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2020-08-15

「或る清貧画家の諦念の断簡(今の日本画を想う)」後藤 仁

 私は制作の合間に時々、フェイスブックやツイッターでつぶやいています。今回はその中でも、最近、主に「日本画・展覧会」について考察した部分の”まとめ”になります。

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2020年8月3日

 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が、ここの所、常に品薄状態が続いています~。
 スタジオジブリアニメ映画「ゲド戦記」の上映の影響なのか(映画「ゲド戦記」の原案の「シュナの旅」〈宮崎 駿/徳間文庫〉の原話は、チベット民話「犬になった王子」なのです)、新型コロナウイルスの巣ごもり需要・流通網停滞の影響なのか分かりませんが、ネット書店等で常時売り切れが続いています。
 誠にありがたい事ですが、もっと順調に、多くの人々の手に、本当に良い絵本が、届く事を願います。

○アマゾン Amazon 『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/
○絵本ナビ 『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)
https://www.ehonnavi.net/ehon/91533/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1/

○Real Sound|リアルサウンド/ジブリ劇場上映ラインナップにおける異色作?『ゲド戦記』にみる宮崎吾朗の役割
https://realsound.jp/movie/2020/07/post-579758.html
○TOHO THEATER LIST/一生に一度は、映画館でジブリを。『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』シアターリスト
https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/ghibli2020.html


8月6日

 近年、珍しく”日本画”が世間の話題になると、またもや不祥事だったりします・・・。過去に大騒動になった S先生盗作事件もしかり。まだ表沙汰になっていない U先生の盗作疑惑といい、実に悲しい事です。その他にも、写実(リアル描写)をモットーとしている、近年の日本画団体展作家には、かなり大多数が潜在していると思います(もちろん無所属作家にもいるでしょうが)。
 ここ20年ばかり、日本の経済低迷・文化変遷に伴う、日本画・油絵等の純粋美術の不振程度は甚だしく、若手・中堅作家が絵を続けるのは厳しい限りです。しかし、日本画が本当に、こんな低い芸術世界だとしたら、その存続の不可は仕方がない事です。

 必ず自身でその場におもむき実物をスケッチ(写生)する、・・・たとえ描く時間がなくても自身で写真を撮る事は、絵の基本的な姿勢です。他者の写真(図鑑・写真集等)は、せいぜい絵の参考資料程度に部分的に活用する位に留めないといけません(その場合でも、そのまま画像を使用するのではなく、自分のセンスを大幅に入れなければいけないでしょう)。その写真自体が写真作家による芸術作品の場合は、参考にするのも避けておいた方がよいのです。
 これは著作権法 云々、以前の、芸術家の基本的な心得なのです。それを忘れた画壇は、将来的に滅びていくしかないと肝に銘じて、画家は厳しく精進せねばならないのです。


8月11日

 中国向けの新作絵本制作は、本日、「表紙」の骨描きを終え、胡粉の下地塗りをしました。今日はこの後、一度塗りが乾いた後に、二度塗りをしようと思います。私は大抵、胡粉下地は二度塗りをします。こうして丁寧に下地を作るのです。
 誠に美しく素敵な「表紙」になりそうですよ~。(^・^)👍

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 私は当然ながら、人は人権において皆平等だと分かっています。そこには、貧富・職種・能力・男女・民族・国籍等による上下・貴賤は一切ありません。
 しかし、”絵”という厳しき芸術の道においては、平等や公平性は一切無いのです。そこには何かしらの良し悪しや、本物・似非物があるのだと信じます。
 立場を越えて、皆で並んで、楽しく絵を飾るというのは、人の行為としては微笑ましく正しい事です。しかし、本物の芸術を追求せざるを得ない、厳しき”芸術の道”においては、必ずしも正しき事とは言い難いのです。絵を描く自己世界の中で大いに遊び、鑑賞者を楽しませる事までが作家の本分であるのですが、画家が大勢で集って愉悦的に展示を楽しむというのは、所詮は趣味の領域でしかない・・・。

「旅に出て、もしも自分よりもすぐれた者か、または自分にひとしい者に出会わなかったら、むしろきっぱりと独りで行け。愚かな者を道伴れにしてはならぬ。」(「ブッダの真理のことば」中村 元 訳/岩波文庫) 
 と仏陀もおっしゃられた・・・。人としてはいささか高慢で冷淡なように聞こえますが、修業の道においては、事実こうあらねばならぬのです・・・。それ故に、芸術とは、厳しき道なのです。孤独の中の孤独でしか、芸術の真実は微笑んでくれないのだ・・・。
 私は絵の道において、一度・二度までは人間的付き合いとして、道を交える場合もありますが、三度目ともなれば、本当に自身が認め・信頼できる位の、本当に崇高な理念・技術・能力・経験を持った人と判断できないと、同行はし難くなってきます(決して世間的肩書や名声・実績だけで判断するのではなく、その人の芸術的本質を吟味します)。それは画家同士の場合は最も厳しく真贋を見極めますが、画商や編集者等の場合は画家に比べれば柔らかいものの、それに準じた判断が求められるのです。
 私も大した画家ではありませんが、哀しいかな、生来の変わり者の私は、自分より優れているか、同じ位の芸術的素養を感じ取れる人で無いと、一緒に歩めないのです。これが愚かな芸術家の、悲しき性(さが)なのです・・・。


8月14日

『絵画展覧会 ─ 個展・グループ展 考』

 「個展」とは、その作家の世界観を丸ごと反映し、また、誰の助けも借りずに、その作家の実力そのものが試される場なので、一番、重要な作品発表の機会となる。私もこれを重要視している。

 「グループ展(二人展・三人展・多人数展 等)」もやはり大切なものであるが、様々な形態があるので、ケースバイケースである。美術団体に所属している場合の「団体展」、公募形式の「公募展」、所属派閥等による「研究発表展」、絵の販売が主要目的の画商・画廊等が主催する「展示販売展」、友人・知人等とで企画する「グループ展」、絵画教室等の講師と教え子による「教室発表展」等々、多種多様である。
 私はこれまで、特殊なケースを除いては、ほぼ「企画展(会場代は無料で、絵の販売時に販売手数料を支払う形式)」で個展・グループ展を開催してきた。基本的に「貸し画廊(会場代を支払って開催する。アマチュア画家はほぼこの形態)」を使わない。そんな条件もあり、バブル期以降の絵画低迷期に活動し、特別な売れっ子でもない私は、それほど多くの展覧会を開催出来てこなかったが、それでも「個展(日本画展/絵本原画展を含む)」は15回余り開催している。(「赤穂市立美術工芸館 田淵記念館」での展覧会は、伯父・後藤大秀とのコラボレーション企画であるが、私の個展に伯父の作品の賛助出品という形なので、「個展」に数えている。)ただし、いずれも小規模の展示ではなく、毎回、大作を含む、20~100点位は出品する大型企画だけを開催している。
 「グループ展」は様々な形態で、200回以上は開催している。後藤純男先生の門下生による研究発表展「翔の会日本画展」(最初の1回のみ、オンワードギャラリー日本橋、のち、銀座松坂屋)は毎年続けて、計16回参加した。画商の企画による、百貨店・大型書店での展示販売展も、一時期、かなり多数行った。私が教える絵画教室の受講者との教室発表展も数回行った。画家仲間との、お友達グループ展も複数やっている。
 私が主に作品を製作し、時には展示準備に参加した「金唐革紙展(きんからかわし/国重要文化財建造物 等に貼られた手製高級壁紙・国選定保存技術)」は30回近くある。
 私の繊細で個性的な絵はあまり公募展向きではないが、「各種絵画公募展」にも、若い時分・30歳代前半までに、20回余りは入選・受賞している。私の拘泥的性格は基本的に団体向きではなく、結局今まで、美術団体展には所属しなかったが、それらしき企画としては、一時期6年間ばかり参加していた日本児童出版美術家連盟による「童美連展」を、展覧会実行委員会委員長として企画・開催した。
 これら「個展」「グループ展」「絵画公募展」「金唐革紙展」等の全てを合わせると、合計300回弱の展覧会経験がある。プロの作家としては殊更多くもないが、経験不足というほど少なくもなかろう。ただ、何でもかんでもやれば良いというものではなく、その質が重要なのであるので、特別、売り絵展が多くもない私の場合は、これ位が妥当である。

第15回 翔の会日本画展「第15回 翔の会日本画展(後藤純男先生門下展)」最終回 (2010年8月11~17日 銀座松坂屋)


★YouTube 「第2回 翔の会日本画展(後藤純男先生門下展)」(1997年10月30日~11月4日 銀座松坂屋)
 【日本画家・後藤純男先生 講評会】
 今ではとても貴重となった、一番お元気な頃の後藤純男先生(東京藝術大学名誉教授)の講評会の映像です。私、後藤 仁が講評を聴いています。 
 日本画作品 『阿蘇猫岳(根子岳)』(F30号) 後藤 仁



 私はこれまで、「売り絵展(展示販売展)」にも何かしらの抵抗感を感じてきた。プロ画家としては避けて通れぬ、糊口をしのぐ術でもあるが、我が子の如く大切な作品を、見知らぬ人に販売する。しかも、心底気に入ってくれているなら良いのだが、投資目的の販売が主流であった日本の美術市場では、どうしても気が乗らなかったのだ。どちらにしても特別な売れっ子でもない私の場合は、展示機会も限られたのだが、この点では私はプロ画家とは言えないのかも知れないな・・・。そんな訳で、20~40歳代前半を中心に、かなり多数、展示販売展を開催したが、徹底的な商売人である画商ともあまり馬が合わず、今はその世界から離れつつある。
 「研究発表展」は大切であろう。絵画派閥や団体に所属している人は、自己研鑽の手段として、自己とレベルが拮抗する、又は自分以上かと思われる作家同士なら、その展示の意味合いは大きい。学生時代から卒業後15年間は、私も後藤純男先生門下として研究発表展「翔の会日本画展(銀座松坂屋)」に計16回出品したが、後半になるにつれ、後藤先生門下の多くの者は筆を折り、少数は他派閥に吸収され、2013年の銀座松坂屋の閉店に伴って、翔の会日本画展は完全消滅した。銀座松坂屋は三越、高島屋と並んで、美術展・日本画展の最高の牙城とされた百貨店であった。百貨店の弱体化は、そこを販売の主流としてきた日本絵画界のその後の衰退の大きな要因となり、それまでも漠然と感じてはいたが、私が日本画壇の先行きに暗いものを確実に感じ取ったのは、この時以降である。その後、私は特定の派閥には属さずに、純粋な研究発表展は開催していない。
 歴史的には、「団体展・公募展」も研鑽を積むには良い場であり続けた。しかし、団体展・公募展は大抵、審査員の趣向により受かる絵には大きく偏りが生じる。基本的に団体の意図に沿わない絵は受からない。一目でインパクトのある絵が受かりやすく、画面の隅から隅まで埋め尽くした絵が、真面目に描いていると判断されて受かりやすい。また、ほとんどの団体は、各派閥ごとの研究会を通して、最初からある程度合否が決まっているケースが多く、ほぼ出来レース化しており、決して公正な世界とは言い難い。そこで先輩・師匠にそっくりな絵を描いて受かろうとする傾向が、ここ30年以上、強くなるばかりである。アマチュア画家から、そこそこ描けるYESマンを引っ張ってきて、派閥を大きくしようとする、団体総素人化傾向も顕著に見られる。そんな悪傾向・低意識の中、先般の日本画最大派閥・著名作家による他人の写真からの盗作事件等も必然的に生じてくる訳である。
 私は学生時代こそ、東山魁夷先生(日展)、平山郁夫先生(院展)、後藤純男先生(院展)等への憧れから、団体展を目指した時期もある。しかし、団体展の近年の弊害を身近に感じるにつれ、いずれの団体も、数十年に渡る無変化・固定化の中で、その権威化・画一化・低質化・形骸化に苛まれている事を鑑みて、団体展への志向を失った。日展は30年余り前から、売れっ子・実力者不足等で人気は低落し、創画会は最初から一般人からの支持が薄く、最後の砦の院展もここ20年ばかりは著名作家が減って低迷の一途を辿っている。現在の、無所属作家中心の、現代アートからマンガ・アニメ・CG全盛時代において、絵画団体展はその役割を一旦終えつつあると感じ取って、結果的には、現在の日本画三大団体等への参加を私は敬遠した。
 「教室発表展」は絵画教室で教える立場の者としては、教室の受講生の為にも開催しても良いものだろう。絵を一般人に教える事で自分自身、改めて気が付く点も多々あり、やってみると楽しいものでもある。ただこれは、絵だけでは食べていけない、貧乏画家の哀しい側面でもある。しかし、一般人との触れ合いも大切であろうし、これも社会貢献の一つであろうか。

 近年、絵画仲間との「お友達展」みたいな企画に何度か参加した。研究発表展とはまた少し趣向が異なる、派閥を越えた絵画仲間との展示発表会である。それはそれで面白いものでもあるが、それも、本当に力の拮抗する、対峙するに値する絵描き仲間との展示なら、大きな意味があろう。私は先日話したように、自分より絵画的実力のあると思われる人物か、自分と同等程度の作家となら、ぜひ研鑽を積んでみたい。ただ、そのように感じ取れる人物は、ごく稀なのも事実である。日展であろうと院展であろうと、肩書が一見凄そうに見えても、よくよく吟味してみると、存外、開催目的が俗的・凡庸で、芸術的素養が甘かったりするケースが多々ある。何度かそんな展示を経験してみたが、どうにも完全にはしっくりこないので、当面は諦めて、本当に優れた同士が登場するのを気長に待とうか・・・。もし一生現われなくても、それでいいのである。
 そんな理由で、今後しばらくは、質の高い「個展(絵本原画展を含む)」に絞って活動していこうかと考えている。

 絵を一生の生業とするのは至難の業であり、誰もが容易に到達できる世界ではない。生涯をかけて永い永い道をひたすら、孤独に歩まねばならない・・・。
 ただ一時の自己顕示欲であったり、格好つけだったり、お金儲けの手段であったり(実際には、ほとんど大多数の人は食べてはいけないが)するのであれば、止めておいた方が良い。そのような人が、大した仕事を出来るはずはない。
 芸術を深く知ろうと探求し、苦悩し、時には死をも覚悟し、画技・画法を研鑽しながら、数十年もかけて到達を目指さねばならない、それはそれは厳しく永い試練の道となろう。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-08-09

〔ユネスコ無形文化遺産〕大垣祭り・布袋軕(岐阜県大垣市)天井画制作〈その1〉後藤 仁

「大垣祭り〔ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財〕・中町 布袋軕(ほていやま)(岐阜県大垣市)
  天井画(天井絵)制作 〈その1〉


 いよいよ、「大垣祭り・中町 布袋軕」再建事業が本格的にスタートしました!!。
 大垣祭は、2015年に国指定重要無形民俗文化財に、2016年にはユネスコ無形文化遺産に登録された、日本を代表する盛大なお祭りの一つです。大垣祭の山車(だし)である、相生軕・愛宕軕・浦嶋軕・布袋軕・菅原軕・榊軕・神楽軕(三輌軕)には、私の伯父で からくり人形師の後藤大秀(ごとう だいしゅう/作家名)さんが復元・修復した「からくり人形」が多数載せられ、毎年、大勢の人々の前でご披露されます。

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日、後藤大秀 作 からくり人形「采振り童子人形」「倒立唐子人形」「布袋人形」

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日

大垣祭布袋軕「大垣祭り・布袋軕」(岐阜県大垣市)2017年5月14日

 新型コロナウイルスの影響による事業縮小が心配でしたが、文化庁からの文化財保存事業費/国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金が交付され、大垣市の文化振興/文化財の保護・活用/文化財保護整備事業予算も無事通ったそうで、大垣祭保存会の主導による大垣市・大垣市教育委員会を挙げての大型復元事業の始まりです。
 「中町 布袋軕」は今後、3年間をかけて、完全復元新調を目指す計画で、私はその中の、布袋軕の「天井画(天井絵)」を描く役割を、全て任されました。私にとっては金唐革紙(きんからかわし/国選定保存技術・手製高級壁紙)復元製作以来の貴重な伝統的文化財の復元制作となりますので、すこぶる気合が入ります。しかも、金唐革紙は副業的な仕事でしたが、今回は本業の日本画による制作なので思いは格別なのです。また、伯父・後藤大秀さんの「からくり人形」とのコラボレーション企画という事もあり、誠に嬉しい仕事なのです。

「中町 布袋軕」全体の再建事業は、こちらの大垣祭保存会・中町布袋会の公式ブログをご覧下さい。↓
○大垣まつり「布袋やま再建日記」
 http://hoteiyama.seesaa.net/

 大垣市には、父方の実家があり、幼少の頃より、夏休み等には度々帰省していました。私にとっては、生まれ故郷の兵庫県赤穂市が第一の古里だとしたら、小学校1年生から高校生までを過ごした大阪府堺市と並んで、大垣市は第二の古里とも言える、大切な土地なのです。大垣の家では、伯父の能面や からくり人形や様々な珍しい大工道具を見るのが何よりも楽しみでした。
 伯父は若い頃の堂宮建築(宮大工)の修業から始まり、私が小学生高学年頃には茶室の設計施工も請け負い、私が中学生頃には能面打ちの修業を経て、私が高校生頃からは からくり人形の復元制作を中心に手掛けるようになりました。表面的な表現方法は変遷しながらも、高度な木工技術は常に一貫した、素晴らしい職人・造形作家です。私が日本画を表現主体としながらも、その世界だけに胡坐をかく事なしに、金唐革紙や絵本といった様々な表現手法を縦横無尽に吸収していった由来も、伯父の影響が少なからずあるのかも知れません。
 私には今までの画家・作家人生の中で、実際に交流のあった人で、極めて強い影響を受けた作家が三人います。そのお一人は他ならぬ、物心がついた頃から作品を見続けてきた伯父・後藤大秀さんです。次には、美術予備校(立川美術学院)時代と東京藝術大学日本画専攻時代に講師・先輩としてお世話になった村上 隆さんです。今では、日本画界から羽ばたき、日本を代表する現代美術(現代アート)の旗手として世界的に活躍しています。そして、私の日本画の師として仰ぐ日本画界の重鎮・後藤純男(ごとう すみお)先生です。先生は、東京藝術大学名誉教授・西安美術学院名誉教授・日本美術院同人理事・日本芸術院賞 恩賜賞受賞者として、日本の美術史に燦然と輝く日本画の大家です。
 2018年には、私と伯父・後藤大秀とのコラボレーション展覧会「特別展 ~日本画画業35周年記念~ 後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 ─ 赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館)を開催しました。この展覧会や、2017年の「後藤大秀 岐阜県伝統文化継承功績者顕彰状授与式」での大垣市・大垣祭保存会とのご縁がきっかけで、誠に有難い事に、今回の天井画制作のお話を頂戴する名誉に預かりました。

赤穂市美術工芸館「特別展 ~日本画画業35周年記念~ 後藤 仁 日本画・絵本原画/後藤大秀 からくり人形 ─ 赤穂出身の日本画家・絵本画家、初の里帰り展」(赤穂市立美術工芸館 田淵記念館) 後藤大秀 夫妻、大垣祭保存会の皆様と

 これから天井画原案・下図の作成、天井画用の板の発注・輸送から始まり、およそ1年をかけて、少しずつ制作を進めていく予定です。獅子奮迅、全身全霊、制作に打ち込みたいと心しています。
 天井画制作の模様は、今後おいおい、拙ブログで、詳細にお知らせしていきたいと考えています。まずは、布袋軕の「実測図」(作成:株式会社 建築計画研究所)が届きましたので、ここにご掲載いたします。

大垣祭布袋軕実測図「大垣祭 布袋軕」実測図(作成:株式会社 建築計画研究所) 正面 立面図

大垣祭布袋軕実測図「大垣祭 布袋軕」実測図(作成:株式会社 建築計画研究所) 右側面 立面図


  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-07-21

中国文化への憧憬、そして、絵本「青蛙緑馬」の出版へ

 私は小さい頃から、中国文化に対して、極めて高い関心と憧憬を抱いてきました。中国の政治経済とは関係なく、その長大深遠な文化・歴史そのものに関心が高いのです。近年の中国(中華人民共和国)の急激な経済発展を受け、にわかに中国経済に注目する人が激増し、最近も中国で活動しようとする経済人・文化人にも度々出くわしましたが、その多くは中国文化への本質的な関心・知識は乏しく、ただ時流に乗ろうとする、金儲け第一主義の人々が大半でした。私は、そのような付け焼き刃的な発想ではなく、長きに渡る中国文化への執心があるのです。
 もし私に前世というものがあるのならば、きっと、中国大陸のどこかに住んでいたのではないかと思うほどです。そうであるなら、中国中南部から西域・チベット辺りの少数民族の文化に関心が高く、強い郷愁を感じたりするので、きっと、その辺りに住んでいたのではなかろうかと・・・。ただ、中国やアジアの旅をする中で、私は度々、中国人に間違われるのですが、見た目は完全に漢民族に似ているようです・・・。

 
 私が中国に関心を持つようになった理由は、このような遺伝的特質が原点にあるように思えますが、実際の生い立ち上では、1980年(12歳・小学校6年生頃)に始まったテレビ番組、『NHK特集 シルクロード -絲綢之路(しちゅうのみち)-』に感化された事が大きいと思います。また当時、シルクロードをテーマとした、喜多郎のシンセサイザー音楽を好んで聴いていました。
 中学校2年生頃には、イラストレーター・画家を目指すようになり、日本画家・東山魁夷先生の唐招提寺御影堂障壁画や平山郁夫先生のシルクロードシリーズにも大いに影響を受けました。私が私淑する、宮崎 駿さんのアニメ作品では、「太陽の王子ホルスの大冒険」「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」「未来少年コナン」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」等、多くの作品から多大な影響を受けましたが、それらには、あまり東洋的な作品はありません。しかし、1984年(15歳・高校1年生の初め)に読んだ、「シュナの旅」(徳間文庫)には、西域シルクロードの雰囲気が色濃く漂っています。「シュナの旅」はこれ以降、私の座右の書の一つとして最も好きな宮崎作品となりましたが、この作品の原話は、私が後に絵本化したチベット民話「犬になった王子」なのです。(ちなみに「シュナの旅」は後に、ジブリアニメ「ゲド戦記」の原案となっています。芸術家・作家同士が互いに他作品からの影響を受けるという、複雑で不思議な相関関係にあるのです。)
 ただ、振り返ってみると、さらに昔、1978年(10歳・小学校4年生頃)に放送された、テレビドラマ「西遊記」を見て、潜在的に、中国文化への興味を持っていたようです。奇想天外なストーリーを単純に面白がる半面、子供ながらも、夏目雅子さんの清廉な美しさに魅了されていました。近年、再放送されたのを見て、そのあまりに中国風な作りこみを再認識したのです。
 私は元々、小学生の頃から、日本の歴史文化に興味を持っており、小学校の卒業アルバムには、「将来、考古学者になりたい」等と書いてあります。特に奈良・平安時代と桃山・江戸時代の和風文化の爛熟期に関心を持っていました。日本文化は、中国、さらには、インドからの文化的影響が強いので、私の中国文化への関心の高まりも、日本伝統文化への興味の延長として、ごく自然な流れなのでした。

 決定的だったのは、中学校2年生頃から好んで聴きだした歌手、さだまさし さんが音楽を担当するテレビ番組、「NHK ニイハオ!中国」(1983年 15歳・中学校3年生頃)を拝見した事でしょう。この頃から、実際に中国を訪れたいという気持ちが強くなってきました。
 こう書いてくると、何やらテレビやアニメや音楽にばかり影響を受けているように見えますが、実際はそうではなく、幼少期には「孫悟空」等の中国童話を読み、中学・高校生頃には、「聊斎志異」「唐詩」等の中国文学や中国関係の書物・図鑑等を多く拝読して、知識を深めていました。
 高校生(大阪市立工芸高等学校 美術科)の頃には、牧谿、徽宗皇帝、仇英 等が描いた中国絵画への造詣も深まり、大学に入ったら、真っ先に中国へ旅しようと、心に決めていました。ところが私が上京し、美術予備校(立川美術学院)に通っていた21歳頃に、とある事件が中国で起こり、その後しばらく、中国に行く事を諦めていました。
 1990年 21歳で、東京藝術大学 美術学部絵画科日本画専攻に入学し、3~4年生には後藤純男先生(西安美術学院〈大学〉名誉教授、日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)の担当を受け、先生の御作品は高校の頃から知っていましたが、改めて、先生の中国を描いた作品からも大いに触発されました。

 中国の国情も安定してきたので、いよいよ中国への旅を希求していたところ、丁度、クラスの友人が中国への旅を計画していると言うので、一緒に行く事にしました。まだ当時は、海外一人旅をした事がなく経験不足でもあり、誰か同伴者が必要だったのです。その初めての中国の旅は、1995年(27歳・大学4年生)、「中国写生旅行 15日間(北京・西安)」です(年代が合わないようですが、私は当時、藝大や日本画界の体質への失望感等が理由で、2年間学校を離れ、留年したのです)。
 この時には、本当は敦煌まで足を伸ばしたかったのですが、中国内で飛行機の便が取れずに、西安行きまでに留まりました。初めて中国の本当の文化に触れ、大感動でした。西安辺りでは、まだ人民服を着た老人がたくさん見られ、昼間から中国将棋(シャンチー/象棋)をしている のどかな光景に、誠に古き良き中国を見ました。故宮博物院・天壇・万里の長城・秦の始皇帝陵・華清池・乾陵・永泰公主墓・大雁塔・小雁塔・興慶宮公園 等の見所が沢山ありましたが、話し出すときりがないので、今回はこれ位に留めておきます。

中国(北京・西安)の旅「中国(北京・西安)の旅」 〈1995年8月20日~9月3日〉 西安・興慶宮公園にて、玄宗皇帝と楊貴妃の悲話で有名!

中国(北京・西安)の旅「中国(北京・西安)の旅」 北京・故宮博物院 25年前ともなれば、中国人のファッションも今とは違う~

中国(北京・西安)の旅「中国(北京・西安)の旅」 西安・宿の近くの夜市にて、毎日通い仲良くなった 夜市で働く青年たち。今は元気でいるのだろうか・・・。


 その後、2008年 39歳 「中国写生旅行 18日間」─貴州省(上海、貴陽、凱裏-ミャオ族・トン族村-桂林、北京/絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』取材)、2012年 43歳 「中国写生旅行 19日間」─チベット・四川省(西寧、ラサ、ギャンツェ、シガツェ、ツェタン、成都-四姑娘山/絵本『犬になった王子 チベットの民話』取材)、2018年 49歳 「台湾写生旅行 22日間」(台北、台中、日月潭、嘉義、台南、高雄、霧台、台東、花蓮、平溪線、九份、烏来)、2018年 50歳 「中国写生旅行 8日間」(上海、西塘)─日中平和条約40周年記念 日中藝術展 - 一衣帯水-(雲間美術館,中国上海)日本画ワークショップ(在上海日本国総領事館)、2019年 50歳 「煙台職業学院書画芸術研究院 成立大会、研討・展覧会」(中国山東省煙台市) 3日間 、2019年 51歳 「中国写生旅行 12日間」(南京〔絵本シンポジウム〕、揚州、西寧、敦煌莫高窟、上海/絵本『青蛙緑馬』他、絵本・日本画取材を兼ねる)と、旅や展覧会・シンポジウム等を重ねてきました。地域で言うと、北京、上海、陝西省(西安)、貴州省、広西チワン族自治区、チベット自治区、青海省(西寧)、四川省、浙江省(西塘)、山東省、江蘇省(南京・揚州)、甘粛省(敦煌莫高窟)、台湾、とかなり広範囲の中華文化圏に渡ります。
 中国地域以外の海外では、インド、ネパール、タイ王国、インドネシア、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマー、スリランカ、イタリア、バチカン市国の計13か国・地域を写生旅行しています。ちなみに日本国内では、47都道府県の全てを回っています。しかし、まだまだ大した経験数とは言えず、本当はもっと多くの旅をしたいところですが、時間はあっても貧乏画家故、金銭的な問題が一番理由で限界があるのです・・・。

絵本「ながいかみのむすめチャンファメイ」絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』 (福音館書店こどものとも)

●福音館書店 公式サイト 「ながいかみのむすめチャンファメイ」
 https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=2519

○Amazon 「ながいかみのむすめチャンファメイ」
 https://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%A8%E3%82%82-2013%E5%B9%B4-03%E6%9C%88%E5%8F%B7-%E9%9B%91%E8%AA%8C/dp/B00BD52ZKO/

絵本『犬になった王子(チベットの民話)』 表紙絵本『犬になった王子 チベットの民話』 (岩波書店)

●岩波書店 公式サイト 「犬になった王子 チベットの民話」
 https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html

○Amazon 「犬になった王子 チベットの民話」
 https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/


 そのような熱き想いを抱きながら、この10数年、中国をテーマとした絵本・日本画の制作や、中国での「グループ展・シンポジウム」の開催を経る内に、元福音館書店編集長で、現在、中国の児童書出版社編集長を務めている絵本編集者・文筆家の唐 亜明(タン ヤミン)さんと出会いました。唐さんは、日本を代表する絵本出版社の福音館書店で、優れた中国民話絵本 等を多数手掛けておられ、加古里子さんの文章による「万里の長城」等の絵本の編集にもたずさわられたと記憶しています。
 唐さんといつか良い仕事をしてみたいなという思いは、初絵本を手掛けた頃からありました。もう少し早くにお会いしていたら、唐さんの編集で、福音館書店から何冊か絵本を出せていたのかも知れませんが、物事は時と運次第とも言いますので、やむを得ません。私は、今現在、精一杯に絵が描けられさえすれば、本望なのです。
 数年前、その唐さんから、中国での絵本出版の話が舞い込みました。原話は、唐さんが永年、絵本化したかったという、チベットの素晴らしく面白い民話です。私は喜んで、この仕事を受ける事にして、2018~19年の1年位をかけて日本画で丹念に原画を作画しました。
 本来なら、2020年1月には出版予定でしたが、この度の新型コロナウイルスの影響を受け、出版は半年以上も遅れ続けています。しかし、中国の経済が通常の流れを取り戻した頃には、満を持して発売されるものと期待しております。また、順調にいけば、日本での翻訳出版もぼんやりと予定されていますので、気が早いですが、お楽しみにしていて下さい。発売時には、またおいおい、ご案内いたします。 
 一冊目がなかなか発売に至らないですが、さらには、中国向け絵本の”第二弾”も現在、作画中です。こちらの壮大な史劇絵本も乞うご期待、来年頃には刊行予定!?
 さらにさらに、絵本”第三弾”も構想中!!! まっこと厳しき御時世ですが、絵を描きたいという情熱だけは、どこまでも前向きです~~ (^・^)ノ。

もうじき中国にて発売予定!!
 絵本『青蛙緑馬』
 〖中国原創絵本清品系列/浙江少年児童出版社,伝世活字国際文化メディア・小活字、中国〗
  文 唐 亜明/画 後藤 仁

絵本『青蛙緑馬』表紙

 『青蛙緑馬』は、カエルと馬が躍動し、主人公の美男と美女が活躍する、面白くも哀しい、壮大な愛の物語です。
 困難の多い昨今、子供から大人まで、人の”愛”や”生と死”を深く考え・見つめ直す良い機会にもなる、素晴らしい絵本だと思います。中国の少数民族・チベット族の民話。



 日本と中国とは歴史上では、何度となく衝突・対立と和解・協調を繰り返してきました。しかし、それは政治的な側面であって、文化的・経済的には古代より連綿とつながり、お互いに良い作用を与え合ってきました。民族的に考察しても、日本人は元々、中国大陸からの渡来人が大多数だと思います。すなわちアジア、ひいては世界中の人々は、皆、同朋なのです。
 今後も厳しい世界情勢が続く事が予想されますが、どんな時代においても、文化・芸術・美術は国境を越えて一帯であり、将来的にも各国間での良き関係性を築き続けなければいけないのです。それには私達、創作にたずさわる者達の不断の努力というものも不可欠なのです。そして、その芸術・美術を楽しみ愛好する一般大衆の関心・応援無くしては、成し得ない事なのです。
 今後の、日本と中国の文化交流のさらなる発展と、日本文化の真の興隆を、心より願っています。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : 絵本・制作・イラスト
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-07-11

或る清貧画家の祈りの断簡3(未来の瞳の為に描く)

 私は制作の合間に時々、フェイスブックやツイッターでつぶやいています。今回は、その主要部分の”まとめ”の続編になります。
 中国向けの新作絵本『青蛙緑馬』(チベット民話/唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字 〈中国〉 )は、残念ながら、新型コロナウイルスの影響で、発売が半年ほども延期されたままです・・・・(絵本の発売準備は整っており、中国の経済状況の回復を待って、発売時期を検討中です)。この物語は、最後こそ悲話の幕引きとなりますが、勇気や希望や愉悦や情愛を感じていただける、・・・人の”生”と”死”を考えさせてくれる、とても良いお話です。まさに今、困難に直面している、中国や日本や世界中の幾多の子ども達に、ぜひ読んでいただきたい、誠に素敵な絵本になると信じています。
 そんな苦しき現状にもかかわらず、中国向け新作絵本制作第二弾は、すでに描き途中です。もう全場面の半分以上は描き進めています・・・。どのような困難な状況に見舞われようと、厳しい時代に突き当たろうと、制作の手をゆるめる事は決してできません。それが将来を担う多くの子ども達・・・、”未来の瞳”を輝かせるものであるのならば、なおさら、私は描かずにはおられないのです。それが、生来の絵描きというものなのです。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

絵本『青蛙緑馬』表紙絵本『青蛙緑馬』(チベット民話/唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字 〈中国〉 )


             *

 2020年5月11日

 今年の「大垣祭り」(ユネスコ無形文化遺産・国重要無形民俗文化財/岐阜県大垣市)は、新型コロナウイルスの影響で、残念ながら中止になりました。
 私の伯父・後藤大秀の「からくり人形」ご披露も、今年はおあずけです・・・。  ( ;∀;)

 これからいよいよ、「大垣祭・布袋軕」天井画(天井絵)制作が、本格始動いたします。来年は無事に、祭りが開催されます事を、心からお祈り致します。

 https://www.city.ogaki.lg.jp/0000002628.html
 https://www.ogakikanko.jp/event/ogakimaturi/


 5月18日

 中国向けの新作絵本制作は、この数日をかけて、「第8場面」の彩色を進めると共に、「第12場面」の下図完成~骨描き~下地塗り~彩色と、2枚を同時進行しています。

 この絵本は史実に基づいた創作物語なので、家具や道具等の多くの小物が出てきます。これらの細部を描くのも大変なのですが、創意工夫のしがいもあり、完成しましたら、絵本の見所の一つともなるでしょう。

 どんなに困難な時代・時節でも、創作の手は決して緩めない。常に、焦らず、弛まず、奢らず(驕らず)・・・の精神で、画道に精進したいと考えています・・・。


 5月27日 

 【ライブドアニュース】宮崎駿監督「シュナの旅」の原話、チベット民話「犬になった王子」の絵本版が出版―日本
 2013年11月1日、チベット民話を題材にした絵本「犬になった王子」(岩波書店)が11月15日に出版される。「犬になった王子」は宮崎駿監督が出版した「シュナの旅」の基となった民話であり、「シュナの旅」は後の映画「ゲド戦記」の原案となっている。・・・・
 古いニュースですが、まだ掲載されていますね~。こんな困難な時代だからこそ、親子で・お孫さんと一緒に読んでいただきたい、壮大な冒険物語絵本です。

 https://news.livedoor.com/article/detail/8217084/


 6月3日

 中国向けの新作絵本制作は、数日をかけて「第9場面」の下図を完成させ、転写~骨描き~胡粉・黄土の下地塗りまで進めました。この場面には、人物が40人以上も登場するので、描くのは実に大変です。「第12場面」もぼちぼち進んでいます。

 この絵本の原話は、中国の古代史話に基づいた創作歴史物語ですので、今までの私の絵本作画よりも、衣装や小道具の描写に凝っています。それだけに、下調べや描くのも一苦労です。しかし、その分、描きがいがあります~。(^o^)

 J:COMで「麗王別姫」~花散る永遠の愛~という壮大・豪勢な中国ドラマをやっており、もちろんCGも多用していますが、衣装や建造物・小道具等の細部まで素敵ですね~。中国の映画やドラマのレベルは、この20年ばかりで、驚くほど飛躍的に向上しました。このドラマの印象は、今回の私の作画絵本にも通じる世界観ですね・・・。景甜(ジン・ティエン)のような、美しい女性像が描けるといいのですが~~♡


 6月9日

 絵本作家・田畑精一さんの訃報が伝えられました・・・。

 2016年4月6日(水)に、童美連で開催された「絵本サロン2016」田畑精一さん、杉浦範茂さんの対談。この時には、とても為になるお話が聴けました。
 私が持参した、絵本『おしいれのぼうけん』を手に・・・。この絵本には、後でサインを入れていただきました。

 その後、私の絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)をお見せした機会には、わざわざご丁寧なお電話をいただき、「髪の毛の描写は大変だったでしょう・・・。」との有難いお言葉をいただきました。
 日本の絵本全盛期の優れた作家が、またお一人去って逝かれます。日本画の世界も絵本の世界も、本当に実力と勢いのあった世代の作家が、どんどん少なくなって寂しい限りです・・・・。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

童美連 絵本サロン「絵本サロン2016」 田畑精一さん(左)、杉浦範茂さん(右)


 6月17日

 私も齢五十を越え、半世紀の時を想う事も度々である・・・。インドの思想では、五十を越えると「林住期(りんじゅうき)」となる。

 私は遅く27歳で藝大を卒業したが、それは、ほぼ「学生期(がくしょうき)」に当たる。その後、「家住期(かじゅうき)」には、家庭人としては役をなさなかったが、画家としての社会的役割は最低限は果たせたであろうか?

 今の世の中は難問が山積みであるが、そんな時代だから、なおさらに深く想う・・・。画家としても全くと言っていいほど、何も成果は上げられなかったが、それでも何とか画道を続けて来れたのは幸いである。

 これからの「林住期」・・・、儒教で言えば、「知命(天命を知る)」であるが、できるだけ俗世間から離れ、短絡的私利私欲や刹那的損得に惑わされずに、ただ絵師として、超越した世界を生きる事ができるのだろうか・・・。そうありたいものである。

 (追伸: ただ、この「林住期」は、絵描きにとっては最も重要な時期になる。俗世とは少し距離を置きながらも、ひたすら創作に明け暮れる日々にしたいものである・・・・。)


 6月19日

 東宝映画情報「スタジオジブリ」4作品 劇場上映が決定しました!!。

 ジブリアニメ映画「ゲド戦記」の原案の「シュナの旅」(宮崎 駿/徳間文庫)の原話は、チベット民話「犬になった王子」です。私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も合わせて、ぜひご覧下さい。

絵本『犬になった王子(チベットの民話)』表紙 小絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)

 https://theater.toho.co.jp/toho_theaterlist/ghibli2020.html

 https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/


 6月23日

 中国向けの新作絵本制作は、数日をかけて、「第12場面」を完成させました。この場面は、一見、地味目な人物風景なのですが、想像以上に描くのは大変でした。日本画では、同じ人物を何度も描く事すら難しいのですが、様々な文房四宝の描写も思った以上に困難でした。しかし、静謐な満足感がかもし出された、起承転結の内の”転”の締めくくり場面になりました。
 今日はもう少し、「第9場面」を墨線で描き起こそうかと思います。墨線の仕事は、実に疲れます。・・・・

 新型コロナウイルスの影響で、絵画講師の仕事が3ヶ月近く無くなり、当面、絵の販売の計画も無く、中国向けの絵本の発売も半年近くも遅れています・・・。元々微々たる収入は、この3ヶ月近く全くの”0”になりました。きつ過ぎる~。
 日本画はとても画材代が高く、気が遠くなりそうに神経を使う仕事が連綿と続きます~。日本画も絵本も、基本、完成後の後払い方式なので、前回・今回の絵本の制作も、ほぼ2年位、完全タダ働き状態です~~。😭
 ほんの一部の商売上手で調子のいい人を除いて、真面目な絵描きとは、基本、辛過ぎるお仕事なのです。これからの若い人には、到底、お薦めできません。
 ただ、2013年に発売された拙作絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)を、ツイッター等で、「子供の頃好きだった絵本」に挙げていただいているのを見付けたりすると(その人は幼稚園の頃に読んだらしいので、まだせいぜい中学生位の人でしょうが・・・)、もう既に私の作品は、誰かしら多くの若い人々の感性に影響を与え、その人の心に深く刻まれていっているのですね・・・。
 そう考えると、たとえ貧困で飢え死にしようと、作品は生きている訳で、画家冥利に尽きるというものです。ただそれだけで良いのです、何もいらない、ただ描ければそれで良いのです・・・。

絵本『ながいかみのむすめ チャンファメイ』表紙・表絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)


 7月3日

 ★私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が、Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館【The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014】に選定された時の、2015年 巡回展覧会パンフレット「Wanderausstellungsflyer IJB 2015」(19ページ)に、絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も掲載されていたようです。今頃、気が付きましたね~。

○「Wanderausstellungsflyer IJB 2015」展覧会カタログ 〈PDFデータ〉
 https://www.ijb.de/fileadmin/Daten/Pdfs/Wanderausstellungsflyer_IJB_2015.pdf

 https://www.ijb.de/de/ausstellungen/single/article/the-white-ravens/48.html


 7月5日

 Internationale Jugendbibliothek Munchen ミュンヘン国際児童図書館【The White Ravens 2014 国際推薦児童図書目録2014】
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) Inu ni natta ōji. Chibetto no minwa (The prince who became a dog. A Tibetan folk legend) のページがあります。

 https://whiteravens.ijb.de/book/1286


 7月6日

 スタジオジブリアニメ映画「ゲド戦記」、宮崎 駿の絵物語「シュナの旅」の原案・原作は、チベット民話「犬になった王子」であると、ここでも触れられています。
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)も、この機会に合わせて、ぜひご覧下さい。

 https://realsound.jp/movie/2020/07/post-579758.html

 https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html


 7月8日

 中国向けの新作絵本制作は、数日間をかけ、「第9場面」を完成させました。この場面には、30名余りの美人と10名余りの男達が登場しますので、描くのに骨が折れました。この「第9場面」は「第4場面」に対応しているので、背景はほぼ同じに描いてあります。日本画では、全く同じように描く事自体、かなり難しく、デジタルでコピーペーストするようにはいかず、その点でも今回は至難の業でした。
 また、「第10・11場面」の下図にも、着手しました。~

 この絵本作品には、総勢、数百名は人が登場します。私が今まで描いた絵本の中では、最多です。その上、けっこう緻密な描写手法で描いています。そんな意味でも、この作品は私にとって、新たな試みだと言えるのです。
 保守的マンネリズムに陥るのではなく、常に新たな境地を求め続ける・・・、それが、芸術家にとって最も大切な姿勢なのです。言うは易く行うは難し・・・、一生、この困難な道を歩もう・・・、今、厳しい現状にある、多くの子ども達〈未来の瞳〉の為にも、命をかけて描き続けよう・・・・。遥かなる高みを目指して、この道を、ただ歩もう・・・・。


 7月10日

 私はアイドルの事はよく知りませんが、元モーニング娘の飯窪春菜さんのインスタグラムにて、「シュナの旅」(宮崎 駿/徳間文庫)とともに、チベットの民話「犬になった王子」(君島久子/岩波書店)も紹介されています。
 私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子・後藤 仁/岩波書店)も合わせて、是非ご覧下さい。

 https://www.instagram.com/p/CAKuIiyAyMJ/?igshid=14kl1hqy59o2o

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-05-26

或る清貧画家の祈りの断簡2(自然との共生、未来への希望)

 私は制作の合間に時々、フェイスブックやツイッターでつぶやいています。日々感じた よしなし事を、そこはかとなく書き連ねています。前にそれらを、「或る清貧画家の苦悩の断簡」「或る清貧画家の祈りの断簡」としてブログにまとめましたが、今回はその続編になります。
 ようやく新型コロナウイルスの猛威も少しは落ち着いてきたかに見えます。しかし将来的には、人類の根本的な生き方・考え方を変容させていかないと、本質的な物事の解決には至らないでしょう。よく言われているような、社会の IT・インターネット化が全てを解決するという考え方もいかがなものかと、私は大いに懐疑しています。その流れを決して無視はできませんが、全てがコンピューターに呑み込まれた世の中は、人が生命体としての生き方を放擲した世界に他なりません。人が・・・生き物が・・・自然に則り、自然と共生し、地に足を付け、汗水を垂らして生きていく、・・・・そのような本来在るべき生命の姿というものを、真剣に模索していかねばならないのではないかと思うのです・・・・。
 本当に人間にとって大切な生存的価値観とは何なのか・・・、本当に重要な文化的価値観とはどのようなものなのか・・・、といった物事の本質を見通す目~審美眼~を、高度に養っていける世に中になる事を、私は希求しています。
  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

            *

2020年4月9日

Z-SQUARE | Z会
親と子の本棚 変身の大冒険
『犬になった王子 チベットの民話』
 君島久子 文、後藤 仁 絵、岩波書店

 Z会のおすすめ絵本でも、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)が紹介されています。
 家にこもりがちな不安多きこの時節~、親子・家族で、お子さん・お孫さんに、本当に良い絵本を読んでやって下さい。きっと、未来への希望・勇気・元気を感じられる事と信じています。

●Z-SQUARE | Z会、親と子の本棚 変身の大冒険
https://www.zkai.co.jp/saponavi/el/series/29885/

○絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) 販売ネット書店

アマゾン(Amazon)公式サイト 
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4001112426/
 
絵本ナビ 公式サイト 
https://www.ehonnavi.net/ehon/91533/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1/

紀伊國屋書店 公式サイト
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784001112429?fbclid=IwAR0Vjux9oXdYU9VxcpkkXPJruL6xMf_OAwqlrY1iSPH4wUM5nevjFsABurw


4月10日

【ライブドアニュース「中国少数民族を描いた心温まる絵本」】
 2013年2月13日、中国の少数民族・トン族の民話を描いた絵本「ながいかみのむすめ チャンファメイ」が今月1日に出版された。優しく勇気ある少女が村人の心を動かし、自然の厳しさを乗り越えていくという、心あたたまる物語だ。絵本は君島久子氏が再話し、日本画家の後藤仁氏が作画を担当。後藤氏は、「この絵本が日中の文化交流、相互理解の一助になればうれしい」と話している。・・・・・・

 ライブドアニュース、ヤフーニュース 他、各種ニュースサイトでも、私の作画絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の出版が紹介されました。
 家にこもりがちで不安多きこの時節~、親子・家族で、お子さん・お孫さんに、本当に良い絵本を読んでやって下さい。私の作画絵本では、一人の少女や王子の勇気ある行動が、民衆を希望へと導きます。絵本からは、きっと、未来への希望・勇気・元気を感じられる事と信じています。

●ライブドアニュース: 中国少数民族を描いた心温まる絵本、「ながいかみのむすめ チャンファメイ」
https://news.livedoor.com/article/detail/7410936/

●ライブドアニュース: 宮崎駿監督「シュナの旅」の原話、チベット民話「犬になった王子」の絵本版が出版―日本
https://news.livedoor.com/article/detail/8217084/


4月19日

国民・都民の皆様へのお願い
「現在、不要不急の外出は、新型コロナウイルスへの感染の恐れがあります。ぜひ、ご家庭にて、誠に ”仁”(仁愛・思いやりの心)のある良い絵本を、お子様・お孫様に読んであげて、静かな時間を楽しみながら、心豊かにお過ごし下さい。」

 ・・・・・等という宣言は当然出されません。しかしながら、古代から連綿と人々に伝えられてきた昔話・民話には、人類が今まで生きてきた英知・知恵が詰まっています。
 家に閉じこもりがちな現在、ぜひ、本当に良き「絵本」を親子・家族で読んでみて下さい。きっと、生きる勇気・元気・希望が感じられる事と信じています・・・。
 これは決してフェイクではありません~。

 東京あこうのつどい〈第4回 東京あこうのつどい 2017年8月4日(※現在ではありません)/東京都知事・小池百合子氏と、私の作画絵本『わかがえりのみず』(鈴木出版こどものくに ひまわり版)
 
○絵本『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)

福音館書店 公式サイト
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=2519

アマゾン(Amazon)公式サイト
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00BD52ZKO/

絵本ナビ 公式サイト
https://www.ehonnavi.net/ehon/102870/%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%BF%E3%81%AE%E3%82%80%E3%81%99%E3%82%81%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%A1%E3%82%A4/


4月23日

 先日も、NHK「クローズアップ現代+」等でやっていましたが、本当に日本の文化・芸術・美術は、今、危機に瀕しています。そうでなくてもバブル経済崩壊後は、日本画等の純粋美術市場が著しく低迷し、バブル期以前に活躍した、ほんの一部の売れっ子著名画家以外は、誠に厳しい状況が続いていました・・・。
 この新型コロナウイルスの影響を受け、この後、多分、60歳代以下の大多数の画家が生活に困窮し、仕事を続けられなくなると懸念されます。このまま半年~1年以上、この状況が続くとしたら、確実に日本の美術芸術文化は一旦滅びる事になります。ご年配の実力派著名画家は数年~十数年でほぼ引退を迎えるので、それ以降は、お金持ちのご子息や商売だけが上手い画家モドキしか生き残れません。そんな世相では、良い文化など、決して創造し得ません。
 日本は戦後、文化施策はあまりに脆弱で、一般人の純粋美術への関心も薄れていました。世の中には、過去の優れた美術工芸品があふれており、それを普段、当然のように見ていますが、実はそれらの裏には、汗水を流して一生をかけて懸命に創作に生きた作り手が必ずいるのです。平和な時には、人はそれを当然のように思い、その作者に思いをはせる事はまれです。しかし、文化芸術美術が一切無くなった、ビジネスと衣食住だけの世の中を想像してみて下さい。実に味気なく、無意味な世の中です・・・。

 今回の新型コロナウイルスを受けて、ヨーロッパ各国では「アーティスト助成金」なるものが、一般のフリーランスや個人事業主とは別に、特別に設けられていると言います。アーティストが仕事を続けられなくなり、普通の仕事(サラリーマン等)に移らざるを得なくなる事の”文化的損害”が多大だという理由だそうです。今回の新型コロナウイルス以前から、ヨーロッパ先進国ではアーティストへの補助・援助が盛んなので、貧乏ながらもどうにかこうにか画家稼業を続けられると言います。残念ながら、日本は全くそうなっていません・・・。
 この状況が半年~1年以上続くと、確実に日本の文化芸術美術は著しく衰退し、実質的な崩壊状態に入るでしょうね・・・。それは空虚で恐ろしい世の中です。
 私一人だけなら、ここで押しつぶされても構いません。もちろん、もう少し描きたい思いは強いのですが、常に滅びの覚悟はできた上で、今まで何とか描き続けてきました。・・・このままでは、これからの若き画家が、まともで正直な画家として生きていく事は、不可能な世界になりそうです。
 どうか最も最悪のシナリオを回避する為にも、医療・生命維持の仕組みが整いましたら、文化芸術美術を担う者達への、何らかの支援というものも、政治家・経済界一丸となって、真剣に考察していってほしいと、切に願うばかりです・・・・。


4月26日

 ここの所、私が講師を務める絵画講座は全て閉鎖されているので、1か月近く、ほぼアトリエでの制作三昧で、最低限の買い物と散歩以外は外に出ていません。昨日は久しぶりに、市川市の広い公園に自転車で行ってみました。ちらほらと人はいましたが、人との距離をあけながら園内を散歩しました。
 ツツジ・サツキ・藤・ボタン桜・ハルジオン・タンポポなどの花々が、時期を合わせたかのように、一斉に美しく咲き誇っていました。冬よりは減りましたが、鴨も数羽いました。鯉も優雅に泳いでいます。私は、ツツジを小さなスケッチブックに写生しました。久しぶりに心が和みました。人間が苦境にあえいでいるこの瞬間も、自然万物はあまりにも美しく、変わらず、そこに在ります。~~
 今、人間活動の低下によって、空気はいくぶん浄化され、都会を動物たちが闊歩したりしています。自然界はむしろこの状況を歓迎しているようです。
 歴史の中で、人類は自然を凌駕し過ぎてきました。自然と人間の共存・・・、もっともっと模索していかなければいけないのでしょう。これは日本画家・絵本画家という芸術家である、私も決して無縁ではありません。


4月29日

知乎 〈任天堂御用画师,参与马力欧及塞尔达等人物插画制作,毕业于这所大学!(可预约东京艺术大学专场直播)〉

〈任天堂の御用画家、スーパーマリオとゼルダの伝説の人物イラスト制作に参加、同大学卒業! (東京藝術大学・・・云々)〉とおおよそ訳せますか・・・。この題は、アニメーター:小田部羊一さんを指しているようです。

 中国系のサイト「知乎」に、前にもいくつかの中国系サイトに掲載されていた内容が、再構成されて掲載されています。著名な現代アーティスト:村上 隆さん、アニメーター:小田部羊一さんと共に、私:後藤 仁(后藤 仁、GOTO JIN)と私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店こどものとも)も掲載されています。
 中国には、このような類似的転載サイトが多数見られます。事実とは大きく異なっていないので、良しとしましょう。

●知乎 〈任天堂御用画师,参与马力欧及塞尔达等人物插画制作,毕业于这所大学!(可预约东京艺术大学专场直播)〉
https://zhuanlan.zhihu.com/p/131619046?fbclid=IwAR1jVY2Vl5YvnsoJSc2iUUzgt2cWEDZNltYyK5KjDni2cHPO5huqu3Dingk


5月4日

 私が小学校~高等学校位までの若い時分に、絵画創作において最も影響を受けたとも言える、映画監督・アニメーターの宮崎 駿さんの演出作品「未来少年コナン」がNHKで再放送されています。千葉テレビ等での再放送の場合は、始めと終わりの歌がカットされたりするので、オリジナルそのままのNHKでの再放送は嬉しいですね~。
 テレビアニメ「未来少年コナン」は、絵物語「シュナの旅」〈徳間文庫/私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)の民話が原話になっています。〉と共に、宮崎 駿さんの最高傑作だと私は思っています。「未来少年コナン」の世界観は、「シュナの旅」にも引き継がれ、後の宮崎さんの長編アニメ映画「風の谷のナウシカ」等につながっています。
 新型コロナウイルスで外出が難しい昨今です。「未来少年コナン」等の優れた宮崎アニメに影響を受けて育った、後の世代の作家である私が作画した絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)を、宮崎アニメ・マンガと合わせて、その影響の要素を見比べつつ、ご覧いただけますと光栄です。今の厳しい時代を生きる子供たちには、特に見て感じてほしい冒険物語絵本です。

NHK 公式サイト
https://www6.nhk.or.jp/anime/program/detail.html?i=conan


テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-04-05

或る清貧画家の祈りの断簡(新型コロナウイルスの発生を受けて、未来への願い)

 私は時々、フェイスブックやツイッターでつぶやいています。日々感じた よしなし事を、制作の合間に、そこはかとなく書き連ねています。それらを、「或る清貧画家の苦悩の断簡」として、2020年3月にブログにまとめましたが、その後、日本で世界で新型コロナウイルスが急速に猛威を振るう現状です。昨年後半から続いていた私の中での漠然とした強い不安感が、図らずも現実のものとなりました・・・。
 現代社会・文明・文化に対する疑念点は多々あるのですが、一度に全ては言い切れませんし、私の本質は日本画・絵本作品から感じ取っていただくしかないのですが、私の絵画作品と合わせて文章を考察すると、その時々の感情の揺れや高まりが見て取れ、一人の珍奇な芸術家を理解する手助けとなるかも知れません・・・。
 この1か月間、新型コロナウイルスの発生に至った現代文明への懐疑より始まり、現状への諦念、未来への希望など、様々な意識が走馬灯のように交錯しました・・・。専門家がおっしゃられるように、今はとにかく日本の医療体制の立て直しが急務なのですが、その次は食料・必要最低限の生活物資の確保、政治による生活資金の援助が必要となり、それらがようやく収まってくると、その後は日本の経済と共に教育・文化の再構築が不可欠となります。こうして、とりあえず文化は後回しでよいのですが、人間が生きる希望・意味は本当はそこに集約されています。そして、文化を創る担い手・・・作家・画家など・・・が滅びると、一つの文化文明は消滅します。
 東日本大震災で日本の多くの人々は、家族や友人などとの絆の大切さを再認識しました。その9年後に再び発生した更に強大な国難を迎え、それを乗り越えた暁には、近年の付け焼き刃的・即物的・大量生産儲け主義的な文化論では無く、短く貴重な人生の中で、本当に質の高く深い文化・芸術・美術を味わう風潮が一層進む事を願ってやみません。そうした時代でこそ、ようやく私のこの地味な作品群は、大いなる価値観・輝きを放つ事になるでしょう・・・・。
 もし、脆弱な一貧乏画家が、幸いにもこの災いを無事乗り越えられましたら、全ての生きとし生ける物象への深い”感謝”の意を込めて、更なる作品制作に誠心誠意、没入していく所存です。経済的に可能ならば、日本~世界の被災地の子供達・社会的弱者への「絵本寄贈プロジェクト」も再開できれば嬉しいのですが・・・・・。そんな佳日の到来を祈っています。

  絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

           *


2020年3月10日

 私は元々、現代科学物質文明には否定的な人間でもあり、漠然とした厭世観というものも、かなり小さい頃から持っている。だが不思議と、反面、美術・芸術を通してのみ、人類に対する大いなる希望も抱いている。
 私などはおおよそ凡人であるが、本当に優れた芸術家は人並外れた観察力・洞察力に基づく、先見性や直感力を持っていると言う。
 私は来し方、日本の田舎や東アジア~東南アジア~南アジアといった国々を巡る度に、人間はもっと自然に近づいた、原始の生き方に戻らねばいけないのではないかと考えてきた。もっと質素で素朴で、土に足を付けた生き方~。その思いは、常々、作品に表現してきた。物質至上主義・IT社会が本当の幸せを人類にもたらすとは思えない・・・。しかし、私自身、図らずも、まともに都会の物質文明の中に生きており、何も文句を言えない。

 人類の歴史を振り返ると、争いや災害や疫病等の連続であるが、今の世の中、また厳しい時代にさしかかっている。きっと人間文明の将来もそう長くはないのだろう・・・。私は芸術的世界観の未来を信じてはいるが、それでさえも、大いなる自然の前では実に無力である。
 私は、既に人生の半ばを過ぎ、今まで絵と共に細々と歩んでこれたので幸せな方であろう。しかし、これからの時代を生きる若者たちは、とても大変だな・・・。もっともっと厳しい時代を生きる事になろうとも、最後まで希望を失ってはいけない。そのためにも、苦しい創作の泥の中から咲かせた、美しい花一輪を、ささやかながら、少しでも伝えられたら嬉しい・・・・。

2020年3月11日

 これも私見でしかないが、画家は、一生を通して、制作(写生旅行を含む)7割 : 展覧会・イベント等開催 3割、を越えない範囲で、制作主体で活動せねばならないと考えている(理想的には、制作10割で、あとは周囲の信頼おける関係者に展示等を全てお任せできるのがベストではあるが、なかなかそのような環境は整わない)。ある期間にまとめて描いたから、この数年は描かなくてよいというものではない。川の水が常に流れるように、自己の変化する感性・感情を、常々、絵に留めなくてはならない。
 現代アーティストはパフォーマンス自体を芸術とする人も多いが、私個人的には、その方向性は理解し得ない。古い思考なのかもしれないが、私は純粋に”絵”を描く事を楽しみ、苦しみ、味わいたいのだ。その作品内の空想世界が、己の内面的真実の世界なのである。そこにしか本質的な価値観を感じないし、自己の存在意義を持てない・・・。
 子供の頃は、いつも本当に純粋に絵を描いていた。そこには楽しさしかなかった。・・・高校生になり、プロを目指した頃から、制作には様々な苦痛も伴うようになった。しかし、絵を生業としたからには、やむを得ない代償である。いつか、子供の頃に描いたように、自由奔放に無我に描ける境地に入れたら理想であるが・・・。
 命が続く限り、誠心誠意、絵を描く。そこにしか本当の画家の目指す道はないと信じている。

2020年3月12日

 ヒンドゥー教では、シヴァ神が世界の破壊と再生を司るという。私が描いた、ネパールの生きた女神「クマリ」は、密教女神ヴァジラ・デーヴィーの化身とされるが、シヴァの神妃であるパールヴァティーと同一視される女神ドゥルガーの化身ともされている。
 キリスト教では「バベルの塔」の逸話もある。~~

 今の世の中は、自然を凌駕した気になり、贅沢に浸り、奢りきった先進国の人々に対する、自然界からの鉄槌にほかならないのであろう・・・。もう遅きに過ぎるが、人は物質・経済至上で生きるべきではなく、精神・心を大切にし、自然と共に生きる・・・、それは古来の日本人が大切にしてきた思想・生き方であるが・・・、そんなあり方を本気で模索せねば、もっともっと恐ろしい時代が来るであろう事は、想像に難くない。
 シヴァが破壊し、再生する・・・。これから様々な原因により、少しずつ人間文明は破壊されていく事だろうが、果たして未来には、良き再生はできるのであろうか・・・・。私が描いたクマリは、冷静に世の中を見つめている。

「クマリ -The Living Goddess-(ネパール)」F50号 後藤仁
日本画作品「クマリ -The Living Goddess-(ネパール)」(F50号・部分) 後藤 仁 ★

2020年3月13日

 ようやく、中国向けの新作絵本『青蛙緑馬(チベットの民話)』(唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字)の表紙デザイン案が届きました。誠に清新で素敵なデザインです(発売まで未公開)。とても良い絵本になりそうだ~♡
 絵本の原画を中国に送る時に、中国税関で3週間ばかりも留め置かれ、出版社は罰金と保管料を払わされたといい、その後は、衆人ご存知の通り、新型コロナウイルスが発生し、中国の出版社も未だ在宅ワークの状態だといいます。そんなこんなで、絵本の発売は、現時点でも既に2カ月は遅れています・・・( ;∀;) 。

 人生とは山あり谷あり・・・私の場合はほとんど谷にある感じですが・・・、産みの苦しみ、多くの困難を克服し、多くの他者の助けを借りながら、今まで何とか絵を描き続けて来れました・・・。
 来し方行く末、ただひたすら、中国や日本や世界中の子ども達に、良き絵本・良き絵画作品を届けるべく、日々、画道に精進して参りたいと思います。人生の半ば以上を生き、昔なら初老と言われた古参絵描きから、未来を担う子ども達へのささやかな贈り物です。未来の瞳に、地球の未来への希望を託したい・・・。せめてもの、切なる願いです。

絵本『青蛙緑馬』表紙
絵本『青蛙緑馬(チベットの民話)』(唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字) 表紙原画 ★

2020年3月17日

 本日、新作絵本制作は、「第4場面」の彩色を進め、「第5場面」に黄土の下地を塗りました。私は古式に則り、基本的には下地に黄土を塗る場合が多いです。
 日本画は1色につき皿1枚を使うので、多彩な色を塗る時には、絵皿が増えて大変です。今日は、多くの人々の服を塗り分けたので、また色数が増えました。現在、アトリエは、100枚以上の絵皿で埋め尽くされています。

 いつもながら、本画を描く時には、大変な神経を使うので、極めて疲労するのですが、それでも”絵”が描けるという事は、私にとって何よりの幸福なのです~。
 日本画の画材にはこだわりがありますが、芸術的に高度な表現が可能ならば、絵のジャンル(画壇)などは私にとって、本来、何でも良いのです(日本画だろうと、絵本画だろうと)。・・・と言っても、現代アート的パフォーマンスなどをしたいのではありません。世間で目立ったり、バカ売れしたいのでもありません。贅沢品・贅沢暮らしにも全く興味はありません。描く事への誇りは大切でしょうが、社会的名誉・理念の為に描くのでもありません。
 ただ、自己の内面世界を具現化した”絵”を描く事が、生来好きなのです。描く行為そのものが、祈りであり・願いであり・希望であり、・・・更には、歩く事・息をする事と同じ、生きる事の全てなのです。ただそれだけを一生貫ければ良い、それだけの人生です。

2020年3月19日

 本日、新作絵本制作は、「第4場面」「第5場面」の彩色をボチボチと進めました。描く気力はだんだん充実してきましたが、何故だか身体が重たいです。世間の諸状況が思わしくないからでしょうか・・・?

 私は、昔から仕事と割り切った”売り絵”には大きな抵抗感があり、右から左へと次々とパターンで描くような大量生産的な売り絵を、今まで一切してきませんでした。なるべく画一的・ワンパターンにならないように、一枚一枚を丁寧慎重に創意工夫しながら、変化を模索しながら、心を込めながら描いてきました。
 その為、美術高校時代から今までの35年余りでも、日本画の本画は大小合わせて、絵本の原画を合わせても、500枚位しか描けていません。(デッサン・水彩や100冊以上のスケッチブックを入れると、3000枚以上は描いているかと思いますが・・・、絵画講師や金唐革紙やその他の仕事をしながらの制作でしたので限界があります・・・。手製高級壁紙・金唐革紙は800枚以上を制作しています。)
 一説には横山大観は生涯に日本画・水墨画を1万点描いたと言い、超売れっ子でもあった後藤純男先生は確か日本画3000点位を目標にしていたかと記憶しています。
 芸術作品は量だけが重要なのではなく、もちろん質の高さが最も大切なのですが、おおよそ私は寡作家と言えるでしょう。絵の講師等をしながら描いていく今のペースでしたら、この後、仮に老人になるまで描けたとしても、せいぜい日本画で500枚足らず、絵本でしたら、質の高い作画を保つなら、年に1冊制作として15~20冊が限界です。(仮に70歳過ぎまで描けたとしての最大推量ですので、現実的にはこの半分がいい所でしょう・・・。)
 幸運にも、この後、気力・体力がもつ限り描き続けれたとしても、一生かけても、たいして描けないのです。そう考えると、一枚一枚がなおさら大切で愛おしくなります。当然ながら、余計な事に時間を割いている暇はないですし、より精魂を込めた制作をせねばならず、どんな絵をどの場で誰の為に描くのかは、誠に重要になります。
 自分ではよくは分かりませんが、私は芸術家的な直感力はどうやら尋常でないらしく、その人と少し話し行動を観察すると、美術芸術に関しては、その人がどれ位その道に通じ、何を考え、どれ位本気で取り組んでいるのかは、おおよそ読み取れます。(相手が画家の場合は、本人に会わなくても、作品を見れば大抵見当は付きます。)
 実に短く儚い人生です。本当に共に歩むにふさわしい人と絵の道を歩まないと、本当の芸術を完成させる時間など、刹那しかないのです・・・。

2020年3月26日

 ★もうじき、新作絵本「青蛙緑馬(チベット民話)」(唐 亜明 文、後藤 仁 画/浙江少年児童出版社、伝世活字国際文化メディア・小活字)が、中国の最大手児童書出版社・浙江少年児童出版社から、中国向けに出版される予定。現在、色校正中です!!
 2020年春頃刊行予定、その後、日本でも翻訳出版の計画があります。カエルと馬が躍動し美男美女が活躍する、チベットの民話を描いた、面白くも哀しい壮大な愛の物語。中国名「青蛙绿马」(中国原创绘本精品系列/唐 亚明 文、后藤 仁 絵/浙江少年儿童出版社、传世活字国际文化传媒有限公司・小活字)
 現在の混迷する世界情勢の中、このような昔から語り継がれてきた民話の中に、未来への希望が託されているように私は感じます。ぜひ、今の日本や中国や世界中の子供達・大人達に、この絵本を見ていただき、勇気・元気を出していただきたいと切に願っています。
 
2020年3月26日

 本日、新作絵本制作は、「第4場面」の彩色を進め、8割強完成といったところです。この場面は、色数が多いので大変です。
 中国向けの新作絵本『青蛙緑馬』はどうにかこうにか、色校正に至りました。とても良い絵本になりそうで、完成が誠に楽しみです~。

 しかしながら、新型コロナウイルスの影響は、画家にとっても甚大です。軒並み絵画講座が閉鎖され、フリーで活動している私のような作家は、息も絶え絶えです・・・。有給休暇も失業保険もなく、今月・来月の収入が途絶えれば、その先は食べてもいけません~。 ( ;∀;)
 しかし、描けば描くほど、画材が足りなくなるので、どうしても買わざるを得ません。金泥も雲肌麻紙も実に高い・・・。収入は微々たるものなのに、支出は大きい、・・・この矛盾は如何ともしがたき。とにかく取材旅行以外の贅沢を一切慎み、何とか6年ばかり続けてきた、被災地や海外の子ども達への地道な「絵本寄贈プロジェクト」も、今となっては不可能であるばかりではなく、このご時世では自身の首を絞める結果に・・・。実に悲しい事です。ビジネスに疎い清貧画家は、誠に厳しいのです~。

 ほとんど外に出ない分、制作ははかどり、発想はどんどん浮かぶのです。描きたい気持ち、描きたい題材は、山ほどあります。精神は極めて充実しているのに、現実生活が伴いません。世の中、案外、低俗な作品が評価され売れているというのに、妙なものです。良い絵を描けば描くほど、時間と精魂を込めれば込めるほど、貧乏は増し、生きていくのは厳しくなるばかりです。この画家の矛盾を、どなたか解決できないものでしょうか~。(;''∀'')
 もうやけくそです。ただひたすら、描きに描きながら、笑って逝きましょう~。 ヽ(^o^)丿 ワ~ィ

2020年3月29日

 中国の有名なポータルサイト・捜狐では、東京藝術大学が日本の美術大学の中で絶対的な高みにあると書かれています。東京藝術大学は、中国においても、日本の美術大学中では格別に知名度が高いのです。
 その東京藝術大学の著名卒業生として、かの有名な坂本龍一さん(音楽家)、村上 隆さん(現代アーティスト)、小田部羊一さん(宮崎 駿さんの同僚として「アルプスの少女ハイジ」「母をたずねて三千里」や、「スーパーマリオ」のキャラクターデザインを担当したアニメーター)と並んで、何故か私・後藤 仁(后藤 仁)が紹介されています。('ω')ノ

捜狐「这所学校学术地位在艺术类大学中处于绝对高度」
https://www.sohu.com/a/230594572_100053981
捜狐「纯干货 | 走进东京艺术大学,探秘日本艺术家的摇篮」
https://www.sohu.com/a/142080221_383564


2020年3月31日

 「北京青年報」という中国(中華人民共和国)の四大新聞とされる有力新聞(発行部数60万部以上という)で、私の作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(君島久子 文、後藤 仁 絵/岩波書店)が、日本を代表する名作絵本『王さまと九人のきょうだい』(君島久子 文、赤羽末吉 絵/岩波書店)とともに紹介されました。〈2015年3月27日号。その後、中国のニュースサイト各社に転載される。〉
 インターネットは情報が早くて便利なのですが、紙の記事と異なり、時間が過ぎると削除されるという難点があります。しかし、過去のネットデータを大量に保存するアーカイブサイトがある事を知りました。以下は「北京青年報」のアーカイブです。 

https://web.archive.org/web/20160913124139/http://epaper.ynet.com/html/2015-03/27/content_124071.htm?div=0 〈北京青年報/アーカイブ〉
https://web.archive.org/web/20160913124231/http://epaper.ynet.com/images/2015-03/27/B04/bjqnb20150327B04.pdf 〈北京青年報・PDFデータ/アーカイブ〉
http://news.ifeng.com/a/20150327/43425949_0.shtml 〈現在、北京青年報では配信終了、これは鳳凰网(鳳凰網)に転載された記事〉


2020年3月31日

【画家からの緊急提言】
 現在の日本・世界の経済状況は極めて深刻です。経済活動に支えられた文化・芸術・美術は、人の心を癒す最高の娯楽です。このままでは日本の世界の文化が衰退してしまうでしょう・・・。食料が大切なのは人は分かっていますが、つい文化・芸術・美術の大切さは日頃忘れがちです。しかし、人の生き方を彩り、豊かなものにしてきたのは、文化・芸術・美術に他ならないのです。
 それでなくても低迷していた日本の美術業界です。このままでは多くの画廊・画材店・書店 等がさらに倒産・閉鎖し、日本の文化・芸術・美術は急速に廃れるでしょう・・・。若い画家(私達、バブル期以降の中年画家も含む)ほど、絵が描けなく、食べていけなく、廃業する事になるでしょう・・・・。その中には、命を失う者もいる事でしょう・・・・。今は誰しも厳しい環境なのでしょうが、フリーランスで活動している画家もまた、実に厳しき現状なのです。

 ~食料はお腹を満たします。美術は頭と心を満たします。~ 

 幸い現在はネット通販も進歩しています。本当は原画を見ていただきたいところですが、当面、外出を控えないといけないのなら、今の所、ネットで買い物は可能です。本当に良い「絵本」は、子供から大人まで、自宅で楽しめる、身近にある最高の芸術・美術と言えます。
 できましたら皆様で、日本の芸術家・美術家を応援して下さい。実際に、本当に良い・深い内容の「絵本」を手に取って、人生の意味・・・、生きるとは何なのか・・・を、今一度、親子で、家族で、噛みしめていただけると幸いです。ぜひ、自宅にこもりがちなこの際に、私の「絵本」も手に取って、じっくりとご覧下さい。きっと何かしらの、心の恩恵・勇気・希望が感じられる事でしょう・・・。一絵描きからの切なるお願いです。

★ 後藤 仁 作画絵本『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店) ★
絵本『犬になった王子(チベットの民話)』表紙 小


岩波書店 公式サイト(児童書編集部)  
https://www.iwanami.co.jp/book/b254895.html

アマゾン(Amazon)公式サイト  
https://www.amazon.co.jp/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1-%E5%90%9B%E5%B3%B6-%E4%B9%85%E5%AD%90/dp/4001112426/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1473753383&sr=8-1&keywords=%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90

絵本ナビ 公式サイト 
https://www.ehonnavi.net/ehon/91533/%E7%8A%AC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%8E%8B%E5%AD%90%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E6%B0%91%E8%A9%B1/


2020年3月31日

 世相が悪すぎて、なかなか集中力が増さない中、何とか本日、新作絵本制作は、「第4場面」の20人ほどの人物を、ほぼ完成させました。しかし、あと15匹ほどの動物を描き起こさねばなりません・・・。もう一息なのですが、予定の今月中の「第4場面」完成は無理でした~。なれど焦らずに、できるだけ丁寧に描き上げようか~。
 私が絵を描く事は、生きる事・息をする事そのものでもあり、また祈りに近い感覚でもあります。しかし、まだまだ修行不足ゆえに、雑念が多くて、死ぬるまで描き続ける境地(即身成仏のような)には、なかなか至りません・・・。このコロナショックを何とか無事に乗り越えれた時には、感謝の意も込めて、もっともっと切磋琢磨して、命がけで画道に打ち込まねばなりませんね・・・。

2020年4月1日

 私は「日本画」の世界にて、かつては田淵俊夫先生や千住 博先生などの著名日本画家の原画・版画を扱う画商や、水木しげるさん・矢口高雄さん・中島 潔さんなどの著名マンガ家・イラストレーターの原画・版画を扱う画商など、複数の画商ともお付き合いし、百貨店などで活発に日本画展を開催した時期もあるが、いずれも理念薄き商売魂であり、右から左へと大量生産する売り絵の業態に完全には馴染めず、いずれも比較的短い付き合いであった・・・。

 明治時代、日本画の草創期には、優れた画商が若き日本画家を見込み育てた良き時代があると言う。その業界が発展期~爛熟期を迎えると、とかく利潤追求だけに走りがちな商人が増え、それに乗っかる模倣的・形骸的な作家が増え、その業界は停滞期~低迷期~衰退期を迎えると言う。
 日本画・油彩画等の純粋美術の停滞期の隙間を突いて、一気にマンガ・アニメが現代日本の美術文化の華となった。文化の草創期~爛熟期には特に優れた作家が輩出される。マンガの手塚治虫や水木しげる、アニメの宮崎 駿さんは周知の事実であろう。しかし、宮崎 駿さんも述べられているように、一つの文化の最高爛熟期はおよそ50年を越えないと言う。日本画は明治期以降、変遷を遂げながら、150年近く幾度となく頂点を迎えたのであるから、相当に長く生きた芸術であったと言える。しかし、バブル期以降、今はかなり厳しい時代に入った。時はCG・IT時代に突入し、もう既に日本画は衰退期に入っていると考えて間違いない・・・。
 日本の「絵本」の世界は、マンガ文化と相まって、戦後に急拡大した。今は爛熟期であろう。絵本の草創期には赤羽末吉さんや いわさきちひろ さん のような優れた作家が多く輩出された。しかし現在、爛熟期を迎え、模倣的・即物的な画家がとみに増え、下手なのか上手いのかよく分からない画家が増えた。理念なき商魂たくましき作家も増えている。

 仕事・・・プロであるからには、売らなければいけなくて、理念・理想だけでも良いとは言えないだろう。しかし商売だけでもダメであろう。その両立がなければ、本当に優れた仕事にはなり得ない。ただ私は、芸術思想を最優先させたい。
 時代の要求や運不運によって、優れた作品でも、時に売れたり売れなかったりするものである。私は「日本画」の世界では、運悪く、本当に共感できる画商に、今までついぞ会う事ができなかった。それ故、永年、貧乏画家に甘んじてきた。それで良いのだ・・・。
 画商は「絵本」の世界では、編集者、兼、出版社経営者に当たる。絵本の世界にて今の時点では、少ないは少ないが、数名は特に優れた編集者にお会いできている。日本の絵本界は現在、多分、停滞期に入っているが、まだ可能性が全く無いとは言えない。中国は高度経済成長は収まりつつあるが、絵本文化の高度発展はまだまだこれからであろう。(今回のコロナショックの影響がどう出るかは、まだ誰にも分からない。)
 上手くいくか否かは、時代と運次第であるが、自身が納得できる協力者と、精一杯の最善を尽くしたのなら、上手くいこうがいくまいが、何も悔いはなかろう・・・。大手を振って、笑いながら、この大道を行けば良い~。

2020年4月4日

「想像力と活力の糧に」 (後藤 仁 絵本寄贈プロジェクト/毎日新聞 掲載記事)
 今回の新型コロナウイルスや、地震・津波・火災などの自然災害が多発している今日。古代から連綿と人々に伝えられてきている昔話・民話には、人類の生きる英知・希望が込められています。家に閉じこもりがちな昨今、ぜひ、本当に良き「絵本」を親子・家族で読んでみて下さい。きっと、生きる勇気・元気・希望が感じられる事と信じています・・・。

https://mainichi.jp/articles/20180208/ddl/k07/040/082000c


テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

2020-03-08

或る清貧画家の苦悩の断簡 (日々のつぶやき まとめ)補遺

 これは画家の屁理屈であり、あくまで私の個人的な解釈でしかないのだが、人には言論の自由・思想の自由があるので、色々と思う所を言っておこう。

 人は誰でも生まれながらにして平等であり、貧富・行いの善悪の個人差こそあれ、人権上は貴賤・上下の階級差は一切ないと、一般論でも私もそう考えている。それが前提である。~~
 ただそれが「芸術・美術」になると、完全にそうとも言えないのである。スポーツ記録の上下があるのと同じである。私は中学時代には足が速く、校内マラソン大会にて、男子、約600名余りの内、1年生では学年1位(全学年総合3位)、2年生では総合1位になった。(3年生の時は運動不足で途中で競争をあきらめ惨敗だったが・・・。)しかし、市や府の陸上競技大会に出ると、私よりはるかに早い人が沢山いて、私はこの世界では全く歯が立たないと悟った。上には上がいくらでもいて、どうあがいても私の実力では太刀打ちできないのだ。
 「芸術・美術」もしかり。その世界は決して平等ではない。ただスポーツには客観的な記録がある。美術には完全な物差しはなく、そこには技術面以外に”思想・思考”や”個性”という、さらに重要な価値観が加わってくるので、その良し悪しの判断は、相当に難しい。ただ、それでも何かしらの良し悪し、上下の差があるのは確かだ。
 美術大学は比較的簡単である。日本画の場合はデッサン・着彩の技術力・描写力がその時点で高ければ受かる。芸術的に優れているか否かは、その時点では判断しようがない。それ故、そのレベルには明確な上下があり、一般的に客観的に競争率でランク分けされ、東京藝術大学は S だの、多摩美術大学・武蔵野美術大学は A⁺ だの、京都市立芸術大学は A だのと規定されている。しかし、そうであるからと言って、それが将来、作家(芸術家)としての上下であるとは全く言えない。ただ、大学受験での技術的な差でしかないし、その試験内容への向き不向きもある。
 私などは元来変人でもあるから、学生時代には進学への志向・価値観は全くなく、中学卒業後、すぐに画家か美術系職人になりたいと考えていた。ところが大阪市立工芸高等学校という美術高校がある事を知って、ここなら絵が描けるかなと思い、それだけで進学した。その後、大学など本来どうでもよかったが、東京藝術大学の卒業生には私が憧れる画家が沢山いるので興味を持ち、ここなら行ってみたいと、東京藝術大学一本で2浪して入学した。他の美大には全く興味がなかった・・・というか、大学という肩書には価値観がなかったのだ。ただ、よりレベルの高い環境で、絵を描きたかっただけである。しかし、いざ入ってみると、私が理想に描いたような絵を真剣に切磋琢磨する雰囲気も弱く、将来の上手い出世の仕方ばかりを模索する周囲の現状に失望して、藝大を2年間離れたのだ・・・・。

 絵の判断は実に難しい。しかし、漠然としたレベルの上下は必ずある。そうでないと、例えば、ミケランジェロや伊藤若冲のように、後世の人々までもうならせる絵を、容易に描けるとは到底思えない。簡単にあきらめる訳ではないが、私がどんなにあがいても、ミケランジェロや伊藤若冲にはなれない。現時点では芸術的レベルが格段に違うのだ。その事実を現代画家も受け入れて、謙虚に学びつつ、描き続けるしかない。
 現時点において絵の価格が高いから(絵本ならよく売れているから)、芸術的に優れているとも言えない。画商やコレクターや美術評論家などの思惑で、時代の流行・作家の社会的肩書などをふまえながら、価格は人為的に付けられているに過ぎない。時代と共にその価値観も大きく変動する。現時点で商売ベースに上手く乗りやすい作品が、高く取引されているに過ぎないのだ。
 美術団体展・公募展で賞を取ったから役員になったから、優れている作品であるとも一概には言えない。美術団体にはそれぞれの作品傾向があり、その審査員の好みや思考に合致しないと、評価されない。その一時代の審査員の感性が芸術・美術の完全形ではなく、多様な価値観の芸術品を一律に評価できる完全な物差しはない。例えば院展の場合、藝大を学部で卒業してもほとんど先生には付けなく、大学院を出て初めて先生に弟子入りが許され、院展での出世階段が登れるようになる。大学時代に既に将来のコースがほぼ決まってしまうのであるが、本当は、それが芸術的に完全に優れているという訳でもない。その形式化した出世構図により、師や先輩を模倣した個性のない作風が30年以上も変わらず続いているという弊害が現在大きく表面化している。
 つまり団体展に言える特徴は、まずは大作に向く作風、一目で気を引く強めの作風、全面的に間を空けずに描きこまれた作風、そして何を言っても審査員に気に入られやすい作風でないと受からないという事になる。(作品で判断しているのならまだ良いが、ほとんど人脈だけで合否が決っていく団体も多いだろう。)そんな訳で、私のような物語絵風で比較的繊細な作風、独特で個性的な感性の作風は、現在では評価されにくい。私は元々、現在の美術団体展には不向きであり、期待もしていないのだ。

 芸術・美術の評価とは、このようにして誠に難しい。ただ、趣味の範囲で描く分には、一切、上下も良し悪しもなく、好きで描くのが一番良いと常々私は言ってきている。しかし、プロというか、人生を芸術に捧げた者に関しては、必ずそこには良し悪し、上下があり、世間の評価もつきまとう。
 ただ一つはっきり言える事は、本当の良い作品は、必ず人に何かしらの大きな”感動”を与えるのではないかと思う。他者の心を揺さぶり、動かすのだ。それがなければいくら技術的に上手かろうが、評価されようが、肩書が凄かろうが、本質的に良い作品とは言えない。プロ画家には、そこそこ上手くても、感動がない絵が結構多い。いわゆる上手下手(ウマヘタ)である。逆に、純粋美術にも絵本美術にも、下手上手(ヘタウマ)っぽい絵も案外多いが、その中で本当に優れた作品は、実際はごく少ない。一番優れているのは、上手上手(ウマウマ)であるが、それは例えば、先程言ったようなミケランジェロや伊藤若冲など、歴史的なごく一部の作家にしか当てはまらない、極めて高いレベルの作品を指す。
 つまり作家は、現世においての人の評価など、気にしても仕方がないという事なのだ~。それにより画家人生が大きく左右されるが、それもまた時の運。画家人生を一生かけて、誠心誠意、切磋琢磨して描き続ける事しか私にはできない。それが現世、評価されようがされまいが、死後、評価されようがされまいが、一絵描きにはあずかり知らぬ事。ただ、今、心を込めて描く事に集中できれば、それで良いのだろう・・・・。

 絵師(日本画家・絵本画家) 後藤 仁

テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

後藤 仁 プロフィール

後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)

Author:後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)
~後藤 仁 公式ブログ1~
日本画家・絵本画家 後藤 仁(GOTO JIN/后藤 仁)の日本画制作、絵本原画制作、写生旅行、展覧会などのご案内を日誌につづります。

 〔後藤 仁 略歴〕
1968年兵庫県赤穂市生まれ。15歳、大阪市立工芸高校 美術科で日本画を始める。東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業、後藤純男先生(日本芸術院賞・恩賜賞受賞者)に師事。在学中より約12年間、旧岩崎邸、入船山記念館、孫文記念館(移情閣)等の金唐革紙(手製高級壁紙)の全復元を行う。卒業以降は日本画家として活動し、中国・インドをはじめ世界各地に取材した「アジアの美人画」をテーマとする作品を描き、国内外で展覧会を開催する。近年は絵本の原画制作に力を入れる。
○絵本作品に『ながいかみのむすめチャンファメイ』(福音館書店)、『犬になった王子 チベットの民話』(岩波書店)、『わかがえりのみず』(鈴木出版)、『金色の鹿』(子供教育出版)、挿絵作品に『おしゃかさま物語』(佼成出版社)。『犬になった王子 チベットの民話』は、Internationale Jugendbibliothek München ミュンヘン国際児童図書館(ドイツ)の「The White Ravens 2014/ザ・ホワイト・レイブンス 国際推薦児童図書目録2014」に選定される。NHK日曜美術館の取材協力他、テレビ・新聞・インターネットサイト等への出演・掲載も多い。
○東京藝術大学デザイン科 非常勤講師、元 東京造形大学 絵本講師。国選定保存技術 金唐革紙 製作技術保持者。日本美術家連盟 会員(ご推薦者:中島千波先生)、絵本学会 会員、日本中国文化交流協会 会員、この本だいすきの会 会員。千葉県松戸市在住。

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絵:後藤 仁 /文:君島 久子 /出版社:岩波書店絵本ナビ


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