2017-05-24
ユネスコ無形文化遺産・大垣まつり2017、赤穂・坂越の旅 その2

今日は午後2時から、赤穂市文化会館ハーモニーホールで、赤穂の人に会う約束があります。まだ詳細は書きませんが重要な打ち合わせです。赤穂市の元職員・職員のご案内で、赤穂市の前市長の豆田正明さんや市職員関係者の方々にご挨拶しました。豆田さんは、今は公益財団法人 赤穂市文化とみどり財団の理事長をされています。私の親類(母の義兄)がかつて赤穂市の市議会議員をしていたので、話は通りやすいです。その後、現職の赤穂市市長の明石元秀さんにもご挨拶しました。とてもお忙しそうで15分しか会談の時間がありませんでしたが、市長からは快いお返事をいただき、私の故郷である赤穂市の為に力になる事をお約束しました。私は日本画家時代から個展会場や集会等で、政治家(国政・区市町村政)や各国大使、役所関係者にお会いする機会も度々あり、私の師の後藤純男先生(東京藝術大学名誉教授、日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)のパーティー会場やアトリエには、市長・町長や埼玉県警の警視正の方や会社の社長・会長、百貨店の美術部長等が頻繁に訪れていましたので(私はお会いした事がないですが、デヴィ夫人がアトリエに訪問された時の写真もありました)、私も大概の大物にお会いする事には慣れています。
その後、赤穂市職員の方のご案内で、私の生まれ故郷の赤穂市坂越(さこし)を回りました。私が通った坂越保育所、坂越幼稚園を訪ねて所長、幼稚園教諭達とお話をしました。私が通った当時、幼稚園では誕生日に「絵本」を一冊プレゼントしてくれるイベントがあり、とても楽しみだった事を覚えています。その絵本室は、私の思い出の中の光景よりずっと本棚が低かったですが、今もありました。次に、大避神社(おおさけじんじゃ)の参道で観光客へのカフェサービス等をしておられる方にご挨拶し、夕方、家に帰りました。


16日は、一人で坂越の大避神社にお参りし、その裏口を抜けて裏山の茶臼山に登りました。このコースは昔(3歳位の頃)、今は亡き父に手を引かれて登った、私の一番好きな思い出のコースなのです。茶臼山山頂から生島(いきしま)を、F4号スケッチブックに1時間程、スケッチしました。帰省する度にこの山に登るのですが、ここで絵を描いていると、いつも、思い出がこんこんと湧き出て、涙があふれるのです。生島は、私が子供の頃、「ひょうたん島」と呼んでいた、面白い形をした島で、生島樹林は国の天然記念物に指定されています。
次に、赤穂市立坂越小学校に寄って、校長先生とお話しました。
午後1時から、また赤穂市職員の方とお会いする予定があり、赤穂市立図書館に寄りました。この図書館は最先端の設備が整っており、とても素敵な図書館です。ここで、私が子供の頃、坂越保育所で保母さんをされていた方にお会いしました。私の事を覚えて下さっており感激です。職員の方が連絡を取ってくれたのです。赤穂の人は義理堅い人が多いのですね。ただこの頃、「大垣まつり」から続く連日のハードスケジュールがたたって、軽い のど風邪の症状が出て来ました(1週間後の今も軽い症状が続いています)。この後、室津(むろつ)を取材する予定でしたが、あまり時間がないので、赤穂城・大石神社と赤穂八幡宮周辺を散策しました。






17日は、赤穂近くの上郡(かみごおり)の「アキノイサム展」を拝見しました。秋野亥左牟さんは私の好きな絵本作家のお一人で、その母親は日本画家の巨匠(文化勲章受章者)で絵本も描いた秋野不矩(ふく)先生です。この場所は元々、秋野亥左牟さんのアトリエがあった場所で、現在、亥左牟さんはお亡くなりになり、奥様の和子さんとそのお子さんがアキノイサム美術館を守っています。近所に住む絵本朗読をされている方々を交えてお話をしました。
その後、一人、有年(うね)の赤穂市立有年考古館(第二次世界大戦中の戦意発揚紙芝居が展示してあり興味深く拝見しました)や東有年・沖田遺跡公園を見学し、私の母が育った真殿(まとの)の廃屋寸前の民家に寄って、旧坂越浦会所と坂越まち並み館を訪ねてから、赤穂御崎の海を眺めてSM号スケッチブックに10分程スケッチしました。伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)から赤穂御崎の海にまっすぐ抜ける光景は、私の最も好きな場所の一つです。デジャヴのような、不思議な懐かしさに包まれる、不思議な海の光景なのです。

この1週間で、大垣と赤穂と合わせて、およそ30人位の方々にお会いしてご挨拶しました。朝5時起きの東京造形大学から続くハードスケジュールに、さすがの体力自慢の私も疲労しました。
18日は6時間位かけて、在来線と新幹線を乗り継いで、千葉県松戸市のアトリエに帰りました。
19日は、また東京造形大学の絵本講義。熱心な学生達が待ってくれている事でしょう。その夜は、絵本作家・きむらゆういち さんの立派なアトリエへおじゃまして(私もイラストを一枚描いて、きむらゆういち さんの絵本作家イラストコレクションに加えてもらいました)、その後、長野ヒデ子さん、アーサー・ビナードさんの講演会を聴きました。
誠に忙しい昨今、中年おやじの体が持つのか分かりませんが、世の為人の為、色々と頑張って行きましょうか。





日本画家・絵本画家 後藤 仁