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2019-02-24

後藤仁 台湾写生旅行 その12(最終回)

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その12 〈最終回〉
 昨年、訪れた台湾の旅ですが、昨年後半は大きな展覧会等が続き、多忙でなかなかアップできずに、丸一年経ってしまいました。今回でようやく完結します。最後までお楽しみ下さい。

 3月14日(水) 旅行21日目(前回からのつづき)。烏來(ウ―ライ)「酋長文化村」での舞踊公演が始まります。民族音楽にのせて数人のダンサーが軽やかに踊ります。なかなか高いレベルです。観光用に現代的にアレンジされていますが、台湾少数民族・タイヤル族の伝統を継承した舞踊は見応えがあり満足しました。今回の旅では、先進国にありがちなのですが、台湾の人はあまり絵描きに関心を示さず、スケッチ中も集まって来る人が少なく、肝心の人物を描く事があまりできませんでした。それがF4号スケッチブックを全ページ完了できなかった原因にもなっています。その部分では少々心残りがありますが、国によっても雰囲気が変わるので仕方ありません。この舞踊公演を観覧できた事で、ようやく台湾取材旅行での「アジアの美人画家」としての取材が完結したような気がしました。
 歩いて烏來老街に戻り、昼食は魯肉飯(ルーロウファン/台湾名物、豚の脂身丼)、野菜炒め(計110元)をいただく。昼過ぎ、バスとMRT(台湾式地下鉄)を乗り継ぎ、台北に帰って来ました。台北では、「松山文創園区」という総合文化施設で展示物や図書館を見物。台北の街をぶらつき、ジュンク堂書店、誠品書店等の台湾の大きな書店や画廊を回って、絵本文化や絵画文化の充実度をリサーチ。夕食はパンで簡単に済ませました。

 今夜の宿は、前もって予約しておいた「ホーミーホステル」ですが、この日は混んでいてシングルルームがなかったのでツインルーム(トイレ・シャワー共同、朝食付き、ツインルーム1300元)に一人で泊まります。台北の宿はゲストハウスクラス(トイレ・シャワー共同、ベットしかない狭い部屋)でも1000元位はしますので、烏來から2時間弱で移動できる事、MRTの運行が安定している事を考えると、30分間のバス移動のみ少しの不安は残るものの、台湾旅の最終日は烏來に泊まって、朝早くに台北に戻って空港(夕方~夜の便)に向かうという選択肢もありだなと思いました。通常は間違いなく日本に帰る為に、最終日は必ず空港に一番アクセスの良い大都市に泊まるのですが、烏來→台北位の短距離移動なら不安も少ないです。宿の価格と設備充実度を考慮すると、次回からはそうしようと思うのでした。
 
 3月15日(木) 旅行22日目。この日は台湾旅行の最終日です。朝食は宿のブレックファーストをいただき、朝から台北街巡り。帰国便まで時間の限りリサーチしておこうと思います。「国立台湾博物館」(入館料30元)を鑑賞。館内は広くて、恐竜の化石や動物の標本等、見所はたくさんです。「国立国家図書館」「台北市立図書館」を見学。どちらも広くて、「台北市立図書館」の児童書コーナーはかなり充実しています。帰国の時間がどんどん迫るので、後半は駆け足での移動になりました。
 最終日に友人・知人用の土産を買っておこうと考えていましたが、色々な人に配るとなると、いつも100個以上は買わないといけないのです。台湾は物価が高め(物価平均は日本の7割位)で、その土地ならではの面白い土産もなかなか見つからなく、いよいよ帰国便の時間が迫って来ました。今回の土産はあきらめです~。
 13:30に台北車駅からMRT桃園機場線で、14:10機場第二航廈駅着(160元)。遅めの昼食は空港のレストランで、豚の角煮麺を食べました。

台湾写生旅行烏來(ウ―ライ) 「酋長文化村」 ダンサーの皆さんと

台湾写生旅行「国立台湾博物館」 外の広場で野生のタイワンリスを見つけました。カワイイけど猫くらいに大きいよ~ (@_@)


 16:20 台北、台湾桃園国際空港 第2ターミナル 発 〈CI106〉 → 20:20 日本、成田空港 着 


 こうして22日間に渡る「台湾写生旅行」は終了しました。特にこの旅で印象に残ったのは、日月潭(リーユエタン)、霧台(ウータイ)、烏來(ウ―ライ)の3か所でした。いずれも素晴らしい土地でしたね・・・。
 今回の旅は、初期の謎の歯痛とカメラの調子が最後まで悪かった事を除けば、ほぼノートラブルの快適な旅になりました。あまりに平穏すぎて、旅の過酷さを知る私としては、少し物足りない位の、日本に近い感覚の旅でした。治安・衛生環境もかなり良くて、交通機関・宿泊・食堂・売店等も日本並みに発達しており、主な施設ではほぼ英語が通じ、日本人なら台湾漢字の繫体字もだいたい読めるので、旅に不自由はありません。海外旅行初心者の方には、台湾は一番おすすめと言えますね。
           *

 今回の取材旅行の「旅行費用」をざっと記しておきましょう。

「台湾一周 写生取材旅行 (22日間)」 
 航空券(ビザ不要)・旅行保険代金等  約6万円
 現地滞在費(宿泊、食費、交通費 等) 約16万5000円
               総計  約22万5000円

 今回も極力安い費用で、最大限充実した取材旅が出来ました。お金持ちならば、費用をかければ、快適で充実した旅が出来るのは当たり前です。しかし贅沢旅では、かえって本来の人々の生活や物事の真実が見えないものです。私のような貧乏絵描きは、いかに工夫して、安くても素晴らしい取材旅をするのかが重要なのです。お金ではなく、頭と足を使うのです。

 旅の成果は、スケッチブック2冊で、計38枚(F4号15枚、SM号23枚)のスケッチ。写真撮影 2550枚。

 私はプロの画家なので、スケッチや原画をネット上であまり公開しないのですが、拙ブログ来訪者に感謝して、特別に2枚だけご披露いたします。

台湾写生旅行「九份」 (2018.3.12) F4号 後藤 仁

台湾写生旅行「嘉義にて、少女」 (2018.2.28) SM号 後藤 仁

           *

 前回の「スリランカ旅行」でも記した内容に追記します。
 台湾は、アジア圏ではトップクラスの経済発展を遂げており、治安も良い国と言われています。私の実感で「旅の快適度・難易度(治安、利便性、雰囲気の良さ等から総合的に判断)」を独断と偏見で比較したら、今回の台湾は、ラオス・ルアンパバーンや日本の地方地域と同じレベルでしょう。台湾の都心部だけを取り上げてみても、日本の都心部より治安が良いのではないかと感じた程です。(ただし、わずか22日間の滞在なので、確たる判断はできませんが。)
 私が今までに旅をした国々の「旅の快適度・難易度」をざっと表にしてみると、以下のようになりました。ちなみに、最近の中国都心部(北京・上海)、中でも上海の利便性・治安の向上には著しいものがあります。

台湾(全域の平均)、ラオス(ルアンパバーン)、ベトナム(サパ・バックハー)、ミャンマー(インレー湖・カロー)、日本(地方)
○日本(都心部)
○中国(北京・上海)、タイ王国(チェンマイ・チェンラーイほか)、イタリア・バチカン市国、ミャンマー(全域の平均)、スリランカ
○中国(貴州省・四川省ほか地方地域)、タイ王国(バンコク)、ミャンマー(ヤンゴン・バガン)
○ベトナム(ハノイほか)、カンボジア(シェムリアップ)、ミャンマー(マンダレー)
  (この間には開きがあり、これ以下は旅の難易度が増します。)  
●中国(チベット)、ネパール(カトマンズほか)、インドネシア(ジャワ島・バリ島)
  (この間には開きがあり、これ以下はさらに旅の難易度が増します。)  
●インド(全域)
●インド(バナーラス)

  (※上方ほど快適度が高い、下方ほど難易度が高い。)

 といった順ですが、これはその国・地域の「良し悪し、素晴らしさ」という判断ではなく、あくまで治安を中心とした「快適度・難易度」です。また、私の訪問年代にもよりますし、たまたま時の状況が悪かったという場合も考えられるでしょうから、私個人の主観としてご参照下さい。
 インド、ネパール、インドネシアなどは、とても優れた遺跡や文化が残っている素晴らしい国です。ただ、これらの国は一人旅をするのは結構難しい地域で、身に危険を感じる場面が何度か起こる可能性があり、特に女性の一人旅はよほど旅慣れた人でないとお勧めできません。また、ツアー旅行の場合でも、注意が必要になってくるでしょう。
 外務省ホームページの危険情報によると、インド辺りは黄色(十分注意)から部分的に薄いオレンジ色(渡航の是非検討)位の危険の程度です。中東やアフリカの紛争地帯では、濃いオレンジ色(渡航延期勧告)から大部分は赤色(退避勧告)ですので、いかにそれらの地域に旅をするのが危険なのかが推察されます。

           *   

 ちなみに、私が今までの海外旅行で、「最も感動したランキング ベスト10」を挙げるとざっと以下のようになります。(それぞれが個々に素晴らしくて、感動要素も異なるので、一概に比較するのは難しいのですが、私の主観による感動度のみでランキングしてみます。)

第1位 ☆インド アジャンター石窟「蓮華手菩薩像」
第2位 ☆ネパール カトマンズ「インドラジャトラ祭・クマリとの遭遇」
第3位 ☆中国 チベット「ポタラ宮」
第4位 ☆インド バナーラス「ガンガーでの沐浴」
第5位 ☆インドネシア ジャワ島「ボロブドゥール遺跡」
第6位 ☆中国 貴州省「トン族村」
第7位 ☆イタリア・バチカン市国「システィーナ礼拝堂 ミケランジェロのピエタ像」
第8位 ☆カンボジア「アンコール遺跡群」
第9位 ☆ベトナム サパ・バックハー「モン族村」
第10位☆インドネシア バリ島「バリ舞踊」
     

 アジャンター石窟やガンガーの沐浴、ポタラ宮では、感動のあまり感涙を起こす位ですし、インドラジャトラ祭ではほぼ放心状態でした。つまりは、より近付く事が困難であるから、より感動が増加するとも言えますので、「旅の快適度・難易度」がそのまま「旅の良し悪し」ではないという事なのです。
 また、お金を払えば誰でも行ける簡単な「ツアー旅行」では、私と同程度の感動は多分、得られないのではないかと思います。現地の文化・美術への造詣と知識を十分に得た上で、長期間の自由旅行で精神を解き放ち、不便を乗り越えながらようやくたどり着いた中での感動なのです。
 不安定な国際状況の中、今後の海外取材旅行でも多くの困難を伴うかも知れませんが、こらからも機会があるごとに私は写生旅行に出かける事でしょう。そこに感動があり、絵画創作へのインスピレーションの源泉がある限り、私は一生、旅を続ける事になりそうです。

 いつもは読者サービス的に、取材旅行を無償でブログ公開していますが、いつか機会がありましたら、文章や写真だけではなく、旅でのスケッチやそれを元にした日本画作品等を掲載した、「旅の絵本」のような紀行書・絵日記と絵本が合わさったような本を書いて、出版できないものかと考えています。今の日本の出版状況を考えると、なかなか難しいのですが、今までの旅の面白い逸話・スケッチ・日本画作品は膨大にあります。もし、ご関心のある出版社の方等おられましたらご連絡下さい。

  絵師(日本画家・絵本画家)  後藤 仁  GOTO JIN


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2019-02-23

後藤仁 台湾写生旅行 その11

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その11

 3月13日(火) 旅行20日目。朝食は、「ホーミーホステル」のブレックファーストです。パンや飲み物等の軽食をビュッフェ形式で自由にいただけ、旅人にとっては便利です。
 台北車駅からMRT(地下鉄のような交通路線)で新店駅まで30分程。新店駅から10:00過ぎのバスで烏來(ウ―ライ)に10:30過ぎ着(15元)。(MRT・市バスは、悠遊カードというチャージ式ICカードを買っておくと便利です。カードは台湾鐵道・コンビニ等でも使えます。MRTのホームでは飲食禁止になっており、あちこちに監視員がいて外国人でも罰金を取られるので、注意がいります。私はホーム・列車内で水を飲む癖があるので、ついつい飲みそうになって危ないです。)歩き・待ち時間を合わせても、わずか2時間弱で台北から烏來に着くのです。
 烏來は台湾で有名な温泉地で、台湾少数民族・タイヤル族の住む土地です。烏來の宿は、温泉街の「情人温泉民宿」(温泉・トイレ、朝食付き、シングルルーム1400元)に飛び込みで決定。温泉街で一番安そうな宿を選びました。昼食は、温泉街の食堂で竹筒飯(タイヤル族の伝統的な料理、竹筒の中におこわ風の飯が入っている。70元)と青菜炒め(50元)をいただく。「烏來泰雅民族博物館」(入場無料)ではタイヤル族の生活文化が詳しく解説・展示されていて興味深いです。特に私は、民族衣装に関心が高いのです。温泉街の烏來老街からトロッコ列車に乗って烏來特定風景区へ(片道50元)。トロッコ路線は短いですが、子供は喜ぶでしょう。
 烏來特定風景区は素晴らしい所でした。「白糸の滝(烏來瀑布)」という落差が50m以上はありそうな巨大な滝があり、私は乗りませんでしたがロープウェイで山頂の雲仙楽園という所へも行けます。「白糸の滝」をF4号スケッチブックに1時間程写生。私はロープウェイよりも、「酋長文化村」というタイヤル族の舞踊が見れるという施設に関心があり、伺いました。ただ、その日は観光客がいないので、午後の舞踊公演は無しという事です。残念ですが、明日もう一度伺う事にして、施設内で土産の小物を手作りしているタイヤル族のダンサー達をスケッチさせてもらいました。女性舞踊家も男性舞踊家も皆、美しい方ばかりです。SM号スケッチブックに手早く3枚クロッキー。最後のページにはあちこちでスタンプを押していたので、これでSM号スケッチブックは全24ページ完了しました。満足です。
 帰りはトロッコに乗らず、歩いて烏來老街へ。夕食は温泉街の食堂で、揚げパン、豆汁(計80元)をいただく。どちらも甘めなので少量でも十分腹にたまります。
 「情人温泉民宿」は日本人からしたら妙な名前に響きますが、普通の民宿です。部屋に入ると結構広くて、かなり大きな浴槽がガラス越しの別室に設けられています。部屋にも大きな液晶テレビがあるのですが、隣の風呂場にも大きな液晶テレビが付いています。浴槽には自分で好きな量の温泉を注げるようになっており、実に贅沢です。温泉を張って、入ってみると何とも心地良く、台湾ではずっとシャワーばかりでしたので、ゆっくり足を延ばして、温泉に浸かれるのは最高です。
 烏來は台北から2時間弱で行ける便利な地域にありながら、人気沸騰中の九份・十分に比べて、まだ日本人にほとんど知られておらず、台湾人観光客はそれなりにいますが、それ程人が多い印象はありません。温泉あり、滝あり、博物館あり、トロッコ・ロープウェイあり、舞踊公演ありと見所も多く、誠に隠れた穴場とはこういう所を言うのですね。ただ、「酋長文化村」には日本のテレビ局の取材も時々あるらしく、ナインティナイン等の日本の有名芸能人の写真が幾つか飾ってあったのは、有名人好きの台湾人の特性でもあり(日本人も同じですが)、通俗性に走るしかない現在の観光地の宿命を表しています。
 今日の夜は、温泉に2回位浸かり、20日間の旅の疲れを癒し、深い眠りに落ちて行きました・・・・。

台湾写生旅行台北「ホーミーホステル(紅米國際青年旅館)」 ブレックファースト  好きな量・種類を食べれてGood! ロビーに置いてある「旅の置き日記」に記載しながらいただく。もし、この宿に泊まられたら、まだ置いてありましたら、読んでみて下さいね💖 

台湾写生旅行烏來「トロッコ列車」(片道50元) 小さくて可愛らしい。子供なら大喜び (^_-)-☆

台湾写生旅行烏來「白糸の滝(烏來瀑布)」 大迫力!!

台湾写生旅行烏來老街「情人温泉民宿」 私の貧乏旅では、一番の超豪華・贅沢な部屋温泉付きの宿です。

 3月14日(水) 旅行21日目。朝一でもう一度温泉に浸かり、朝食は8:30に宿のブレックファーストを部屋に持って来てもらいました。食パン2枚・卵・焼き芋・コーヒーとシンプルながら十分な内容です。9:30頃、宿を出て、歩いて烏來特定風景区へ。「酋長文化村」では、10:20から1回目の舞踊公演が始まります(観覧料500元)。公演まで時間があるので、土産物売り場でタイヤル族の伝統衣装(と言っても新しくそれ風に作ったものですが)を高めですが1000元で購入。この旅で一番高価な買い物ですが、私は展覧会のイベント等でアジアの民族衣装を着る事が多いので、仕事的にも必要なのです。ここでF4号スケッチブックに10分余り、タイヤル族の女性ダンサーを描かせてもらいました。F4号スケッチブックに5枚を残して、この旅では15枚まで描き終えました。22日間では全ページ完了できなくて残念でしたが、残りは日本に戻ってから描き切りました。
 10:20から舞踊公演が始まりました。この日は日本人や台湾人の団体観光客が30人ばかりいて混んでいましたが、私は一番乗りで最前列中央で鑑賞します。

 この舞踊公演の模様はまた次回としましょう・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-02-19

後藤仁 台湾写生旅行 その10

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その10

 3月12日(月) 旅行19日目。台湾北部の都会地域に戻ってきて、台湾一周の旅も、いよいよ大詰めになってきました。今日も朝食はコンビニで買っておいたパンで済ませて、朝早くのバスで瑞芳から九份に向かいます。九份(ジォウフェン)はスタジオジブリ・アニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台に似ている事で、最近、特に観光客が増えた場所です。夕方以降は大変な人出だろうと予測して、私は朝一で乗り込みます。朝7時過ぎ頃、九份に着きましたが、観光客はまだ全くいません。食堂・売店もほとんど開店前です。いい感じです。人気のない階段通路を上がると、猫がくつろいでいました。
 九份の頂上辺りまで登ると、「九份國民小学」があり、階段に3D芸術彩絵と称する子供達が描いた大きな絵が描かれていました。その下の、「九份聖明宮」に参って、近くの展望所から見渡すと雄大な海が眺められます。人が少ないうちに九份の通路をあちこち巡ります。奇怪に歪んだ重層的な建物の間には提灯がいくつもぶらさがり、たしかに「千と千尋の神隠し」の世界観に似ています。夜はさぞかし幻想的できれいな事でしょう。ちゃっかりと映画にあやかって、「湯婆婆の店」等と書いた店舗もありました。一番いい感じの階段通路に陣取り、F4号スケッチブックに写生します。建築物は基本的に描くのに時間がかかるので、ここでは最初から時間をかけるつもりで臨みました。
 しばらく描いていると人が少しずつ増えだして、その中の一人の年配男性は私が描くのをじっと見てきました。私はスケッチ中を見られるのには慣れているので、全く気にせずに描き続けます。ただ、あまりに長く見ているので、絵に興味があるのかと思い、描きながら話しかけてみました。目の端で見て(私は特に海外でのスケッチ中には、危険回避の為に、目の端で常に周囲を警戒しています)、ラフな風体から地元台湾人かと思っていたのですが、意外にも日本人でした。私はペラペラ話しながらでも、かなり十分にスケッチを描けるという、長年の鍛錬による特異資質を持っています(さすがに本画は集中しないと描けませんが)。左脳(理性脳)で話して、右脳(感性脳)で描くのです。男性と話してみると、度々台湾一人旅をしているらしく、ここで長時間スケッチする人は珍しいので見ていたと言います。初めは私を日本人と思わなかったが、道具に日本人の名前が書いてあったので日本人だと分かって描き終わるのを待っていた・・・等と話します。前に台湾旅行で知り合った若い台湾女性と、何度か、アジア旅行で合流・同行旅行をしていると言います。女性とは、たまたま台湾の駅で突然話しかけられてきて知り合ったと言い、食事代も出してくれる場合もあると言い、日本語を勉強したいというのが目的だと言います。男性は真面目そうな普通の年配男性で、純粋に女性との旅を楽しんでいるようで、やましい目的ではないようですが、話を聞くほど、そんな事があるのかと訝しく感じました。たとえその女性が本当にいい人で語学学習の為だけに日本人に近づいたのだとしても、私はあまり素性の知れない外国人(日本人でも)と海外旅行途中に親しくなり過ぎる事をお勧めしません。何度か海外で会って友達感覚になった頃、本当の目的(麻薬の運搬役や、お金を貸してくれ詐欺等はよくある手ですね)に移行する恐れも十分に考えられます。それ位、海外旅行では気を付けていないと、とんでもない落とし穴に落ちる危険性がぬぐえないのです。ただその人は、いい歳をした男性なので、人それぞれの自由、後は自己責任でしょうね。男性のスマホに女性の顔画像を残している所を見ると、その女性も特に秘密裏に行動している感じではないようですし・・・。話したい事を一通り話されると男性は去って行きました。
(何故、わざわざこの話を詳しく書くかと言うと、海外では様々な詐欺や事件が横行しており、日本人が考え及ばないような奇抜な手口で、私も何度もお金をすられたり、危ない目に逢いそうになった経験があるので、海外旅行初心者の用心の為にも、詳細に書いています。私の海外取材旅行は、決して楽しいだけのお気楽旅ではありません。時として危険も伴う、真剣な絵画鍛錬・修行の場なのです。)
 3時間近く描いてスケッチは完了しました。今回の旅では一番時間がかかりました。複雑な構造の建物を描くのは難しいですね。昼近くになり、人がとみに増えてきました。日本人の修学旅行生もたくさんいて、たぶん多くは初めての海外旅行で、はしゃぎ回って青春を謳歌しています。私の学生時代はそれに比べて、地味で苦労の多い絵描き的下積み時代でしたね~。人が多くなり過ぎたので、ここらで退散です。帰路途中に昼食を、「頼阿婆芋圓」の芋ぜんざい(50元)、「九份古早丸」の魚丸湯(魚だんごスープ、65元)を食べ、「阿蘭」で草餅(15元)を買って途中でつまむ。

 バスで瑞芳に戻り、12:58瑞芳駅発の列車を待っていましたら、先程の年配男性が偶然にも駅の待合室におりました。もうすぐ件の女性が来ると言います。女性は少しリッチで真面目そうな20歳代終盤から30代前半位の台湾女性で、一応、私も軽く会釈をしましたが、私には目を合わせようともしませんでした。知らない他人に自分から話しかける位の外交的な人なら、普通、私にも笑顔位見せるものです(私も怪しい風体ですが)。他人事とは言え、少し浮ついた60歳代と思しき年配男性の行く末に一抹の不安を感じましたが、いい歳をした大人ですので、他人がとやかく言う義理ではありませんね・・・。お二人は外で昼食を取ると言って去って行きました。
 13:40台北車駅着(莒光號、59元)、再び台北(タイベイ)に戻ってきました。宿は最初と同じ、「ホーミーホステル」(トイレ・シャワー共同、朝食付、シングルルーム一泊880元、鍵のデポジット100元)に宿泊。部屋は2段ベッドで狭いですが、ホテル代の高い台北では、ここが安くて交通アクセスも便利なのです。
 午後は台北の街を散策し、台湾の児童書出版社や児童書専門書店等を見物しました。台湾の児童書・絵本を取り巻く環境も今、活気を帯びています。夕食は、「温州大餛飩」という台湾のワンタンチェーン店で、ワンタンスープ、揚げ豆腐(計85元)を食べました。

台湾写生旅行九份・基山街の猫

台湾写生旅行九份の階段  早朝はこんな感じで人がいませんが、夕方からは人混みで進むのもやっとだと聞きました。

 明日は台北から烏來(ウーライ)に向かいます。そこは台湾少数民族・タイヤル族が住む古くからの温泉郷だと言い、台湾の旅、最後の楽しみにしていた地です。ではまた、次回としましょう・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-02-17

後藤仁 台湾写生旅行 その9

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その9

 3月10日(土) 旅行17日目。朝食はパンで軽く済ませ、宿を出て、花蓮(ホアリエン)駅に向かうまでに、「花蓮市立図書館・児童館」があったので立ち寄る。係の人に筆談で何とか、後日、日本から絵本を贈る旨を説明しました。
 台湾鐵道で、花蓮駅9:15発、羅東駅10:26着(自強號、203元)。羅東(ルオドン)の宿は駅近くの「登園大飯店」(トイレ・シャワー付、朝食なし、1200元)に飛び込みで決めました。昼食は宿の向かいの「三角自助餐」で自助餐(ビュッフェ形式の定食、80元)をいただく。ここも安くて美味しい。
 その後、「羅東林業文化園区」で昔の蒸気機関車等を見て(台湾人は古い機関車が好きなようです)、バスで移動して、「国立伝統芸術中心」(入場料150元)に向かいました。羅東に滞在した主な目的は、この国立伝統芸術中心の鑑賞にあります。ここは台湾の伝統芸術文化を鑑賞できるテーマパークで、再現された昔風の街並みでは、あちこちで舞踊ショー等が開催され、美術品の展示物もあり、台湾人親子連れ客はかなり多いです。人工的に作り込まれた感じなので限界はあるが、それなりによくできていて面白いです。
 バスで羅東駅に戻り、夕食は羅東観光夜市に。ここは台湾10大夜市の一つで、とても活気があります。夜市をぶらつき、羊肉麺、青菜炒め(計125元)を食べました。

台湾写生旅行「国立伝統芸術中心」(入場料150元) このような現代的水蒸気広場もあります。

 3月11日(日) 旅行18日目。今日は、猫村や天燈で、とみに日本でも有名になっているローカル鉄道・平溪線(ピンシーシェン)を巡ります。羅東駅発の列車が9:12と遅いので、外観が面白い羅東駅舎をSM号スケッチブックに1時間ばかりスケッチ。区間車(各駅停車、97元)で10:45平溪線・猴硐車駅着。ここは猫村として人気があり、100匹以上もの猫がいると言います。こじんまりとした村を歩くと猫があちこちから現れますが、だいたい20匹程度でしょうか。思った程は猫がいませんが、それでも観光客は多いです。SM号スケッチブック2枚に素早く猫をクロッキー。スケッチブックを観光客が興味深そうに覗きます。ネコグッズを売る店もたくさんあり、ここで少し土産を購入。駅周辺の麺店で昼食を、もやし麺、青菜炒め(計90元)をいただく。
 駅の反対側には猴硐車駅の昔の姿、石炭の採掘地としての顔が見れて、こちらも興味深いです。猴硐煤礦博物園区では石炭坑道をミニSL(乗車券、100数十元だったか?)で走る事ができ、昔の日本製ミニSLの乗り心地もガタゴトと面白く、子供は楽しめます。駅に戻り、周辺の店で、台湾名物・フワフワかき氷(100元程度)をいただきました。
 平溪線・猴硐車駅14:08発、十分車駅着(15元)。十分(シーフェン)は、日本のテレビでも、線路から願い事を書いた天燈を上げられる事で話題となり、台湾人や日本人観光客が格別に多かったです。人々が天燈を上げる様子を見ながら、先へ進み、「十分瀑布」へ向かいます。ただ次の列車までの時間があまりないので急ぎます。人をかき分け、だんだん早足から駆け足になりました。台湾のナイアガラとも称される幅40m・高さ20mの大きな滝ですが、観光客が多過ぎて、周囲が観光化され過ぎて、少し興ざめです。時間がないので急いで引き返し、駅周辺の大群をかき分けかき分け走ります。日本人の若者3人組がなかなか良いコース取りで駅に急いでいるので、彼らの真後ろに付けて、走ります。途中からはその若者を追い抜いて走ります。私が日本人だとは知らない若者達が、「このおっさん強いぜ、最強や。映画のヒーローみたいになってるぜ。おっさんに付いて行こうぜ~。」と言い合っており、まさに、ハリウッド映画「インディ・ジョーンズ」か「ミッション・インポッシブル」の主役の気持ちですね~。最後は若者達を引き離し、まさに銀河鉄道999よろしく、発車すれすれで列車に駆け込みました(次の列車は1時間位は空くのです)。降車時に切符(瑞芳行き、19元)を買っていたので間に合いました。若者達は切符を購入していなかったようで、間に合わなかったみたいです。この辺が旅の経験値の差と言えましょうかね。ただ、急ぎの旅は間違いや危険もつきまとい、本当はよくありません。今回は、瑞芳での宿が決まっていなくて、瑞芳周辺の情報がガイドブック「地球の歩き方」にも全く載っていないので、到着を急ぎたかったのです。
 瑞芳(レイファン)は九份へのアクセス拠点です。九份(ジォウフェン)はジブリアニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台に似ている事で、近年、爆発的に有名になった観光地です。15:40十分車駅発で16:10瑞芳駅に到着、周辺を歩くが宿や店らしきものが全く見当たらず、住宅地ばかりです。「これはやばいな。他の大きな駅にした方がよかったのかな~」等と思いながら、しばらく歩くと線路を越えて駅の逆サイドへ。そしたらコンビニやホテルらしきものが出てきました。最初に見付けたホテルが大きいので、直感的にここに定めて、飛び込む。「悦賓大旅社」は古びたホテルですが、日本人観光客はほぼ泊まらない宿らしく、一泊シングルルーム700元(トイレ・シャワー付、朝食なし)ととても経済的で、古いながら設備も十分でした。九份を朝から回りたいなら、とても便利な穴場ホテルです。一般的に中華文化圏では、外国人向けや高級な旅館・ホテルの事を「賓館」「飯店」「大飯店」等と表記し、現地人向けの安い旅館を「旅社」「旅館」等と書き(特に「旅館」とあるものは外国人が泊まれない規定の場合もあるのですが)、たいてい格安宿なのです。
 夕食を食べに駅方向に向かいました。そしたらだんだん賑わい出し、人も増えてきました。最初に駅を降りた側は、実は裏側だったのですね・・・。明日の朝のバスを確認し、駅の表通りを行くと、「美食広場」という庶民的な食堂市場があり、自助餐(140元)はボリュームもあり美味しかったです。瑞芳は九份への中継地として、日本人観光客はただ通り過ぎるだけですが、宿泊してみても面白い小さな町です。

台湾写生旅行猴硐車駅 猫村、招き猫

台湾写生旅行猴硐車駅 猫村、こちらも招き猫 😼

台湾写生旅行十分車駅、天燈

台湾写生旅行瑞芳「美食広場」
  
 私は「母をたずねて三千里」「アルプスの少女ハイジ」「未来少年コナン」から、「太陽の王子ホルスの大冒険」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」等を見て育ち、幼少期から長年の宮崎 駿ファンでもあり、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)は『シュナの旅』(宮崎 駿/徳間書店)の原案になった事でもご縁があります。ジブリアニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台を彷彿とさせるという話は、流行・ミーハーな事をできるだけ避けたい私としても、外せない重要な見所なのです。
 明日はこの九份を巡りますが、また次回としましょう・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-02-11

後藤仁 台湾写生旅行 その8

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その8
 
 3月8日(木) 旅行15日目。「メロディホテル(三博大飯店)」のブレックファーストはビュッフェ形式です。このホテルは安くて何かと便利なようで、朝食の時には台湾人のお客さんがたくさんいました。
 前日、旧台東駅の旅遊服務中心(旅行インフォメーション)で情報を得て、「東部海岸一日バス券」(299元)を購入しており、今日は台湾東部海岸線(花東公路・海線)をバスで巡ります。7:20朝一のバスに乗り、まずは路線の一番遠くにある、台湾屈指の景勝地と言われる「三仙台」に行きます。バスの中で年配男性2人連れの日本人観光客に会いました。私が昨日、「台東鐵道藝術村」でスケッチしているのを見られたそうで、日本人だとは思わなかったと言います。汚い格好で一人スケッチする変わり者を、ほとんどの人は日本人の一端の日本画家だとは思わないでしょうね・・・。お二人は途中でバスを降りて行きました。
 9:05に三仙台に着きましたが、バス移動中から雨が降って来て、かなり強くなって来ました。今回、台湾に来て、本格的な雨はこれが初めてです。三仙台は3つの巨岩(小島)を太鼓橋が結んでおり、その巨岩まで渡れるのです。ただ今日は雨風が強くて渡る人は稀です。橋の上では強風で身体が飛ばされそうになりました。巨岩にはアダンの実がなり、熱帯の雰囲気満載です。巨岩の一番先には灯台が立っていました。良い景色が随所にあるのでスケッチしようと思うのですが、雨風が強過ぎて描けません。橋を戻り、三仙台の遠景を描こうとしても、スケッチブックが風で飛ばされそうになります。海岸から少し離れた木の脇なら風が少し弱くなり何とか描けそうなので、SM号スケッチブックに20分程で手早く描いていました。そこへ先程の日本人お二人が来られました。(私の写真を撮られて、後日、私の勤める東京造形大学あてに送ってよこされたので掲載します。ボロ雨合羽を着て、暴風雨の中、必死に描く姿は、よそ目には尋常な人とは思えないでしょうな~。)
 昼食は、そこの売店で買った中華風ちまきと、持参したパンを食べて済ませました。帰路は、12:00三仙台発のバスで、「阿美族民俗中心」に12:20に到着。またバス内で先程のお二人と一緒になりましたが、ここで別れ、私だけ降りました。阿美族民俗中心では、復元されたアミ族の伝統家屋や、民族舞踊・音楽ショーが見れるというので楽しみでした。ショーの規模はやや小さめでしたが、団体旅行客が来る度にショーが始まります。アミ族の鼻笛が珍しかったです。ここで民族音楽のCDを2枚(計750元)購入。ショーが終わると団体客はすぐに去って静かになるので、伝統家屋をSM号2枚に1時間程スケッチ。15:40阿美族民俗中心発のバスで17:05に旧台東駅に戻って来ました。朝は空いていたバスも、昼以降は満席で座れない程です。他にも幾つか面白そうな見所があったのですが、時間が足りなくて回れずに残念でした。
 夕食はガイドブック「地球の歩き方」に書いてある「榕樹下米苔目」という食堂で、台東名物の米の麺・米苔目(大、50元)と豆腐・山菜(90元)をいただきました。どれも美味しい。

台湾写生旅行「台湾東部海岸線(花東公路・海線)」 三仙台・太鼓橋(龍橋) 写真では伝わらないが、雨風がすこぶる強い。

台湾写生旅行三仙台 油断すると飛ばされそう~。(自動シャッターで)

台湾写生旅行風をよけながら三仙台をスケッチ中。(日本人観光客が撮って送ってくれました。©〈コピーライト、著作権〉 は本来撮影者にありますが、私の肖像権もあるので、とりあえず © GOTO JIN に)

台湾写生旅行三仙台をスケッチ中。いつもこんな感じで描いています。(日本人観光客が撮って送ってくれました。©〈コピーライト、著作権〉 は本来撮影者にありますが、私の肖像権もあるので、とりあえず © GOTO JIN に)

 3月9日(金) 旅行16日目。今日も「メロディホテル(三博大飯店)」のブレックファースト。食べ放題なのでありがたい。
 旧台東駅8:10発のバスで台東駅に8:30着。台東駅から池上駅に行こうと切符を買って列車に向かったのですが、時間が数分しかなく、プラットホーム(台湾では「月台」と書く)を迷っている内に列車が出発してしまいました。やむなく切符を買い直したのですが、11:12発しかありません。ただ、この列車は「太魯閣號」という超特急列車で、なかなか乗車券が取れない人気の列車だと言います。東海岸のローカル路線なので空いていたようです。時間がかなりあるので、体操してみたり、駅の待合室で待っている人達をSM号スケッチブックにクロッキーしてみたり・・・。ようやく列車が来ました! これが夢のキティちゃん列車でした。外観も内装もハローキティ一色。日本のお子さん達もきっと乗りたがるでしょうね~💛 。私は池上駅までなので、11:38着(台東駅→池上駅、96元)。夢の時間はあっという間でした。
 池上(チーシャン)周辺は台湾一の米所という事で、ここの池上便當はことさら有名です。今回その便當を食べる為だけに降りたのです。「池上飯包文化故事館(悟饕池上飯包)」は池上便當発祥の店といい、2階には便當の歴史の小展示があります。ここで池上便當(80元)を、外の出店でサクランボ(100元)を購入。駅から少し歩いて、とある小さな寺院の境内で便當をいただきました。肉たっぷりの台湾弁当に慣れた舌では、少し物足りない感じの素朴な味わいですが、栄養バランスも良さそうで、懐かしい雰囲気は味わえました。まだ時間があるので池上のサイクリングロードを少し散策。大きな池の辺りは木陰も涼しく心地良いです。丸一日あれば、ここを自転車で走るのも良いでしょうね。
 13:57池上駅発、15:52花蓮(ホアリエン)着(自強號、247元)。移動時間が長いので、列車内の子供をSM号スケッチブックに描いたりしていました。花蓮(ホアリエン)は少し前に大地震の被害があり、日本でも崩れたビルが大々的に報道されましたので、今回、その被害状況を知りたいという思いもありました。ただの興味本位ではなく、被害にあった花蓮の子供達に「絵本」を届けられないかという思いです。花蓮の宿はガイドブックにあった、日本人が経営する「馨憶精緻民宿」(6人部屋、トイレ・シャワー付、一泊1200元) この日は6人部屋しか空いていなかったのですが、特別にシングルルームの値段で相当広い6人部屋に一人だけで泊まれました。部屋はかなり清潔で、設備も申し分ないです。オーナーのおじさんが言うには、地震では断層の直上のビルだけに被害が集中したものの、花蓮全域はほとんど被害がなく、風評被害で観光客が一時減った事の方が困ったという事で、一安心しました。
 夕食はオーナーのおすすめの「液香扁食店」というワンタン一筋の名店のワンタン(一杯70元)と、「公正包子店」の小籠包、タピオカ入り紅茶(計65元)をいただく。老舗のワンタンも美味しく、皮のぶ厚いバージョンの小籠包も美味いね~。その後、夜の「東大門国際観光夜市」をぶらつく。日本人は見かけないが、台湾人らしき観光客は随分たくさんいます。巨大な夜市会場内には、少数民族料理の屋台もあり興味深いが、もう腹は張っているので、見物だけに。夜は、宿のオーナーとその日泊まっていた日本人の若者とで一杯やろうという話だったのです。宿のロビーには、オーナーと若者と日本人のおじさん3人組とアミ族の国会議員さんが集まり、小宴会です。こんな夜もまた旅の面白味でしょう。オーナーは昔の台湾事情に精通しており、歴史の話をしきりに話したがりました。アミ族のお祭りにも詳しくて、今後、もし機会があれば、ここを拠点にアミ族の文化をしっかりと取材してみたいと思いました。夜もふけました。今回の旅では一番立派かとも思われる部屋でしたが、後は寝るだけです・・・・。

台湾写生旅行台湾鐵道「太魯閣號」 これぞ夢の通り道、ハローキティ号だニャ~ 😻 💖 。

台湾写生旅行「池上飯包文化故事館(悟饕池上飯包)」 池上便當(80元)

台湾写生旅行「液香扁食店」 ワンタン(一杯70元)

台湾写生旅行「公正包子店」 小籠包、タピオカ入り紅茶(計65元) いずれも安くて美味い!!

 明日は花蓮から、羅東に向かいます。この模様はまた次回といたしましょう。
(しかし、それにしても台湾の繫体字の文字変換は難しく時間がかかるね~   (-_-;) )

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-02-10

後藤仁 台湾写生旅行 その7

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その7
 
 3月6日(火) 旅行13日目霧台(ウータイ)の「塞巴拉得伝統石板屋」に宿泊し、昨夜はぐっすりと眠れたようで、朝は心地良い目覚めでした。顔を洗って外に出ると、庭から見える山川は霞んで、いい雰囲気です。しばらくすると、宿の おじさんがやって来て、朝食のパンとコーヒーを作ってくれました。おじさんの家は代々、石板職人・芸術家で、親はこの村の村長をやっていたというような話を筆談でしました。一見強面ですが、なかなか親切でいい人です。
 宿を出ると、霧台の村を少し散策。村の教会や小学校を見物しました。8:30のミニバスで三地門(サンディーメン)に向かい、9:00過ぎに到着。三地門は台湾少数民族パイワン族とルカイ族が住む天地です。ここには「台湾原住民族文化園区」(入場料150元)というテーマパークがあり、移築された各民族の民家や文物陳列館や伝統舞踊等が見れます。私はアジア各国の少数民族・原住民族にことさら高い関心を持っていますが、なかなか実際に残された文化・生活を見れる所は少なく、特に先進国程、このようなテーマパーク・博物館等で雰囲気を感じるしかないのです。
 陳列物の民族衣装等、とても興味深いものでした。午前10:30と午後2:30から約1時間のアミ族伝統舞踊公演があるので、2回とも拝見しました。この日は台湾人や日本人の観光客もたくさん見に来ていました。演舞中は撮影禁止だったので、F4号スケッチブック3枚に素早くクロッキーしました。広大な園内には吊橋もあり散策するにも面白く、舞踊公演の合間に、大きな川と吊橋をF4号スケッチブックに1時間程描きました。昼食は、園内の売店で買った少数民族風ちまき(100元)と持って来たパンを食べました。ネコがたくさんいたので、ちまきを少しあげました。売店で台湾原住民族伝統音楽CDを購入(300元)。ここもなかなか充実したテーマパークでした。
 三地門の隣、水門のバスターミナルより4:00発のバスで5:00前に屏東(ピントン)に着きました。屏東の宿は屏東駅近くの「台輪時尚旅店」(シングルルーム、トイレ・シャワー・朝食付、1260元)に決めて、夕食は宿近くの「屏東夜市」に。自助餐(ビュッフェ形式の食事)で魚、鶏肉、ご飯等をたっぷり食べて125元と安くて美味い。

台湾写生旅行三地門 「台湾原住民族文化園区」

台湾写生旅行「台湾原住民族文化園区」 おこぼれをもらおうと、猫がたくさん~ 😹

 3月7日(水) 旅行14日目。「台輪時尚旅店」のブレックファーストは何種類からか選べるのですが、私は肉まんとコーヒーを選択。屏東駅から10:57発の台湾鉄道・自強號(特急列車、305元)で13:12台東駅着。昼食は台湾鉄道の旅で楽しみにしていた駅弁にしました。屏東駅で購入した排骨便當(台湾では弁当を便當と書く、100元)を列車内で食する。車窓を眺めながらの駅弁は誠に美味!。
 台東(タイドォン)の町の中心地は台東駅から6㎞程離れた旧台東駅付近にあるので、バスで20分余りかけて台東バスステーション(旧台東駅横)に移動。台東では「メロディホテル(三博大飯店)」(シングルルーム、トイレ・シャワー・朝食付、一泊1080元)に2泊しました。駅周辺の「台湾故事館(誠品書店)」「鯉魚山公園・龍鳳寺」「台東鐵道藝術村」を見物。「台東鐵道藝術村」は旧台東駅の昔懐かしい駅舎と線路をそのまま残して公園にしてあり、鉄道好きにはたまらない趣向。日本にもこんな場所があると絶対人気が出そう~。ここでSM号スケッチブックに1時間程スケッチ。
 夕食は宿近くの「台東観光夜市」に。「四十年老店」という老舗屋台で、當帰鴨(70元)、切仔麺(40元)と夜市途中で買った釈迦頭(シャカトウ/お釈迦様の頭の螺髪〈らほつ〉の形状に似た果物、東南アジア等でよく見かけ、ねっとりとした果肉の濃厚な甘さは実に美味い、1個25元)を頬張る。何とも美味いな~。向かいの超高級ホテル・シェラトン台東ホテル(一泊9800元~)を見上げながら、いつか見ていろ・・・と中年貧乏画家が一人夜市でかぶりつくさまは、絵描きのハングリー精神の現われと言えようか、誠に滑稽な対比と言えようか・・・。

台湾写生旅行排骨便當を座席でいただく、これこそ鉄道旅の醍醐味~。

台湾写生旅行「台東鐵道藝術村」 鉄道好きにはたまらない~、線路を堂々と歩ける~。

台湾写生旅行「台東観光夜市」 四十年老店にて、當帰鴨(70元)、切仔麺(40元)、釈迦頭(25元) 路上の開放空間で食べるのは、美味しいな~。

 明日は東部海岸線一日バス券で東部海岸の見所を回ります。開発の進んだ台湾西部海岸に比べて、東部地域は少数民族が住む自然の多く残された地域なので、ここからがまた楽しみな旅路になります。
 この様子はまた次回です。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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2019-02-09

後藤仁 台湾写生旅行 その6

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その6
(展覧会・イベント等が多くて、なかなか書く時間がないのですが、昨年10月14日にアップした「台湾写生旅行」その5 からの続きです。この後もボチボチとアップしていきますので、お楽しみ下さい。)
 
 3月4日(日) 旅行11日目。台南を7:03の台湾鉄道で出発し、高雄(ガオション)に7:58に到着(68元)。

 高雄はホテル代が高めなので、「あひる家」という日本人が経営する、なるべく安めのゲストハウスに一泊しました。シングルルーム(トイレ・シャワー共同)で一泊1000元(約3700円)です。日本人の経営という事で、ハウス内はとてもきれいに整頓されています。
 高雄にはMRT・LRT(地下鉄・路面電車)があるので移動は便利です。MRT左營駅からバスで移動して、高雄で有名な観光地「左營蓮池潭」に。左の龍の口から入って右の虎の口から出ると縁起が良いという有名な龍虎塔や、中国式寺院を回りました。ここ龍虎塔辺りには、どこにいたのかと思う程、日本人観光客がたくさんいて、くまモンにそっくりなクマのキャラクターを見ては、これはくまモンか・・・違うのか・・・等と同じような事を話していました。
 その次に、バス・MRTで移動して「高雄市立美術館」へ。ここには日本人は一人もいません。この美術館には児童美術館等も併設されており、とても立派な美術館です。昼食は、八方雲集というチェーン店らしき店で購入した汁無し麺と水餃子(60元)を、美術館の公園で食べて済ませました。美術館の近くには高雄市中華藝術学校という大きな美術学校があり、台湾が美術に力を入れている事がうかがえます。次にMRTで移動して「高雄市立図書館」へ。この図書館は台湾内でも最大級の規模という事で、ガラス張りの7階建て位の巨大な建物の全てが図書館なのです。館内も近代的・効率的で、書籍数も膨大で、日本でもこのクラスの図書館は私は見た事がありません。相当多くの老若男女が図書館で本を楽しむ姿は、うらやましい限りで、台湾の読書文化の充実を表しています。総人口2358万人と日本よりずっと人口の少ない台湾ですが、美術・文化教育に特に力を入れている様子が伝わり、それに比して日本の美術・文化施策の脆弱さを感じました。
 夕食は宿から近い「六合国際観光夜市」に。麺・カニ揚げ・鴨串(計210元)を別々の屋台でいただいて、台湾夜市の雰囲気を楽しみました。

台湾写生旅行023高雄「左營蓮池潭」 龍虎塔と、くまモン風のキャラクター像

台湾の旅高雄「高雄市立図書館」 何とも立派過ぎる・・・(@_@) 。

 3月5日(月) 旅行12日目。今日は、この旅でも特に楽しみにしていた、台湾少数民族が住むという霧台(ウータイ)・三地門(サンディーメン)に向かいます。

 朝食はパンで済ませて、高雄から屏東(ピントン)まで鉄道で移動(31元)。9:30頃、ミニバスで霧台(ウータイ)に向かい、11:00過ぎに到着(138元)。霧台は少数民族ルカイ族が住む山奥の村で、日本ではほとんど知られておらず、日本人観光客は稀にしか訪れないと言います。屋根から壁まで石のみで造られた家々が並び、山々の光景が美しくて、別天地のようです。日帰りではもったいなく、いつもながら宿を予約していなかったのですが、何とか一泊できないかと宿を探しました。訪ねた民宿3~4件、今日は一杯だと断られて、山の上の方ならあるかもというジェスチャーを受けて、山を少し登りました。人家も尽きる辺りに民宿らしき所を発見。そこにいた おじさんに聞いてみると、ラッキーな事に宿泊できると言います。そこは「塞巴拉得伝統石板屋」という石板を製造・販売する店だそうですが、民宿も兼ねています。一泊1300元(トイレ・シャワー付、食事は無いかと思っていたのですが、翌朝、おじさんが朝食を作ってくれました)。
 当初は日帰りも覚悟していたので、これで時間に余裕ができ、辺りをじっくりと散策。昼食は2か所の少数民族風食堂で、猟人便当(少数民族風ちまき、50元)、愛玉子(オーギョーチー、台湾でポピュラーなゼリー風デザート、30元)と少数民族風プリン(50元)を食べました。いずれもなかなか美味しいです。ここはコーヒーの栽培でも知られているというので、少数民族風カフェで、コーヒー・愛玉子(計100元)をゆっくり味わいながら、その店から見える雄大な山々と棚田をF4号に1時間余りスケッチしました。ここのコーヒーは素朴な味わいですが、この眺めと共に、実に贅沢な時間です。カフェを出て、石造りの家々が見渡せる場所から、F4号スケッチブックに2時間ばかりスケッチ。
 夕食は少数民族風食堂で汁無し麺(80元)を食べました。もう日も暮れかかりました。帰りが遅いのを心配したのか、宿の おじさんがバイクで迎えに来ました。ついでに村の教会に連れて行ってもらい、見学しました。この村の人々はキリスト教を信仰しており、味のあるルカイ族様式の教会が村々に幾つか建っています。
 ルカイ族の村をしっかりと目に焼き付け堪能したので、おじさんのバイクの後部に乗って宿に向かいました。この日の客は私一人なので、大きなルカイ族風石造り屋敷(コテージ風の一軒宿なのです)を独り占めです。10数人は泊まれそうな大きな空間で、屋根も壁も床も全て薄い石板でできています。トイレ・シャワーはリフォームされて、まあまあきれいです。夜はトイレ・シャワー室に蛾がたくさん入って来ますが、虫が嫌いでないなら、これもまた山奥の趣きと言えるでしょう。テレビもパソコンも電化製品も無い、決して便利とは言えない設備ですが、私にはこれで十分、いや、贅沢過ぎる程の素敵な空間です。宿の庭からは雄大な山々と川が見渡せるのですが、一人淋しく美しい夕焼けの仙境を眺めるのも、旅の醍醐味です・・・。
 部屋にはルカイ族の衣装や工芸品がたくさん展示してあります。ルカイ族の子供服が面白いので、SM号に30分余りスケッチ。夜は稀に野犬の鳴き声が聞こえる位で、誠に静か・・・静か過ぎる程で、日本の都会の喧騒を思い浮かべると天と地の違い。台湾の西海岸は結構、都会だったので、ここに来て、ようやく私らしい旅になって来たなと、豊かな充足感を感じました。霧台で宿泊できて本当に良かったです。

台湾写生旅行猟人便当(少数民族風ちまき、50元)、愛玉子(オーギョーチー、台湾でポピュラーなゼリー風デザート、30元)

台湾の旅石造りの霧台の村、ここからスケッチしました。

台湾の旅霧台の中央広場にて

台湾の旅霧台の中央広場にて

台湾の旅民宿も兼ねる「塞巴拉得伝統石板屋」 ここで一泊。

 明日は、三地門に向かいます。この模様はまた次回といたしましょう・・・・。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁


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プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師。東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作家。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)。日本児童出版美術家連盟(童美連)会員・理事。絵本学会 会員。日本中国文化交流協会 会員。この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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