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2022-08-13

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その9〉、彩色進展

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵) 『黒龍と四つ姫の図』 制作

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN


  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、胡粉・朱・特殊絵の具 等による下塗り彩色工程を、まとめています。)

                 *

 2022年6月23日。6月半ば、今週は久しぶりに、「大垣祭り 天井画」を描き進めました。絵本原画制作等が忙しくて、なかなか「天井画」を描く時間が取れなかったのですが、これから再び、絵本原画と並行して、果敢に描き進めていきます──。😤
 やるべき事が多過ぎて、全ての進展が遅々としていますが、たとえ時間がかかろうとも、本物の芸術作品を目指して、全身全霊・誠心誠意、じっくりしっかりと描きたいのです~。('◇')ゞ

 自家製の岩絵の具(昔、鹿児島取材の旅でとってきた、桜島の火山灰から、私が作製した特殊岩絵の具)で、「黒龍」の”鱗”の放射線を、1本(手足部分は1本)~5本(身体部分は3~5本)入れていきました。それと並行して、手足先と顔・ひげと背肉部分を、同じ岩絵の具で描きました。
 その後、「黒龍」の口を赤口本朱で彩色し、周囲の炎文様を黄口本朱で彩色しました。今日はここまでで力尽きました・・・。
 明日以降、彩色の続きをドンドン進めていきます。乞うご期待〰〰。

大垣祭り、天井画制作・彩色
自家製の岩絵の具(桜島の火山灰から作製した特殊岩絵の具)で、「黒龍」の鱗の放射線と、手足先を描く。
大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の顔・ひげと背肉部分を、同じ自家製岩絵の具で描く。
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の口を赤口本朱で彩色、周囲の炎文様を黄口本朱で彩色。
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
今週の作業完了。


 6月24日。今日は「黒龍」の眼・角・牙・爪等の他、必要箇所全体に ”胡粉”(ごふん/カキ等の貝殻から作製した、日本画の代表的な白色絵の具)の地塗り用〈白雪〉で彩色しました。この後、この上から、更に彩色を重ねていくのです。
 今回、なるべく板目の美しさを活かすため、彩色に被覆力の強い胡粉を使用するか否か、また、どこまで彩色し・どこを板目のままで残すのか等、色々考察してきました・・・。しかし、絵の具の発色を良くするためにも、やはり要所要所には胡粉で地塗りしておいた方が良かろうと判断しました。🧐

 いよいよ、黒龍の全体像が見えてきて、迫力が増し増しですね~ 😬 この後も、乞うご期待〰💑

大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の眼・角・牙・爪等の他、必要箇所全体を、地塗り用胡粉〈白雪〉で彩色。
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
今日の作業完了。
大垣祭り、天井画制作・彩色
今回使用した画材。白色絵の具「胡粉〈白雪〉」、自家製岩絵の具「桜島の火山灰(細)」と筆。


 7月22日。7月中旬、今週は、地塗り用胡粉〈白雪〉の濃過ぎる部分を少し洗ってから、「黒龍」の腹や玉、再度、角・爪を中塗り用胡粉〈寿〉で彩色しました。次に、「黒龍」の顔や手足の毛先を、水干絵の具(すいひえのぐ)の群青・緑青で下塗り彩色。
 別日には、「黒龍」の顔・手足・背肉部分に、特殊な岩絵の具(鱗に使用したものと同じ、黒灰色系の特荒粒子の特殊岩絵の具)で部分彩色。

 最近、やるべき事も多くて、なかなか制作がはかどりませんが、一つ一つの仕事を大切にしながら、じっくり・しっかりと描き進めたいと考えています。1日作画5時間位が高い集中力のもつ限界なのですが、時に息抜きの中国映画・ドラマ、音楽視聴等の中からも、様々な創作エッセンスを吸収しながら、厳しくも楽しく、制作していきたいと思います~。(^.^)/~~~
 描きがいのある、とても面白そうな、新「絵本」企画も、私に届いてきています~。とてもとても時間が足りないのですが、コツコツと一つ一つ、焦らず・たゆまず、丁寧・慎重に仕事を進めていきます。この後も、乞うご期待〰〰💑

大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の腹・玉・角・爪を、中塗り用胡粉〈寿〉で彩色。「黒龍」の顔や手足の毛先を、水干絵の具(すいひえのぐ)の群青・緑青で下塗り彩色。
大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の顔・手足・背肉部分を、黒灰色系・特荒粒子の特殊岩絵の具で部分彩色。
大垣祭り、天井画制作・彩色
今週の作業完了。迫力満点❕❕ 「黒龍」の全体像が、いよいよ明瞭に見えてきましたね~🥰


 8月5日。8月初め、今週は、集中的に「天井画」を描き進めました。まず、周囲の円形文様部分に赤口本朱を塗り、「黒龍」の腹の筋に自家製 岩絵の具・桜島の灰(細)でぼかしを入れ、角・爪・背トゲに同じ絵の具で線を入れました。
 次に、白色絵の具・胡粉〈寿〉を必要箇所全体に薄く施し、「黒龍」の角・爪・背トゲ・牙に、特殊な反射をする透明~白系の絵の具(通常の日本画では使用しない、かなり特殊な絵の具)を塗りました。
 次に、龍の玉(2か所)を、同じ透明~白系の絵の具で彩色。「黒龍」の顔と手足の毛に、新岩(新岩絵の具)群青/淡口〈9番〉をぼかしで入れて、今週の作画はひとまず終了です。
 更に、『黒龍と四つ姫の図』の全体像が現われて来ましたね~😻。この後も、乞うご期待〰〰💑

大垣祭り、天井画制作・彩色
「黒龍」の腹の筋に自家製 岩絵の具・桜島の灰(細)でぼかしを入れる。
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
自家製 岩絵の具・桜島の灰(細)で、「黒龍」の腹の筋にぼかしを入れ、角・爪・背トゲに線を入れた状態。
大垣祭り、天井画制作・彩色
白色絵の具・胡粉〈寿〉を必要箇所全体に薄く施し、特殊な反射をする透明~白系の絵の具を、「黒龍」の角・爪・背トゲ・牙に塗った状態。
大垣祭り、天井画制作・彩色
龍の玉(2か所)を、特殊な反射をする透明~白系の絵の具で彩色し、「黒龍」の顔と手足の毛に、新岩(新岩絵の具)群青/淡口〈9番〉をぼかしで入れた状態。
今週の作画はこれで完了です ──❣❣


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2022-05-14

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その8〉、彩色開始


「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN


  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、彩色(黒龍の鱗)の工程を、まとめています。)

                 *

 2022年4月30日(月)。この「大垣祭り 天井画」制作は、他の作品制作との兼ね合いで、ゆとりを持って1年余りの制作期間を想定し、早めに制作を開始しました。ところが、この大垣祭り復元事業は、文化庁と大垣市の助成事業でもあるので、来年4月の予算決定後まで制作を待って欲しいという事を、昨年10月頃に伝えられ、今まで据え置いていました。
 ようやく予算が決まったと言うので、いよいよ、本格的に制作再開です───

 この大型連休は、絵本制作をひとまず置いておいて、この「天井画」制作一本に集中しようと計画しています(私には、世間で言う所の、いわゆる「遊戯・休養の連休」など、ありません・・・)。
 昨日(4月29日)は、骨描き(こつがき)まで完成していた本画に、”彩色”をほどこしていきました。黒系のかなり荒い粒子の岩絵の具を、かなり濃い目の膠でといて、黒龍の鱗に彩色しました。特荒の絵の具は、筆ですくって画面まで持っていって塗るのが、とても難しく、なかなか手間がかかります。
 この日は、鱗の外縁の一度塗り目を行い、およそ半分弱まで描けました。疲労して、腰も痛くなり、結構、大変です〰〰。しかし、とても良い感じですよ~。😆

大垣祭り、天井画制作・彩色
いよいよ、これから彩色開始~!
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色


 2022年4月30日~5月3日には、「黒龍」の鱗・外縁の一度塗り目”彩色”を進め、完成させました─── 😚。今回、使用した岩絵の具は、黒色系の”特荒”の岩絵の具です。ことさら特荒ですので、筆で塗るのが非常に難しいです。

 「軕(やま/山車)」は祭りの時に激しく動かされますし、天候の影響等も受けやすいでしょうから、かなり頑丈な画面が求められます。加えて、大垣祭りの「軕」は、大垣市~ひいては、日本の・世界の宝でもありますので、十分に100年はもたせたいという思いがあります。
 今回の岩絵の具が”特荒”だという事もありますが、”膠(にかわ/日本画の絵の具の接着剤)”はいつもの和紙用より2倍強は濃いものを使用し、絵の具の割れが生じないギリギリの範囲で、板への喰い付きを最大限にしました。また、今回は様々な膠を混ぜて、それぞれの長所・短所を補い合う事を目途としました。昔の三千本膠、新三千本膠「飛鳥」、乾燥鹿膠、軟靭鹿膠、墨製造用の膠を混合して使用。・・・それが本当に効果が高いかどうかは不明ですが、様々な環境変化等に対応できるのではないかと、期待します。

 鱗・外縁の一度塗り目が終了し、「黒龍」の迫力は更に増してきました 🐉。この後、鱗の更なる彩色~龍の各部位の彩色へと進めていきます。乞うご期待 ─── 💘

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
腰が辛い体勢だね~。
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
今回、使用した膠。
 左上から、昔の三千本膠(現在は製造終了で売っていません)、新三千本膠「飛鳥」、墨製造用の膠、乾燥鹿膠、軟靭鹿膠。
大垣祭り、天井画制作・彩色
使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・彩色
「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)『黒龍と四つ姫の図』 鱗・外縁の一度塗り目の彩色 完成



 2022年5月4日~5日は、「黒龍」の鱗・年輪”彩色”をほどこしました。今回、使用した絵の具は、黒灰色系の荒い粒子の顔料です(通常の画材店でも日本画画材専門店でも売っていない、かなり特殊な品物)。塗るのは、前の特荒黒色よりは多少やりやすいですが、それでも、かなり困難です〰〰。(@_@)
 一つの鱗に対して、2~5本の年輪を入れていきますので、時間もかかって、作画はとても大変です。2日かかって、ようやく全身の半分弱まで進みました~。
 しかし、黒龍の鱗の立体感と迫力が更に増して、なかなか良い感じですね〰〰  ( ^^)丿

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色


 2022年5月9日~12日で、「黒龍」の鱗・年輪の黒灰色・一度塗り目”彩色”を完成させました。😌
 今回は黒灰色系の特荒粒子の特殊な岩絵の具を用いました(通常の画材店でも日本画画材専門店でも売っていない、かなり特殊な絵の具)。粒子の荒い絵の具は塗るのが難しいのですが、おおよそ良い感じです。
 「日本画」では、大きな作品は基本的に地面で描きます。私は正座自体には慣れており、何時間でも平気なのですが、細部の描写になると、腰と足が極端に折れ曲がり、まるで苦行か拷問のような形態になります。これで一気に1時間以上、小休止しながら、長い時は1日に6時間以上、描き続けますので、極めて辛い作業になるのです・・・。
 後半、このサイズだとミニテーブルに乗せられそうだと気付き、やってみると、随分、楽になりました~。何事も工夫してみるものですね~。😆
 「黒龍」の迫力がどんどんと増してきましたが、まだまだ、これからが見所ですよ。乞うご期待〰〰   ( ^^)丿

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
テーブルに乗せると、随分、彩色が楽な事が分かりました。 ヽ(^o^)丿
大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色

大垣祭り、天井画制作・彩色
「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)『黒龍と四つ姫の図』 鱗・年輪の一度塗り目の彩色 完成


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2021-10-09

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その7〉、骨描き完成!!

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN


  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、本画・骨描きの完成までの工程を、まとめています。)

                 

2021年9月27日(月)。本日は、大垣祭り「天井画」杉板絵「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の輪郭を全て描き終えました。今日、使用した墨は、残り少ない「瑞龍」に、「清風」を混ぜて使用しました。後は、龍の”鱗”を描いたら、骨描きは完了します。
 身辺での残念な出来事が多くて、なかなか集中しにくい今日この頃なのですが、それでも絵に向かえば、気合が入り、手先は動きます。悲しいかな、これが絵描きの性(さが)なのでしょうね・・・。  "(-""-)"

大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の輪郭部分の骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の顔以外の輪郭を描き終える。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の顔部分の骨描き。
近年ますます、髪が薄くなってきました~ 😭 。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今日、使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の輪郭部分の骨描き終了。


9月29日(水)。本日も、大垣祭り「天井画」杉板絵「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、『黒龍』の鱗を描き、ひとまず「骨描き」の工程がほぼ完了しました。
 明日以降、全体を見直し、最後に ”画竜点睛” として、龍の目を古墨で描き入れようという計画です。
 予想していたのですが、やはり板の場合は、膠が和紙ほどはしみ込まないので、ドーサ(にじみ止め)のききが弱そうに感じます。その辺りも注意しながら、この後、彩色に入っていこうと思います。

大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の鱗の骨描き中。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の上半分の鱗の骨描き、完了!!
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の鱗の骨描き中。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の鱗の骨描き中。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今日、使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の鱗の輪郭の骨描き、完了!!


10月1日(金)。本日も、『黒龍』の鱗の「骨描き」を進めました(鱗の中の年輪模様を、骨描き段階で描く事にしました)。ようやく、絵本関係の難解な交渉事も一段落したので、ここからは、やっと作画に集中できそうです ❣
 龍の鱗の中の年輪のような模様を、一枚一枚、丁寧に描き込んでいきました。やはり、この段階でも、鱗の並び方の辻褄を合わすのが難しくて、最後まで微修正を加えました。
 かなり疲労しましたが、何とか、身体の部分は描き終えました。後は、手足の鱗を完成させ、眼を入れたら、骨描きは完成となります。もう一息です~。

大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の上半身の鱗の骨描き、完了。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今日、使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の身体部分の鱗の骨描き、完了~❣


10月8日(金)。本日は、『黒龍』「骨描き(墨による最初の線描)」を進めました。
 最近、中国向け絵本原画制作の他、新たに始まった日本向け絵本制作の打ち合わせ事項も多くて、結構、多忙につき、なかなか作画が進みません・・・。(@_@)

 龍の手足の”鱗の年輪模様”の「骨描き」を終え、画竜点睛として、”龍の眼”を中国の古墨で入れ、薄墨を”龍の顔”と”姫君の髪”にほどこして、「骨描き」が完成しました!! ほんの数か所ですが、骨描きを修正する為に、僅かに板を削った箇所に、ドーサ(にじみ止めの液)を塗り直しました。

 今回使用した古墨は、私が東京藝術大学4年生の1995年8月~9月に「中国写生旅行(北京・西安)」をした時に、北京の画材店街・琉璃廠(るりしょう)で購入した大変貴重な墨です。当時は中国の物価は日本の5分の1位でしたが、この墨は確か6000円位したと記憶しています。台湾の国立故宮博物院に収蔵されている、本物の「乾隆御製詠墨詩墨」を模造した墨のようです。
 古墨をすりおろすのに用いたは、同じ旅の途中で、北京の王府井(ワンフーチン)の百貨店で購入したものです。端渓硯(たんけいけん/ただし新端渓)ですが、全体が葉っぱの形をしていて、2個の石眼(せきがん/端渓硯等に見られる緑色の斑紋)を蜘蛛に見立てた、面白い硯です。確か、日本円で1500円位はしたと記憶しています。

 9月3日から「骨描き」を開始して、1か月余りかかりましたが、なかなか迫力があって、良い感じに仕上がりました。
 この後、彩色に入ります。ますます、乞うご期待~❣❣

大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の足の鱗の年輪模様の骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
古墨をする。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」
大垣祭り、天井画制作・骨描き
古墨「乾隆御製詠墨詩墨」(模造品)と「端渓硯」
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の眼を入れる。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の眼を入れる。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の眼を入れる。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
『黒龍』の顔に、薄墨をほどこす。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「姫君」の髪に、薄墨をほどこす。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今日、使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』
大垣祭り、天井画制作・骨描き
”骨描き”が完成した、『黒龍と四つ姫の図』と、私・後藤 仁。


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2021-09-23

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その6〉、転写から本画・骨描きへ

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN

  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、杉板への転写から本画・骨描きの途中までの工程を、まとめています。)

                 *

2021年9月1日(水)。本日、大垣祭り「天井画」”大下図(鉛筆による原寸大の下図)” を、”念紙(ねんし/日本画の転写用の和紙)”で杉板に転写しました。
 私は自家製の”念紙”を数色、用途(下地の色等)に応じて使い分けます。今回は最初、普段最もよく使う「赤口代赭色(あかくち・たいしゃいろ)」の念紙でやろうとしましたが、板ではほとんど写らないので、かなり濃い色の「松煙粉(しょうえんふん/松を燃やしてできる煤粉)」の念紙で転写しました。板には筋目があるので、転写するのは、なかなか難しいのですが、上手く出来ました~。 !(^^)!
 この次は、明日以降、最も大切な工程の一つ、”骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)”に入ります。
 いよいよ、楽しみですね~、乞うご期待~❣❣

大垣祭り、天井画制作・転写
大下図と杉板。転写開始~☆
大垣祭り、天井画制作・転写
私の自家製・念紙。現在、「木炭」、「赤口代赭色」(新旧2枚)、「胡粉」(大小2枚)、「松煙粉」があります。
 前は、「黄土色」もあったのですが、カビが生えていたので処分。「弁柄色」の念紙も作った事がありますが、弁柄は粒子が細か過ぎて、あちこちに散るので、念紙には向かない事が分かりました。
大垣祭り、天井画制作・転写
杉板に大下図を合わせる。
大垣祭り、天井画制作・転写
こんな感じで、転写します。
大垣祭り、天井画制作・転写
転写中の、後藤 仁。私はたいてい、赤色のボールペンで転写します。
大垣祭り、天井画制作・転写
「赤口代赭色」の念紙では写らないので、「松煙粉」の念紙を使用。
大垣祭り、天井画制作・転写
転写時は、こんな感じに重ねます。
大垣祭り、天井画制作・転写
転写中の、後藤 仁。手先に集中します。
大垣祭り、天井画制作・転写
転写中の、後藤 仁。手先に集中します。
大垣祭り、天井画制作・転写
4分の1、転写完了!
大垣祭り、天井画制作・転写
眼鏡をはずさないと、老眼で手元が見えません~。 ( ;∀;)
大垣祭り、天井画制作・転写
眼鏡をはずさないと、老眼で手元が見えません~。 ( ;∀;)
大垣祭り、天井画制作・転写
半分、転写完了!!
大垣祭り、天井画制作・転写
集中、集中~。
大垣祭り、天井画制作・転写
4分の3、転写完了!!!
大垣祭り、天井画制作・転写
転写終了!!!! 今日、使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・転写
杉板絵『黒龍と四つ姫の図』(後藤 仁) 転写終了❣


9月3日(金)。本日から、大垣祭り「天井画」 ”本画(杉板絵)” 制作に入りました。
 今回の作品に使用するは、大学時代から使っていて信頼度の高い栄寿堂(現在は、残念ながら廃業しています)の「瑞龍」と、同じく栄寿堂の「清風」を中心に用いようと思います。その他、龍の眼等の特に重要な箇所には、私が大学時代に中国の旅で購入した、とっておきの古墨を使おうと考えています。膠が弱いであろう、懸念はあるのですが・・・。
 これは、私が東京藝術大学4年生の1995年8月~9月に「中国写生旅行(北京・西安)」をした時に、北京の画材店街・琉璃廠(るりしょう)で購入した大変貴重な墨です。当時は中国の物価は日本の5分の1位でしたが、この墨は確か6000円位したと記憶しています。琉璃廠は基本的に信頼度の高い画材店街ですが、それでも、これは多分、吹っ掛け値ではないかと思います・・・。しかし今、この質の墨を中国で(日本でも)買おうとしたら、間違いなく、1万円を下らないのではないかと、信じています。「乾隆年製」と記されていますが(現在、TOKYO MXテレビで放送されている、中国歴史ドラマ【如懿伝(にょいでん)】で演じられている、清の皇帝・乾隆帝(けんりゅうてい)の時代の製造という意味)、これは多分、中国画材の慣習上の記載に過ぎなく(乾隆年間は芸術文化が興隆した事に由来する)、本当は清朝終了(中華民国)以降の製造だと思います。しかし、作りが極めて高精細で、結構、古いものである事は確かです。
 は、これも私が重要な作品にしか用いない一品で、やはり、同じ中国の旅にて、北京の百貨店で購入したものです。「端渓硯(たんけいけん)」(ただし、新端渓)ですが、当時で2000円位はしたと思います。今なら新端渓でも、もっとずっと高いはずです。
 墨を丁寧に十分にすりおろし、表面の油膜を取ってから、小皿に移して用います。は、「コリンスキー毛描(大)」(清晨堂)を使用しました。
 この”骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)”は、日本画の作画の中でも、最も重要な工程の一つです。最初はなかなか手がなじまず、良い線が描けません。しばらく描き続けると、調子が出てきて、伸びやかで良い線になってきます。
 直線は、”溝引き(みぞびき/定規とガラス棒と筆で、直線を描く技法)”で描きます。これには、多少の経験を要します。
 今日は、腕慣らしとして、全体の枠線(円・直線 等)のみを、描き終えました。明日以降は、龍や姫君を描いていこうと思います。
 ますます意気軒昂にて、乞うご期待~❣❣

大垣祭り、天井画制作・骨描き
端渓硯、栄寿堂の墨「瑞龍」「清風」
大垣祭り、天井画制作・骨描き
端渓硯、栄寿堂の墨「瑞龍」「清風」
大垣祭り、天井画制作・骨描き
昔、中国で購入した古墨。墨の表には、双龍の文様と、「御製詠墨詩」という字が記されています。これは、台湾の国立故宮博物院に収蔵されている本物の乾隆御製詠墨詩墨を模造した墨のようです。現在、安く出回ってる粗悪模造品もあるようですが、この品は比較的、完成度の高い、高品質な模造品だと思われます、・・・と、そう信じたい~?
大垣祭り、天井画制作・骨描き
古墨の裏には、コウモリ(中国では幸福の象徴・縁起が良いとされる)の文様と、「養性殿蔵墨 乾隆年製」という字が記されています。実際は、清朝終了(中華民国)以降の製造だと思われます。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
墨を丁寧にすりおろす。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
墨汁表面の油膜をのぞき、小皿にとる。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今回使用した筆、「コリンスキー毛描(大)」(清晨堂)
大垣祭り、天井画制作・骨描き
骨描き開始~。慎重に、丁寧に、かつ、筆勢を活かして~!
大垣祭り、天井画制作・骨描き
骨描き開始~。慎重に、丁寧に、かつ、筆勢を活かして~!
大垣祭り、天井画制作・骨描き
直線は、溝引きにて。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
直線は、溝引きにて。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
曲線は、フリーハンドで。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今回使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
全体の枠線(円・直線 等)の骨描きを、描き終えた状態。


9月15日(水)。本日は、杉板絵 の「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進めて、「四人の姫君」「四辺の装飾」を描き終えました。
 板には筋目があるので、長時間描くと目がくらんで、描きにくいです。雑用等により、なかなかはかどりませんが、今の所、想定通りに、良い感じにできてきていると思います。この続きも、乞うご期待~ 💑

大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四人の姫君」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四辺の装飾」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四人の姫君」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四人の姫君」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四辺の装飾」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四辺の装飾」を骨描き。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今回使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
「四人の姫君」と「四辺の装飾」の骨描き、終了。


9月17日(金)。本日は、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の”彩色(さいしき)”を進めました。究極の美人像が、だんだんと浮かび上がってきました~。 😻
        *
 少し休憩してから、大垣祭り「天井画」杉板絵「骨描き(こつがき/墨による最初の線描き)」を進め、龍の周囲や手足にかかる、”雲海”を全て描き終えました。
 今日はあまり時間が取れずに、ここまでしかできませんでした・・・。明日以降、いよいよ龍の骨描きに入っていきたいと思います。
 今回の天井画制作は、公共的な仕事でもあり、遠い大垣の関係者への制作報告も兼ねて、かなり丁寧に画像記録を取って、一般公開しています。タイマー撮影なので、けっこう手間がかかります。最初、ビデオカメラでも撮影していたのですが、10年以上使用したビデオカメラが故障してしまい、動画撮影・再生不可に~。 ( ;∀;)
 この続きも、乞うご期待~ ❣❣

大垣祭り、天井画制作・骨描き
龍の周囲や手足にかかる、雲海の骨描きをします。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
中央の雲文様を描く。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
龍の周囲や手足にかかる雲海を描く。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
今回使用した画材と。
大垣祭り、天井画制作・骨描き
龍の周囲や手足にかかる、雲海の骨描き、終了~。

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-08-28

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その5〉、大下図完成!!

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN

  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、大下図完成までの工程をまとめています。)

                 

2021年8月12日(木)。ここ数日かけ、「天井画」 ”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 今、の鱗を描き込んでいるのですが、龍の身体がうねっているので、背のトゲやお腹の大きな鱗とのつじつまを合わすのが困難です・・・。ようやく、どうにかこうにか整合性が取れてきたので、これでひとまず良しとしましょう。この後、更に数日をかけて、龍の細部を描き込んでいこうと思います。
 段々、龍の勇ましい御姿が現れてきました~❣ 🧐


大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑧ (前回からの続き) 龍の鱗を描き進める。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑨

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑩ 龍の手足の鱗を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑩ 〈アップ〉 まだまだ続きますよ~!


8月13日(金)。本日も、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 今日で、の身体部分がほぼ完成しました。鱗のつじつまを合わすのが予想以上に困難で、かなり頭を使いました。練り消しゴムで消しては描いて、消しては描いてで、紙がボロボロになってしまいましたが、ようやく良い感じに整いました~。 (@_@)ゞ
 次は、背景の雲と、周囲の姫君と装飾を仕上げていきたいと思います。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑪ 

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑫ 龍の鱗の調整完了。かなり困難でした~。 (@_@)ゞ

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑫ 〈アップ〉 まだまだ続きますよ~!!


8月23日(月)。本日は、中国向け新作絵本〈第3弾〉「第3場面」の下地塗りとして、黄土色と青系の色の2色を塗り分けました。通常は基本色の黄土色で下地塗りをする場合が多いのですが、場面によっては例外もあります。

 大垣祭り「天井画」大下図も描き進めました。の背景の”雲”を完成させ、周囲の”姫君”の内、3人を描いた所で、今日は力尽きました~~。(@_@) 段々と、私らしい、龍図が出来て来ましたね~ ❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑬ 龍の背景の雲と、四隅の姫君を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑬ 姫君 〈アップ〉

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑭ 姫君を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑭ 〈アップ〉

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑮ 姫君を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑮ 〈アップ〉

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑯ 全体図。まだまだ続きますよ~!!!


8月24日(火)。本日も、大垣祭り「天井画」 ”大下図”を描き進めました。
 左上の姫君の顔を、他の姫君に合わせて少し小さく修正し、残りの一人の姫君を完成させました。あどけない中にも、凛とした日本美が光る、「4人の姫君の図」の下図が完成しました。
 その後、周囲の”装飾”に着手しました。上辺は、「日輪(太陽)と月輪(月)の図」です。右辺は、「鳶(トビ)と雀(スズメ)の図」です。その中心には、「宝相華文様」を描いています。この周囲の画像4種類は、この世に存在するありとあらゆる物、・・・”森羅万象”を象徴しているのです。
 今日の大下図制作は、ここまでにしました。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑰ 「4人の姫君の図」 顔を修正。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑱ 「4人の姫君の図」 最後の一人を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑲ 周囲の装飾 「日輪(太陽)と月輪(月)の図」を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑳ 方向を変えて、周囲の装飾 「鳶(トビ)と雀(スズメ)の図」を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉑ 全体図。まだまだ続きますよ~!!!!


8月26日(木)。本日、8月3日(火)から描き始めた、大垣祭り「天井画」”大下図(鉛筆による原寸大の下図)” が、一応、完成しました。
 この後、数日間、じっくりと見直して、問題が無ければ、いよいよ、来月初めから”本画(杉板絵)”に入ろうと思います。丁度、芸術の秋にさしかかり、まだまだ残暑もコロナ禍も厳しい折ですが、良き時節での本画入りに、腕がビンビンと鳴っています!!

 【今日の作画解説】
 左下の「後ろ姿の姫君」の顔を少し小さく修正して、他の姫君とのバランスを合わせました。
 周囲の”装飾”の下辺は、「男の子と女の子と子猿の図」です。愛すべき、私の「絵本」の新キャラクターをここに描き込みました。これは、”人の両性”を表しており、全ての”人類”の象徴になっています。4人の姫君と、男の子、女の子を合わせて、人間は6人になります。これには忌み数を避ける意味合いもあります(ちなみに西洋では、4は良いイメージらしいです。中国では、4には良い意味とそうでない意味の両方があるようで、6は縁起の良い数字とされているらしいです。子猿も数に入れたとしたら、西洋での7はラッキーセブン、日本でも7は吉数になります)。
 ”装飾”の左辺は、「松と梅の図」です。これは”植物”を象徴しており、縁起の良い”松竹梅”になっています。「竹はどこに・・・」、と思われるでしょうが、姫君の一人が竹の柄の着物を着ており、それを合わせて”松竹梅”となるのです。ちなみに姫君の衣装は、竹の他に、藤(私の名前でもあり、最も好きな花の一つです)・桜(日本の花の象徴)・蝶と蜻蛉(全ての虫類の象徴)の柄になっています。
 この4辺は、それぞれ、”天体・人類・動物・植物”を象徴しており、つまりは、この世の中の全て~”森羅万象”を象徴しているのです。更には、それぞれが”陰と陽”の対をなしており、陰陽道的世界観により、宇宙全体の調和を図っているのです。
 そして、その中央、天下太平を願う円相の中に、神獣・霊獣の最高位に君臨する、巨大な”黒龍”がうねっているのです。黒色は何物にも動じない・影響を受けない、心の強さを表しています。実に高貴で威厳に満ちあふれた、尊崇すべき吉祥画なのでしょうか~~。

 ・・・・何とも良く分からなくなってまいりましたが、つまりは、絵の中には、色々な意味合いが隠されており、また、人によって様々な別の解釈もできるように、巧妙に仕組まれているのですね~。
 続きが楽しみだ~ 💖  

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁  近年は老眼が進み、眼鏡をはずさないと、近くが描けません~。 ( ;∀;)

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉒ 周囲の装飾 「男の子と女の子と子猿の図」 「松と梅の図」を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉓ 全体図。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉓ 〈アップ〉 まだまだ続きますよ~!!!!!


8月27日(金)。本日、大垣祭り「天井画」”大下図(鉛筆による原寸大の下図)” に、少々、手直しをして、サインを入れて、フィキサチーフ(定着液)をかけて、完全完成としました。
 これから描く”本画(杉板絵)”は「大垣市・大垣祭り」にご奉納するので、私の手元に残るのは写真と、この”下図”だけになります。普段の日本画の”下図”は、特別に重要な物を除いて、保存はしていません。しかし、今回の作品は、将来的に、大垣市~日本の伝統文化財として永久保存・使用される、ユネスコ無形文化遺産・大垣祭り用の大変貴重な「天井画」ですので、この”下図”は大切に保存したいと思います。

 【今日の手直し箇所】
 この度の厳しいコロナ禍を受け、大垣市と日本中・世界中の人々の無病息災を祈念して、どうしても長寿の象徴「鶴と亀」を描きたかったのです。そこで、「姫君」の帯の柄として、小さく描き込みました。

 今回の作品画題は、『黒龍と四つ姫の図』(最終的に、多少の変更の可能性あり)として、”黒龍”に”4人の姫君”と”4種の金碧装飾画”が花を添える、という図になります。
 私の美人画家としての真骨頂が垣間見れる、”姫君の図”は、「藤姫」「桜姫」「竹姫」「蝶姫」の4人となります。私が、かつて取材した、和装の少女のスケッチ・画像を元に描きました。何とも美しく、麗しいね~ 😌。
 あまりに図像が煩雑になり過ぎるのも良くないので、この辺りで”大下図”は完全完成にしたいと思います。後は、本画を描く中で、多少の変更点・修正点が出るかも知れません・・・。
 この後の”本画(杉板絵)”制作を、乞うご期待~❣❣❣ 😘

 絵師(日本画家・絵本画家)後藤 仁

天井画制作 (73)
天井画「大下図」 制作過程㉔ 4人の姫君の図 「藤姫」 (帯に「鶴と亀の図」)

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉕ 4人の姫君の図 「桜姫」

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉖ 4人の姫君の図 「蝶姫」

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉗ 4人の姫君の図 「竹姫」

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉘ 大下図完成!! 『黒龍と四つ姫の図』 大下図・小下図

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程㉘ 〈アップ〉

大垣祭り、天井画制作・大下図
『黒龍と四つ姫の図』 大下図・小下図と、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
『黒龍と四つ姫の図』 大下図・小下図と、後藤 仁

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ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-08-08

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その4〉、小下図/大下図

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、小下図大下図・途中経過の工程をまとめています。)

                 *

2021年7月26日(月)、本日から「天井画」『龍図』”小下図(こしたず)制作” に取り掛かりました。
 縮小サイズの紙面で、イメージを固めていきます。とても勇ましくて、かっこいい龍になりそうですよ~❣❣


7月27日(火)、本日、「天井画」”小下図(こしたず)” が完成しました。ここの所、集中力が増してきたので、イメージが新鮮なうちに、2日間で一気に仕上げました。
 私の場合、「小下図」は、大抵、鉛筆だけか、鉛筆色鉛筆で描きます。これで、おおよその完成像が把握できるのです。
 画題をひとまず、『黒龍・四姫図』としました(最終的に変更の可能性あり)。黒龍の力強さと、姫君の優美さが融合した、伝統と革新~日本様式と中国様式を合わせ持つ(龍の姿態は純日本様式で、全体的な構図・意匠は中国様式になっています)、私らしくてオリジナリティあふれる龍図になるかと思います。
 この後、1か月間以内を目途に、原寸大の「大下図(おおしたず)」を作画していきます。ますます気合が乗ってきています〰 ❣❣

大垣祭り、天井画制作・小下図
大垣祭り、天井画「小下図」 後藤 仁

                 *

8月3日(火)、本日、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” に取り掛かりました。私の場合、「大下図」は、新鳥の子紙(和紙風の洋紙)に鉛筆で輪郭線のみを描きます。
 まずは、定規とコンパスで補助線を引きます。大きなコンパスがアトリエに無いので、段ボールで巨大コンパスを即席手作り。絵画の場合は、これくらいアバウトな方が、適度な自然の”揺らぎ”を醸し出すので、かえって良いのです。
 今日は拙ブログの文章作成に時間が取られてしまい、あまり制作が進みませんでしたが、明日以降も、どんどん作画してまいります~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
定規で補助線を引く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
手製の巨大コンパスで円を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
手製の巨大コンパスで円を描く。

大垣祭り、天井画制作・大下図
補助線、完成!!



8月4日(水)、本日、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 小下図やスケッチ・資料画像を基に、鉛筆で、おおよその当たりを付けていき、メインの部分(今回は龍の顔)から徐々に描き起こしていきます。絵画の場合は、端から部分的に描くのではなくて(最近、超リアル画 等と称して、写真を元に端から部分描写をしていくような、絵描き動画をよく観ますが・・・)、霧の中から像が浮かび出てくるように、画面全体のバランスを取りながら全体的に描き進めるのが、良いデッサンとされていますよ~。('ω')ノ
 本日は、の顔のイメージがおおよそ完成してきました。明日以降、更に各部分をつめていきたいと思います~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程① 龍を描き進める。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程②

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程③

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程④

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑤ 周囲の「姫君」の当たりを取る。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑤ 〈アップ〉 龍の顔の辺りを中心に描き進める。この後も、まだまだ、続きます!!



8月6日(金)、本日も、「天井画」”大下図(おおしたず/原寸大の下図)” を描き進めました。
 の鱗の構造が複雑で、描くのがとても難しく、今日はここで力尽きました~。 (@_@)
 明日以降、鱗を仕上げて、全体的に、更に描き込んでいきます。乞うご期待~❣

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」の作画中、後藤 仁

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑥ 龍の各部を描き進める。

大垣祭り、天井画制作・大下図
天井画「大下図」 制作過程⑦ 龍の鱗を描き進める。次回へ、まだまだ続きますよ~!!


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ジャンル : 学問・文化・芸術

2021-07-25

大垣祭り・中町 布袋軕 天井画(天井絵)制作〈その3〉、エスキース/ドーサ引き

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市) 
 天井画(天井絵)制作


 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁、GOTO JIN
  (※フェイスブック Facebook に記述した内容から、今回、エスキースドーサ引きの工程をまとめています。)


2021年7月12日(月)
 実際に杉板が届くまでは画面の状態を把握できないので、これまでは、ぼちぼちと絵のイメージ作りをしてきました。先日、いよいよ杉板が届きましたので、イメージも一気に固まってきました。
 今日から「小下図(縮小サイズの下図)」の制作に入り、1~2週間ほどかけて、じっくりと練り込んでいこうと思います。近年は絵本原画の小さな画面に向かう事が多いので、久しぶりの大きめの画面に、腕が鳴りますね~!! 良い案がどんどん浮かんでおりますよ~。 !(^^)!

                 *

 7月12日(月)~13日(火)の2日間で、「天井画」の原案を元に、簡単な「エスキース(簡易的な下図)」を2枚描いてみました。最初に話をいただいてから、かなりの時間があったので、その間に、絵のイメージを頭に思い浮かべ、資料等をそろえてきました。そんな訳で、今回のエスキースはすぐに描けるのです~。エスキースの前に、龍作画の補強の為に、動物園に蛇やワニのスケッチに行きたかったのですが、今はコロナ禍で難しいので、以前、取材したスケッチや写真資料を参考にしたいと思います。
 「天井画」の原案は何パターンかありましたが、最終的にこの方向で固まりそうです。大垣祭り軕(やま)の、からくり人形や調度品には、中国や朝鮮の影響が如実に見て取れます。そこで、「天井画」も、日本と中国の伝統的な龍図の折衷案でいきたいと考えました。そこに私独自の特長・持ち味として、画面の四隅に「和装の姫君」を描き込み、花を添えようという構想です。

 私が、この最初の工程からリアルタイムで創作過程を公開する事は、今まで一度もやった事がありません。創作上の企業秘密も多々あるのです。しかし、今回は公的なご依頼でもありますし、今後の若い画家達への参考に少しでもなればという思いで、拙い創作過程ではありますが、綴っていこうと考えました・・・。
 私の場合、このような過程を経て、手を動かしながら、徐々に絵の構想を固めていくのです。この後、もう少し時間をかけて考察しながら、2週間ほどで、正式な「小下図」を完成させようと計画しています。乞うご期待~ ❣

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース1、2

大垣祭り、天井画制作/エスキース
大垣祭り・中町 布袋軕「天井画」 エスキース2

                 *

 7月23日(金)、本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る工程のうち、”捨て膠” を引きました。板は和紙と違い、厚くて、水をよく吸うので、”捨て膠” を施す必要があるのです。

 私も本格的な杉板への描画は初めてなので、何事も手探りなのですが、今までの37年余りの日本画の経験と勘を元に、絵の具用の膠(にかわ/絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物の革・軟骨等から抽出する)を4倍ほどに薄めた膠液を今回は使いました。通常のドーサ液の2倍強ほどの濃さです。これは捨て膠なので、ミョウバンは入っていません。
 作業は、まあまあ上手くいったと思いますが、板と板の継ぎ目に接着剤のような物がはみ出ていたのか、その部分だけ、膠が光ったまま乾いています。今後の描画への影響が、少し心配です・・・。

 今日一日、十分に乾かして、明日、ドーサ液を引こうと思います。続きをお楽しみに~💛

大垣祭り、天井画制作
膠(にかわ)/日本画の絵の具を接着させる、ゼラチン状の物質。動物(主に牛)の革や軟骨等を煮込んで抽出したもの。強い接着力を有する。
 現在は、使用が簡単な、アクリル系の「新膠」を使用する日本画家も増えたが、私は古来からの「膠」にこだわって使用しています(新膠は、膠抜きができない・洗えない、極長期的な絵の具への悪影響が未知数である、等の問題点がある)。
 左から、「墨を作る時用の膠」(本来、日本画用ではないが、三千本膠が市場から消えた時期に、代用品として出回った。荒めの大作等には使用できる)。 「三千本膠」(さんぜんぼんにかわ/これは昔から日本画で最も使用されてきた三千本膠。十数年前、三千本膠を作る最後一軒の製作所が後継者不足で廃業し、市場から三千本膠が消滅した出来事があった。その前に買っておいた、残りわずかな三千本膠)。 「三千本膠・飛鳥」(近年、新たな製作所が古来の製法を復活させて作製した三千本膠。今はこの三千本膠しか出回っていない。)

大垣祭り、天井画制作
その他の「膠」等。
 左上から、「粒膠」(つぶにかわ/パール膠とも言う。洋膠から製造する。湯に溶けやすいという利点があるが、ひび割れしやすい傾向があり、私は滅多に使いません。) 「ミョウバン」(これは膠ではなく、染色の色止め等に使用する結晶状の物質。日本画では、「ドーサ液」を作る時に用いる。) 「乾燥鹿膠」〈中身と箱〉(かんそう しかにかわ/大正時代から使われている膠。三千本膠より接着力が強い。防腐剤が入っているので、今回のドーサ液には使いません。) 「軟靭鹿膠」〈袋〉(なんじん しかにかわ/乾燥鹿膠に湿潤剤を多く添加したもの。冬場や大作等のひび割れしやすい作品に用いる。) 「黄明練膠」(きめねりにかわ/現代、新しく製造された膠。ひび割れしにくい等の利点がある。その他、同様の効果を持つ膠が何種類かある。アクリル系の「新膠」とは別物。)

大垣祭り、天井画制作
「膠鍋」と「膠」。
 左は、三千本膠を水につけて、一日、冷蔵庫でふやかしたもの。右は、現在、「絵本」等の小品制作に用いている、溶かした三千本膠・乾燥鹿膠。

大垣祭り、天井画制作
湯煎にかけて、膠を溶かす。直火にかけると、高温で膠が分解されるので、必ず湯煎にします。

大垣祭り、天井画制作
溶けた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」(ドーサ塗りに用いる、専用の刷毛)。
 絵の具用とドーサ用の刷毛は、分けておいた方が良いです。

大垣祭り、天井画制作
水で薄めた「三千本膠」と、「ドーサ刷毛」。
 絵の具用の濃さの膠を、4倍程度、薄めています(通常のドーサ液の、2倍強の濃度)。

大垣祭り、天井画制作
今回特別に、宮大工の方にしつらえていただいた、「天井画」用の高級杉板。

大垣祭り、天井画制作
これから、杉板に「捨て膠」を引きます~~。(^。^)y

大垣祭り、天井画制作
私・後藤 仁の創作風景!!。捨て膠を引いています。
 私の創作の場は、通常、ほぼ非公開ですが、そんなに美しいものでもありませんね~。('◇')ゞ

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引いています。

大垣祭り、天井画制作
捨て膠を引き終った杉板。きれいだね~。 (^o^)丿
 
                 *

 7月24日(土)、世間はオリンピック開会式で盛り上がっていますが、私は、アトリエにて一人、「ひとり技能オリンピック」に興じています。
 本日は「天井画」杉板に ”ドーサ液(にじみ止めの液。膠とミョウバンで作る)” を塗る、いわゆる「ドーサ引き」を施しました。本来は、乾燥期の冬場に「ドーサ引き」をする方が効きが良いとされますが、時期が合わないので、梅雨明けを待って、この夏場に行います。ドーサ液の濃さや塗り加減は、季節や紙の状態等によって差異が生じるので、長年の経験が必要となり、なかなか難しいです。ドーサが効き過ぎて和紙がバキバキになったり、効かない時はドーサ・膠が抜けたりします。未だに失敗する時もあり、試行錯誤の連続です。
 今回の杉板は分厚いですし、ガッチリと絵の具を喰いつかせたいので、いつもの和紙用のドーサ液の1.5倍位の濃さの膠液にしました。ミョウバンの量は通常よりわずかに多めで、今回の大皿には小さじ半分程入れました。結晶状のミョウバンを、乳鉢で微粒子にすり下ろしておいて、膠液をぬるま湯位の温度にしてから、ミョウバンを入れます。私の場合、基本的に膠・ドーサ等の分量を計測器で量る事は無く、色や粘度を見て加減を判断するという、全て経験と勘の世界なのです。

 前日の「捨て膠」で板の接着部分周辺の一部にテカリが生じていたので(多分、接着剤が少しはみ出ていたのでしょう)、その部分を中心に耐水ペーパー(600番、1000番)を丁寧にかけました。画面全体にも軽くペーパーをかけ、板面の状態を平均化しました。せっかく宮大工さんが綺麗に鉋(かんな)をかけてくれていたのですが、やむを得ません。
 1回目の「ドーサ引き」を終え、乾いた状態を見ると、前日のテカリ部分も随分抑えられ、とても良い感じです。

 この後、完全に乾かして、昼過ぎ頃に2回目の「ドーサ引き」をして完了としたいと思います。(ドーサ引きは、和紙の場合は、紙の厚さ等に応じて、1~3度引きします。3度引きの場合、表2回・裏1回 等)
 この後、1週間程かけて「天井画」の”小下図(こしたず)”を描いていこうという計画です。気分はますます乗ってきました。乞うご期待~ ❣❣

大垣祭り、天井画制作
板面に耐水ペーパー(600番と1000番)を丁寧にかけて、接着剤とおぼしきテカリを取る。

大垣祭り、天井画制作
板の接着部分(4枚の板を貼り合わせているので、3筋ある)を中心に、全体的に耐水ペーパーをかけた状態。
 左のパネルは、今、描きかけの「新作絵本」の原画。その上には、我がアトリエの番人~「シルエットねこ」が写っていますね~🐈 (段ボールのはがれた跡の事ですよ)

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。慎重・丁寧に、薄く均一に、ゆっくりと塗るのがコツです。
 こんな作業の連続が、腰に来るのですな~ (;''∀'')

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を施す私。

大垣祭り、天井画制作
今回、使用した「ドーサ液」。
 通常の和紙用のドーサ液より1.5倍程の濃さの膠液に、和紙用より やや多めの小さじ半分程のミョウバンを入れました。膠液をぬるま湯程度の温度にしてからミョウバンを入れないと、うまく融けませんよ。

大垣祭り、天井画制作
一度目の「ドーサ引き」を終えた杉板。
 なかなか良い感じです~ ♡

大垣祭り、天井画制作
今回使用した「ドーサ液」と「ドーサ刷毛」。
 ドーサ液使用後の刷毛は、熱めの湯でよく洗い(膠はぬるま湯で落とせるのですが、ドーサは乾くと二度と取れなくなるので、熱めの湯でしっかり洗います)、この様に毛並みをきれいに整えて、水気をよく切っておきます(刷毛は中心に毛が寄りやすいので、少し外向きに整える)。道具を大切に長く使用する心掛けは、職人さん同様、画家(芸術家)にも大切な心構えなのです。

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ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)

Author:後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)
~後藤 仁 公式ブログ1~
絵師〈日本画家・絵本画家、金唐革紙製作〉後藤 仁(JIN GOTO、后藤 仁、고토 진)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 【後藤 仁 略歴】
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。
卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。
『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。また、宮崎 駿 氏の絵物語「シュナの旅」の原話になった事でも知られている。
○NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・専門誌・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学 デザイン科講師、東京造形大学 絵本講師 他、日本画・絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員。千葉県松戸市在住。

★現在、日本国内向けと、中国向けの「絵本」を制作中です~❣

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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