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2013-10-30

絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)11月15日に出版!!

『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)  
 文 君島久子 / 絵 後藤 仁  

 2013年11月15日発売  (1800円 +税) 
  〔ISBN 978-4-00-111242-9〕 

 電話 03-5210-4000(岩波書店 ご案内) 
     049-287-5721(岩波書店 ご注文)
    

 岩波書店 公式ホームページ (児童書編集部)
http://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html


 インターネットの以下のサイト等からでもご注文出来ます。
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-00-111242-9&Sza_id=MM

http://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426


(岩波書店に直接ご注文されると送料がかかります。全国書店でご注文されると送料がかかりません。ぜひ、ご覧下さいますよう、お願い申し上げます。


  絵本『犬になった王子 チベットの民話』 表紙絵本『犬になった王子 チベットの民話』表紙

〔絵本の概要〕
 君島久子先生の文、後藤 仁の絵によって、岩波書店から出版された絵本です。2013年11月15日発行。
 この絵本の出版は、岩波書店創立100周年、岩波の子どもの本創刊60周年を記念する出版事業の一環となります。再話は、中国文学・民話研究の第一人者である君島久子先生(国立民族学博物館名誉教授)によって過去に訳された「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』所収、1964年、岩波書店)を、先生が絵本用に書き直されたもの。中国の少数民族・チベット族に伝わる民話を元にしており、原話の題名は「青稞(チンコウ)種子的来歴」です。 
 
 絵本制作は、約10か月の原話選択・資料集め・原案作成・ラフスケッチ制作と、20日間の現地取材(中国青海省、チベット自治区、四川省)と、1年1か月の本画制作をへて、合計2年あまりをかけてようやく完成します。
 本画制作では、日本の伝統画法の「日本画」を用いて、丹念に描き上げました。和紙・墨・岩絵の具・金箔などを用いる、1000年以上前から伝わる描き方で、 描きこなすには永い経験と高い技術が求められます。日本画の魅力は、日本人の感性に合った落ち着いた色調の美しさや、墨による線描きの表現などが挙げられます。今回は、場面ごとの描き分けや、人物の心理描写を特に工夫しました。

 現在の混迷する世界情勢の中、このような昔から語り継がれてきた民話の中に、未来への希望が託されているように私は感じます。ぜひ、今の日本や中国や世界中の子供達・大人達に、この絵本を見ていただきたいと、切に願っています。

〔絵本のあらすじ〕
 穀物のない国の勇敢で心の優しい王子が、美しくて思いやりのある娘ゴマンの愛によって救われ、苦難の旅を乗り越え麦のタネを手に入れるまでを描く、壮大な冒険物語です。犬になった王子の姿は、気高くもかわいらしいです。宮崎駿「シュナの旅」(徳間書店)(のちにスタジオジブリのアニメ映画「ゲド戦記」の原案となる。)の原話にもなった名作を初絵本化。チベットの民話。


 ●それぞれの作品の関係を図解してみます。
 「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(影響)→ 「シュナの旅」(作:宮崎 駿 徳間書店 1983年) →(影響)→ 「アニメ映画 ゲド戦記」(スタジオジブリ 2006年)

 「犬になった王子」(民話集『白いりゅう 黒いりゅう』〔訳:君島久子〕所収 岩波書店 1964年) →(絵本化)→ 絵本『犬になった王子 チベットの民話』(文:君島久子、絵:後藤 仁 岩波書店 2013年11月15日)
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テーマ : 絵本・制作・イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

2013-10-29

「宇津保物語(うつほものがたり)」に登場する中国古琴と書画展・南風(なんふ)

日中文化交流イベント
「宇津保物語(うつほものがたり)」に登場する中国古琴と書画展
   南風(なんふ)

宇津保物語リーフレット 表宇津保物語展リーフレット 表

宇津保物語リーフレット 裏宇津保物語展リーフレット 裏


【展示会】
南風「宇津保物語」に登場する中国古琴と書画展 
 後藤 仁 日本画作品 「宇津保物語 物語絵」(サイズ P8号) 2点を出品します。
日本伝統の大和絵と、後藤 仁 美人画の融合をめざしました。
 その他、日中の作家による、再現された古琴、日本画、書を展示いたします。ぜひ、ご覧下さいます様お願い申し上げます。

開催場所; 大田区民ホール「アプリコ」展示室
開催日時; 2013年12月2日 11:00~21:00 / 12月3日 9:30~19:30  
        入場無料


 会場で私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店、後藤 仁 直筆サイン入り)、『犬になった王子(チベットの民話)』(岩波書店、後藤 仁 直筆サイン入り)の販売を予定しています。
 なお、来年初めに開催される「後藤 仁 絵本原画展」会場でも直筆サイン入り絵本は販売されます。


〔講演会〕
「琴の謎」と古琴のふれあい
開催場所; 大田区民ホール「アプリコ」小ホール
開催日時; 2013年12月2日 14:30~17:30 (14:30開場 15:00開演)  入場先着150名様無料 


〔演奏会〕
「南風」古琴の演奏
開催場所:大田区民ホール「アプリコ」小ホール
開催日時; 2013年12月2日 18:30~21:00 (18:30開場 19:00開演)  入場先着150名様無料 

            *

大田区民ホール「アプリコ」
 〒144-0052 東京都大田区蒲田5-37-3
  電話 03-5744-1600

  (交通; JR蒲田駅東口から徒歩3分)


  http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/aprico/index.html

            *

お問い合わせ; 後藤仁公式ホームページ「お問い合わせ(掲示板)」か、当ブログ「コメント」から。

  又は、

〒108-0074 東京都港区高輪3-13-1 グランドプリンスホテル新高輪内
           中国茶倶楽部「春風秋月」気付
  東京聴風琴社事務局
   電話 03-3473-5638


テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

2013-10-10

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』出版までの永き道のり その13

 絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』(福音館書店こどものとも)の原画制作は、2011年末頃、「第十三場面」に入りました。いよいよ大詰めになって来ました。
 この場面は、ラフスケッチでなかなか面白い構図が見付かりませんでした。福音館書店編集者から、こんな感じでは・・・というアイデアをいただき、それを元にラフを描いてみました。私はその構図が平凡なので、別の構図を探っていました。例えば、緑の老人を全身描くのはありきたりで説明的過ぎるので、上半身を画面上部で切ってしまい、後は読者に想像させる構図等です。しかし、福音館書店編集者は、このラフスケッチがとても気に入っていると言いますので、この構図に決定しました。
 福音館書店編集者は、頭のツルツルになったチャンファメイを描いたらどうですか・・・と言いましたが、私は作品中とはいえ、かなり感情移入しているチャンファメイの丸坊主姿を描く事は忍びなく、丸坊主の石像で暗示する事にしました。チャンファメイは、最初もっと大きなアクションを取っていたのですが、編集部の意見で抑制的な動きにしました。そんな訳で、全体的には少々単調な構図になってしまった気がしますが、一般的には分かりやすい絵になったと思います。
 この場面は「第十二場面」からの続きとして、似た絵画技法で描きました。全面に金箔砂子(きんぱくすなご)をちらしています。圧倒的な光感を出したかったのです。印刷では金箔の輝き、画面の透き通る明るさがなかなか再現出来無いのが残念です。ガジュマルの葉一枚一枚に葉脈を入れ、良く見ると細部まで描き込んである事が分かるかと思います。

 打ち合わせの時、緑の老人は木の精なのか木の神なのか、何なのか・・・という話になりました。私が実際、中国貴州省に取材に行った時、ガジュマルの木の根元に小さな祠があり、道士の様な像が祀られてありました。トン族の伝統的な神では無く、道教などの影響を受けたものに見えましたが、それらのイメージを作品に反映させました。
 ちなみに、トン族の信仰は、主に祖先崇拝とアニミズム的多神崇拝だと言います。トン族の始祖母の「薩(さ)」が最高の守護神としてあがめられているそうです。また、木や石や動物の神等、ありとあらゆる物に神が宿るというアニミズム信仰があり、神と鬼(き)は入りまじり、善神・悪神が混在しています。きちんと供養すると豊作をもたらすが、供え物を怠ると禍をまねくという山の神・田の神も存在します。(専門家の指摘では、この辺りは日本の民間信仰と大きな共通点がある様です。)
 この緑の老人を、読者には色々な見方で見ていただいて良いのではないかと、私は考えています。ある人には木の精であったり、道教の道士であったり、儒教の儒者であったり、人によっては観音さまの化身とも、ヴィシュヌの変化とも、キリストのお姿とも取れるでしょう・・・。私は緑の老人に、亡き父の面影を見ました。


 「第十四場面」は、滝を見上げるチャンファメイです。滝とチャンファメイの位置を考慮すると、どうしても両方の姿を1枚に描くのは無理が生じますので、ラフスケッチから随分苦心した場面です。最初はこの場面だけ絵本を90度反転させて縦位置で見せよう等とも考えていました。試行錯誤の末、滝とチャンファメイの位置関係は、実際の通りでは無く、イメージとして2つを組み合わせるしか無いとなりました。
 チャンファメイの蘇った黒髪の美しさ、彼女の喜びを画面いっぱいに表現したいと思いました。欣喜雀躍のチャンファメイの姿を動きで表そうと、最初はもっと大きなアクションを取っていましたが、この場面も編集部の意見で抑制的な動きに変更しました。これはこれで微妙な動作が描けたと思います。ただ、絵描きとしては、人体の複雑な動きや美しい姿態を幾通りも描きたかったのですが、そんな訳で「絵本」全体として何か抑制的な人物描写になりました。それが福音館書店絵本の上品な味わいでもあるでしょうから、それはそれで良いのではないかと考えています・・・。しかし今後、私の人物描写の力を全面に出した作品も描いてみたいと思いました。(今年の11月中旬に岩波書店から出版の新作絵本『犬になった王子(チベットの民話)』では、かなり大胆な人物の動きが描かれていますので、楽しみにしていて下さい。)
 画面の右側は前の場面からの連携で、やはり金箔砂子をあしらいました。左側の滝は、穴から噴き出したごうごうとした水が、石像の白い髪を伝わって、まっすぐで美しい水の流れに変化する様を描いています。


 次は最終場面の「第十五場面」「後ろ扉」「見返し」の話になりますが、それは又、次回の講釈としましょう。  日本画家・絵本画家 後藤 仁

テーマ : 絵本・制作・イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

2013-10-04

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』掲載 各種メディア記事

 拙作絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』(福音館書店)が掲載された、各種メディア記事をご紹介します。
 (かなり多くの新聞・雑誌・テレビ・インターネット等でご紹介いただいた中で、現在もネット配信中の主なメディアを挙げます。)


「レコードチャイナ(日本最大の中国情報サイト)」記事
 http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=69390

「日本中国友好協会」記事
 http://www.j-cfa.com/report/visited/20130315.html

「東葛まいにち新聞」記事
 http://www.bunya.ne.jp/news/matudo/11121.htm

「赤穂民報」記事
 http://www.ako-minpo.jp/news/7409.html

「泉北コミュニティ」記事
 http://www.community2525.com/news/2013/02/27140751.php

「福島ひまわり里親プロジェクト」ブログ記事
 (絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』寄贈)
 http://ameblo.jp/sunflower-fukushima/entry-11622939888.html

テーマ : 絵本・制作・イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、天井画・金唐革紙制作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

【後藤 仁 略歴】
 師系は、山本丘人(文化勲章受章者)、小茂田青樹(武蔵野美術大学教授)、田中青坪(東京藝術大学名誉教授)、後藤純男(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)。
 アジアや日本各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」を中心画題として、人物画、風景画、花鳥画などを日本画で描く。また、日本画の技術を応用して、手製高級壁紙の金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術)や、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)の天井画、絵本の原画などの制作を行う。
 国立大学法人 東京藝術大学 デザイン科 非常勤(ゲスト)講師(2017~21年度)。学校法人桑沢学園 東京造形大学 絵本講師(2017~18年度)。日本美術家連盟 会員(推薦者:中島千波先生)、日本中国文化交流協会 会員、絵本学会 会員。
    *
 1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
 卒業以降は日本画家として活動し、日本・中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画/日本の美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は「絵本」の原画制作に力を入れる。
 2023年、大垣祭り(ユネスコ無形文化遺産)天井画『黒龍と四つ姫の図』を制作奉納する。

○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、『青蛙緑馬』(浙江少年児童出版社/中国)。挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
 『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵本ナビ「犬になった王子  チベットの民話」絵本ナビ「犬になった王子 チベットの民話」
絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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