2015-12-06

「えほんdeわっしょい10・えほんマルシェ」(有田川町地域交流センターALEC) その2(最終回)

 11月23日(月)、和歌山県 有田川町地域交流センターALECで、絵本イベント「えほんdeわっしょい10 ・ えほんマルシェ」が開催されました。私もスペシャルゲスト(絵本作家)として、イベントに招待されました。

 朝9時半過ぎ、招待作家は貸切の専用バスで、いよいよイベント会場に到着します。今日は小雨まじりの曇り空です。はたしてお客様は来ているでしょうか・・・。
 会場の近くに来ると車が渋滞しています。イベント会場に続く道路が車で一杯なのです。駐車場は満車で、臨時の駐車場もぎゅうぎゅうだといいます。会場は、数千人はいるかと思われる程のたくさんのお客様でにぎわっていました。 !(^^)!
 バスで乗りつけると、入口に並んでいる多くのお客様の視線がいっせいにそそがれました。まるでプロサッカー選手にでもなった気分です。私達は裏口から休憩室に案内されました。
 イベントの中心となる作家以外のゲスト作家の私達は、当日何をするのか、ほとんど把握していません。「何をやらされるのかな~」と少々不安です。

 10時過ぎ、「宮本えつよし さん・絵本作家さんと おばけファッションショー」が始まりました。このイベントは、絵本作家の宮本えつよし さんが企画・進行され、面白おかしい関西弁トークがさく裂します。子供よりむしろ私達大人が爆笑しています。
 子供達と一緒に、カラフルなビニール袋やビニールテープを使って、お化けの衣装を作りました。生来、ものづくりの大好きな私は、童心にかえって一生懸命作りました。私は自身の描いた絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)の主人公の女の子・チャンファメイに扮する事にしました。中国少数民族トン族の紺色の衣装を仕立て、頭にはぐるぐるに巻いた髪の毛を模した被り物を装着(決してヅラではありません ( ゚Д゚) )。後で思うと、肝心のスカートを作るのを忘れていました。オカマ感が出ないわけだ・・・。

えほんdeわっしょい10「宮本えつよし さん・絵本作家さんと おばけファッションショー」 こんな格好で全く説得力がないが、子供のファッションを「かわいいね~!」と講評する私。

えほんdeわっしょい10「宮本えつよし さん・絵本作家さんと おばけファッションショー」 左から、しばはら・ち さん、宮本えつよし さん、私、加納果林さん、星野イクミさん、うさ さん、かんべあやこ さん。それぞれ、こだわりのテーマがあるようです。町田尚子さん、山本 孝さんは「お化け屋敷」で奮闘中。

えほんdeわっしょい10「宮本えつよし さん・絵本作家さんと おばけファッションショー」 左から、しばはら・ち さん、宮本えつよし さん、私、加納果林さん、星野イクミさん、うさ さん、かんべあやこ さん。 「ママ!変な大人たちがいるよ~!!」 (;´Д`) 

 その後、昼食の弁当をかきこみ、すぐに「有名作家さん?ガラスライブペイント」に登場。私は、またもや拙作絵本の主人公・チャンファメイを、ガラスに大きく描きました。ガラス面はすべる上、普段使用しないマジックペン・ポスカでのぶっつけ本番での描写は結構難しく、上手く描けません。これはこれで慣れがいるな、と思いました。チャンファメイの周りには、私が小学生の頃からよく描いて来た様々なキャラクターイラストを描き込みました。見に来た子供達のリクエストにも応えて描きます。チベットの犬、ネコ、ウサギ、キツネ、タヌキ、ブタ、パンダ、ネズミ、イモムシ、ミノムシ、カエル、タコ、イカ、ブドウ・・・etc. 実は私は、渋い日本画だけではなく、可愛らしいイラストも変幻自在に描けるのです。 天才だ~ (?_?) 
 ある子供が面白い課題を出してくれました。・・・・私「何を描いてほしい、何でも描けるよ~。」 男の子「横向きのおじいさん。」 私「 ( ゚Д゚) (なぜ横向きなんや)・・・・、よし来た。」 子供のセンスは本当に面白いね。横向きのおじいさん、等なかなか出て来ない発想です。
 ガラスペイントの途中、大阪市立工芸高校美術科の後輩で、今、日展等に出品している和歌山在住の日本画家の友人も来てくれました。制作中であまり話も出来ずに残念。展覧会やイベントでは、懐かしい恩師や旧友に出会える事もあります。
 1時間位、ガラスペイントを楽しみ、大きなガラス面一杯を絵で埋めつくしました。

えほんdeわっしょい10「ガラスライブペイント」

えほんdeわっしょい10「ガラスライブペイント」 絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)より、主人公の女の子・チャンファメイを描きました。

えほんdeわっしょい10「ながいかみのむすめチャンファメイ」と、様々な動物キャラクターたち  画:後藤 仁

 有田川町絵本コンクール受賞者6名の紹介と絵本読み聞かせの後、午後1時から、メインイベント「宮西達也、真珠まりこ トークdeわっしょい」が始まりました。ところが、映写機械のトラブルで映像が映りません。宮西さんが機転をきかして、私達ゲスト作家を壇上に上げて色々な質問をしていき、時間をかせぎました。後で思うと、これがなかったら、お客様は私達ゲスト作家について、ほとんど何者か分からないままだったのではないでしょうか・・・。
 しばらくすると映写機械も直りました。宮西さんのトークは絶好調で、ユニークな話術がとびきり冴えていました。絵本作家は芸達者な方が多いですね。映写機械トラブルの影響で、宮西さんの絵本朗読が一話削られ、私の朗読出演の時間はなくなったようです。最後には全員で「もったいないばあさん音頭」を踊って終了しました。
 私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』を元に考案されたというワークショップ企画、「チャンファメイの髪飾りを作ろう」のコーナーでは、全ての材料が売り切れたそうです。
 私は「人物画(美人画)」をメインテーマに描いていますので、機会があれば人の動作をスケッチします。ただ、今の時代なかなか他人を描くのは難しいので、こんな時に描いておきたいものです。ワークショップで絵を描く子供達や、宮本えつよし さんのサイン風景等を軽くスケッチしていると、もう帰る時間が来たようです。
 この様にして、とても楽しい時間を過ごせ、思い出深い体験となりました。

えほんdeわっしょい10「宮西達也、真珠まりこ トークdeわっしょい」 宮西達也さんのトークが冴えます。会場は異様なほど、ぎっしりの人・人・人です。

えほんdeわっしょい10「宮西達也、真珠まりこ トークdeわっしょい」 真珠まりこ さん、うさ さん、かんべあやこ さん、しばはら・ち さんの絵本朗読。

えほんdeわっしょい10「宮西達也、真珠まりこ トークdeわっしょい」 宮西達也さん、町田尚子さん、山本 孝さん、宮本えつよし さんの絵本朗読。

えほんdeわっしょい10「宮西達也、真珠まりこ トークdeわっしょい」 もったいないばあさん音頭

 イベント終了後、専用バスで駅まで送迎していただきました。会場を出る時、バスに向かって何人かのお客様が手を振ってくれました。多くの皆様のおかげで、私達、絵本画家や日本画家が生かされているのだと、改めて感謝の念を抱きました。帰路の間、ほどよい疲労感と、やんわりとした幸福感に包まれていました。
 JR藤並駅ちいさな駅美術館で、絵本作家の大先輩・和歌山静子さんの「和歌山静子 原画展」が開催されていましたので、皆で見学しました。和歌山さんの描く人物キャラクターはとても印象的でインパクトがあります。

 15:49発、特急くろしお24号で新大阪に向かいます。車内では宮本えつよし さんの隣の席になり、よもやま話をしている内に、あっと言う間に新大阪駅です。私は乗り継ぎ時間を30分取っていたので、有田川町が用意された10分しか余裕のないチケットの宮本えつよし さん、真珠まりこ さん、編集者の皆さんと、ここでお別れしました。乗り物の乗り継ぎにはゆとり時間が必要で、ゆとりのないスケジュール組みは大失敗の元ですが、旅慣れた私には旅のノウハウがあるのです。
 新大阪駅を少しぶらつき駅弁を買い込み、17:50発 新幹線のぞみ248号で東京に帰ります。今では、もうすっかり東京人になってしまいました。本当は田舎で暮らしながら制作三昧の生活をおくりたい私ですが、当面その夢はかなえられそうにもありません・・・。

                    *

 今回の絵本イベントでは多くの発見や出会いもあり、とても有意義で充実した時間となり、参加して誠に良かったと感じています。全体としては、この絵本イベント「えほんdeわっしょい10」は大成功と言えるでしょう。有田川町の「絵本」に対する情熱・意気込みも相当高いものを感じます。この様な絵本関連の展示・イベントが、今後ますます公共団体・民間で活発になっていく事を願っています。
 ただ一つ、ご来客の皆様が相当多かったにもかかわらず、意外なほど私の「絵本」の売り上げが少なかった点が疑問です。今回は多くの絵本作家が参加しており、メイン作家ではない私ですので仕方ない部分もあるのでしょう。しかし、「絵本」が売れれば良いというものではないのですが、その作家の「絵本」の魅力を人々に広めて伝えていくのも、絵本イベントでの大きな目的であるはずです。絵本作家は「絵本」が世に広まらなければ、仕事も出来ずに、せっかく素晴らしい表現技術を持っていたとしても、作品を描く事はもとより、生きていく事すら難しくなるのです。
 つまりは、今回の企画では、メイン作家以外のゲスト作家一人一人の「絵本」の魅力を伝える何かしらの企画が足りなかったのではないでしょうか。「何か知らないが絵本作家がたくさん来て、賑やかなイベントがあったな・・・。」ではなく、「普段なかなか会えない絵本作家に出会えて、良い絵本に出会えたな・・・。」という感想が理想です。それが公立図書館・公共団体が主催する絵本イベントにふさわしい、あるべき姿なのではないでしょうか。ただ派手に人を集めて、絵本以外の利潤を追求するイベントなら、営利企業にまかせておけば良いのです。
 イベントでは何から何までお世話になりながら、こんな疑念を投げかけるのも道義に反しているかも知れませんが、今後、更なる絵本文化・美術文化の発展・向上の為にも提言しておきたいと思います。
 
  日本画家・絵本画家 後藤 仁 
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2015-12-01

「えほんdeわっしょい10・えほんマルシェ」(有田川町地域交流センターALEC) その1

 11月23日(月)、和歌山県 有田川町地域交流センターALECで、絵本イベント「えほんdeわっしょい10 ・ えほんマルシェ」が開催されました。私もスペシャルゲスト(絵本作家)として、イベントに招待されました。

 私は前日の22日(日)に和歌山県有田川町入りし、有田川町職員の皆様のおもてなしで、「選果場見学・ミカン狩り・有田川町絵本コンクール授賞式・レセプション」に参加しました。

えほんdeわっしょい10新幹線 のぞみ213号で新大阪まで、その後、特急くろしお でJR藤並駅に。

えほんdeわっしょい10特急くろしお11号で、昼食の「柿の葉すし(鯖、鮭、鯛)」を喰らいます。駅弁は美味いね。 ( ^^) _U~~

えほんdeわっしょい10「JAありだ AQ中央選果場」 おかあさん!空から段ボール箱が降って来るで~、段ボール箱のジェットコースターやな。 ( ゚Д゚)

えほんdeわっしょい10職員の皆さんが、機械でより分けられなかったミカンを更に選別します。この様な手間暇をかけて、美味しいミカンが私達の元に届けられます。
 
えほんdeわっしょい10ミカンの行進だ!! 線路は続くよ~どこまでも~♪。 "(-""-)"

えほんdeわっしょい10皆さんでミカン狩り。小学生の時以来のミカン狩りに大奮闘!! 撮影は宮本えつよし さん。
 
えほんdeわっしょい10左から、絵本作家の、かんべあやこ さん、うさ さん、私。撮影は星野イクミさんです。 みんな、食べ過ぎて肥るなよ! ( `ー´)ノ

 選果場では、その大きな規模に感嘆しながら、ベルトコンベヤーを流れる段ボール箱やミカンの選別を興味深く見学しました。ミカン狩りでは、みかん農家の方にミカンの採り方を教わり、有田みかんを袋一杯に採りました。南に面した木の上の方に付いた小ぶりなミカンが美味しいそうですよ。とても甘くてジューシーでした。

 夕方4時から、有田川町絵本コンクール授賞式です。最初、唐突に有田川町若手職員の方による面白おかしい寸劇が行われ、有田川町副町長・山﨑博司さんのご挨拶のあと、絵本作家の宮西達也さん、真珠まりこ さん、絵本編集者等から受賞者6名に賞状が手渡されました。絵本大賞は賞金50万円だそうですよ・・・こりゃ驚いた。絵本の印税より高いや!?
 5時からはレセプションです。古民家を改築した「山の家 左太夫」で豪勢なご馳走をいただきました。地元で獲れたというカニ味噌たっぷりの大きな川ガニが絶品です。命をいただくからには、きれいに隅々まで食したいものです。何もしていない私が、こんな贅沢していいのかしら・・・。 (;´Д`) 
 その後、近くのしみず温泉で汗を流しました、極楽極楽~ (^◇^) 。宴席では残った人でまだ宴が続いているといいますが、私は近年なかなか味わえない田舎の静かな夜を満喫したくて、早々に今夜の宿のコテージに戻って休みました。曇り空で星は出ていませんでしたが、吸い込まれる様な山村の夜空は印象的でした。コテージは4人部屋なので一人の私には広すぎますが、木がふんだんに使われたとても心地よいコテージです。

えほんdeわっしょい10「有田川町絵本コンクール授賞式」 突然、昔話の寸劇が・・・、有田川町には芸達者が多いようです。 (^^;)
 
えほんdeわっしょい10「有田川町絵本コンクール授賞式」 有田川町副町長・山﨑博司さん方、有田川町関係者の他、審査員の絵本作家・宮西達也さんと真珠まりこ さん、絵本編集者、受賞者、その他、私達ゲストの絵本作家が古民家に集まって授賞式が行われました。今は、宮西達也さんのご挨拶。

えほんdeわっしょい10「レセプション」 豪勢な食事に舌鼓。地産の川ガニ(名前を忘れた・・・ゼガ二だったかな?)が美味しかったネ。 (^_-)-☆

えほんdeわっしょい10コテージ。 何人かで泊まったら最高だね。 !(^^)!


 23日(月)、健やかな眠りの後、早朝6時ごろ目覚めた私は、ようやく明るくなり始めた中、コテージの周囲を散歩しました。この季節、花はあまり咲いていませんが、それでもキク科らしい小さな花々や大輪の花(調べないと名前は分かりません)が花壇に植わっていました。木々はもう紅葉の彩りです。杉林に覆われた山々は霧でかすみ幻想的です。
 前日、新幹線の中で弁当を食べている人を軽くスケッチしただけでしたので、何か良いモチーフはないかと目をこらします。進んで行くと「山の家 左太夫」に到着しました。前の有田川町旅行ではここを描けなかったので、少しでも描いておこうと鉛筆を走らせます。ところが、30分も描かないうちに朝食の時間が来てしまいました。
 朝7時30分、あさぎりレストランで朝食です。アユの網焼きと湯豆腐が美味しかったです。
 
 いよいよ、「えほんdeわっしょい10 ・ えほんマルシェ」の会場に向かいます。有田川町地域交流センターの会場まで、バスで1時間近くかかります。曇り空で時折雨がぱらついていますが、はたしてお客様は来ているでしょうか・・・。

 佳境に入って来ましたが、この続きは、次回といたしましょう・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

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プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。2017年度より東京造形大学、絵本講師に就任。千葉県松戸市在住。

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絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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