃしゃ)」という早茶(朝に茶楼で肉まん等を食べること)の有名店で、揚州炒飯(揚州が炒飯の発祥地だとか)と肉まん等をいただきました。どれもしっかりとした濃いい味だが、とても美味しい。
 今日の宿は、「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」という、古い建物をそのまま活かして、宿泊用にリノベーションしたホテルにチェックイン。平屋の部屋部屋は昔の面影のままで、とても風情があり素敵です。水回りは綺麗な最新設備です。
 その後、皆さんと揚州の「東関街」をぶらつきました。「汪氏小苑」(清代の塩商人の邸宅)ここで台所をSM号スケッチブックに20分程スケッチ、「東門城楼(宋代の城門)」等を見物。ホテルに戻り、ロビーで待っている間に、絵本編集者・唐 亜明さんを数分でクロッキー。
 夕食の前に、「正誼書院・汶河小学」という儒教教育を行っている小学校の校長先生のご招待で、小学校を見学。古い建物を保存・再建した素晴らしい学習環境を拝見し、こんな学校で学べる子ども達はうらやましい限りです。この小学校で創った絵本等の贈り物をいただきました。
 途中、夜の「東関街」で絵画修復をしている工房を見学してから、夕食のレストランへ。小学校の先生方と出版社・作家の皆さんで、豪勢な食事を堪能しました。ここでもアヒル(合鴨)の頭煮が出ました。揚州の料理は南京と似ていますが、少し辛い料理もありました。いずれも美味です。
 ホテルに戻ると、夜の「長楽客桟」を一人散策しました。庭内だけでも結構広くて見どころが沢山ありますね。揚州には、月夜が似合う・・・。こんな静かで素敵な環境で、今夜はぐっすり眠れました・・・。

中国写生旅行2019南京近郊の「兜率寺(とそつじ)」にて

中国写生旅行2019揚州 「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」の趣ある部屋、予算があればゆったり連泊するのもいいね~ (^。^)y

中国写生旅行2019揚州 「正誼書院・汶河小学」 校長先生と、 素敵すぎる小学校だね!

中国写生旅行2019揚州のレストランでもアヒルの頭煮が・・・。南京よりも花山椒が効いていてピリ辛。

中国写生旅行2019揚州のレストランにて、 「正誼書院・汶河小学」 先生方とご一緒に

中国写生旅行2019「揚州長楽客桟主題文化酒店(長楽客桟・街南書屋)」の庭にて、 揚州には月がよく似合う~。


 4日目、9月13日(金)。早朝5時前に鳥の声で目が覚めた私は、スケッチブックを持って部屋を出てみました。さらに、ホテルを出て「東関街」を散策。通りには、観光客はおろか、住民さえほとんどいません。朝日が「東門城楼」方向から差し込んできました。城門に向かうと、丁度、門の中央から朝日が昇るところです。これは絶景。「早起きは三文の徳」ともいいますが、まさにこのことですね。門を抜けて、古運河まで行き、そこで体操をしました。気分がすこぶる良い。「東関街」に戻ると、「東門城楼」をF4号スケッチブックに1時間程かけて、鉛筆・色鉛筆で描く。(今回の旅は集団旅行という制約上、結果的には、F4号はこの一枚しか描けませんでしたので、貴重な1枚になりました。)
 この日の朝食は確か、部屋で軽食(お菓子等)で済ませたかと思います。現在の揚州は、かなり観光化されているとはいえ、古の雰囲気を今に伝える、夜の月景と、早朝の朝日が美しい、趣のある古都でした。
 今日は車で南京に戻り、西寧に飛びます。途中、「痩西湖」という、西湖に似ているが細長いという湖を見物。「南京禄口国際空港」に着くと、空港内のレストランにて皆で水餃子を食べてから、チェックイン。

 14:30南京 発 → 〈東方航空2747〉 (途中、石家荘で乗継55分間) → 19:30西寧 着

 西寧には、2012年4月の「中国、チベット・四川省 写生旅行」 〔絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の取材〕で一度訪れていましたが、その時は「クンブム(タール寺)」だけ取材し、夕方にはチベット鉄道でラサに向かったので、宿泊できませんでした。今回は西寧に泊まれるので実に楽しみです。
 この日の宿は、「和頤至格酒店」という、これまた立派過ぎるホテルです。いつもの海外旅では、一泊150円~1000円以内(高くても2000円以内)のゲストハウスに泊まり、屋台や庶民的安レストランで食する、貧乏バックパッカー 一人旅をしている私ですが、最近、このような豪勢な招待企画旅行に参加する機会があります。日常から質素倹約を旨とする私は(実はただの極貧画家なのだが)、こんな贅沢をして、天罰が当たらなければいいのだが・・・・。今回の旅をコーディネートして下さった、南京の児童書・絵本出版社に感謝!!。
 夕食は皆さんで、今、中国で大人気という「呷哺呷哺(「しゃぶしゃぶ」と読むらしい)」の店で、しゃぶしゃぶをいただく。とても旨いけど、お腹一杯です~。日本人の作家さん達も、そろそろお腹がもたれ気味らしいけど、私はまだ大丈夫~~。
 今夜も豪勢なダブルベッドでおやすみです・・・。

中国写生旅行2109揚州 早朝「東関街」の日の出、 この辺りからF4号にスケッチ

中国写生旅行2109揚州 「痩西湖」

 この続きは次回といたしましょう。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁
 

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ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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