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2021-01-29

特別番組 【からくり人形師 後藤大秀 100年先へ残す「最後の仕事」 】放送!!

特別番組 【からくり人形師 後藤大秀 100年先へ残す「最後の仕事」 】

 私の伯父で、からくり人形師の後藤大秀さんの追悼特別番組が、大垣ケーブルテレビで放送されます!!
 現代日本を代表する、からくり人形師 ・ 後藤大秀さんの最後の姿となります。ご視聴できる地域の方は、ぜひ、ご覧いただきますよう、お願い申し上げます。
  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

 放送日 : 2021年2月1日(月) 午後7時10分から、
        大垣ケーブルテレビ「チャンネルOCT」


 大垣ケーブルテレビ 公式サイト https://www.ogaki-tv.co.jp/choct/sp/




               *

 昨年から3か年をかけて、「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)」(岐阜県大垣市)の完全復元事業が行われています。その最後を飾る、天井画(天井絵)制作を、私が受け持つ事になりました。本年辺りから、本格的な下図制作に入る予定です。
 大垣祭りは、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りです。伯父・後藤大秀さんの からくり人形は、この大垣祭りの軕(やま)に乗せられて、毎年5月にご披露されます。
 布袋軕再建は、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金の交付を受けての、大垣市の文化振興・文化財保護整備事業として、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業です。また、この布袋軕再建は、伯父・後藤大秀と甥・後藤 仁の二世代の作家による、壮大なコラボレーション作品とも言える、歴史的 大創作事業になるのです。
 私は、この制作を通し、私自身の芸術への意気込みや、伯父への思慕のみならず、大垣市民から岐阜県民・日本国民の祭り好きの皆様のご期待に応えるべく、また、阪神大震災・東日本大震災への鎮魂や、また今回のコロナ禍を受けて、病気・疫病平癒への深い祈りを込めた、誠にかけがえのない大切な創作になると思っています。全身全霊、精魂を傾けて創作に望みたいと、気合を入れています。

               ☆


【からくり人形師・後藤大秀 略歴】

 後藤大秀(ごとう だいしゅう、1929年~2020年、本名は後藤秀美 )は、岐阜県・愛知県を中心に活躍した著名な「からくり人形師」であり、後藤 仁の伯父(父の兄)でもある。

〔概要〕
 現在、日本で本格的な「からくり人形師」として活動しているのは数名しかおらず、後藤大秀は日本を代表するからくり人形師の一人である。全国的にも有名な大垣祭、大津祭といった祭りの、「山車からくり(だしからくり)」の完全復元や修復を多く手がけた。(この場合の復元とは、昔の人形を基に全く同じ姿形の人形を新しく制作する事。修復とは、昔の人形の破損した箇所だけを作り直す事。)
 なかでも、大垣祭の相生軕「神主友成」復元制作では、昔の人形は過去に紛失していた為、古い写真一枚と古老の証言のみを基に制作をしたので、この場合はほぼ完全創作と言える。

 「からくり人形」は頭・首・手・足・胴・胴串等から出来ており、頭・首・手・足には木曽檜、胴には桜、軸は樫、ピンは竹、滑車類はツゲといった木材を、バネには鯨のヒゲを使用する。昔と変わらぬ道具や材料を使用して、人形一体を制作するのに一年はかかる。
 後藤大秀の作品は、「能面打ち」修行でつちかった髪や目の繊細な線描きと、深い色合いの彩色や、「宮大工」時代につちかった高度な木工技術による、複雑なからくり仕掛けが特長である。


〔略歴〕
1929年 愛知県一宮市に生まれる。〔本名、秀美(ひでみ)。父は指物大工である。甥は日本画家の後藤 仁。〕その後、岐阜県大垣市に移る。
1948年 工匠の小寺浅之助に堂宮建築(宮大工)を学び(「金蝶園総本家 本店(大垣市景観遺産指定)」等の建築に参加)、のち数寄屋建築(茶室)を手がける。
1950年 大垣祭の大黒軕(三輌軕)「保管箱(厨子)」制作。
1980年 能面打ち師の東 安春(堀 安右衞門の弟子)に師事し、能面打ち修行をする。(つまり後藤大秀は、能面打ちでは、堀 安右衞門の孫弟子にあたる。)
1984年より、「からくり人形」復元制作を始める。名古屋市 戸田まつりの四之割「宙吊り小唐子」「肩車大唐子」「采振り童子(ざいふりどうじ/采振り人形)」復元制作。
1988年 「大垣市市展賞」受賞。
1991年より、名古屋市筒井町 天王祭の神皇車(じんこうしゃ)「神功皇后(じんぐうこうごう)」「武内宿禰(たけのうちのすくね)」「面かぶり巫女」「采振り童子」復元制作。
1992年 大垣市東地区センター能面の会 講師。
1994年より、大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」「尉」「姥」復元制作。
1994年 豊田佐吉記念「トヨタ産業技術記念館」(名古屋市)に唐子人形を制作納入。
1996年 大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」完成。
1998年 「大垣市教育功労賞」受賞。
1999年 大垣祭の相生軕「尉」「姥」完成。大垣祭の愛宕軕「武内宿禰」「神官人形(狂言師人形)」復元制作。大垣市美術家協会 理事。「第14回国民文化祭」(岐阜県高山市)で、からくり人形の制作実演。
2000年 大垣市市展 審査員。
2001年 大津祭の龍門滝軕「鯉」復元制作。大垣祭の浦嶋軕・布袋軕「采振り童子」復元制作。
2003年より、名古屋市 広井神明社祭の二福神車(にふくじんしゃ)「恵比寿人形」「大黒人形」「采振り童子」復元制作。
2005年 岐阜県神戸町町展 審査員。
2007年 「大垣祭り出軕運営委員会 功労賞」受賞。「後藤大秀 からくり人形・能面展」(名古屋市博物館)開催。
2009年 「全国山・鉾・屋台保存連合会 人形関係修理技術者」認定(当時は全国で3名のみ、現在は4名のみ認定)。大垣祭の布袋軕「倒立唐子人形」「布袋人形」復元制作。
2013年 「全国新作能面公募展」秀作受賞。
2014年 常滑市大野橋詰町 尾張大野祭の紅葉車(こうようしゃ)「逆立ち唐子」「采振り童子」復元制作。
2015年 大垣祭が「国重要無形民俗文化財」指定。「全国新作能面公募展」能楽の里賞受賞。
2016年 大垣祭、亀崎潮干祭が「ユネスコ無形文化遺産」登録決定。
2017年 「岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状」授与。「全国新作能面公募展」審査員特別賞受賞。津島市 津島秋祭・七切祭(ななきりさい)の麩屋町車「湯取神子」「笛吹人形」「鼓打人形」、池町車「逆立ち唐子(唐子遊)」復元制作。
2018年 「大垣市功労章」授与。「後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)開催。
2020年9月 91歳にて逝去。


〔その他〕
後藤大秀が修復した「からくり人形」が使用されている山車。
   大垣祭の菅原軕、榊軕、愛宕軕、神楽軕(三輌軕)
   大津祭の郭巨軕
   名古屋市 戸田まつりの一之割、三之割、五之割
   羽島市 竹鼻まつりの福江町・上町の山車
   大垣市 綾野祭の猩々軕
   半田市 亀崎潮干祭の東組宮本車
   津島市 津島秋祭の麩屋町車、池町車     他
「名古屋まつり」には、筒井町 天王祭の神皇車と広井神明社祭の二福神車が登場する。
「はんだ山車まつり」(愛知県半田市)には、半田市 亀崎潮干祭の東組宮本車が登場する。
後藤大秀の「からくり人形作品」は、名古屋市博物館、神皇車保存会、トヨタ産業技術記念館(名古屋市)等に収蔵されている。

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2020-10-13

哀悼~からくり人形師、伯父・後藤大秀さんへ

「愛しく気に入っているすべての人々とも、やがては、生別し、死別し、異にするに至る。」
「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠けることなく修業を完成なさい。」
 〈 「ブッダ最後の旅 大パリニッバーナ経」(中村 元 訳/岩波文庫) 〉


 ここのところ半年余り続いた大きな憂鬱の原因の一つは、この予兆だったのであろうか・・・。からくり人形師・能面打ち師であり、私の芸術の心の師である、伯父・後藤大秀さんが、先月9日、亡くなられたという。
 親類に心配・迷惑をかけたくない等という思いからなのか、私達には直接の連絡はなく、大垣祭保存会のSNS・ブログで伯父の逝去を知る事になるとは、今は何とも奇妙な時代である。実にリアルな”戦争”の夢・・・恐ろしさの中にどこか懐かしさが入り混じった奇妙なその夢を見た9月7日の、二日後である。あの夢はこの暗示であったのか、はたまた、伯父の夢中に通じたのか・・・・。
 約25年前に57歳で亡くなった父には、東京藝大の卒業作品を見せる事が叶わず、今回、伯父には大垣祭り「天井画(天井絵)」を見せる事ができなかった事が、誠に残念である。ただ、2018年に「後藤 仁、後藤大秀展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)を開催できた事は大いなる果報である。

後藤大秀 能面展「後藤大秀 からくり人形・能面展」(名古屋市博物館/2007年8月) 伯父・後藤大秀さんと私

赤穂市立美術工芸館特別展「日本画画業35周年記念 後藤 仁 日本画・絵本原画、後藤大秀 からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館、兵庫県赤穂市/2018年10月20日) 後藤大秀夫妻、大垣祭保存会の皆様と私

 伯父は齢90を越え、職人としての創作に一生を捧げ、きっと満足して、遠き異界へ旅立たれたと思う。世話の焼ける甥には、少しばかり、心残りがあったであろうか・・・。伯父は50歳代半ば以降、名古屋・大垣周辺の からくり人形復元を一手に担い、専門書籍・新聞・雑誌・テレビ等にも度々取り上げられた。晩年は「岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状」「大垣市功労章」等を授与され、特に岐阜県・愛知県周辺では、よく知られた存在であった。ただ、根っからの職人気質の伯父は派手なパフォーマンスを嫌い、業界では「当代随一の からくり名人」の誉れがあるにもかかわらず、本当は実力が劣るといわれる著名からくり人形師家系当主ほどはメディアに持ち上げられる機会はなかった。伯父は、その名声以上に実力・気概のある、本物の職人・芸術家であったと確信している。その作品は、多くの大垣市民・岐阜県民・日本国民に愛され、これからも子々孫々、受け継がれ、語り継がれていく事だろう。

 私はこの後、3年計画で進められる、〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕大垣祭り・中町 布袋軕(ほていやま)(岐阜県大垣市)復元事業のトリを飾る、「天井画(天井絵)」制作に一人で臨む事になる。
 子供の頃、大垣の伯父の家(父の実家)には、夏休み・冬休みの度に訪れた。伯父の、からくり人形・能面作品を見る事が何よりも楽しみだった。大垣は私にとって、第二の故郷ともいうべき思い出深い土地だ。
 伯父と最後に話したのは、確か今年の5月末頃、「仁の天井画が完成するまで、後3年は生きにゃあならんわい・・・。」と電話口で飄々と語る伯父の声は、決して忘れる事は無い。伯父の訃報を受け、改めてこの度は、とても貴重な創作の機会を賜ったと感じる。この制作依頼は伯父の遺言だとも、天命だとも信じて、大垣市民その他、祭り愛好者の期待に応えるべく、全身全霊で創作に打ち込みたいと思う。
 父や伯父に大した恩返しも出来なかった分も、次世代の子ども達・若者達の為にも、伯父の御意志を継いで、未熟な私ではあるが、きっと一生を創作に捧げたいと誓っている。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁


【YouTube】特別展「後藤仁日本画・絵本原画/後藤大秀からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館/2018年10月~12月) 


図録 『後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形~赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展~』(赤穂市文化とみどり財団/赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)
http://www.ako-bmz.jp/single-goods/%E5%B9%B3%E6%88%90%ef%bc%93%ef%bc%90%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E7%89%B9%E5%88%A5%E5%B1%95%e3%80%80%E5%BE%8C%E8%97%A4%e3%80%80%E4%BB%81%e3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%BB%E3%83%BB%E7%B5%B5%E6%9C%AC%E5%8E%9F/


【後藤大秀 概要・略歴】
 後藤大秀(ごとう だいしゅう、1929年~2020年、本名は後藤秀美 )は、岐阜県・愛知県を中心に活躍した著名な「からくり人形師」であり、後藤 仁の伯父(父の兄)でもある。

 現在、日本で本格的な「からくり人形師」として活動しているのは数名しかおらず、後藤大秀は日本を代表するからくり人形師の一人である。全国的にも有名な大垣祭、大津祭といった祭りの、「山車からくり(だしからくり)」の完全復元や修復を多く手がけた。(この場合の復元とは、昔の人形を基に全く同じ姿形の人形を新しく制作する事。修復とは、昔の人形の破損した箇所だけを作り直す事。)
 なかでも、大垣祭の相生軕「神主友成」復元制作では、昔の人形は過去に紛失していた為、古い写真一枚と古老の証言のみを基に制作をしたので、この場合はほぼ完全創作と言える。

 「からくり人形」は頭・首・手・足・胴・胴串等から出来ており、頭・首・手・足には木曽檜、胴には桜、軸は樫、ピンは竹、滑車類はツゲといった木材を、バネには鯨のヒゲを使用する。昔と変わらぬ道具や材料を使用して、人形一体を制作するのに一年はかかる。
 後藤大秀の作品は、「能面打ち」修行でつちかった髪や目の繊細な線描きと、深い色合いの彩色や、「宮大工」時代につちかった高度な木工技術による、複雑なからくり仕掛けが特長である。

                *

○1929年 愛知県一宮市に生まれる。〔本名、秀美(ひでみ)。父は指物大工である。甥は日本画家の後藤 仁。〕その後、岐阜県大垣市に移る。
○1948年 工匠の小寺浅之助に堂宮建築(宮大工)を学び(「金蝶園総本家 本店(大垣市景観遺産指定)」等の建築に参加)、のち数寄屋建築(茶室)を手がける。
○1950年 大垣祭の大黒軕(三輌軕)「保管箱(厨子)」制作。
○1980年 能面打ち師の東 安春(堀 安右衞門の弟子)に師事し、能面打ち修行をする。(つまり後藤大秀は、能面打ちでは、堀 安右衞門の孫弟子にあたる。)
○1984年より、「からくり人形」復元制作を始める。名古屋市 戸田まつりの四之割「宙吊り小唐子」「肩車大唐子」「采振り童子(ざいふりどうじ/采振り人形)」復元制作。
○1988年 「大垣市市展賞」受賞。
○1991年より、名古屋市筒井町 天王祭の神皇車(じんこうしゃ)「神功皇后(じんぐうこうごう)」「武内宿禰(たけのうちのすくね)」「面かぶり巫女」「采振り童子」復元制作。
○1992年 大垣市東地区センター能面の会 講師。
○1994年より、大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」「尉」「姥」復元制作。
○1994年 豊田佐吉記念「トヨタ産業技術記念館」(名古屋市)に唐子人形を制作納入。
○1996年 大垣祭の相生軕「神主友成」「住吉明神」完成。
○1998年 「大垣市教育功労賞」受賞。
○1999年 大垣祭の相生軕「尉」「姥」完成。大垣祭の愛宕軕「武内宿禰」「神官人形(狂言師人形)」復元制作。大垣市美術家協会 理事。「第14回国民文化祭」(岐阜県高山市)で、からくり人形の制作実演。
○2000年 大垣市市展 審査員。
○2001年 大津祭の龍門滝軕「鯉」復元制作。大垣祭の浦嶋軕・布袋軕「采振り童子」復元制作。
○2003年より、名古屋市 広井神明社祭の二福神車(にふくじんしゃ)「恵比寿人形」「大黒人形」「采振り童子」復元制作。
○2005年 岐阜県神戸町町展 審査員。
○2007年 「大垣祭り出軕運営委員会 功労賞」受賞。「後藤大秀 からくり人形・能面展」(名古屋市博物館)開催。
○2009年 「全国山・鉾・屋台保存連合会 人形関係修理技術者」認定(当時は全国で3名のみ、現在は4名のみ認定)。大垣祭の布袋軕「倒立唐子人形」「布袋人形」復元制作。
○2013年 「全国新作能面公募展」秀作受賞。
○2014年 常滑市大野橋詰町 尾張大野祭の紅葉車(こうようしゃ)「逆立ち唐子」「采振り童子」復元制作。
○2015年 大垣祭が「国重要無形民俗文化財」指定。「全国新作能面公募展」能楽の里賞受賞。
○2016年 大垣祭、亀崎潮干祭が「ユネスコ無形文化遺産」登録決定。
○2017年 「岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状」授与。「全国新作能面公募展」審査員特別賞受賞。津島市 津島秋祭・七切祭(ななきりさい)の麩屋町車「湯取神子」「笛吹人形」「鼓打人形」、池町車「逆立ち唐子(唐子遊)」復元制作。
○2018年 「大垣市功労章」授与。「後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)開催。
○2020年9月 91歳にて逝去。


テーマ : art・芸術・美術
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2020-08-09

〔ユネスコ無形文化遺産〕大垣祭り・布袋軕(岐阜県大垣市)天井画制作〈その1〉後藤 仁

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)(岐阜県大垣市)
  天井画(天井絵)制作 〈その1〉


 いよいよ、「大垣祭り・中町 布袋軕」再建事業が本格的にスタートしました!!。
 大垣祭は、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。大垣祭の山車(だし)である、相生軕・愛宕軕・浦嶋軕・布袋軕・菅原軕・榊軕・神楽軕(三輌軕)には、私の伯父で からくり人形師の後藤大秀(ごとう だいしゅう/作家名)さんが復元・修復した「からくり人形」が多数載せられ、毎年、大勢の人々の前でご披露されます。

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日、後藤大秀 作 からくり人形「采振り童子人形」「倒立唐子人形」「布袋人形」

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日

 新型コロナウイルスの影響による事業縮小が心配でしたが、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金が交付され、大垣市の文化振興/文化財の保護・活用/文化財保護整備事業予算も無事通ったそうで、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業の始まりです。
 「中町 布袋軕」は今後、3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私はその中の、布袋軕の「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されました。私にとっては金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術・手製高級壁紙)復元製作以来の貴重な伝統的文化財の復元制作となりますので、すこぶる気合が入ります。しかも、金唐革紙は副業的な仕事でしたが、今回は本業の日本画による制作なので思いは格別なのです。また、伯父・後藤大秀さんの「からくり人形」とのコラボレーション企画という事もあり、誠に嬉しい仕事なのです。

「中町 布袋軕」全体の再建事業は、こちらの大垣祭保存会・中町布袋会の公式ブログをご覧下さい。↓
○大垣まつり「布袋やま再建日記」
 http://hoteiyama.seesaa.net/

 大垣市には、父方の実家があり、幼少の頃より、夏休み等には度々帰省していました。私にとっては、生まれ故郷の兵庫県赤穂市が第一の古里だとしたら、小学校1年生から高校生までを過ごした大阪府堺市と並んで、大垣市は第二の古里とも言える、大切な土地なのです。大垣の家では、伯父の能面や からくり人形や様々な珍しい大工道具を見るのが何よりも楽しみでした。
 伯父は若い頃の堂宮建築(宮大工)の修業から始まり、私が小学生高学年頃には茶室の設計施工も請け負い、私が中学生頃には能面打ちの修業を経て、私が高校生頃からは からくり人形の復元制作を中心に手掛けるようになりました。表面的な表現方法は変遷しながらも、高度な木工技術は常に一貫した、素晴らしい職人・造形作家です。私が日本画を表現主体としながらも、その世界だけに胡坐をかく事なしに、金唐革紙や絵本といった様々な表現手法を縦横無尽に吸収していった由来も、伯父の影響が少なからずあるのかも知れません。
 私には今までの画家・作家人生の中で、実際に交流のあった人で、極めて強い影響を受けた作家が三人います。そのお一人は他ならぬ、物心がついた頃から作品を見続けてきた伯父・後藤大秀さんです。次には、美術予備校(立川美術学院)時代と東京藝術大学日本画専攻時代に講師・先輩としてお世話になった村上 隆さんです。今では、日本画界から羽ばたき、日本を代表する現代美術(現代アート)の旗手として世界的に活躍しています。そして、私の日本画の師として仰ぐ日本画界の重鎮・後藤純男(ごとう すみお)先生です。先生は、東京藝術大学名誉教授・西安美術学院名誉教授・日本美術院同人理事・日本芸術院賞 恩賜賞受賞者として、日本の美術史に燦然と輝く日本画の大家です。
 2018年には、私と伯父・後藤大秀とのコラボレーション展覧会「特別展 ~日本画画業35周年記念~ 後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 ─ 赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)を開催しました。この展覧会や、2017年の「後藤大秀 岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状授与式」での大垣市・大垣祭保存会とのご縁がきっかけで、誠に有難い事に、今回の天井画制作のお話を頂戴する名誉に預かりました。

赤穂市美術工芸館「特別展 ~日本画画業35周年記念~ 後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 ─ 赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館) 後藤大秀 夫妻、大垣祭保存会の皆様と

 これから天井画原案・下図の作成、天井画用の板の発注・輸送から始まり、およそ1年をかけて、少しずつ制作を進めていく予定です。獅子奮迅、全身全霊、制作に打ち込みたいと心しています。
 天井画制作の模様は、今後おいおい、拙ブログで、詳細にお知らせしていきたいと考えています。まずは、布袋軕の「実測図」(作成:株式会社 建築計画研究所)が届きましたので、ここにご掲載いたします。

大垣祭布袋軕実測図「大垣祭 布袋軕」実測図(作成:株式会社 建築計画研究所) 正面 立面図

大垣祭布袋軕実測図「大垣祭 布袋軕」実測図(作成:株式会社 建築計画研究所) 右側面 立面図


  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)

Author:後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)
~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師、元 東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員、この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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