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2018-10-14

後藤仁 台湾写生旅行 その5

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その5
(展覧会・イベント等が多くて、なかなか書く時間がないのですが、4月30日にアップした「台湾写生旅行」その4 からの続きです。この後もボチボチとアップしていきますので、お楽しみ下さい。)
 
 3月2日(金) 旅行9日目。今日は嘉義から台南(タイナン)に移動します。朝食は宿のブレックファーストのビュッフェをいただき、8:53嘉義駅発の電車に乗って9:57に台南駅に到着(90元)。台南は日本の奈良・京都に当たる台湾の古都です。まずガイドブック「地球の歩き方」を参考に、駅近くの安い宿を探して、「光華大飯店」(シングルルーム、シャワー・トイレ付、食事無し/一泊850元)に2泊します。一息ついたら、さっそく市内の散策です。まず、「祀典武廟」という台湾関帝廟の総本山を見物。古くて立派な建物です。ここでF4号スケッチブックに1時間余りかけて廟を写生しました。
 昼食は、廟の入口横の小さな食堂で、肉燥飯(30元)、猪血綜合湯(70元)、阿婆水(昔懐かしい感じの飲料/20元)をいただきました。次に、隣の「水天后宮」を拝見。少し歩いて、台南のおしゃれストリートこと「正興街」を散歩。超人気のソフトクリーム店「蜷尾家甘味處」でソフトクリーム(80元)を食べました。このストリートは台湾の若者でいっぱいですが、私は場違いなので引き返して、宿の近くの敦煌書店という大きな書店で絵本等の出版状況を確認。今、台湾では絵本ブームのようで、台湾製の絵本・翻訳絵本が多く見られ、お会いした事のある台湾作家・日本作家の作品も置いてありました。この日の夕食は軽く、おにぎりとパンで済ませました。

台湾写生旅行「祀典武廟」の入口横の小さな食堂。 肉燥飯(30元)、猪血綜合湯(70元)、阿婆水(昔懐かしい感じの飲料/20元) 安いけど、なかなか美味しい~。

 3月3日(土) 旅行10日目。この日は一日、台南巡りです。朝食はパンとつまみだけ。歩いて、「台湾府城隍廟」から「五妃廟」へ。明朝最後の王の5人の妃が祀られています。私はこの類の悲話に何故か魅かれる所があり、ここで1時間余りかけて、F4号にスケッチ。この五妃の話は何らかの絵に描けそうな気がします・・・。次に「大南門」へ。清朝時代の門を復元した比較的新しい建築物ですが、今描いている絵本の場面にピッタリなので、ここでもF4号スケッチブックに1時間余りスケッチ。門の手前のガジュマルの巨木もすごいです。
 歩いて途中、昼食として「福記肉圓」で一皿40元の肉圓(米をすりつぶして練った皮で肉を包んで、蒸し上げた小吃)を二皿食べました。トロッモチッとして、とても美味しい。「阿全碗粿」でも碗粿(台南式ライスプディング/一碗30元)をいただく。台南は独特の小吃が多くて、食べ歩きを楽しめる街ですね~。
 次に、「孔子廟」(入場料25元)を見学。広くて立派な孔子廟です。「國立台湾文学館」(入場無料)では台湾の文学作品の数々が展示され、絵本コーナーも充実しており、立派な伝統的建物と共に楽しめます。次に、「天壇」と「呉園」に立ち寄って、今日の散策を終えました。
 夕食は、「度小月 原始店」で台南名物の擔仔麺(肉そぼろ麺/50元)、煮卵(15元)、あげ海老(55元)を食しました。しっかりした味付けの美味しい麺ですが、日本人観光客も多いようで、店員の日本語の大きな挨拶は少し変な感じです。
 ここの宿、「光華大飯店」は駅に近いという立地が良く、値段も安いので、台南旅行に便利です。ただ、少し衛生環境に難があり、私の好きでないあの黒虫が部屋に度々登場するのには参りました~。こんな時の為に日本から持参した強力なミニ殺虫剤が役に立ちましたね。
 それにしても台南は無料で楽しめる伝統的建築物も多く、食べ物も美味しくて、なかなか興味深い街でした。ただ、日に何度も、轟音を立てて、台南の空を横切る戦闘機を見ていると、台湾ならずとも世の中は平和なばかりではない事を実感させられるのでした・・・。

台湾写生旅行「五妃廟」 悲しい物語が語り継がれています。

台湾写生旅行「福記肉圓」 肉圓(一皿40元) トロッモチッ、とても美味しくて気に入りました~ ( ^^) _U~~ 

台湾写生旅行「度小月原始店」 擔仔麺(肉そぼろ麺/50元)、煮卵(15元) これも美味~!!

 明日は、台湾第二の都市・高雄(現在、人口では台中に抜かれたそうですが)に向かいます。この模様はまた次回といたしましょう・・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

 
 
 
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2018-10-03

「日中藝術展 ─ 一衣帯水 ─」、中国上海の旅 後藤 仁(后藤 仁)その3

(その1から続きます。その3からは、カテゴリが「写生旅行(海外)」に変わります。)

 2018年8月24日~28日にかけて、中国(中華人民共和国)上海の雲間美術館にて、「日中藝術展 ─ 一衣帯水 ─」が開催されました。私はその展覧会に合わせて、24日から31日まで上海を訪れ、周辺を散策しました。

 8月27日(月)は朝、雲間美術館に立ち寄った後、作家(伊東正次さん、早川 剛さん)と美術館スタッフとコーディネーターの李さんと、「東方明珠塔」に向かいました。上海・外灘(ワイタン)の対岸に立つ、あの巨大な電波塔です。通常は何十分も並ばないと入れない程、客が多いのですが、雲間美術館館長のご紹介で私達はすぐに入場できました。これがいわゆる、中国の特権階級社会というものですかね・・・?。
 東方明珠塔の中も人だらけですが、展望台からは上海の高層ビル群が見渡せました。上海歴史陳列館という上海の昔の町並みを再現したコーナーは面白かったのですが、その他は賑やかな子供の遊び場という感なので、早めにここを出ました。
 外灘(ワイタン)を見たいという伊東正次さんのご意見で、川岸に出ました。対岸から外灘の古い建造物を、SM号スケッチブックに軽く描きました。今回の旅では帽子を忘れたので、日差し除けのためにタオルを頭に巻き付けました。これは、いかにも怪しい不審者ですな~、海外で度々職務質問を受けるのもやむを得ませんね・・・。
 今回の旅は展覧会のための訪中なので時間があまり取れないと分かっていましたが、スケッチブックを持参していました。8月26日の上海領事館ワークショップの前に、一人で外灘を訪れ、SM号スケッチブックに軽く一枚スケッチしましたが、結局、今日と合わせて、まだ2枚しか描けていません。搬出後、一人になった後に描けるといいのですが・・・。
 その後、皆で昼食を食べ、夕方、対岸の外灘に地下鉄で渡りました。李さんが外灘の夜景がきれいだと言うので、見に来たのです。確かにゴージャスな夜景です。ただ、ここも人がとても多いです。李さんは帰りが逆なので先に帰りました。
 「外灘観光隧道」(片道50元)とはどんなものか、一人旅ではまず行かないので、これを機会に伊東さん、早川さんと中年男3人で行ってみました。やけに値段が高いなと思っていたのですが、川底のトンネルを無人電動トロッコで渡るのです。トンネル内はイルミネーションが点滅して、結構、凝っています。子供なら喜ぶだろうな~。この日は伊東さん、早川さんと一杯やって、特に伊東さんと熱過ぎる日本画談義をしました(私達は完全なる日本画・芸術バカなのですな)。


上海旅行26日 朝。今回の宿、「南泉大酒店」。部屋と朝食は言う事なし、スタッフのサービス意識と笑顔を向上してよ!!

上海旅行27日。早川 剛さん撮影、外灘をスケッチする私。確かに怪しい~ (*´з`) 

上海旅行27日。外灘(ワイタン)の夜景。「さあ、ここで問題です・・・右と左、どっちのおっさんが私でしょう?」

 28日(火)は午後から搬出なのですが、午前中に雲間美術館に行って、李さんのご案内で「上海博物館」を訪れました。ここには数年前の中国取材旅行でも訪れていますが、入場無料なのに、とても優れた美術品が膨大に鑑賞できる、素晴らしい美術博物館です。スケッチする時間がないので早足で回り、写真撮影可なので大量に撮影しました。宋元明時代の中国絵画や、中国少数民族の衣装等の展示は白眉です。ただ、美人画の名品陳列は少なかったですね。
 午後は名残惜しいですが作品搬出をし、雲間美術館に私の日本画作品 『葡萄』 (F6号)一点を寄贈しました。これは雲間美術館の正式な収蔵作品になります。

雲間美術館雲間美術館館長 徐迪旻 氏への日本画作品『葡萄』(F6号) 寄贈

 29日(水)からは一人なので、いつもの旅のように自由に散策します。朝、宿の南泉大酒店から地下鉄・蒲電路駅に向かう途中で、面白そうな市場を見つけました。花鳥市場と食品市場が併設されており、大きめのスーパーもあります。ガイドブック「地球の歩き方」にも載っていない、超ローカルな市場です。ここで大概のものは手に入りそうです。
 豫園辺りは数年前にぶらついたので、今回はまず、上海の名刹、「静安寺」を訪ねました。巨大な仏教寺院です。境内には一匹の猫がいて、いい風情です。その後、絵本作家の和歌山静子さんのおすすめで訪れておきたかった、ポプラ社・蒲蒲蘭絵本館を探しましたが、近所の警備員に没有(めいよう/無いよ)と言われました?。たまたま、ポプラ社・上海オフィスの住所のコピーを持参していたので、そこへ行ってみると、巨大なビルの中に本当にオフィスがありました。海外旅行ではよくある話なのですが、今回も「無かったあるある」ですね(ガイドブック等には書いてあるのに、現地には何故か存在しない等)。上海オフィスの日本人担当者によると、地価が高くて上海の絵本館は今年から閉鎖したという事でした。残念~。
 上海のメインストリート・南京東路に移動して、小籠包の名店・佳家湯包(かかとうほう)で、小籠包(全種盛り 32元)と凝固血スープを食べました。なかなか美味しいですな。
 南京東路の近くの福州路辺りは書店・画材店が多く、幾つかの書店や小さな美術館を見て回りました。上海書城という巨大な書店ビルがあり、児童書売場には中国や欧米の絵本に混ざって、日本の絵本の翻訳本もたくさん置いてありました。5年余り前に北京の巨大国営書店・新華書店を見た時には、何故か日本の絵本は全く見当たらなかったので、北京と上海の差もあるのかも知れませんが、わずか数年で中国の書籍流通業態の大きな発展が見られました。画材店で、岩絵の具(中国では種類は少ないです)、中国筆、中国紙、印泥(いんでい/朱肉の事)等を購入して、宿に帰りました。帰る途中、朝に見つけた市場で、土産の緑茶等も買いました。

上海旅行29日。上海花鳥市場。

上海旅行29日。「静安寺」 今の上海を象徴する如く、寺院の背景には近代的な高層ビル群が。

上海旅行29日。静安寺の猫。ネコとハスの扉の組み合わせが素敵ね~。

上海旅行29日。佳家湯包(かかとうほう)の小籠包と、凝固血スープ(正式名は忘れましたが、多分、豚の血を固めた具のスープ)。

 30日(木)。明日は早朝から帰国航空便に乗るので、今日が散策最終日です。本当は杭州・西湖に行きたかったのですが、時間が無いので、日帰りが可能な水郷の街・「西塘(せいとう)」に行く事にしました。私はもちろん、それが目的ではないのですが、トム・クルーズ主演の映画「M:i:Ⅲ(ミッション:インポッシブル3)」で撮影された町として有名だという事です。前日に、上海旅游集散中心総駅で、西塘までの往復バス代(50元)と西塘入域料(100元)が込みで150元のツアーチケットを購入してありました(基本的に海外の長距離バスは前日購入のものも多いので、特に込み合う路線では確認が必要です)。
 朝9時15分、上海発の長距離バスで西塘に向かいます。隣の席には偶然、日本人の大学生が一人乗っていたので(バス会社が気を利かせてくれたのでしょう)、私はずっと、これまでのアジアの旅の話をしていました。世界的な視野を学生時代から養おうとする、意気盛んな若者に出会えるのは嬉しいですね。
 1時間30分弱で西塘に着きました。若者はそのまま烏鎮(うちん)まで行くそうです。ガイドブックに書いてある停留所とは異なる路上でバスから降ろされたので、帰りのバスの発車場が分かりにくいです。この辺りは、アジア圏はどこもいい加減ですね。
 西塘は入域料こそ取るものの、ネパールのバクタプル・パタンのように街の保全に使うための料金だと思っていましたが、ここ西塘は完全にテーマパークのように整備され尽くし、無理に残され・作られた、形骸化した死せる街のような体で、少し残念でした。中国はどこもかしこも観光のために再開発され尽くしていきます。普通に人が住み・往来によって作り上げられてきた、自然な街や土地の歴史的美観というものを、あまり顧みていないのでしょうね・・・。疑問は多いのですが、物質的豊かさを求める人の性、それも仕方ない事なのでしょうか・・・。
 それでも西塘は、そんなものだと思えば、それなりに面白い風情が保存された街です。気を取り直して散策します。街を2時間位ぶらついても、16:30 発のバスの帰り時間までには2時間は時間が取れそうなので、そこで町並みを写生したいと思っていました。
 街を歩いて行くと、絵を描いている若者が数人いるので、聞いてみると美術高校生だと言います。「好(はお/良い)!」等と声をかけて、一緒に皆さんと記念撮影しました。誠に怪しい日本人ですな~。多分、学校の課題なのでしょうが、絵を熱心に描く若者が嬉しかったのです。
 しばらく行くと、人も減りだし、閑散として来ました。1時間余りで、メイン通りを抜けたようです。少し道を戻って、昼なので、食堂(小さなフードコートのような)で食事をしました。最終日なので私のテンションも高めです。漢民族の料理だけではなく、西域風の料理を売っている店などもあり、それなりに面白いです。親子・家族で観光に来るには楽しい場所でしょうね。10㎝位ある黒光りしたサソリの串刺しを売っていたので、北京等の屋台で前から気になっていたので、ここで注文しました。少し素揚げし直して、唐辛子をまぶして完成です。幾つかの店舗の料理を購入し、席に着いて食しました。サソリはすごく硬めの沢蟹といった感じで、癖や臭みはないです。中国風おこわ等、どれもなかなか美味しくて、最後にデザートの愛玉子(オーギョーチー)をいただき終了です。
 こうして、変なうかれた日本人が一人食事をしているのは、目立つのでしょうか・・・。食事を終えて店を出て、いつもの癖で、各ポケット等を確認すると(海外はスリが多いからです)、胸ポケットに入れていたバスチケットがありません。「ここに来て、やられたか!!」 胸ポケットから落とす事は考えにくいので、スラれたのでしょう。さすがにアジア旅にそれなりに慣れた私と言えど、入場料を払った敷地内で、胸ポケットからスラれるとは、思ってもみませんでした。ましてや、25元分の帰りバス代だけ残った紙きれを・・・。きっと、もっと良いものだと思ってスッたのでしょうが、どう転売するものやら、理解に苦しみます。フードコートは結構、人が多かったし、場に不似合いな男が3~4人で横並びにこちらに向かって歩いて来たので、今考えると、彼ら辺りは怪しいですね。いずれにしても、胸ポケットからスルのですから、相当な手練れです。これだから中国辺りのアジア旅は要注意なのです。ただ、私もこの類には慣れており、本当に大切な財布等は絶対盗まれないように、ここでは言えませんが、かなり念入りな気配りがしてあります。(中国でも、上海市内に関しては、日本に近い位、結構、治安は良い方で、夜も女性が独り歩きできる位です。ただ、一歩、上海から出ると治安はどんどん悪くなっていきます。)すぐに警備員・係員にチケットが盗まれた事実を伝え、警備に気を入れるように言いました。ただ、今回は少額なので、時間が取られるし、警察には訴えない事にしました。
 旅のトラブルには慣れているとは言え、これでテンションがガタ落ちです。写生する気力も失せ、帰りの長距離バスがあるかどうかが気になり、すぐに帰る事にしました。こうして今回の旅では、SM号2枚しかスケッチできなかったのです。通常の長距離バスの発着場で、上海行きを求めると、10分後に13:30 発があると言います。バス代は27元でした。大都市行きはどこも厳重な警備で、パスポートを見せ、セキュリティチェックを受け、バスに乗り込みました。1時間30分程で、上海火車駅近くにバスは着きました。明日の朝はかなり早いので、今日はむしろ早めに宿に帰った方が良かったのかも知れませんね。

上海旅行30日。「西塘(せいとう)」にて、美術高校の若者達と。

上海旅行30日。「西塘(せいとう)」の食堂。サソリのインパクトもすごいが、どれもなかなか美味しいよ~。

 31日(金)、早いものでもう帰国日です。飛行機は朝8:25 発なので、急がないといけません。早朝、4:30 過ぎに宿をチエックアウトし、一駅分多く歩いて地下鉄・世紀大道駅まで行きました。始発が遅くて、6:11 にようやく来たので、それに乗って、上海浦東空港に向かいます。7時過ぎに空港に滑り込んで、空港内を走って、急いでチエックインしました。まるで、銀河鉄道999の旅さながらです。いくら私が旅慣れているとは言え、行きも帰りも、これでは時間的にギリギリなので、来年はもう少し早めにチケットを手配し、少し余裕を持った旅にしたいものですね。
 今回の旅も短期間ながらに、色々とミニトラブルがありましたが、旅とはそんなものですね・・・。

 8:25 上海浦東空港 発 → 12:20 羽田 着、ANA NH0972。日本の旅客機は、機内の映画・音楽リストがいいですね・・・、音楽をノリノリで聴いている内に日本に到着しました。羽田空港の荷物待ち(通常、私は荷物を預けないのですが、今回は作品があったので預けたのです)で、ビーグル犬のようなカワイイ麻薬犬が、私の両足を後ろからチョンチョンと突いていったので、面白くてふり返ると、係員が怪しい奴と見たようで、再びビーグル犬を連れて前から戻って来ました。おかげで再び両足をチョンチョンされました ♡ 。
 今回の展覧会旅は、それなりに疲れましたが、精神的な収穫も多く、実に面白く興味深い、海外でのグループ展の経験となりました。来年も、このグループ展が開催される予定です。先の事は何も分からない、明日をも知れぬ絵描き道なれど、来年も参加できるといいですね・・・・。

 日本画家・絵本画家  後藤 仁

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2018-04-30

後藤仁 台湾写生旅行 その4

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その4
 
 2月28日(水/台湾の祝日) 旅行7日目。今日は日月潭から移動します。ところで、旅行初日から痛かった歯の事ですが、2~3日、右下の奥歯が痛み、次に2日程、右上の小臼歯に痛みが移り、それが引いて来ると今度は、左上の奥歯から少し血が出て来ました。歯間ブラシ・デンタルリンスを購入してケアしていると2日程でよくなりました。旅行中は疲れや環境の変化で、日本では起こらない様々な体調の変化をきたしますので、要注意です。この日月潭を過ぎる頃には歯の変調も収まり、唯一、カメラの調子が悪いのだけが問題なのでした・・・。
 朝食前に20分ほどかけて、SM号スケッチブックにパッションフルーツをスケッチしました。今朝も「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」 のおしゃれなブレックファーストをいただき、日月潭のバスターミナルから9:00発のバス(56元)に乗り30分余りで集集線水里駅に到着しました。水里駅は小さな味のある駅舎なので、列車の待ち時間に、SM号スケッチブックに30分弱でホームの情景を軽く一枚描きました。集集線は景色のよい田舎町を走るローカル鉄道路線で、主な駅舎毎に見所があるようです。一日乗り降り自由券もあるので、時間があればそんなのどかな旅もいいでしょう。今回は先を急ぐので、10:25水里駅発、11:10二水駅乗り換え、11:26発(5分遅れ)台鉄(台湾鐵道)で12:30前、嘉義駅に到着(鉄道111元)。

 嘉義(ジアイー)の近くに「國立故宮博物院南部院区」があるので、今回、嘉義に立ち寄ったのですが、ここは「KANO」という学生野球映画の舞台として知られているといい、日本との交流の歴史を持ち、なかなか見所の多い面白い街でした。
 ガイドブックに安いホテルが書いていないので、駅の旅遊服務中心(インフォメーション)で聞いてみると、実に丁寧に教えてくれました。「嘉冠大飯店」という立派なホテルを紹介されたのですが、1泊1300元(部屋シャワー・トイレ、朝食付き)と比較的安く、部屋も清潔で申し分ないので、ここに2泊します。
 午後は歩いて、「嘉義市立博物館」に行ってみます。地図を見ながら歩いているのですが、道を遠回りしてしまい、場所がよく分からないので、若いカップルに聞いてみました。すると「道を案内する・・・」と言い、先導してくれました。博物館は思ったよりも遠くて、10数分も道案内をしてくれて感激!!台湾の人は親日的で親切な人が多いとは聞いていましたが、ここまで親切な若者は日本ではなかなかお目にかかりません~。
 嘉義市立博物館は入場無料なのですが、多数の化石や、「石猿」という石彫の展示等、興味深いものでした。昼食はここらでパン2個をかじって済ませて、博物館の隣に、「阿里山森林鉄路車庫園区」というSL(蒸気機関車)等の古い列車を展示した施設があるので見物。なかなか面白いので、蒸気機関車をSM号スケッチブックに描きました。細部が複雑なので、30分位描き続けていると、女の子が寄って来て、「何やってんの~(台湾語なのでよく分からないのですが、多分、こんな感じ)」と話しかけて来ました。目がクリクリとして可愛らしい女の子です。普段のアジア旅では風景を描き終えた後に、残っている人を描かせてもらったりするのですが、今回の旅では台中公園で話しかけて来た子ども達がすぐ去っていった経験を踏まえ、台湾の人はせっかちだと判断し、一度風景スケッチを中断して、人を描いてみようと考えました。すぐさま「君も描いてみようか~」と切り返し、SM号スケッチブックに5分程の速描で描きました。特に小さな子どもは集中力がもたないので、短時間で素早く印象をとらえないといけません。そうすると周囲の親子が集まって来て、ワイワイとしだしました。こうなるとこっちのものです。親が「家の子も描いて欲しい~」と乗って来ます。ここで5人の子どもをスケッチできました。民族衣装等も着ておらず、普通の洋服なのですが、その土地の人々の日常を描く事は大切です。一通りバタバタすると、人は少しずつ去って行き、静かになりました。絵の取材には、一瞬しかない描けるタイミングを上手くとらえる直観力が必要なのです。その後、ゆっくり蒸気機関車の続きを描き、計1時間余りで完成。絵の完成を見ていた別の親子連れが拍手してくれました。
 ここに来て、ようやく取材らしい取材ができたので、満足して帰路につきました。私は人物画家(アジアの美人画家)なので、やはり人物が描けないと、うれしくないのです。
 嘉義の繁華街の通りの一角に小さな屋台「阿亮Q排」があり、結構混んでいるので、そこで夕食にしました。鴨肉飯(60元)、下水湯(内臓スープ、30元)と安いのですがとても美味しいのです。

台湾写生旅行「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」 ブレックファースト。 台湾感はないのですが、素敵な洋風ベランダでの、おしゃれな朝食です~。

台湾写生旅行「集集線 水里駅」 旅行・鉄道好きにはたまらない。ローカル感が実にいい!!

 3月1日(木) 旅行8日目。嘉義の二日目、この日は楽しみにしていた、「國立故宮博物院南部院区」を鑑賞します。台北の故宮博物院は中華文明の宝物を展示してあるのですが、ここ南院にはアジア各国の文物を展示してあるといいます。「嘉冠大飯店」のブレックファーストですが、この日はいつもの出張料理店が休みだったという事で、ハンバーガーとコーヒーでした。
 バスで移動して「國立故宮博物院南部院区」に到着。朝一番乗りです。入場料は150元ですが、広大な敷地に巨大な建造物が立っています。台湾の文化施策の力の入れようは半端ありません。アジアの仏像展示場やアジアの民族衣装展示等、私の興味の高いジャンルの展示物が多く、台北の本館以上に私には楽しめました。3時間程かけて十分に吟味し、退出しました。
 バス待ちの間に昼食のパンを食べ、バスで嘉義の中心部に戻りました。午後は、嘉義市立博物館近くの「檜意森活村」という日本統治時代の家屋を復元した施設に行ってみました。私が子供の頃に、兵庫の田舎でよく見たような、微妙に古い長屋風の日本建築村が再現されていました。日本風の土産店、カフェ、展示館等がたくさん立っています。地元台湾人の観光客が結構多くいましたが、日本人は全くいません。日本の着物(浴衣みたいな)を貸し出して着れる店もあり、多くの台湾のご老人達が着物で着飾って「こんにちは~、ありがとう~」等と片言の日本語を発しながら記念撮影していました。台湾の人々は日本への憧れ・ノスタルジーがあるのか、本当に日本好きの人が多いようです。しかし、この施設もどこか不自然で、日本の建物・着物の風情とは微妙に異なり、どことなく無国籍的で、色町的な雰囲気が出てしまっています・・・。やはり海外の人は、日本の風情を少し勘違いしてとらえているのかな・・・、しかし、私が描くアジアの風情も所詮は同じようなもので、本場の人の本来の感覚とは異なるだろうから、それはそれで面白い文化交流・文化理解なのだと思いました。
 「檜意森活村」は観光地感が強過ぎて描く対象が見つからないので、また「阿里山森林鉄路車庫園区」に寄ってみましたが、昨日は祝日だから親子連れが多かったらしく、この日は人が数人しかおらずに閑散としていました。これはこれで雰囲気がありますが・・・。嘉義市政府文化局の図書館に伺ったのですが改装中で休館でしたので、美術展示館を見て、文化局の人にご挨拶だけして、宿に帰りました。この日は、面白い文物鑑賞はできましたが、描く対象は見つかりませんでした。本当に一瞬のタイミングをとらえて描いておく事は重要な事なのですね・・・。

 この日の夕食も、屋台「阿亮Q排」で鴨肉飯、魚の頭煮、あさりスープ(計115元)を食べました。台湾庶民の食べ物は安くて美味しいね~。

台湾写生旅行屋台「阿亮Q排」 鴨肉飯、魚の頭煮、あさりスープ(計115元) メニューには「魚頭」と書いてありましたが、文字通り「魚の頭(雷魚のような)」です。台湾庶民のローカルフードは、安くて美味しくて、お腹にも優しい!! 台湾料理は、辛過ぎず・油っこ過ぎず、日本人にも食べやすいのです。


 明日は台南に向かいます。この模様はまた次回といたしましょう。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁


 

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2018-04-10

後藤仁 台湾写生旅行 その3

2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その3
 
 2月26日(月) 旅行5日目。この日は台中から日月潭(リーユエタン)に移動します。日月潭は台湾屈指の景勝地なので、とても楽しみです。
 朝食はパンとおにぎり、ジュースですませて、台中駅近くの南投客運バスターミナルから朝10:20発のバス(195元)に乗り、12:00過ぎに日月潭に到着しました。ガイドブックには高いホテルしか書いてないので、バス停近くの水社旅客中心(インフォメーション)で聞いてみますと、安めのホテルを紹介してくれました。「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」というゲストハウスのような宿で、1階のセブンイレブンの店内から2階の部屋に入るという珍しい造りです。一泊1200元(トイレ・シャワー、朝食付き)です。部屋はとてもファンタジックな内装で、クマの大きなぬいぐるみが置いてあります。綺麗なトイレとシャワー室も部屋にあります。共同空間のベランダからは、台湾最大の天然湖である日月潭が望め、あちこちに、となりのトトロ等の置物が置いてあって面白いです。ここは親子連れで来ると、子どもは喜ぶだろうなと思いました💛。後ほど書きますが、朝食もステキで、スタッフも親切なので、ここはガイドブックにも載っていない、まさに穴場のゲストハウスですよ!超オススメです!!
 お腹が空いたので、湖のほとりの「茶老爸麺館」で魯肉飯(ルーロウファン)と豆腐スープ(計110元)を食べました。魯肉飯は台湾定番の丼で、魚の字が入っているので最初は魚の肉かと思っていたのですが、実際は豚肉の丼で、甘辛く煮込まれたトロトロの肉が絶品です。ここで珍珠奶茶(タピオカ入りミルクティー、75元)を買っていって、湖を眺めながら飲みました。
 湖の周囲を歩いてみました。この日は天気も良く、湖を眺めながらの遊歩道散策は最高です。F4号スケッチブックに1時間程かけて、湖と漁舟を描きました。ここは自然も豊かで、描きたいモチーフも豊富にあります。有名な観光地で宿泊代が高い事を想定していたので、当初は1泊だけの予定でしたが、宿の雰囲気が良いし、湖が美しいので、2泊する事にしました。
 夕食は昼と同じ麺館で、また魯肉飯とピータン豆腐、肉団子スープ(計170元)をいただき、夢のメルヘンハウスでおやすみ~~。 (-_-)zzz

台湾写生旅行日月潭の周囲を散策。背景には魚を獲る漁舟や、対岸の山頂には慈恩塔も見えます。明日はあそこまで、自転車で向かいます~。

台湾写生旅行「茶老爸麺館」 魯肉飯、ピータン豆腐、肉団子スープ(計170元) とっても美味しいね~。

台湾写生旅行「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」 日月潭の夕暮れ、ベランダにてパッションフルーツを食す。

台湾写生旅行「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」のメルヘンチック・ドリームルーム💛 私には全く不似合いですな~。

 2月27日(火) 旅行6日目。朝8時に、宿に予約していたブレックファーストが来ました。湖の見えるベランダ席でいただきます。結構、盛り沢山でファンタジックな朝食に満足~☆。
 レンタルサイクル店で、1日150元のオフロード・バイシクルを借りて、出発。今日は自転車で湖の周囲を一周する計画です。途中、向山旅客中心に立ち寄り展示施設を見物。木道風の快適な日月潭自転車道が尽きると、普通の車道を走ります。玄光寺に到着。ここは玄奘三蔵法師を祀ったお寺です。ここから青龍山歩道を30分程歩いて玄奘寺に向かいます。玄奘寺から、また歩いて玄光寺の自転車置き場に戻る途中、SM号スケッチブックに、姑婆芋という里芋の一種らしき植物を30分ばかりかけてスケッチ。遊歩道で昼食のパン2個を食べました。自転車を取りに戻る必要上、この辺りで行ったり戻ったりと時間をロスしましたが、歩く価値のある、誠に心地良い遊歩道でした。
 次に慈恩塔を目指します。この辺りから上り坂がきつくなり、自転車をこぐのも大変です。慈恩塔の頂上からの湖の眺めは雄大ですが、塔自体はコンクリートの新しい建物でした。
 日が傾いて来ました。この先に九族文化村という台湾少数民族をテーマにした大きな施設があるというので急ぎます。長大な日月潭ロープウェイに乗り、「九族文化村」に到着。ロープウェイと合わせて入場料は650元と高めでしたが、これでも子供料金なのです(大人は800元位)。何故だか私は子供料金扱いになっていました(外国人だからか、特別セール期間なのか?)。この文化村は、遊園地も併設した巨大なテーマパークのような施設でした。台湾人らしき親子連れで一杯です。少数民族の民家を復元した建物が多数あり、博物館や、ナルワン劇場での民族舞踊公演もあり、予定していた2時間では全く見きれません。中間地点に桜の広場があり、丁度、桜が満開でした。遊園地地区には行かずに、ここで引き返しました。少数民族の民家もじっくりとは見物できませんでしたが、自転車の返却時間が5時半なので急がないといけないのです。
 ロープウェイに乗って自転車に戻り、車道を進みます。上り坂はきついのですが、下りになると爽快です。ぐんぐんとスピードが上がります。上り坂を自転車で必死に上る私を見て、バイクですれ違った台湾人の若者が「加油(がんばれ)!」とエールを送ってくれました。湖の周囲は20㎞位はあるようなのですが、アップダウンもあり、結構、疲労して足もクタクタです。文化村以降は、変化のない上り下りの車道を1時間以上進むだけです。夕方5時前に文武廟に到着。立派な御廟です。ペットボトルの水もなくなり、のどもカラカラなので、廟内の売店で、昔懐かしい感じの素朴な氷菓子(アイスキャンディー)を買っていただきましたが、このシチュエーションでは実に美味しく感じました。文武廟に感謝です。
 5時30分の少し前にレンタルサイクル店に戻る事ができ、閉店に間に合いました。お腹がかなり減ったので、昨日の麺店で、魯肉飯、ビーフン、漬物(計180元)をいただきました。他の食堂も幾つか見たのですが、やはり、ここが一番手頃なのです。特に魯肉飯は気に入りました~。
 充実した一日でしたが、湖一周自転車巡りに思った以上に時間を要したので、描きたいものはたくさんあるのにも関わらず、描く時間が取れなかった事が残念です・・・。次に来る機会があれば、ここで3~4泊しても良さそうですね。今回は22日間で台湾一周する計画なので、あまり時間的な余裕がないのです。

台湾写生旅行「星月小築 時尚旅店 (STAR&MOON HOUSE)」 ブレックファースト、おしゃれでステキです♡

台湾写生旅行日月潭 自転車道、景色も良くて快適な自転車コースだよ!

台湾写生旅行日月潭ロープウェイ、九族文化村に向かいます。日月潭の景色が美しい。

台湾写生旅行「九族文化村」 ナルワン劇場、台湾少数民族舞踊公演。

 明日は日月潭からバスに乗り、集集線というローカル鉄道路線に向かいます。最初は、台中にバスで戻る計画でしたが、旅の途中でガイドブック「地球の歩き方」を熟読していると、日月潭から集集線に出る、良いルートがある事に気が付き、予定を変更。こんな自由が利くのが自由旅行のいいところですね・・・。
 次回もお楽しみに・・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

 

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2018-03-27

後藤仁 台湾写生旅行 その2

 2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」 その2
 
 2月24日(土) 旅行3日目。今日は台北から台中(タイヂォン)に移動します。朝、「ホーミーホステル」のセルフサービス スタイルの朝食(パン、おかゆ、卵、コーヒー等)を食べ、台北車駅から9:21発 高速鉄道(高鐵・台湾版新幹線、700元)に乗って、10:23 高鐵台中駅に到着。ほぼ1時間の快適な車中です。台湾鉄道(台鐵)新烏日駅から台鐵台中駅に電車移動。高鐵と台鐵の台中駅は離れており、台中中心部は台鐵台中駅近くにあります。
 宿はガイドブックに基づき、「富春大飯店」に決定(※台湾や中国の旅館・ホテルは、飯店とか酒店と銘打っている場合が多いです)。シングルルームで650元と安いです。トイレ、シャワー付、朝食無し。ただ、TVのリモコンのデポジット(保証金)として400元を預けました。ここに2泊します。
 近所を散歩。旅行初日から右下の奥歯が痛かったのですが、その痛みが何故か右上の小臼歯に移動しました。その代わり右下の奥歯の痛みは引いてきましたが、念の為に痛み止めを薬局で購入。「宮原眼科」という日本統治時代につくられた病院が、今はお菓子の土産店になっています。店内がレトロで面白いです。少し歩いて、狭い路地のガイドブックにも載っていない「幸天宮」という道教寺院を発見。その近くの小さな大衆食堂で昼食の鴨肉麺(70元)を食べました。ローカル店ながら、安くて美味しい麺でした。
 午後はバスで少し移動して、「孔子廟」に。台中の孔子廟は新しい建築物でしたが、大きいです。「台中一中街」という若者向けのストリート(日本の原宿みたいな)をぶらつき、白玉鮮奶茶(タピオカ入りミルクティー、40元)を飲んで一息。台中公園で盛大なランタンフェスティバルをやっていましたので、SM号スケッチブックに軽くスケッチ。描いている途中、子供が二人、何やら話しかけてきましたが、台湾語でよく分からないので、「ウォー・シー・リーベンレン(私は日本人です)」と答えてやりました。台中公園には「省立 精武図書館」があったので見学。台湾の図書館はどこともかなり立派で、たいてい児童書・絵本のコーナーもあります。
 そこから歩いて宿に戻る途中、「阿水獅豬脚大王」という豚足料理屋で夕食。豚足麺(110元)、スープ(40元)を食す。これが、とても美味い!!台中の料理は、味が少し濃い目ですが、おおむね台北より美味しいようです。

台湾写生旅行「阿水獅豬脚大王」 豚足麺(110元)、スープ(40元) とても美味しいネ!!


 2月25日(日) 旅行4日目。朝食は「同心円」というチェーン店らしきミニ店舗で、ホットサンドイッチセット(40元)、豚餅(25元)を買って、緑川という小川の河畔でいただく。この河畔は市民の憩いの場になっており、さほど広くはないですが心地良いです。
 バスに乗って、「国立台湾美術館」に。ここは広大な美術館で、現代アート系の作品を主に展示してありますが、入場料は無料です。この美術館内には、広くて快適な児童絵本区があり、絵本がたくさん置いてあります。旅をする内に、台湾では、美術館・博物館・図書館等の文化事業にかなり力を入れている事が分かってきました。
 美術館から続く、「草悟道」という通りがおしゃれストリートだというので、その通り沿いに散歩しました。草悟道北端の国立自然科学博物館に熱帯植物園(入場料20元)があるので見学。博物館には幾つかの見所があり、親子連れ向けの巨大な科学シアターもあり、かなり立派な施設が集まっています。
 草悟道を戻り、昼食は、「莊家火雞肉飯」で鶏肉飯(40元)、味噌汁(10元)をいただく。これがまた絶品。日本人の口にも合う優しい味です。ガイドブックに書いてある、デザート店の仙草ゼリーというものを食べたかったのですが、店が定休日だったので、市民広場辺りの「COLD STONE」という、おしゃれ系アイスチェーン店に入る。アイスとアイスコーヒーをたのんで255元と高かったが、休憩できました。市民広場周辺では、「勤美術館」という、現代アート作家の作品を屋外展示した変わった美術館や、大道芸を披露する一家のパフォーマンスを鑑賞しました。歩いて国立台湾美術館に戻ってきたので、美術館の隣の「台中市立図書館」にも寄り、バスで宿に戻る。
 夕食は、「沁園春餐廳」という、かつて蔣経國総統一家が訪れたという名店で、小籠包、あんまん、ハマグリスープ(計396元)を食す。汚い身なりの私は、店内で浮いているらしく、人目につきにくい隅の席に案内されました。ウエイトレスの英語が上手く伝わらず、何を話しているのかよく分からないのですが、最初に あんまん らしきものを持ってきて、「割らないように・・・」とか言っています。「何を言っているのやら・・・」とその あんまん らしきものを食べてみると、中から熱い汁が飛び出してテーブルに散りました。「ああ、この事か・・・」と理解しましたが、味はあまり甘くもなく、あんまん とは少し違う感じです。小籠包を食べていると、また あんまん が出てきました。「もういただいたよ」とジェスチャーすると、「いいのだ」という様子。食べてみると、普通の あんまん でした。注文していない最初の饅頭は、間違いだったのか、サービスなのか、謎のままでした・・・。味はさすがに名店らしく、上品で美味しかったです。
 私の旅はバックパッカー的貧乏節約旅なので、この日の昼のデザートと夕食が、後にも先にも、一番高価な食事になりました。台中の「富春大飯店」は安くて、駅に近くて、誠に便利なのですが、設備が古いので、私の苦手なあの黒虫の小型茶色系が毎日数匹現われました。前回のスリランカの旅の経験を活かして、強力な小型殺虫剤を用意していたので、即座に撃退しましたが・・・。 (-"-)

台湾写生旅行「莊家火雞肉飯」 鶏肉飯(40元)、味噌汁(10元) 日本に近い味で、とても美味!!

台湾写生旅行おじいさんと子供の親類一家(多分)で編成された大道芸人。おじいさんが一番張り切っていましたが、どこの世も同じく、子ども達は何となくやる気がない感じでした・・・ただ、一輪車芸は見事!!。

台湾写生旅行「沁園春餐廳」 小籠包、あんまん、ハマグリスープ(計396元) ここの小籠包は薄皮の高級タイプ、名店の味です。

 明日は、いよいよ楽しみだった、台湾最大の天然湖で知られる景勝地・日月潭に向かいます。この模様は次回にお話いたしましょう・・・・。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

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2018-03-22

後藤仁 台湾写生旅行 その1

 東京造形大学で絵本講義を教えるようになって、およそ週に1日授業があるので、なかなか自由には旅ができなくなりました。それでも大学は夏休みと冬~春休みが長いので、その間に長期の旅が可能です。
 今回は前々から興味がありつつも実現できていなかった台湾への旅を決行しました。私は元々、中華文化圏の伝統文化には強くひかれるものがあるのです。ただ最近、台湾旅行ブームが起こり、ツアー客等が多そうなのが気がかりです。
 台湾の航空券をネットで取ろうとしたのですが、私はクレジットカードを持っていなくて取れないので、今回もH.I.Sにお願いして早めに安い便を取りました。台湾までの航空券は、往復で約5万円、旅行保険を入れても6万円強で済みました。ビザも必要ないので、今までの海外旅行では最も安くで済みました。台湾の物価は日本の7割位と高いらしいので、渡航費をおさえられるのは助かります。
 春節の時期は旅行では何かとややこしいので、その直後から、日本児童出版美術家連盟(童美連)の総会・懇親会までの期間、ギリギリをおさえました、・・・・ところが、童美連の総会が昨年より1週間早まったので、出席不可になってしまいましたが、それも時の運です。
 2018年2月22日~3月15日までの22日間の「台湾写生旅行」の始まりです。

 2月22日(木) 旅行1日目9:30 日本・成田 発→12:40 台湾・台北桃園国際空港 着 CI107 (時差は-1時間) 機内食を食べていると、あっと言う間に着きました。空港から台北市内へは、MRTという便利な列車があり、1時間足らず、160元(1元=約3.7円)で台北車駅に到着。ただし、MRT構内では飲食が一切禁止されているので注意が必要です。私は列車に乗ると、まず水を飲む癖があるので、ついうっかりという事もあり得るからです。
 まずは宿をおさえます。いつもながら「ガイドブック 地球の歩き方」を参考に、台北車駅からほど近い、「ホーミーホステル」という安宿を目指します。シングルルームが空いていなくて、ツインルームで1日目が1300元で2日目が1460元でした(週末は高くなります)。朝食付きでトイレ・シャワーは共同です。通常の私のアジア旅では、シングルルーム一泊500円以内で宿を探します。高くても2000円位以内です。(ドミトリーは疲れるので取材旅行には向かなくて、特別な理由がない限り使いません。)ところが台湾では、よほど特殊な安宿でない限り、一泊3000~5000円位は覚悟せねばなりません。
 さっそく台北の街を散策します。歩いて、「迪化街」という古い通りに到着。「永樂市場」を見物し、「霞海城隍廟」という道教のお廟に参拝。夕食は、小さな食堂で、大腸麺線(細い麺料理、35元)・臭豆腐(45元)と、温州大餛飩というチェーン店で、海老ワンタンスープ(70元)を食しました。台湾の初日は小雨まじりの寒い日でした。台湾は温かいものと、薄着しか持っていなかったので、夕方以降、結構寒かったです。宿の部屋は狭いですが、清潔で快適です。
 
 2月23日(金) 旅行2日目。宿の朝食は8時半からと遅いので、今日はコンビニ(台湾にはセブンイレブンやファミリーマートがたくさんあります)で買ったパンで済ませて外出しました。MRTに乗って、台北の「龍山寺」に向かいます。多くの人が朝のお祈りをしていました。ここでF4号スケッチブックに、30分余りかけて一枚スケッチしました。
 その後、MRTとバスを乗り継いで、「國立故宮博物院」(入場料250元)に向かいます。中国本土の「故宮」は何度か拝見した事がありますが、台湾の故宮博物院にも貴重な文物が多数収蔵されているという事で、とても楽しみにしていました。朝一番乗りなので、まだ人も少ないです。見学途中から人が増えてきましたが、特に有名な白菜の玉や肉形石も近くで見れました。ここには絵画作品にも優れた作品がありましたが、工芸作品の方がメインです。博物院はかなり広いので、3時間以上は鑑賞していました。
 博物院の隣の「至善園」で一息ついて、MRT駅に戻る途中、「永和豆漿大王」という店で温豆漿(豆乳、25元)・小籠包(8個・70元)を食べました。ここの小籠包は皮がぶ厚くてフカフカしていて、とても美味しかったです。MRTで移動して、台北市立美術館に寄りましたが、改装中で休館でした。美術館の隣には、「台北故事館」(入場料50元)というファンタジックな建物があり、現在は現代作家の人形の展示をしてあるので見学しました。その他にも、台湾原住民族の展示館があったりと、この公園には見所が幾つかありました。
 昼食が足りなかったので、「八方雲集」というチェーン店で黒豆漿・水餃子(42元)を食べて、歩いて「孔子廟」と「大龍峒保安宮」という道教寺院を訪問。ここの孔子廟では、無料で3Dアニメーションの孔子物語が見れるので、子どもは楽しめるでしょう。孔子廟の門を1時間程かけてF4号スケッチブックにスケッチ。薄暗くなってきたので、MRTに乗って、宿に戻りました。夕食は宿の近くの素食(ベジタブル料理)屋で鍋焼麺(75元)を食す。最初から充実したすべり出しです。
 ただ、来台前に歯科医院で歯の治療をしてきたのに、初日から右下の奥歯の根元が痛み出し、食べ物を食べると、結構うずきます。また、前の福島の旅で、他者にカメラを貸して撮影していただいた時にレンズを無理やり回したようで、その直後からピント調節の具合が悪くなり、今回の旅では、最初からピントが合いにくくて苦心しました。少々の不安材料はありますが、どうなるのでしょうか・・・。
 明日は、台中に向かいます。この続きは次回といたしましょう・・・・。

台湾写生旅行台湾・台北 「龍山寺」

台湾写生旅行台湾・台北 「國立故宮博物院」

台湾写生旅行「永和豆漿大王」(台北MRT 士林駅近く) 温豆漿(豆乳、25元)・小籠包(8個・70元) とても美味しいネ ( ^^) _U~~ 

  日本画家・絵本画家 後藤 仁

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2017-02-05

スリランカ写生旅行 その12(最終回)

 「スリランカ写生旅行」20日目、2016年6月25日(土)。昨日は中級ホテル「ホテル・シャリニ」の快適な部屋でゆっくり休めたようで、今朝は体調も見違えるように回復していました。朝食は500Rsで用意してもらったホテルのブレックファーストを、心地良い2階のテラス風食堂でいただきました。ホテルの前庭を眺めていると、ホテルの従業員がスリーウィーラー(三輪タクシー)に乗って現れました。朝食を終え、部屋にチップ60Rsを残してチェックアウトしましたが、先程の従業員がスリーウィーラーで駅まで送ると言います。サービスかとも思いましたが、値段を聞くと有料です。私はホテルに送迎を頼んでいないので少し不愉快になり、一度断って歩いて行こうと思いましたが、距離が遠くて大変なので、やはりスリーウィーラーに乗りました。南・東南アジア圏ではよくある事ですが、頼んでもいないのに勝手に有料の企画を仕込まれそうになったりします。ただ今回はかえって助かったので、良かったです。従業員は饒舌な人で、運転しながら、またこのホテルに寄ってくれとしきりに言っていました。商魂たくましいですが、仕事熱心で悪い人ではありません。ホテルの人は、昨日から「ミヒンタレー」が良いとしきりに勧めて来ました。今回は体調が優れず日程がギリギリだったので不可能でしたが、いずれ機会があればミヒンタレーという仏教聖地にも足を運べれたらと思います。
 アヌラーダプラ駅に着くと、9:15発の列車を待ちます。遅れて9:50頃、列車がやって来ました。インドの列車に似た、鉄の塊のような重厚な車体です。アヌラーダプラ発~コロンボ着、「インターシティ・エクスプレス」2等車(450Rs)。外国での鉄道の旅は実に良いものです。昼食は車内でパンをかじり、ガタガタとゆられながら、午後2:30頃、コロンボ・フォート駅に到着。
 宿は最初と同じ、ホテル「ザ・セントラルY.M.C.A.」にしましたが、宿泊代は時期のせいなのか一泊室料(食事なし、トイレ・シャワー共同)1800Rsと、最初より安くなっていました。夕食は軽くパンで済ませたと思います。

スリランカ旅行「ホテル・シャリニ」 ブレックファースト(500Rs)

スリランカ旅行「インターシティ・エクスプレス」 アヌラーダプラ駅

 「スリランカ写生旅行」21日目、6月26日(日)。この日がスリランカでの最終日です。早朝起きると、パンと飲むヨーグルトとピーナッツを食べて、外に出ました。体調はほぼ通常通りに戻っていました。スリーウィーラーをつかまえて、「ヴィハーラ・マハー・デーウィ公園」に向かいました。スリーウィーラーのおっちゃんはやはり少し高めに値をふっかけて来ましたが、値切り交渉して安くしてもらいました。この頃になるとスリランカの物価もほぼ把握しており、旅の全てに余裕があります。車内で、「スリランカのタクシーは正直でいいね。通常値段の数割増ししか、値をふっかけて来ない。インドでは数倍ふっかけて来る事もしばしばあるからね~。」と嫌味まじりに冗談話をしてやりました。
 この公園はコロンボで最も大きな公園です。私は海外旅行の最終日には、旅の主要取材目的は全て終えているので、無理をせず、大きな公園等で旅の余韻にひたりながら、まったりと時間を過ごします。珍しい鳥がいるので写真を撮ろうとしていると、公園内の警備をしていた警察がスッと寄って来て、公園内は撮影禁止だと言います。公園内が撮影禁止などという規則はどんな国でも聞いた事がありません。しかも、地元の親子は、平気でスマホで撮影していました。ここは官公庁や主要施設がある首都なので、外国人に対して警戒心が特別強いのかも知れません。キャンディやポロンナルワでの警察・警備員の異様な警戒といい、日本人の私には理解しがたいほどの状況ですが、この意味は日本に帰るまで解明できませんでした・・・。
 公園にいた馬をF4号のスケッチブックに軽くクロッキ―しました。F4号、SM号スケッチブック共に、残り1枚ずつを残して写生を終えました。2冊全部を描き終えるのが目標でしたが、旅行終盤、体調が優れない中、ほぼ2冊を描き終えれたので満足です。

 公園の端にある「コロンボ公共図書館(Colombo Public Library)」に立ち寄りました。スリランカ一大きな図書館のようです。児童書のコーナーに行ってみると、思ったより多くの児童書・絵本が置いてありました。ただ、スリランカの出版社の簡素な本や、ヨーロッパのものと思われる本ばかりで、日本の絵本等は見当たりません。また、在庫された本はかなり昔に仕入れた感じで、かなり傷んでいます。子供用の可愛らしい机と椅子が置かれているものの、部屋全体が薄暗くて、たまたまこの日だけなのか、来館者もほとんどいなくて、立派な図書館が完全に活用できていない感が強いです。私は自身の「絵本」の寄贈を、司書の方に約束して、図書館を後にしました。
 時間がまだあるので、公園からしばらく歩いて、「ラクサラ」という高級民芸品店に寄って、土産を探しました。ゆとりを持って両替していたので、スリランカ・ルピーが意外と余っていたのです。自分用のシャツや友人・知人用の象の置物等をまとめて買いました。ここで、7590Rsを使用したのでスリランカ旅行一の大奮発です。店内ではずっと店員や警備員が付いてまわるので、客への丁寧な対応のつもりなのかも知れませんが、汚い身なりの異邦人を警戒しているようにも感じられ、少し不愉快になって来たので、警備員と店員に一言、「スリランカでは、警察や警備員の警戒が異様に厳しくて、困ったものだ~。」と軽い嫌味を言ってやりました。旅も終盤になると、旅の満足感と伴い、周囲からの外圧ストレスも、結構たまっているものです。
 そこから歩いて、「アーケード・インディペンデンス・スクエア」という、しゃれたショッピングモールに寄りました。まだ、予算が余っているので、昼食はショッピングモール内の「キャーマ・スートラ」という少し高そうなスリランカ料理店で、骨なしヤギ肉カレー、キングココナッツ・ジュース(計2375Rs)を食べました。観光客向けの準高級料理店だけに、さすがに見事に美味しかったです。旅行の最後だけは、普通の日本人観光客の様相になってしまいましたね。ただし身なりは、リュックを背負った汚い服装の怪しいアジア人です。

スリランカ旅行「コロンボ公共図書館(Colombo Public Library)」 児童書コーナー。奥に並んでいるのが絵本類、左側の棚には読み物がたくさんあります。机と椅子は可愛いです♡ 

スリランカ旅行「アーケード・インディペンデンス・スクエア/キャーマ・スートラ」 骨なしヤギ肉カレー、キングココナッツ・ジュース(計2375Rs)。量は少し物足りないが、スパイスの深い味わいがとても美味しいです。

 いよいよ帰りの時間が近付いて来ました。スリーウィーラーでセントラル・バスターミナルに向かい、空港行きのバスを探します。エアポートバスに乗りたかったのですが、乗り場がよく分からないので周囲の人に聞くと、187番のバスに乗れと言うので、午後2:30頃そのバスに乗り込みました(空港まで100Rs)。ただ、そのバスはエアポートバスではなくて、通常のローカルバスでした。途中途中で停車しながら、ゆっくり進みます。旅の経験で、飛行機の出発時間までには、かなりの余裕時間を計算してあるので助かりましたが、ゆとりがなければ危ない所でした。最初に乗ったエアポートバスの倍の2時間位かかって、4:30頃に「バンダーラナーヤカ(カトゥナーヤカ)国際空港」に到着しました。しかも、少し離れた街中にバスが着くので、500m程歩かないと空港入口には到達しません。最後まで、旅はハプニング続きです。
 スリランカ航空 UL454、19時15分 スリランカ・コロンボ 発 ~ 27日7時35分 日本・成田 着旅の最後に来て体調を崩し、無理のある自由一人旅もこの年齢になると少々こたえて来たなと思いつつも、今回も誠に充実した取材旅行が出来たと、満足感に包まれながら日本へ向かいました。

 日本に着いた直後にニュースで見たのですが、私がコロンボを発った同じ頃、バングラデシュの空港で爆破テロ事件が起こったという事を知りました。現在の世の中は、全ての物象が徐々に物騒な状況に向かっています。バングラデシュと同じ南アジアに位置するスリランカでも、同じような危機情報が飛び交っているでしょうから、そう考えると、今回のスリランカの異様な警備体制も合点がいきます。今の世の中の現状を踏まえると、よく言われる事ですが、もしかしたら日本人の方が平和ボケしているのかも知れませんね。それと同時に、ますます「平和」というもの、「寛容性、融和精神」の大切さを改めて実感する事になります。
 今回の旅では、素晴らしいスリランカの文化に触れた大きな感動と共に、何かしら理解しがたい巨大な不安の影を感じました。思いやり・利他精神は、思いやり・利他精神につながり、不安・懐疑・恐怖は、不安・懐疑・恐怖を増幅します。そんな時、ゴータマ・ブッダが2500年も昔に唱えられた、言葉の重要性を知る事となるのです・・・・
 「実にこの世においては、怨みに報いるに怨みをもってしたならば、ついに怨みのやむことがない。怨みをすててこそやむ。これは永遠の真理である。」 (「ブッダの真理のことば 感興のことば」中村 元 訳/岩波文庫、より)

                     *

 今回の取材旅行の「旅行費用」をざっと記しておきましょう。

「スリランカ周遊 写生取材旅行 22日間」
 航空券・ビザ・旅行保険代金     約13万円
 現地滞在費(宿泊、食費、交通費 等) 約8万円
               総計  約21万円
  

 今回も極力安い費用で、最大限充実した取材旅が出来ました♡。お金持ちならば、費用をかければ、快適で充実した旅が出来るのは当たり前です。しかし贅沢旅では、かえって最も重要な真実が見えないものです。私のような貧乏絵描きは、いかに工夫して、安くても素晴らしい取材旅をするのかが重要なのですね。お金ではなく、頭と足を使うのです。

 旅の成果は、スケッチブック2冊で、計42枚(F4号19枚、SM号23枚)のスケッチ。
 写真撮影 3414枚。(今回、デジタルカメラの保存容量を増やして、撮影分全てを画像データ保存し、必要に応じてプリントする事にしました。)
 私はプロの画家なので、スケッチや原画をネット上で滅多には公開しないのですが、拙ブログ来訪者に感謝して、特別に2枚だけお見せいたします。

  スリランカ写生「ポロンナルワの少女」(SM号)スリランカ写生(2016年6月19日) 「ポロンナルワの少女」(SM号) 後藤 仁

  スリランカ写生「シーギリヤ・レディ」スリランカ写生(2016年6月14日) 「シーギリヤ・レディ(フレスコ画)模写」(SM号) 後藤 仁


                     *

 前回の「ミャンマー旅行」でも記した内容に付記します。
 スリランカは、南アジア圏では比較的治安の良い国と言われています。私の実感で「旅の快適度・難易度(治安、利便性、雰囲気の良さ等から総合的に判断)」を独断と偏見で比較したら、今回のスリランカは、タイ王国北部(チェンマイ・チェンラーイ)と同じ位のレベルでしょう。
 私が今までに旅をした国々の「旅の快適度・難易度」をざっと表にしてみると、以下のようになりました。(上方ほど快適度が高い、下方ほど難易度が高い。)

◎ラオス(ルアンパバーン)、ベトナム(サパ・バックハー)、ミャンマー(インレー湖・カロー)、日本(地方)
日本(都心部)
○タイ王国(チェンマイ・チェンラーイほか)、イタリア・バチカン市国、ミャンマー(総合平均)、スリランカ
○中国(北京・上海・貴州省・四川省ほか)、タイ王国(バンコク)、ミャンマー(ヤンゴン・バガン)
○ベトナム(ハノイほか)、カンボジア(シェムリアップ)、ミャンマー(マンダレー)
  (この間には開きがあり、これ以下は旅の難易度が増します。)  
●中国(チベット)、ネパール(カトマンズほか)、インドネシア(ジャワ島・バリ島)
  (この間には開きがあり、これ以下はさらに旅の難易度が増します。)  
●インド(全域)
●インド(バナーラス)

 といった順ですが、これはその場の「良し悪し、素晴らしさ」という判断ではなく、あくまで治安を中心とした「快適度・難易度」です。また、私の訪問年代にもよりますし、たまたま運が悪かったという場合も考えられるでしょうから、私個人の主観としてご参照下さい。
 インド、ネパール、インドネシアなどは、とても優れた遺跡や文化が残っている素晴らしい国です。ただ、これらの国は一人旅をするのは結構難しい地域で、身に危険を感じる場面が何度か起こる可能性があり、特に女性の一人旅はよほど旅慣れた人でないとおすすめできません。また、ツアー旅行の場合でも、注意が必要になって来るでしょう。
 外務省ホームページの危険情報によると、インド辺りは黄色(十分注意)から部分的に薄いオレンジ色(渡航の是非検討)位の危険の程度です。中東やアフリカの紛争地帯では、濃いオレンジ色(渡航延期勧告)から大部分は赤色(退避勧告)ですので、いかにそれらの地域に旅をするのが危険なのかが推察されます。

                     *

 ちなみに、私が今までの海外旅行で、「最も感動したランキング ベスト10」を挙げるとざっと以下のようになります。(それぞれが個々に素晴らしくて、感動要素も異なるので、一概に比較するのは難しいのですが、私の主観による感動度のみでランキングしてみます。)

第1位 ☆インド アジャンター石窟「蓮華手菩薩像」
第2位 ☆ネパール カトマンズ「インドラジャトラ祭・クマリとの遭遇」
第3位 ☆中国 チベット「ポタラ宮」
第4位 ☆インド バナーラス「ガンガーでの沐浴」
第5位 ☆インドネシア ジャワ島「ボロブドゥール遺跡」
第6位 ☆中国 貴州省「トン族村」
第7位 ☆イタリア・バチカン市国「システィーナ礼拝堂 ミケランジェロのピエタ像」
第8位 ☆カンボジア「アンコール遺跡群」
第9位 ☆ベトナム サパ・バックハー「モン族村」
第10位☆インドネシア バリ島「バリ舞踊」
     

 アジャンター石窟やガンガーの沐浴、ポタラ宮では、感動のあまり感涙を起こすくらいですし、インドラジャトラ祭ではほぼ放心状態でした。つまりは、より近付く事が困難であるから、より感動が増加するとも言えますので、「旅の快適度・難易度」がそのまま「旅の良し悪し」ではないという事なのです。
 私の教える絵画教室(カルチャースクール)の受講者中の何人かは、私の旅の面白話の影響を受けられたのか、私と同じ旅行先に実際、ご旅行された方もいるようです。私の話をよく参考にされているのは、誠にうれしい事です。ただ、お金を払えば誰でも行ける簡単な「ツアー旅行」では、私と同程度の感動は多分、得られないのではないかと思います。現地の文化・美術への造詣と知識を十分に得た上で、長期間の自由旅行で精神を解き放ち、不便を乗り越えながらようやくたどり着いた中での感動なのです。
 不安定な国際状況の中、今後の海外取材旅行でも多くの困難を伴うかも知れませんが、こらからも機会があるごとに私は写生旅行に出かける事でしょう。そこに感動があり、絵画創作へのインスピレーションの源泉がある限り、私は一生旅を続ける事になりそうです。

  日本画家・絵本画家 後藤 仁  GOTO JIN
 

テーマ : 旅と絵
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN)

Author:後藤 仁(GOTO JIN)
 ~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

  〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校美術科で日本画を始める。東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業、後藤純男先生(恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学・デザイン科非常勤講師。東京造形大学・絵本講師。金唐革紙保存会 主宰。日本美術家連盟(常任理事:中島千波先生 他)会員。日本児童出版美術家連盟(童美連)(太田大八先生、赤羽末吉先生、いわさきちひろ先生らが創設)会員・理事。絵本学会(太田大八先生らが創設、現会長:松本 猛先生)会員。日本中国文化交流協会(井上 靖先生らが創設)会員。この本だいすきの会(代表:小松崎 進先生)会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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