2014-06-30

絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)出版の反響

 去年の11月に絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が出版されてから現在までの半年余りで、私が確認できただけで、個人や団体のホームページ・ブログ・ニュースサイト上で拙作絵本をご紹介していただいたものは50件を軽く超えます。ツイッター上でも同じ位はつぶやかれているでしょう。図書館のホームページの特集掲載分(通常の蔵書目録は除く)等を合わせると100~200件にはのぼると思います。絵本・本専門サイトの書評掲載分等を合わせると、さらに数10件は増えます。そのほとんどは私が全く面識の無い方ですので、「絵本」の持つ普及力・広汎性には驚かされます。
 ネット社会のみならず、現実社会でもテレビ・新聞・美術専門誌・絵本専門誌・フリーペーパー等からの取材・掲載が絵本出版以降相次ぎ、数10件を超える対応に追われ、数カ月間は辟易とした位です。
 岩波書店の「絵本」は書店の買取り制ですので、店頭に平積みされる事はまずありません。派手な売り込みも無い老舗出版社からの、渋めの私の作画作品ですので、実際はぼちぼち売れ行く程度で、ロングセラーはあってもベストセラーはありえません。それでも、この位の反響があるというのが事実です。

 日本画のみで活動していた頃はインターネットをやっていなかったので比較しにくいのですが、多分軽く10倍以上の反響はあるでしょう。日本画家でこれ位の世間の認知を得ようとしたら、よほど著名作家でなければ不可能です(後藤純男先生、平山郁夫先生、中島千波先生、千住 博先生クラス)。特にしぼられた好事家だけでなく、この様に広く一般大衆に見ていただける・知っていただけるという点が、「絵本」の最大の魅力の一つでしょう。
 しかし、「絵本画」だけでは、「日本画(純粋絵画)」の持つ深み・高い芸術性にはなかなか到達できません。私の浅学の範囲では、日本の絵本画家で芸術的にも極めて深い域にまで達した作家は、いわさきちひろと赤羽末吉先生他数名しか知りません。これからも私は、この両輪で切磋琢磨していく事になるでしょう。美術作品と絵本(挿絵)作品を手掛けられた先人では、鏑木清方、堀 文子先生、秋野不矩先生、佐藤忠良先生等が優れた先駆者ですが、私もその様な幅のある活動の中から、より自分らしい深みのある世界を創っていきたいと思っております。
 現在、私の作画による福音館書店(こどものとも)と童心社の新作絵本制作が進行しています。今後ともご教導の程よろしくお願い申し上げます。
  日本画家・絵本画家 後藤 仁


絵本『犬になった王子 チベットの民話』表紙 小絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) 表紙

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』(福音館書店こどものとも) 表紙



犬になった王子――チベットの民話犬になった王子――チベットの民話
(2013/11/16)
君島 久子

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テーマ : 本の紹介
ジャンル : 学問・文化・芸術

2014-06-05

養蚕農家で蚕(かいこ)の取材をしました。

 近年、富岡製糸場の世界遺産登録でにわかに養蚕が注目されています。私は、中学生の時にNHK「シルクロード」に心酔し、「遠野物語」を読んで憧れたシルク(絹)を、折に触れ取材して来ました。博物館で織物・養蚕の展示を拝見したり、数々の資料を集めたり。ラオス取材旅行では少数民族の家屋で行われている素朴な養蚕を見ました。中国南部、タイ北部、ラオス、ベトナム北部等では、現在でも素朴な機(はた)による織物が盛んに行われています。私は機会があれば、蚕・絹をテーマとした「絵本」「絵物語」を描いてみたいと長年考察して来ました。

 先日、千葉県で伝統的な養蚕が行われている事を知り、知人の紹介を得て取材に訪れました。現在、千葉県内の養蚕農家は6戸しかないそうです。5月23日と6月4日の2日に分けて、忙しいお仕事におじゃまして、スケッチ・写真撮影を行いました。蚕は桑の葉を食べて、2週間ほどでどんどん成長します。蚕が桑を食べる時にパチパチという良い音がしていました。桑の葉の良い香りがただよいます。

蚕桑の葉を食べる蚕(4齢幼虫)5月23日

蚕桑の葉を食べる蚕(5齢幼虫)6月4日

蚕大きく育った蚕(5齢幼虫)6月4日

蚕上蔟(じょうぞく)させた蚕と繭 6月4日

 現在、絹は中国産、ブラジル産がほとんどで、日本の養蚕は群馬県を中心に長野県、茨城県、福島県、千葉県等で細々と継承されているだけだと言います。その様な中でも、日本の絹は質が極めて良いという事で、最近では楽器の琴(きん)の弦用に中国に輸出しようという動きもあるようです。
 伝統的な文化は、需要がへり後継者が育たず衰退して行く事例が多いのですが、私も文化の担い手として、この様な優れた伝統文化の火を絶やさぬように継承していく事の大切さを考える日々です。そして、私なりに絵本・絵画作品として記録して行く路を模索している所です。
  日本画家・絵本画家 後藤 仁

テーマ : 旅と絵
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学・デザイン科非常勤講師。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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