2018-01-31

複製権センター 新年会、著団協 新年賀詞交歓会 出席。後藤 仁

 2018年1月23日は、銀座の画廊を幾つか回り、その後、「複製権センター 新年会」(青学アイビーホール、表参道)に日本児童出版美術家連盟(童美連)の著作権部の主要メンバーである、あんびるやすこ さん、しばはら・ち さん、ほか数名とともに参加。文化庁の著作権担当官や各界の著作権担当者、100名近くの人々が勢ぞろいしました。
 私個人的には、その土地土地の”人”をその場の雰囲気とともに撮られる作風で知られ、私が前から大好きな写真家である、田沼武能先生にお会いできたのはとても嬉しかったです。
 私はこの新年会には初参加なので、当日の会の雰囲気が分からなかったのでカメラを持っておらずに残念・・・。また来年も参加できればと思います。

複製権センター新年会「複製権センター 新年会」(青学アイビーホール、表参道) 童美連の ひらてるこ さんが写真を送って下さったので掲載いたします。新年会に参加した童美連のメンバーです。

 1月30日は、ちひろ美術館・東京の「日本の絵本100年の歩み」展を拝見。なかなか見に行く時間が取れずに、会期終了ぎりぎりになりましたが、とても良い展覧会でした。この展覧会は日本児童出版美術家連盟(童美連)も「後援」しています。
 竹久夢二、武井武雄、村山知義、初山 滋、いわさきちひろ、赤羽末吉、太田大八といった日本絵本史を彩って来た絵本作家から、私が日頃、童美連や絵本学会等で親しくしていただいている、西巻茅子さん、田畑精一さん、村上康成さん、杉浦範茂さん、いわむらかずお さん、長野ヒデ子さん、浜田桂子さん、和歌山静子さんといった、ベテラン絵本作家の作品もたくさん展示されていて感激!!。

ちひろ美術館・東京ちひろ美術館・東京

 次に神保町に移動して、「神保町ブックハウスカフェ」に寄り、浜田桂子さんの絵本原画展を拝見。浜田さんの作品はいつも社会性・メッセージ性が高くて、深く考えさせられるものが多いです。
 神保町の別の画廊を見て、こどもの本の古本屋みわ書房で絵本を探しました。文化功労者・恩賜賞受賞者の日本画の大家、稗田一穂先生の幻の絵本「しらさぎの くる むら」(稗田一穂 画、いぬいとみこ 文/福音館書店こどものとも、1958年)を発見、感動です!!。(ただ、1989年復刻版ですが、それでも貴重です。)稗田先生は、私と同じ大阪市立工芸高等学校、東京藝術大学を卒業されているので、学校の大先輩にも当たるのです。和歌山静子さんの初期の作品「ねずみたいじ」(福音館書店こどものとも、1978年)もありましたので購入。

神保町ブックハウスカフェ神保町ブックハウスカフェ

 その後移動して、「日本著作者団体協議会(著団協) 新年賀詞交歓会(新年会)」(日比谷聘珍樓、千代田区)に出席しました。
 文化庁の著作権担当官をはじめ、写真家の田沼武能先生 等の各界の先達30名程がそろわれました。なかでも、日本画家の大御所、中島千波先生にご挨拶できたのは良かったです。中島先生には、東京藝術大学の加山又造先生か後藤純男先生の退官記念展の時や、平山郁夫先生のお別れ会の時等に、度々、お見掛けしていたのですが、タイミングが合わずに、今まで直接お話をした事がなかったのです。中島先生はとても気さくな方で、日本画家としては誠に珍しいタイプの人です。先生とは、色々、日本画の話ができて嬉しかったです。
 今日はなかなか充実した一日だったね~。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

著団協 新年賀詞交歓会「日本著作者団体協議会(著団協) 新年賀詞交歓会」(日比谷聘珍樓) ビル28階の日比谷聘珍樓からの眺め。まさに東京の夜景ですね~。

著団協 新年賀詞交歓会「日本著作者団体協議会(著団協) 新年賀詞交歓会」(日比谷聘珍樓) 写真家・田沼武能先生の乾杯の音頭

著団協 新年賀詞交歓会「日本著作者団体協議会(著団協) 新年賀詞交歓会」(日比谷聘珍樓) 日本画家・中島千波先生と私・後藤 仁
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ジャンル : 学問・文化・芸術

2018-01-26

後藤 仁 東北・福島 絵本寄贈プロジェクト・絵本贈呈式 開催!!

★東北・福島 絵本寄贈プロジェクト・絵本贈呈式★

 私は、絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』(福音館書店こどものとも)を、2013年2月1日に出版した直後から現在まで、各方面への「絵本寄贈プロジェクト」を続けて来ました。一つには、当然ながらより多くの人々に自分の描いた「絵本」を見てもらいたいという作家としての思いからです。もう一つは、東北被災地等の国内を始め、発展途上国の国々等、まだまだ「絵本」が足りていないであろう所に少しでも「絵本」を届けたいという率直な願いです。この活動は、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)以降にも継続しています。
 出版社から自費で作画絵本を取り寄せ、一枚一枚に自筆サインを書き込んで、梱包して送付します。可能ならば国内・国外問わず、直接、足を運んで手渡ししていきます。現在(2017年12月)までに、東北被災地、松戸市・柏市周辺、中華人民共和国、スリランカ等の児童施設・学校・図書館 等に、計1,500冊位は寄贈して来ました。このプロジェクトが、「東北を忘れない・社会全体で助け合おう」という意識喚起にもつながるのではないかという期待もあります。
 東北等の被災地を始め、日本中いや世界中にはまだまだ「絵本(絵画・芸術・文化)」を必要としている所は多々あります。私は多くのアジア圏を旅しましたが、極めて貧しい生活を強いられている子供達を多く目の当たりにして来ました。幼い子が懸命に労働をしている姿を何度も見て来ました。(しかし、生活は貧しくとも、大抵の子供達の目はキラキラと輝きとても明るく元気です。)
 また、混迷する世界情勢の中で、日本画家の私が日本の伝統的な絵画表現である日本画で、中国等の民話を「絵本」に描く事により、日本と中国、そして世界への文化交流・平和交流の一助になれるのではないかという提唱でもあります。

 私は2013年、東北被災地に取材と絵本寄贈を兼ねた旅をしました。震災から数年を経たその時点でさえ、あまりの酷い状況に、言葉を失い、何度も涙しました。〔私のブログに書いています。→ http://gotojin.blog.fc2.com/blog-entry-41.html
 この度の東北・福島への「絵本寄贈プロジェクト」では、元法務大臣・いわき市長の岩城光英さんに全面的なお力添えをいただき、今回の「絵本贈呈式」開催に結びついた事を、岩城さんへの感謝の念と共に、付記しておきます。
 今回の東北への絵本寄贈の後は、ネパール大地震や熊本大地震の被災地への「絵本寄贈プロジェクト」を計画しています。私の微力ではなかなか及びませんが、時間をかけてでも機会があるごとに少しずつでも、日本中・世界中の子供達への「絵本」の寄贈を継続していかなければならないと考えています。     

          *
    
「東北・福島 絵本贈呈式」

 私から大熊町いわき出張所への「絵本贈呈式」。絵本3種類を、大熊町いわき出張所を通して、福島県双葉地方8町村の幼稚園・小学校・中学校 24校に、計120冊をご寄贈いたします。

○絵本寄贈先
福島県双葉地方8町村の幼稚園・小学校・中学校 24校に、計120冊

○寄贈絵本リスト
絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』 (福音館書店こどものとも)1校1冊 計24冊
絵本『わかがえりのみず』 (鈴木出版こどものくに ひまわり版)1校3冊 計72冊
絵本『金色の鹿』 (子供教育出版 石井式育み文庫)1校1冊 計24冊
 総計 120冊

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)

絵本『わかがえりのみず』(鈴木出版)絵本『わかがえりのみず』(鈴木出版こどものくに)

絵本『金色の鹿』絵本『金色の鹿』(子供教育出版)

○出席予定者
 岩城光英 様(元法務大臣、元いわき市長)

 武内敏英 様(大熊町教育委員会 教育長)
 小野田敏之 様(葛尾村教育委員会 教育長)
 秋元 正 様(川内村教育委員会 教育長)
 浅野 一 様(広野町教育委員会 教育長)
 舘下明夫 様(双葉町教育委員会 教育長)
 石井賢一 様(富岡町教育委員会 教育長)
 青木 洋 様(楢葉町教育委員会 教育長)
 〈所用により欠席〉畠山熙一郎 様(浪江町教育委員会 教育長)
 
 後藤 仁  (日本画家・絵本画家)

 
●日時 : 2018年2月7日(水) 13時30分~

 「絵本贈呈式」式次第(予定)
   13:30 開会
        主催者挨拶
   13:40 岩城光英 様による後藤 仁の紹介   
   13:45 絵本贈呈
   13:50 後藤 仁 挨拶
   14:00 質疑応答
   14:10 記念写真撮影
        閉会
   (以降、別室で後藤 仁への取材)

●場所 : 大熊町いわき出張所
(〒970-1144 福島県いわき市好間工業団地1-43)
 【フリーダイヤル】0120-26-5671(代表)
 【電話】0246-36-5671(代表)
 【FAX】0246-36-5672  受付時間 8:30~17:15(平日)
  http://www.town.okuma.fukushima.jp/guidebook/いわき出張所

●後援 : 福音館書店、鈴木出版、子供教育出版

【※「絵本贈呈式」は、新聞社・テレビ局等のメディア関係者のみに一般公開すると思われます。ご取材のお申し込みは、私もしくは、直接、大熊町いわき出張所にお問い合わせ下さい。今後、多少の内容変更の可能性もありますので、ご取材・ご掲載等をご検討の新聞社・テレビ局等 メディア関係者の方は、随時、ご確認下さい。 
 今後、「絵本寄贈プロジェクト」に何らかの形(絵本寄贈先のご紹介 等)でご協力いただける方がおりましたら、私にご連絡下さい。】

テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

2018-01-15

「後藤 仁 松戸 絵本贈呈式」を開催、絵本『わかがえりのみず』贈呈

 2018年1月12日は、「後藤 仁 松戸 絵本贈呈式」を開催しました。私の作画絵本『わかがえりのみず』55冊を、松戸市教育委員会を通して松戸市立小中学校 知的障害特別支援学級に贈呈し、松戸市教育委員会 教育長から御礼状をいただきました。
 近年の松戸市は、様々な文化・芸術事業にも力を入れており、とても良い傾向だと思います。今後ますます、文化的・芸術的に発展した先進的な町になっていく事を、作家として一住民として期待しています。

 当日は、数社の地元テレビ局と新聞社の方が取材に来られました。「後藤 仁 松戸 絵本贈呈式」の模様は、千葉テレビ(チバテレ)「NEWSチバ600」 12日(金)18時~と、「NEWSチバ930」 12日(金)21時30分~、で放送されました!!

○千葉テレビ(チバテレ)ニュース「松戸市 日本画家が絵本を寄贈」
http://www.chiba-tv.com/info/detail/14471
○Yahoo!ニュース「松戸市在住の日本画家 後藤仁さん 自身作画の絵本55冊を寄贈」  (現在、配信終了)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180113-00010001-chibatele-l12
○千葉テレビ放送NEWS ─ LINEアカウントメディア「松戸市在住の日本画家後藤仁さん 自作絵本寄贈」
http://news.line.me/issue/oa-chibatvnews/e8c9b48e4384?utm_source=Facebook&utm_medium=share&utm_campaign=none&share_id=uyb16189121668

 J:COMチャンネルが見れる方は、デイリーニュース「松戸 東北・福島 絵本寄贈プロジェクト・絵本贈呈式」 15日(月)17時40分~(繰り返し放送あり)、でも放送予定です。ぜひご覧下さい。
https://c.myjcom.jp/jch/dailynews/index.html

松戸絵本贈呈式私より松戸市教育委員会 教育長 伊藤純一さんへの絵本・目録 贈呈

松戸絵本贈呈式贈呈した絵本・目録

松戸絵本贈呈式贈呈した絵本『わかがえりのみず』(鈴木出版こどものくに ひまわり版)

松戸絵本贈呈式松戸市教育委員会 関係者の皆様と


              *

【後藤 仁 絵本寄贈プロジェクト】

 私は、絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』(福音館書店こどものとも)を、2013年2月1日に出版した直後から現在まで、各方面への「絵本寄贈プロジェクト」を続けて来ました。一つには、当然ながらより多くの人々に自分の描いた「絵本」を見てもらいたいという作家としての思いからです。もう一つは、東北被災地等の国内を始め、発展途上国の国々等、まだまだ「絵本」が足りていないであろう所に少しでも「絵本」を届けたいという率直な願いです。この活動は、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)以降にも継続しています。
 出版社から自費で作画絵本を取り寄せ、一枚一枚に自筆サインを書き込んで、梱包して送付します。可能ならば国内・国外問わず、直接、足を運んで手渡ししていきます。現在(2017年12月)までに、東北被災地、松戸市・柏市周辺、中華人民共和国、スリランカ等の児童施設・学校・図書館 等に、計1,500冊位は寄贈して来ました。このプロジェクトが、「東北を忘れない・社会全体で助け合おう」という意識喚起にもつながるのではないかという期待もあります。
 東北等の被災地を始め、日本中いや世界中にはまだまだ「絵本(絵画・芸術・文化)」を必要としている所は多々あります。私は多くのアジア圏を旅しましたが、極めて貧しい生活を強いられている子供達を多く目の当たりにして来ました。幼い子が懸命に労働をしている姿を何度も見て来ました。(しかし、生活は貧しくとも、大抵の子供達の目はキラキラと輝きとても明るく元気です。)
 また、混迷する世界情勢の中で、日本画家の私が日本の伝統的な絵画表現である日本画で、中国等の民話を「絵本」に描く事により、日本と中国、そして世界への文化交流・平和交流の一助になれるのではないかという提唱でもあります。

 特に、松戸に続く東北・福島への「絵本寄贈プロジェクト」では、元法務大臣・いわき市長の岩城光英さんに全面的なお力添えをいただき、今回の「絵本贈呈式」開催に結びついた事を、岩城さんへの感謝の念と共に、付記しておきます。
 今回の松戸・東北への絵本寄贈の後は、ネパール大地震や熊本大地震の被災地への「絵本寄贈プロジェクト」を計画しています。私の微力ではなかなか及びませんが、時間をかけてでも機会があるごとに少しずつでも、日本中・世界中の子供達への「絵本」の寄贈を継続していかなければならないと考えています。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁


「松戸 絵本贈呈式」

○絵本寄贈先
松戸市立小中学校 知的障害特別支援学級に、計55冊

○寄贈絵本リスト
絵本『わかがえりのみず』 (鈴木出版こどものくに ひまわり版) 1学級1冊 計55冊

○出席者
 伊藤純一 様(松戸市教育委員会 教育長) 他、松戸市教育委員会 関係者
 後藤 仁  (日本画家・絵本画家)

 私から松戸市教育委員会・松戸市教育長への「絵本贈呈式」。絵本『わかがえりのみず』を、松戸市教育委員会を通して、松戸市立小中学校 知的障害特別支援学級に1学級1冊ずつ、計55冊をご寄贈いたしました。

日時 : 2018年1月12日(金) 15時30分~

場所 : 松戸市教育委員会 教育長室
(〒271-8588 松戸市根本356 京葉ガスF松戸ビル5階)

http://www.city.matsudo.chiba.jp/kyouiku/index.html

テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

2018-01-09

【日本画・美人画論】日本画・美人画の真髄とは 後藤 仁

絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』表紙・部分絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(表紙・部分) 後藤 仁

【日本画・美人画論】 日本画・美人画の真髄とはどこにあるのだろうか?

 江戸時代までの狩野派、琳派、大和絵各派、水墨画各派、浮世絵各派といった様々な流派をまとめて、「日本画」というカテゴリーが明治の初めに確立してから、およそ140年が経った。明治時代には、竹内栖鳳がライオンの絵を描いただけで、「これは日本画の花鳥画の画題にあらず、日本画とは言い難し」と師匠筋から厳しく批判・非難されたそうだ。
 現在では、日本画の画題・テーマに関しては何でもありの感であり、日本画の画材(岩絵の具、水干絵の具、膠 等)を用いさえしていれば「日本画」とされる。
 しかし、それでは日本画材を使用していれば、何もかもが本格的な日本画とされる事になり、日本画界がじょじょに勢いを失いつつある現在、イラストレーション・マンガ・アニメーションが全盛の昨今、日本画が存在する価値観を見出しにくい。私はやはり、他の絵画ジャンルにはない「日本画」ならではの独自性・優位性を意識して描いていきたいのだ・・・・。

日本画「トン族琵琶歌~チャンファメイ」日本画「トン族琵琶歌~チャンファメイ(中国 貴州省)」(P25号・部分) 後藤 仁
 
 絵画には「画品」という観念がある。古来より、日本画も美人画も、「画品」、つまり”絵の品格”というものが大切だと考えられてきた。あと、絵画作品は、「骨格」がしっかりしていないといけないとされる。骨格とは、ただ人や動物の骨をとらえる事をさすだけでななく、物体の構造を解明しようとする精神の働きであり、万物の”本質”に迫ろうとする意識の事で、人物画のみならず、花鳥画・風景画・静物画 等、全ての絵画ジャンルに必要な要素である。その辺りが、絵画と、イラスト・マンガ・アニメとを分ける重要なポイントなのではないか。
 本来、絵描きの私が他人の作品をとやかく言う立場ではないのだが、近年の日本画界の動向を見ていると思う事が多々あるので、どうせ私の絵画論など出版物(本)になる機会は少ないだろうから、ブログで述べておこうと思う。~~

 最近、私は、日本画家が「絵本」を描く場合の問題点を、度々ブログ等でも述べてきたが、逆に近年、他ジャンルから参入し、日本画家を名のる人も度々見かける。かつて、院展・日展・創画会の三大派閥一辺倒だった保守的・閉鎖的な日本画界に、近年、無所属作家の活躍が目立ち始め、業界の再編成が行われようとしている。そのような日本画壇・日本画団体の空洞化・弱体化の空気を察してか、他ジャンルから日本画界に新規参入する作家も度々見かけるようになってきた。様々な絵画ジャンルが垣根を越えて切磋琢磨し合うのは実に良い事で、絵画界全体の活性化につながる。ただ、それぞれのジャンルには、それぞれのこだわりもあり、人間関係もあるので、実力のない者の安易なる他ジャンル参入は好結果を招かないものである。
 近年になり墨彩画を描き出した有名芸能人が日本画家と名のっている例等は論外だが、ある著名な人物画イラストレーターも近年、日本画家を名のり出したし、独学で日本画を学んだとかいう、ある美人画家は最近、話題であるらしい。
 後者の二人は、上手いは確かに上手い人達であるが、いずれも本格的に日本画や絵画の基礎(デッサン・写生、着彩、模写 等)を学んでいないようで、絵画的な骨格感を感じない。また、その三者目の美人画家は、絵が顕著に写真的でもあり、画品に欠けるところがあり、私等が見ると、通俗性が目につき、ひきつけられないのである。
 また、幼少期や大学時代から日本画をおさめた本格的とされる日本画家でも、同様の問題を感じる作家は少なくない。近年、テレビにも頻出する、美人画・家ならぬ美人・画家ともてはやされる日本画家の絵は、上手いは上手いが、やはり画品に大きく欠け、どうしても良さが理解できない。まあ、いずれも今、とても人気の方々らしいので、少なくとも私よりは腕は確かなのだろう・・・。

日本画「クマリ-The Living Goddess-(ネパール)」日本画「クマリ -The Living Goddess-(ネパール)」(F50号) 後藤 仁

日本画「Beautiful village - 美しき村 -(ベトナム)」日本画「Beautiful village - 美しき村 -(ベトナム)」(F30号) 後藤 仁
 
 これまでの日本画史上でも、日本画の「画品」については個性・勢い等を阻害する要因とも考えられ、大正時代や昭和後期~平成時代には、品格にとらわれずに、下品だろうと通俗的だろうとエログロであろうと、インパクト・芸術性があれば良しとする考えが度々台頭してきた。たしかに私も若い時分(30歳代まで)にはそのように考えた。ただ、今日のように多くの絵画ジャンルが入り乱れる時代、日本画の独自性・優位性が見出せず、このまま行けば日本画界の衰退が必定の現代で、私が日本画ならではの本質的に重要な”真髄”とは何かを考察する時、改めて「画品」というものの重きに思い至るのである。
 大正から昭和初期に活躍した美人画家の鏑木清方、・・・さかのぼれば、長谷川等伯・円山応挙・伊藤若冲 等の崇高なまでの「画品」が私の目指したい境地であるが、容易には到達できない高みにある。
 私はこれからも高き審美眼・美意識を磨き、保守的・様式的ではない、清新で深遠な私ならではの「画品」を追求し、日々、制作にいそしみたい。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

テーマ : 絵画
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学・デザイン科非常勤講師。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本美術家連盟(常任理事:中島千波先生 他)会員。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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